吉祥寺学園 27年4月にインターナショナルスクールと国際コースを開設へ

School yard
吉祥寺学園が2027年4月、一条校のインターナショナルスクール初等部を開設。英語イマージョンの「インターナショナルスクール」と日本語重視で英語を強化する「国際コース」を同一キャンパスで展開。隈研吾氏設計の校舎、スペシャルニーズクラス、海外進学後3年間の復学保証制度も特徴。

吉祥寺に私立のインターナショナルスクールが開校へ

英語の幼児園のプリスクールで学ぶ幼児が増え、英語で小学校も学びたい、というニーズが増えてきました。

その一方で、英語で学べる小学校は極めて少なく、またインターナショナルスクールの多くが義務教育ではないため、保護者の多くが悩んできました。

英語環境には魅力を感じるけど、日本語の読み書きや思考力はどう育つのか。英語がまだ十分でない子どもでも、国際教育への道はあるのか。

2027年4月 吉祥寺学園インターナショナルスクール初等部が始めるのは、こうした問いに対する一つの答えです。

一条校×インター教育

同校は都内でも稀有な一条校のインターナショナルスクールとして誕生します。

学校教育法第一条に定める学校として、日本の学習指導要領に基づく基礎学力と、学校生活の約7割を英語で実施するイマージョン環境による国際教育を融合させた、12年間の一貫教育を提供します。

最大のメリットは日本の小、中、高の卒業資格が得られることです。

同校は、英語イマージョンで学ぶ「インターナショナルスクール」と日本語での思考力を土台に英語を集中的に学ぶ「国際コース」を同時に開設します。

では、インターナショナルスクールと国際コースは、どのような違いがあるのでしょうか。

インターナショナルスクールは、算数、理科、体育、図工など、多くの授業を英語で行う英語イマージョン型です。

英語を教科として学ぶのではなく、英語「で」考え、理解し、表現することを目指します。

一方、国際コースは、国語、算数、理科、社会などを日本語で深く学びながら、英語を週7時間、年間245時間学びます。

英語「で」学ぶ前に、英語「を」しっかり身につけるコースです。

一般的な小学校1年生の英語授業が年間35時間程度であることを考えれば、その授業時数は約7倍にあたります。

英語を主な学習言語にするのがインターナショナルスクール。

日本語での理解と思考を固め、その上で英語力を高める国際コース。

子どもの将来や英語に対する家庭の考え方に応じて、二つのコースが選べます。なお、これらの二つのコース以外に、特性を持ったお子様向けに、スペシャルニーズクラス(国際コース)が開設されます。※詳細は以下に記載しております。

同じキャンパスで学ぶ、二つの国際教育

注目したいのは、二つのコースが別々に運営されるわけではないことです。

施設、生活スケジュール、学校行事を一つのキャンパスで運営されます。

同校が目標として掲げるのも、単なる語学習得ではなく、「自分の頭で考える」力だといいます。

吉祥寺学園インターナショナルスクールの林 武宏校長は、学校づくりの根底にある思いをこう語ります。

「本学園が教育理念として最も大切にするのは、“自分の頭で考える”力の育成です。本校の生徒たちにはいずれかの段階で海外に出て欲しい。また、アジア全体の教育の中で、継承の手本となるような理念を作っていきたい。自分の頭で考えて行動し、それを動かしていく。そういった人材を育てることが土台にあります」

英語と日本語の両方で論理的に考えること。知識を覚えるだけでなく、つながりとして理解し、応用すること。自ら問いを立て、探究し、根拠を持って自分の考えを伝えること。

こうした力は、海外大学進学を目指す子どもだけに必要なものではありません。

総合型選抜入試が国公私立大学で広がるのも、自分で問いを立てられ、実行できる人材が重要だからです。

英語到達レベル CEFR B1・英検2級相当

同校の二つのコースのアプローチは異なりますが、ともに「コモンコア州基準」を導入し、学年ごとに同じ目標を目指していきます。

国際コースは小学校卒業時には、英検2級を目標にしています。

インターナショナルスクールについては、初等部卒業時には「英検2級以上」を目標にしています。

英語を早くから身につけたい家庭、プリスクールや英語学童で培った力を生かしたい家庭、そして英語はこれからだが将来は海外進学も視野に入れたい家庭。

国際教育を選ぶ子どもたちの出発点は、一人ひとり異なります。

二つのコースは、その違いを前提にした設計といえます。

更なる高みを目指す放課後TOEFL対策コース

国際コースには、更なる英語力向上のためのアフタースクール(下校時から18時まで)として外国人教員による英語に特化したカリキュラムを準備しています。

英語でのプレゼン能力向上、英語力の強化及びTOEFLのスコアUPを目標として、週5回もしくは週2回を選ぶことができます。また、週1回の算数/数学検定対策コースも用意されます。

この放課後プログラムを日中の英語カリキュラムとセットで取り組むことで、母語(日本語)による深い思考力を担保しながら、インター生と同じ高い到達目標を確実に実現へと導きます。

交通至便な立地 車での送迎も歓迎

吉祥寺という交通アクセスの良い閑静な立地も、同校を選ぶメリットとして挙げられます。

都心部から高速を利用してお車で通学される場合でも、電車やバスを乗り継いで通学される場合でも、アクセスが良い点は大切なポイントです。

また、同校では、お子様の『絶対的な安全』と、保護者の皆様の『貴重な時間(タイムパフォーマンス)』の双方を最優先に考え、学校敷地内に、18台が同時に停車できる広い車寄せ駐車場を完備します。

近年、通学路の安全性が問われる中、大切なお子様を外部の脅威から守り、ドア・トゥ・ドアで校舎へお迎えする体制を整えています。

世界的な建築家・隈研吾氏デザイン設計

校舎は、最近では本年4月にプリツカー賞受賞者や英国のサーの称号を持つデザイナーたちを抑え、大英博物館と並ぶロンドン・ナショナル・ギャラリーの新棟設計を受託した世界的建築家・隈研吾氏が設計、デザインを担当。

外資系高級ホテル並みの校舎や教室が、子どもたちの感性と創造性を豊かに育む特別な空間として広がります。

一流の多国籍教職員・外部講師陣

新しく開設するインターナショナルスクールですが、すでに同校には、アメリカ・カナダ・オーストラリアなど多国籍の優秀な教職員が集結。皆、都内の有力インターナショナルスクールなどでの指導経験豊富な、高い専門性をもつ教師陣です。

また、スポーツ・音楽・文化の一流講師が、幼少期より「本物」に触れる刺激を提供します。同校では、テニス、スキー、アイスホッケー、ゴルフなどのスポーツを、海外の同世代と打ち解けるためのコモンランゲージとして実施していきます。

テニスでは、元全日本選手権優勝者4人(元世界ランキング36位、日本プロランキング2位、3位)を含む元プロテニス選手のコーチが8人います。スキーでは、アルペンスキーの元オリンピック委員、ミラノオリンピックの男子回転日本代表選手のヘッドコーチの就任も決まっているそうです。

海外へ進むことも、戻ることも支える

同校は、国内外の大学進学に加え、海外ボーディングスクールへの進学も支援する方針です。提携する米国公認コンサルタントによる進学サポートを活用し、学校選び、推薦状、エッセイなどを含めて支えるとしています。

特徴的なのは、海外進学後も最長3年間の在籍・復学を認める制度です。海外へ進むことは、子どもにとって大きな挑戦です。

学校や生活環境が合う場合もあれば、途中で進路を見直すこともあります。挑戦を後押しすると同時に、戻る場所も残しておく。

編集部には、進学相談も寄せられますが、意外と多いのが海外の学校に進学し、うまく合わずに帰国するケースです。

この場合、帰国する時期が年度の途中で、さらに心身ともにダメージを受けている場合があります。

生徒が帰国しても受け入れてくれる学校がなく、苦労することがあります。

吉祥寺学園の最長3年間の在籍・復学を認める制度は、海外に挑戦する生徒を応援し、万が一、帰国する場合も学校が席を確保し、学び続ける環境を保証する仕組みです。

海外進学を特別な片道切符にしないための配慮といえます。

日本の学校に残ることも、海外へ進むことも、どちらかが正解というわけではありません。子ども自身が成長の過程で選び直せることが大切です。

国際教育を選ぶ家庭にとって、進路変更も含めて相談できる学校であることは、実際には大きな安心材料になります。

圧倒的な合格実績・中等部

様々な進路変更の全てに全面的なバックアップを約束する同校の方針。

「たとえ進路を国内他校に切り替えたとしても私たちはその決断を尊重し、最後まで歩みを支え続けます」と林校長は語ります。

現在、吉祥寺学園中等部(普通部・小金井キャンパス)の校長も務める林校長ですが、その中等部では少人数の習熟度別の学習を丁寧に行い、毎年、約8割の生徒を第一志望の高校へと導いています。昨年度はSS70以上の合格は44パーセント。

クラスの半数近くが、筑駒、お茶の水女子、慶應、早稲田、都立日比谷、西など、偏差値70以上の難関校合格を果たすという驚異的な進学実績を誇ります。

こうした個別最適な学びのノウハウは初等部インターナショナルスクールでも活かされることでしょう。

「インターか、従来の小学校か」を超えて

これまで、国際教育を考える家庭には、インターナショナルスクールか、従来の私立・公立小学校か、という選択がありました。

しかし近年は、その間にさまざまな学校が生まれています。

学習指導要領を基盤にしながら英語イマージョンを行う一条校、英語教育を大幅に強化した国際コース、国際バカロレアやケンブリッジ国際教育を導入する学校などです。

吉祥寺学園の取り組みも、こうした「ほぼインター」とも呼ばれる新しい学校群の動きの中にあります。

ただし同校の特徴は、英語イマージョンを選ぶ子どもと、日本語での思考を重視しながら英語を伸ばす子どもの両方を、同じキャンパスに受け止めようとしている点です。

さらに、同校には真のダイバーシティを体現するため、国際コース内にスペシャルニーズクラスも新設されます。兄弟がインターナショナルスクールに通われている中で、特性があるために英語教育を諦めざるを得なかった家庭にとっても、お子様の可能性を狭めない新たな選択肢となります。「誰もが自らの可能性に挑戦し、自分らしく学べる」という喜びを、ご家族の皆様とともに分かち合える環境が用意されます。

独自の優れた視点や突出した強み(Giftedの側面)を持つ子どもたちの個性を尊重し、国際コースのカリキュラムをベースにしながらも、一人ひとりの特性やペースに応じたきめ細かなアプローチで、日々の学習や学校生活の困りごとも丁寧にサポートされます。

林校長は、過去の学校のあり方にそのまま乗るのではなく、新しい教育をつくりたいと話します。

「過去のルールや古い慣習にとらわれるのではなく、我々が新しく作っていく。子どもたちが将来、海外に出た時に引け目を感じず、堂々と渡り合える力と品格を身につけられる学校を目指します」。

英語で学ぶインターナショナルスクールと、日本語で考えながら英語力を高める国際コース。

2027年4月に始まる二つの学びは、保護者に「インターか、従来の小学校か」という二択ではない学校選びを提案します。

吉祥寺という文化と生活が近接する街から、英語、日本語、芸術、スポーツ、そして日本文化を一つの教育環境として組み合わせる試みが始まろうとしています。

吉祥寺学園インターナショナルスクール初等部 概要

  • 開設予定:2027年4月
  • 区分:学校教育法第一条に定める学校
  • 教育体制:インターナショナルスクール、国際コース、スペシャルニーズクラスを予定
  • インターナショナルスクール:英語イマージョンを中心に、多くの教科を英語で学ぶ
  • 国際コース:他教科は日本語で学び、英語は週7時間・年間245時間
  • 共通目標:小学校卒業時にCEFR B1レベル
  • 施設:隈研吾氏が設計・デザインに関与。茶室、日本庭園、足湯、メディカルルームなどを整備予定

この記事の記者

編集長 兼 国際教育評論家 村田学

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。