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【インタビュー】国際バカロレアで満点。そのヒトとは? 岡庭晴さん

【インタビュー】国際バカロレアで満点。そのヒトとは? 岡庭晴さん

国際バカロレアのディプロマの試験は、45点満点。世界の平均点が約29点。その国際バカロレアで満点は、たった0.35パーセント。国際バカロレアの特徴は、全人教育です。すなわち成績だけではなく、人格としても国際バカロレアの採点基準で満点という評価をされた人物とは?


国際バカロレアのディプロマの試験は、45点満点で、世界中の平均点が約29点。

 その国際バカロレアの0.35パーセント以上が、45点満点を取る。
 国際バカロレアの特徴は、全人教育と呼ばれる人格面でも育てる教育ということ。

 すなわち成績だけではなく、人格としても国際バカロレアの採点基準で満点という評価をされた人物となる。

 岡庭さんは、そのなかでも全体の0.35パーセントの45点満点で国際バカロレアのDPを取得。
 世界基準の学力だけではなく、リーダーシップや奉仕精神、知識の習得を身につけた人物とはどのような人物なのか?

 また、そのような人物は、これまでにどのような教育を受け、今、何を考え、将来どのような夢を持っているのでしょうか?

 現在、東京大学の文科二類で学んでいる岡庭晴さん。

左から筆者、岡庭さん、コラムニスト藤田さん

 日本と海外の両方の教育で学び、2013年 英国の名門インターナショナルスクールで国際バカロレアのディプロマ資格試験において45点でディプロマを取得。

 大学生であり、社会起業家としての岡庭晴さんにインタビューをお願いしました。

―――タイムズ:今回は、タイムズのインタビューに応じていただき、ありがとうございます。今回、最初に聞きしたいのが、岡庭さんの育った背景です。岡庭さんは、どのようなご家庭で育ったのでしょうか?

岡庭:両親ともに日本人で、父は主に英語を使う仕事だったため海外へ駐在することが多かったです。
国でいうと米国、ザンビア、日本、インドネシア、英国と海外が長かったですね。

岡庭さんの海外駐在国


生まれ:米国(ニューヨーク)
幼児期:米国(ニューヨーク)とアフリカのザンビア
小学校:日本(東京)
中学校:インドネシア(ジャカルタ)
高校:英国(ロンドン)

―――タイムズ:大陸さえまったく違う国で育ったのですね。大変でしたね。

岡庭:そうですね。文化の違いがあるので、大変でした。幸いだったのが4歳から小学生時代をしっかり日本で過ごせたことです。

―――タイムズ:ちなみに小学校は、私立などの小学校だったのですか?

岡庭:いいえ。普通の公立小学校です。公文にも通っていました。

―――タイムズ:ランドセルを背負った普通の小学生が目に浮かびます。そうすると日本で学んだ小学生以降の海外駐在経験がキーポイントになっていそうですね。インドネシアと英国の中学・高校時について伺えますか?

岡庭:インドネシアで大きなカルチャーショックを受けました。ジャカルタには、世界に名だたるブランドの高級品が並ぶモールのすぐ横にスラム街がありました。

 私は、その光景にショックを受けましたが、インドネシアの人々にとってそれは見慣れた光景なんです。
 スラムが日常にあることに社会の格差を感じました。

―――タイムズ:ちなみに国際バカロレアで学んだのは、いつからですか?

岡庭:ジャカルタのインドネシア日本人学校に転校してからなので中学2年生の時です。
そこから国際バカロレアの学び方が大変なことは多かったですが、大好きになりました。

国際バカロレアのディプロマの勉強について

―――タイムズ:インドネシアの日本人学校から英国のインターナショナルスクールに転校されました。そこで国際バカロレアのミドルイヤーズプログラムとディプロマ課程で学ばれました。国際バカロレアのディプロマ課程は、2年間を全力疾走する知力体力の厳しい教育といわれますが、岡庭さんの実感を教えてください。

岡庭:2年間はとても楽しかったです。いわゆる学ぶことが楽しい時間でした。

―――タイムズ:学んで面白かったディプロマ課程。ちなみに岡庭さんが選んだ科目を教えてください。

岡庭:日本語文学(HL/上級レベル)、英語文学と言語(HL/上級レベル)、地理(HL/上級レベル)、物理(SL/標準レベル)、数学(SL/標準レベル)、美術(SL/標準レベル)です。

 日本語は母語として文学分析を学べるので良かったです。

 美術では絵を描くのが好きだったので、熱心に課題をやっていました。

岡庭さんのディプロマ選択科目

グループ1 第1言語 (母語):日本語文学 (HL/上級レベル)
グループ2 第2言語 (外国語):英語文学と言語 (HL/上級レベル)
グループ3 個人と社会:地理 (HL/上級レベル)
グループ4 実験科学:物理 (SL/標準レベル)
グループ5 数学とコンピューター科学:数学 (SL/標準レベル)
グループ6 芸術又は選択科目:美術 (SL/標準レベル)

―――タイムズ:選んだ科目のなかで岡庭さんの人生と変えた科目というと大げさかもしれませんが、自分の人生に大きな影響を与えた科目を教えてください。

岡庭:地理です。地理は、自分の学びたいこと、知りたいことなど最も自分に影響を与えた科目です。

 スラムとショッピングモール、開発途上国の発展、国連のレポートなど自分の興味にあてはまりました。

 その背景には、インドネシアなど途上国で高層ビルの前にあるスラムなどを体験していたことがあります。

 地理の学びはその疑問に答えを導く学習でした。そして、今の私の夢につながっています。

岡庭さんのノート。科目とスケジュールが明確です。

―――タイムズ:なるほど。地理でそれまでの人生経験と考え方などが融合したのですね。話を少し変えて、ちょっと意地悪な質問をするのですが、国際バカロレアもやはりいろいろな意味で当たりハズレのようなものってあるように思うのですが…

岡庭:そうですね、クラスや先生によっては成績に差が出ます。

 例えば、その科目を受ける生徒の意識や学び方への意欲や、先生の教えかた・授業外でのサポートで大きく違います。

 その意味で、当たりハズレというのはありますね。

国際バカロレアのディプロマの3つの要件

―――タイムズ:国際バカロレアのディプロマ課程では3つの要件があります。それを順に教えてください。Extended Essay(EE:課題論文)では、何を題材として選びましたか?

岡庭:地理の先生に顧問になっていただき、コンビニの分布についてまとめました。

―――タイムズ:ロンドンの高校に通いながら、どうやって東京都心部のコンビニの分布について調べたのですか?

岡庭:夏休みに東京に一時帰国した時に調査をしました。永田町、四谷、赤坂見附の出店についてまとめたのですが、最初に仮説をつくります。
 
 ちなみに私の仮説は、次の3つでした。
  ①駅の出口の近くに集積している。
  ②レストランの少ないところに開店する。
  ③運送のため大きな通りの近くに店舗がある。

 仮説を導き出したので、今度は、検証です。

 暑い盛りでしたが、駅からの距離やコンビニの店の前で来店人数や客層などを計測しました。

 検証後、今度は、考察として課題論文にまとめました。
 ちなみに私の課題論文で証明されたのは、①でした。

*編集部注:当時の分析であり、現在のコンビニの出展と同じとは限りません。
―――タイムズ:てっきりコンビニは、大通りにあると思っていました。岡庭さんの張り込み学習の賜物ですね笑。
 次に3つの要件のTheory of Knowledge(TOK:知識の理論)ですが、何を選びましたか?

国際バカロレアのディプロマの時間割り。

岡庭:IB によって指定される複数の問いからふたつの学問領域を選んで、Ways of Knowningの有効性を考えました。

 TOKの授業では、広く学問領域と知るために手法を含め、哲学的な思考を踏まえ、学んでいきます。 授業では、ひとつトッピックを決めて、プレゼンはテーマを決めていきます。

 トッピックは、いろんなジャンルにあり、例えば、歴史認識の真実はあるのか?ないのか?
 数学と美術の接点、人のバイアスは、どのようなところにあるのか?

 人文科学、自然科学とはどう違うのか?などいろんな物事、事象を批判的に分析しながら、知識を養う力を育てました。

―――タイムズ:3つ目のCreativity/Action/Service(CAS:創造性・活動・奉仕)では何をされましたか?

岡庭::時間規定の倍以上の課外活動をしました。学校では、生徒会副会長を勤めました。また、寮生活だったので、下級生に英語を教えたり、学内イベントでチームリーダーをしました。

 The National Honor Society (NHS)、起業プログラムである、ヤングエンタープライズにも活動しました。

 また、学校外では、夏休みに米国のジョンホプキンス大学のプログラム、地域のダンスコースなどに参加しました。

ジョンホプキンス大学のCenter for Talented Youthのサマープログラム。選ばれた人のみが参加できるプログラム。
http://cty.jhu.edu

岡庭さんの学習の方法と進路選択

―――タイムズ:CASでも学校内外で幅広く活躍されていたのですね。英国だけではなく、夏休みの日本帰国時や米国のサマープログラムなど様々なことに興味を持っていたのですね。そのような課外活動を含め、岡庭さんは学んでいくなかで心がけていたことがあると思います。学ぶ上でこころがけていたことを教えてください。

岡庭:授業では、とにかく「質問をしよう」と心がけていました。
 なぜならば、質問が間違っていたとしても、先生から間違った部分を教えてもらえるからです。

 質問をしなければ、間違った部分も指摘されません。質問をして、(先生に)指摘をしてもらい、さらに質問をする。その流れを作り出そうと考えていました。

―――タイムズ:質問もいろんな質問の仕方があると思います。岡庭さん的な質問方法とは?

岡庭:そうですね、やはり良い質問を投げかけるコツがあると思います。
質問の方法としては、時系列での質問、矛盾に対する質問などがあると思います。

―――タイムズ:なるほど。

英国の学校から日本の大学へ

―――タイムズ:英国の高校で国際バカロレアで学ぶなかで進路について考えていたと思うのですが、なぜ、日本の大学を選ばれたのですか?

岡庭:いろいろな理由がありました。実家が日本にあったこと、海外の大学にいくと授業料が高いこと、両親が日本の大学を勧めたことなどが挙げられますね。

 また、現実的なところでは、海外の大学に進学していると卒業後のビザの関係、医療保険、就職と不利な部分があります。

 総合的に考えて、日本の大学に進学しようと考えました。

―――タイムズ:そのなかで受験と大学の選択について教えて下さい。

岡庭:私は、東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学を帰国生入試で受験しました。

 帰国生入試では、志願後に書類選考があるのですが書類選考では、3年間の成績やTOFELのスコア、推薦状などを提出しました。

 その後に、小論試験、英語試験等と面接がありました。

―――タイムズ:そして、東京大学に進学されたのですね。大学で学びながら、今後、岡庭さんはどのような分野で活躍したいと思っていますか?

岡庭:「人がもっと幸せになったいいな」という思いを実施していくことを考えています。それは、 ボランティアではなく、仕組みから(政策などから)つながることを目標としています。

 特に貧困問題、社会保障制度から落ちこぼれていく現状を解決していきたいと考えています。そのためには、課題を解決するために資金的にも組織的にも持続可能な仕組みを作りたいと思います。

 例えば、社会保障制度も活動資金を政府から援助をもらうのが一般的です。

 しかし、持続可能で循環する仕組みを自立した組織として作ることで継続的に課題を解決することができます。そのためのコツをビジネスの中から学ぶ必要があると考えています。

岡庭さんからのメッセージ

―――タイムズ:最後にメッセージをお願いします。

岡庭:発言をしてもいいんだよ、というマインドセットは、日本の学校でも、ジャカルタ日本人学校やインターナショナルスクールでも学びました。

 日本人と米国人の話すスピードが違うのもありますが、やはり、日本では意見を述べる人を受け入れにくい雰囲気を感じます。

編集後記

「行きたいところでやりたいことができるようになりたい」。シンガポールやアメリカなど優秀なひとが集まるところで学んでみたい。いろんなひとがいて、優秀で、起業などいろんなひとがいるから得だと思う」と岡庭さん。
 今は、インドやシンガポール、アメリカに留学したいと語ってくれました。また、海外のなかではインドネシアが一番好きな岡庭さん。
 「ここ(東京)にいると批判すること、質問すること、政治的に発言することなど日本ではなまるなぁ。と感じる」という発言に彼女の行動力とスピードに日本社会が遅すぎるのではないだろうか、と感じます。
 そして、優秀な人材ほど行動力があり、実行する力があるので閉鎖的な国内ではなく活躍のフィールドを海外に求めるのだと感じました。
 岡庭さん、お忙しいところありがとうございました。

岡庭さんと筆者(右)。ありがとうございました!

この記事の記者

都内でインターナショナルスクールを運営した経験から現場の目線と記者としての目線で記事を書いています。

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