連載2:『ほぼインター』の原点 ― プリスクールという選択:GG International School グループ 龍代表

Hobointa Gg International School
近年増加する「ほぼインター」の原点には、日本独自に進化したプリスクールの存在があります。今回取材した は、100%英語環境と長時間保育を融合した実用型インター。共働き家庭を支えながら、幼少期から「英語で学ぶ」環境を提供しています。特徴は、ガチバイリンガル講師陣、探究型学習、そして「One Family」の理念。英語教育だけではなく、自己肯定感や多様性も育てる、日本型国際教育の最前線が見えてきます。

プリスクールという選択:GG International School グループ 龍代表

近年、日本では英語で学ぶ「ほぼインター」と呼ばれる学校が急増しています。都心だけではなく、国公私立学校でも英語で学ぶ学校が増えています。

その背景には、海外大学への進学熱と国際系中学受験などの進路観の広がりと幼少期から英語環境を求める家庭の増加があります。

そして、その原点には、日本独自に進化してきた「プリスクール」の存在があります。

日本の国際教育の最前線であり、『ほぼインター』の原点であるプリスクール。今回、GG International School グループの龍 芳乃代表にお話をお聞きしました。

GG International Schoolとは

GG International School (以下、GGIS)は、品川区と渋谷区を中心に0~12歳を対象に、100%英語の環境で学べるインターナショナルスクールです。全日制プリスクール(保育園)およびキンダーガーテン、幼児・小学生向けアフタースクールを主軸として展開しています。

GGISスクールについて

編集部:村田(以下、村田): まずはGGIS の歩みから伺いたいのですが、創立と展開について教えてください。

龍代表(以下、龍): 2013年です。

現在は品川区をメインの拠点として5校運営しており、未就学児を受け入れるプリスクール・キンダー、そして学童として小学生まで受け入れ可能なアフタースクールを主軸として運営しています。

ここ代々木校が品川区外へ進出した最初の1校目にです。今後もこのモデルをベースに、少しずつキャンパスを増やしていこうと考えています。

村田: 運営形態はすべて認可外保育施設でしょうか。

龍: すべて認可外です。現在、プリスクール・キンダーは4校を運営しており、全体で200名弱のお子様が通われています。
プリスクール・キンダーの卒業生向けの放課後の学童保育(アフター)は2校で運営しており、こちらは100名ほどが在籍しています。

1箇所だけプリと学童が同じ施設を時間帯で使い分ける形で混在している学校もあります。

村田: 昼間は未就学児が英語で生活し、夕方からは小学生が集まる。多機能な運営スタイルですね。

龍: 限られたリソースを最大限に活かしつつ、一貫した教育を提供しています。

生徒構成と「1歳・2歳児」からの高いニーズ

村田: 生徒さんの国籍や通っているご家庭について教えてください。

龍: 国籍は、エリアによって明確な特徴があります。品川エリアは日本国籍の方が約85%で、残りの約15%が外国籍や国際結婚のご家庭です。

一方、ここ渋谷・代々木エリアは外国籍の方が約30%まで増えます。

ただ、日本人のご家庭でも、海外から戻られたばかりで、お子様自身はすでに完全な英語ネイティブというケースも非常に多く、国際色が豊かです。

村田:生徒は、どのタイミングで入学してきますか。

龍: 今は1歳児、2歳児が圧倒的に多いです。当校に通う保護者は共働きが多く、いわゆる幼稚園年少(キンダー)の年齢から入学しようとすると、すでに定員がいっぱいで入れないことも影響しているかもしれません。

当校は、保育園としてのニーズも非常に高く、離乳食の提供からトイレトレーニングまで、ご家庭と協力し話し合いながら進めます。

また「兄弟(姉妹)枠」も多いのが特徴です。上のお子さんがキンダーに通っていて、下のお子さんが生後8〜10ヶ月から入るというパターンも珍しくありません。赤ちゃんの枠はだいたい兄弟で埋まってしまうことがほとんどです。

共働き家庭を支える「保育時間」と「柔軟なサービス」

村田: 授業料と預かり時間について教えてください。

龍: 現在、月額18万5000円で、朝8時から夕方6時(武蔵小山は夕方5時まで)までの預かりをワンパッケージにしています。

延長保育など料金設定を複雑にするのではなく、共働きやパワーカップルのご家庭が最も必要とする「長時間預かり」を最初から組み込んだ形です。

村田: 朝8時から夜6時というのは、インターナショナルスクールとしては、かなり長い預かり時間ですね。

龍: 19時までの延長保育も行っています。

ただ、最近では、東京都のベビーシッター助成制度を活用されるご家庭も増えており、18時以降はシッターさんにお迎えに来てもらい、ご自宅で夕食まで済ませてもらうとなど、シッターを賢く使い分けるスタイルも定着してきています。

6時までに迎えに来るとなると、親御さんは、仕事を5時過ぎには終える必要がありますが、シッターさんを活用すれば、親御さんも残業やプライベートのことができるようになります。

オーナーの原体験と「クリスチャニティ」の精神

村田: 龍オーナーがあえて幼児教育の道を選んだきっかけは何だったのでしょうか。

龍: 前職は、外資系コンサルティング会社で勤務していました。当時、非常に優秀で人望もある日本人が「英語ができない」という一点だけでグローバルな意思決定の場から外されてしまう光景を何度も目の当たりにしました。

一方で、私は英語ができたために、その国際的な舞台に立たせてもらえました。英語力だけで舞台に立てない、これは日本の損失だという強い危機感を持ったのが始りです。

村田: ちなみにどのようなご家庭で育ったのでしょうか。

龍:我が家は、祖父の時代から代々帰国子女という家系で、自然と「英語を通じた幼児教育」が身近な存在でした。

千葉県で、母が牧師夫人の英語保育園の立ち上げを手伝っていました。

実は、GGIS はクリスチャンスクールとしての顔も持っているんです。

村田: 初めて知りました。クリスチャンスクールはあまり表に出されていない印象です。

龍: そうですね、珍しいと言われます。デザインの細部に十字架を施しています。ただ、入学するご家族や先生が必ず全員クリスチャンでとは限りません。

実は「Diversity(多様性)」も当校の大事な理念の一つです。

例えば、先生や生徒にはムスリムのご家庭がいて、お祈りの時間には席を外したり、食事もハラール対応をしたりしています。

宗教としてのキリスト教だけに固執しているわけでなく、理念としての「One Family」に共感してくだされば良いのです。

自分の親だから叱られるのではなく、悪いことをしていたら大人が誰でも、一人の家族として子供を愛し、時には叱る。

家族の域を広くとらえ、一人ひとりが「愛されている」と実感できる土台を作ることが、自信に繋がると信じています。

村田:クリスチャンスクールの理念が教室内に反映されているのですね。

「ガチバイリンガル」な講師陣と徹底した英語環境

龍: 当校が他のインター保育園・学校と明確に違うのは、日本人の保育士も「ガチバイリンガル」である点です。

そのため、見学に来る保護者から英語力の高さに驚かれることもあります。

一般的にはネイティブの先生と英語が少しできる日本人の先生をペアにすることが多いようですが、当校は日本人の担任でも一切日本語を話しません。

国籍で役割を決めることはないので、日本人の先生が担任で、アメリカ人の先生がアシスタントというクラスもあります。

保育の経験、英語力、教育者としての知見など総合的に判断しています。

村田: 日本語の授業以外、100%の英語環境を、先生たちの質で担保しているわけですね。

龍: 子供たち同士の会話も、英語です。また、普段は年齢を基準にクラス分けされていますが、独自の「ランゲージ・アーツ」というカリキュラムを5段階のレベル別で導入しています。

6週間ごとに習熟度のアセスメント(レベルチェック)を行っており、読み書きが得意な子はどんどん上を目指せます。

当校は、英語を学ぶためにきているというよりは、英語でなにをするかを大切にしています。

英検の合格を最終目的にしてはいませんが、この積み重ねにより、結果として年長さんで英検3級や準2級レベルに合格した生徒が今年はいたようです。

村田: 卒業プロジェクトの「サイエンス・フェア」も非常に本格的だと伺いました。

龍: キンダー卒業プロジェクトとして、自分の興味のあるテーマをポスターにまとめ、大人の前で英語でプレゼンテーションを行います。

単なる詰め込み教育ではなく、自分で探究する力を幼児期から育てることを重視しています。

経営と今後のビジョン

村田:ちなみに経営者として、現場で最も心を砕いていることは何ですか?

龍: 実は「送迎バスの運行管理」です(笑)。

現在5台のバスを運行していますが、運転手さんの接遇からダイヤの調整まで、本当に気が抜けません。

村田: 確かに、親御さんとの接点も多い場所ですからね。今後のGGIS の展開についてはどうお考えですか。

龍: 品川、渋谷の次は、港区への進出を検討しています。

港区は高額な「ガチインター」は多いですが、共働き家庭が安心して長時間預けられる、実用的な「教育と保育のパッケージ」がまだ不足していると感じます。

保護者へのメッセージ

村田: 最後に、保護者の方へメッセージをお願いします。

龍: 信頼して通わせてくれてありがとうございます、という一言に尽きます。

GGは「偏差値」を競う学校ではありません。

ですが、ここで「One Family」として愛され、自分を肯定する力を身につけた子は、結果として中学受験でもインターナショナルスクールへの進学でも、素晴らしい成果を出して卒業していきます。

親御さんの中には、私のことを道端で会っても「誰?」と思われる方もいるほど影が薄いオーナーですが(笑)、現場の先生たちがこの理念を最高の形で体現してくれています。

その「信頼」に、これからも最高の環境でお応えしていきたいですね。

村田: 深いお話をありがとうございました。

お問い合わせ

GG Kidsインターナショナルスクール
公式サイト:https://ggis.jp/

GG Kidsインターナショナルスクール 代々木校
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-30-7

GG Kidsインターナショナルスクール 不動前校
〒141-0031 東京都品川区西五反田4-13-16サムデイ不動前 1F

GG Kidsインターナショナルスクール 戸越校
〒142-0051 東京都品川区平塚1-6-25 朝光堂ビル 2F

GG Kidsインターナショナルスクール アネックス校
〒142-0051 東京都品川区平塚1-8-20美和ビル3F

GG Kidsインターナショナルスクール 武蔵小山校
〒142-0062 東京都品川区小山5丁目24番10号 ナカヤマビルディング1階

連載1:ほぼインター「サレジアン国際学園小学校インタークラス」の人気が高まる理由

サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスの人気が急上昇しています。2026年度入試では出願者数が400名となり前年から253名増加。「英語で学ぶ」環境を求める家庭が、インターナショナルスクールだけでなく私立小学校の国際クラスにも広がっていることを示しています。同校では、英語ゼロから学べる「SG(スタンダードグループ)」も新設。PBL型授業やSTEAM教育を通じ、「正解を覚える教育」ではなく「問いを立てる教育」を重視しています。日本の国際教育は今、“第三の選択肢”として新しいフェーズに入り始めています。

この記事の記者

編集長 兼 国際教育評論家 村田学

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。