カリフォルニア大学の教員陣がSAT試験・ACT試験の再導入を望む理由

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カリフォルニア大学は2020年にSAT試験とACT試験のスコア提出義務を廃止しましたが、それ以来、新入生の数学の基礎学力は急激に低下しました。現在、1,350人以上の教員らがSTEM専攻に関してこれらの試験の再導入を求めています。

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カリフォルニア大学、入学選考からSAT試験とACT試験を外す

SAT試験とACT試験は、米国の大学が数十年にわたって入学選考で採用してきた標準化テストであり、カリフォルニア大学(UC)では1968年以来、志願者にスコアの提出を求めていました。

その状況は2019年12月に変わり始めます。学生たちや公民権団体、コンプトン統一学区が一団となり、UC理事会を提訴したのです(Kawika Smith v. Regents of the University of California訴訟)。原告側は、SATやACTを義務づけるのは、人種や経済力や障がいによって学生を差別することになると主張しました。

2020年5月、UC理事会はこれらの試験を段階的に廃止することを決議しました。UC独自の大学評議会による標準化テストタスクフォース(Academic Senate Standardized Testing Task Force (STTF))、すなわち、この問題について1年間かけて調査したうえでこれらの試験を採用し続けるよう勧めていた教員陣の提言に反してのことでした。このタスクフォースは、スコアが大学での成功を予測するものであり、訴訟での主張とは反対に、不利な境遇にある学生にとってはより役立つと考えていたのです。

試験のスコアは、すべての人口動態グループおよび学問分野において予測力をもっている[中略]実際、試験のスコアは、過小評価されているマイノリティ(Underrepresented Minority students (URM))の学生、大学第一世代の学生、または低所得家庭の学生に関して、より優れた成功予測因子である。

出典: UC Academic Senate Standardized Testing Task Force (STTF) Report, January 2020

訴訟の間、カリフォルニア州の裁判所はUCに対し、スコアの使用を全面的に停止するよう命じ、2021年5月に両当事者は和解に達しました。合意書では、UCが放棄した内容について明記されています。

2021年秋期から2025年春期までに入学を申請する学生について、カリフォルニア大学(「UC」)のキャンパスはいずれも、入学許可を出すかどうかを判断する際にSATおよびACTのスコアを考慮しない。学生が提出した場合であっても、SATおよびACTのスコアは入学選考担当者に提供されない。

出典: Smith v. Regents of the University of California, Settlement Agreement (2021)

それ以降、UCは入学選考でそれらの試験を考慮していませんでした(test-blind)。UCは、それらの試験が不公平だと認めることなくこの訴訟を和解させ、この合意は2025年春期までに限って有効であり、その後UCがどうするかは未定でした。

新入生にみられる、大学レベルの数学を学ぶための基礎学力の低下

この変更の結果、支持者たちが予想していたことが起きました。志願者数は増えました。カリフォルニア州内からのUCへの志願者数は、2020年では約99,000人でしたが2024年には約117,000人に増加しています。その増加の大部分は、試験の利用なしで行われた最初の入学選考サイクルである1年間で起きました。

同時期に、教員らは学生の基礎学力の低下を報告しており、それは数学において最も顕著でした。UCサンディエゴ校のワークグループはこの問題について調査し、2025年11月の報告書の冒頭で次のように述べています。

2020年から2025年の間に、数学のスキルが高校生レベルに満たない学生の数はほぼ30倍に増加した。さらに、そのうち70%は中学生レベルにも達しておらず、これは新入生のおよそ12人に1人ということになる。

出典: UC San Diego Senate-Administration Workgroup on Admissions, Final Report (November 2025), Executive Summary

このキャンパスで最も基礎的な数学コースの登録者は、2021年以前には新入生クラスの1%未満でしたが、2025年にはほぼ12%に増加し、900人を超えました。

学力不足の程度を見るため、数学科ではその学生たちに対し、カリフォルニア州の小学校および中学校の基準に基づいて作成された試験を実施しました。内容の学年レベルが上がるほど、成績は一貫して低下しました。

報告の一環として、数学科ではこの学生たちを直接指導する複数のチューターへのインタビューも行いました。高校の微積分を修了していた者が補習の算数のクラスに入れられるようなことがどうして起こり得るのかについて、報告書には次のように述べられています。

このチューターは、数学2の学生の中に微積分入門や微積分のクラスに合格できた者がいるということに衝撃を受けている。彼の推測では、おそらく彼らの多くは高校の数学の授業でAIやオンライン計算機器にかなり頼っていたのではないかとのことである。

出典: UC San Diego Senate-Administration Workgroup on Admissions, Final Report (November 2025), 補習数学のチューターへのインタビュー(2025年7月)

その影響は後に学位課程でも現れました。最も基礎的な補習コースに入れられた学生は、その後の微積分クラスで不合格、履修中止、または履修取消となる割合が約24%~41%であり、報告書では、彼らのうち工学の学位を取得するまで進んだ学生はごくわずかであったと指摘しています。

UCサンディエゴ校は最も深刻な事例でした。その一因は、他のキャンパスよりも速いペースで、リソースが不十分な高校からの入学が拡大していたことにありました。この傾向は1つのキャンパスに限られたことではありません。他のUCキャンパスも、大学レベルの微積分入門を始められない学生の数が5年間で2倍または3倍になったと報告しています。

UCバークレー校では、教員による別の調査から、深刻な基礎学力不足の状態で入学する1年生の微積分履修者の割合が、2021年には約18%でしたが2023年には31%に増加し、クラスのほぼ3分の1に近くなっていることがわかりました。

バークレー校の調査では、微積分を履修する新入生を、8つの前提知識のテーマのうちいくつを習得していたかによって分類しました。2021年には、8つすべてを習得しているグループが最大でしたが、2023年までには、1つも習得していないグループが最大になっています。

サンディエゴ校のワークグループの主張によれば、中核となる問題は、SATがなければ、志願者が実際に大学レベルの学業をこなせるかどうかを測るための信頼性・比較可能性のある指標が大学にはないことだそうです。そして、これは2020年当初のタスクフォースが予測していた結果でした。

1,350人以上の教員らがSTEM志願者に関してSATとACTの再導入を求める

このワークグループは、自分たちの入学選考プロセスに対する改善案を提案するだけにとどまりませんでした。メンバーの過半数はUCの体制に対し、標準化試験について直ちに再検討するよう求め、UCが採用しなくなったそれらの試験の価値を改めて指摘したのです。

20年以上の間、数学科では、利用可能なすべての学生データの中で、数学プレースメントに関する最良の予測因子はSAT(数学セクション)のスコアであり、ACTスコアも同じく優れた予測因子であると考えてきた。

出典: UC San Diego Senate-Administration Workgroup on Admissions, Final Report (November 2025)

最近の取り組みはさらに踏み込んでいます。公開状で、UCの数学やSTEMの教員陣は、2027年の入学選考サイクルから、STEM専攻の志願者に対してSATまたはACTの数学のスコア提出を求めるよう、大学に要請しました。現在までに1,350人以上の教員がこれに署名しています。

我々は、2027年の入学選考サイクルから、STEM専攻の志願者に対してSAT/ACTの数学要件を復活させることを求めると共に、これらの専攻に影響する基礎学力の基準および入学選考実務について、STEMの教員による監督を求める。

出典: Open Letter from UC STEM Faculty (2025)

この公開状は、試験に反対していた元の主張についても触れています。かつて、これらの試験は公平性への障壁と表現されましたが、教員陣は反対のことを主張しています。

SAT/ACTの数学要件は、公平性への障害ではなく、むしろ、公平性の前提条件である。準備不足について測らないことは、障壁を取り除くことではなく、障壁を教室へ移すことであり、そうなれば障壁を克服するのはいっそう難しくなる。

出典: Open Letter from UC STEM Faculty (2025)

この公開状の焦点は主に数学要件にありますが、その根底にある懸念はもっと広範なものです。サンディエゴ校の報告書は、ライティングや読み書き能力についても、全国的に低下していると触れつつ懸念として指摘しました。また、UCがライティングや言語スキルについても、より良い入学選考上の指標を開発することを推奨しました。今のところ、この動きはエビデンスが最も明確な数学に重点が置かれています。

再検討しているのはUCだけではありません。ブラウン大学、イェール大学、MITなど、パンデミック中に試験の採用を止めたいくつかの大学は、後に試験を再導入しています。MITはさらに、UC独自のタスクフォースによる分析を再現し、高校の成績だけでは十分ではないと結論づけました。

現時点では、正式には何も変わっていません。今でもUCは上記試験を考慮していません。現在、その判断はBoard of Admissions and Relations with Schools(BOARS)、すなわち入学選考について理事会に助言する教員組織に委ねられています。BOARSは2026年6月30日までに方針のロードマップを作成すると見込まれています。依然として、いかなる新たな要件にも理事会の承認が必要なため、教員側が望む2027年というスケジュールを満たすことは難しいかもしれません。というのも、2026年8月に次の出願サイクルが始まるからです。

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ジェレマイヤ・イェ

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