文部科学省調査結果:生徒の英語力は2027年の国の目標達成に向けて順調に進んでいるのか

Mext English Survey 2025 Results Feature Ja
文部科学省による2025年度の調査では、日本の公立学校が2027年の英語目標に届いていないことが示されています。しかし、全国平均だけでは実態を十分に捉えることはできません。普通科や国際系のプログラムの生徒たちは、既にその基準を超えているのです。

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文部科学省(MEXT)による年次調査

文部科学省(MEXT)は2013年から、日本全国の公立中学校・高等学校における英語教育の実施状況について毎年調査を行っています。最新となる2025年度調査の結果は、2026年6月18日に公表されました。

調査結果を見ると、全国平均では2027年までの目標達成に必要なペースには届いていないように見えます。しかし、プログラムごとに見ると、初めて目標を達成したプログラムもあります。

英語の能力は、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を基準に評価されます。これは6段階の尺度で、政府はこれを英検の級に対応づけています。

CEFR          概要英検          
C2ほぼ母語話者レベル。聞いたり読んだりしたほぼすべての内容を理解することができる。
C1社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言語を柔軟かつ効果的に用いることができる。1級
B2流暢にやり取りし、複雑な文章を理解し、学問的または職業的な場面で効果的に意思疎通をすることができる。準1級
B1日常的な状況に対応し、意見を述べ、明瞭な話し方であれば要点を理解することができる。2級
A2簡単で日常的なタスクにおいて意思疎通し、よく使われる表現を理解することができる。準2級
A1ごく基本的な表現を理解して使うことができ、自己紹介ができる。3級

2013年、目標は生徒の50%が中学校卒業時までにCEFR A1、高等学校卒業時までにA2に到達することでした。2023年6月、政府はこの両方を60%に引き上げ、高校生についてはB1に到達する生徒を30%とする目標を追加し、2027年を期限に設定しました。

学校は、生徒がCEFRレベルを満たしているかどうかを、2つの方法のいずれかで判断します。つまり、生徒が同等の英検の級などの資格を保持している場合、あるいは、校内での実技テスト・部分スキルのテストの点数・同様の根拠を基にそのレベルに達していると教師が判断した場合です。

全国平均は目標に届かず

調査によると、2026年2月時点で、A1(英検3級)以上のレベルに到達した中学3年生は54.6%で、60%という目標には届きませんでした。ただし、中学生はほぼ目標達成のペースに乗っており、現在のペースが続けば2027年には約59%に達し、目標まであと一歩というところまで来ています。

高校生の段階では、A2(英検準2級)以上に到達した高校3年生は52.4%で、60%という目標には届きませんでした。さらに高いB1(英検2級)レベルに到達したのは23.9%にとどまり、30%という目標には届きませんでした。また、これらはいずれも、2027年までの目標達成に必要なペースには届いていません。

全国平均だけでは実態は見えてこない

数字は、日本の公立学校の生徒が全体として遅れていることを示しているように見えますが、結果をプログラム別に分けると、違うものが見えてきます。

Mext English Survey High School Students English Proficiency Department General

高校生、学科別の英語能力:普通科
CEFR A2レベル以上およびCEFR B1レベル以上

今年、普通科の高校生は初めて両方の目標をクリアし、A2レベルは65.8%、B1レベルは30.6%でした。

Mext English Survey High School Students English Proficiency Department International

高校生、学科別の英語能力:英語教育を主とする学科または国際関係に関する学科
CEFR A2レベル以上およびCEFR B1レベル以上

英語科および国際関係の学科の高校生については、さらに良い情報があります。 これらの生徒のうち、A2に到達したのは、全国的には52.4%であるのに対し、約94%でした。また、B1に到達したのは、全国的には23.9%であるのに対し、71.8%でした。

Mext English Survey High School Students English Proficiency Department Specialized Integrated

高校生、学科別の英語能力:その他の専門学科および総合学科
CEFR A2レベル以上およびCEFR B1レベル以上

これらのグループの数字と全国的に見た数字との差は、英語を重点的に学ばない専門科(職業系の学校を含む)や総合科によって生じています。このような生徒のうち、A2に到達したのはわずか22.5%で、B1に到達したのは7.4%でした。

つまり、全国平均の数字は、日本の高校生全体の英語力というよりも、どのプログラムに在籍しているかを強く反映していると言えます。もちろん、このようなプログラム間の大きな格差は、今後、教育政策を担う行政や学校関係者が取り組むべき重要な課題でもあります。

全体として見ると、英語力は毎年着実に向上しています。しかし、政府目標となっているCEFR A2は、英語で自然に会話ができるレベルにはまだほど遠い、比較的初級の水準です。そう考えると、現在の目標設定そのものがまだ低すぎる可能性があり、今後はさらに高い水準を目指すことも検討すべきなのかもしれません。

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この記事の記者

ジェレマイヤ・イェ

ジェレマイヤ・イェは、帰国子女アカデミーにおいて、国際教育・バイリンガル教育向けの教材および教員研修プログラムの開発を率いています。カリフォルニア大学サンディエゴ校で言語学を専攻し、第二言語習得を中心に学びました。生徒と教育者の双方に向けた教材・リソースの開発を通じて、日本の教育の質の向上を目指しています。