連載3「ほぼインター」静岡聖光学院がインターナショナルコースを新設。ケンブリッジ国際認定校に

セイコウ
静岡聖光学院がケンブリッジ国際教育認定校となり、2027年4月に英語で学ぶ「インターナショナルコース」を新設。寮生活をしながらA Level取得を目指せるほか、高校からは提携するセント・メリーズでIB DPを学ぶ進路も可能。帰国生や英語学童経験者に新たな選択肢となる男子校の取り組みを紹介します。

連載3「ほぼインター」静岡聖光学院がインターナショナルコースを新設。ケンブリッジ国際認定校に

寮生活を送りながらA Levelを目指し、高校からセント・メリーズでIBを学ぶ進路も

プリスクールを卒園したあと、英語学童や英語スクールに通いながら、英語力を維持している子どもたちが増えています。

しかし、小学校を卒業したあとその英語力をどのように伸ばしていくのか。ここは、多くのご家庭が悩むところです。

インターナショナルスクールの中等部に進むのか。

それとも、国際コースのある私立中学校を受験するのか。

英語だけでなく、日本語や国内大学への進路も考えると、学校選びは簡単ではありません。

海外のインターナショナルスクールに通っている帰国生家庭にとっても同じです。

「帰国後も英語で学べる男子校はあるのか」
「保護者は海外に残り、子どもだけ先に帰国できるのか」
「これまでIBで学んできたので、日本でもIBを続けたい」
「高校からA Levelを学ぶことはできるのか」

このようなことを考えている家庭に、新しい選択肢となりそうなのが、静岡聖光学院中学校・高等学校(以下、静岡聖光)です。

静岡聖光は、英国発祥の国際教育課程である「ケンブリッジ国際教育」の認定校となりました。

静岡県内では初めての認定で、一条校の男子校としては国内唯一となります。

2027年4月には、主要教科を英語で学ぶ「インターナショナルコース」を開設します。
そして、静岡聖光には寮があります。

この寮があることは、今回の記事でかなり重要なポイントです。静岡県内の生徒だけでなく、首都圏や地方、海外から帰国する生徒も寮生活を送りながら学ぶことができます。

さらに、教育提携する東京都世田谷区のセント・メリーズ・インターナショナル・スクール(以下、セントメリーズ)で、高校から国際バカロレアのディプロマ・プログラム(IB DP)を学ぶ進路も用意されます。

英語力を中学からどう伸ばしていくのか

プリスクールを卒園し、英語学童などで英語を続けてきた子どもは、英語を聞いたり話したりする力を持っています。

一方で、中学受験の勉強が本格化すると英語に使える時間はどうしても少なくなります。中学校に入ってからも、英語の授業があります。ただ、数学や理科、社会などを英語で学べる学校は、まだそれほど多くありません。

英語を教科として学ぶのか。
それとも英語を使って教科を学ぶのか。
この違いは、子どもの英語力を考えるうえで大きいと思います。

静岡聖光では、英語力に合わせて段階的に「英語で学ぶ」環境へ進めるコースをつくります。今回の取り組みは、特に次のようなお子さんにとって大きなメリットがあります。

  • 海外から帰国する帰国生
  • 国内外のインターナショナルスクールで学んできた生徒
  • プリスクール卒園後も英語学童などで英語力を伸ばしてきた生徒

では、実際にどのようなコースになるのでしょうか。

英語力によって選べる「Standard」と「Advanced」

2027年度の中学入学生から、静岡聖光は「アカデミックコース」と「インターナショナルコース」の2コース制を導入します。

インターナショナルコースには、英語力や希望する進路に合わせて「Standard」と「Advanced」の2つのクラスが設けられます。

プリスクール卒園児や英語学童生も考えられるStandard

Standardは、英語をこれから本格的に学ぶ生徒から、プリスクールや英語学童などで英語を学んできた生徒まで、幅広く想定しています。

週8時間の英語授業を基本として、英語力が伸びてきたら、英語以外の教科も英語で受けられるようになります。

最初からすべての教科を英語で学ぶわけではありません。

まずは「英語を学ぶ」。

そこから、少しずつ「英語で学ぶ」授業へ移っていきます。静岡聖光では、これを「個別最適型イマージョンシステム」としています。

一般の小学校に通いながら、放課後に英語学童や英語スクールで英語力を伸ばしてきた男子にとっても、入りやすいコースになりそうです。

日本語による教科学習も大切にしながら、英語で学ぶ科目を増やしていけるからです。

帰国生やインター生が英語で学び続けるAdvanced

Advancedは、海外からの帰国生や国内外のインターナショナルスクールで学んだ生徒など、高い英語力を持つ男子が主な対象です。

国語と実技教科を除き、主要教科や探究活動を原則として英語で学びます。

英語で先生の話を聞くだけではありません。
英語で考え、議論し、レポートを書くところまで取り組みます。

ケンブリッジ国際教育課程の中核となる「Global Perspectives」も導入されます。

「自分」「地域・国」「世界」という異なる視点から、一つの社会的なテーマを考えていく科目です。

情報を集め、どの情報が正しいのかを考え、自分の意見をまとめます。プレゼンテーションや論文作成にも英語で取り組みます。

また、日本語を母語としない生徒や日本語で教科を学んだ経験が少ない帰国生に「Japanese as a Second Language(JSL)」も用意されます。

海外のインターナショナルスクールで学んできた生徒が、帰国後も英語による教科学習を続けながら、日本語力も伸ばしていくことができます。

子どもだけ先に帰国し、寮から学校へ通える

静岡聖光の特徴は、やはり寮があることです。海外駐在家庭では、子どもの中学進学と保護者の帰任時期が同じになるとは限りません。

子どもの受験に合わせて母子だけが先に帰国することもあります。一方で、保護者は海外に残り、子どもだけを日本へ帰国させたい家庭もあります。

ただし、寮があり、帰国生を受け入れ、さらに英語で教科を学べる男子校は、かなり限られています。

静岡聖光では、海外から帰国した生徒が寮生活を送りながら、中高一貫教育を受けることができます。

静岡県内だけでなく、首都圏や全国、海外からも進学を考えることができます。寮生活は、単に遠方から通えるということだけではありません。

自分で身の回りのことを行い、友人と共同生活を送りながら自立していくことも、寮生活の大きな意味です。

海外駐在家庭や教育移住から帰国する家庭にとっては、子どもの生活面と進学の両方を考えられる学校になりそうです。

静岡聖光でA Levelを目指す

静岡聖光は2020年から、ケンブリッジ国際認定校である英国のオンラインインターナショナルスクールと提携し、A Levelプログラムを提供してきました。

今回、静岡聖光そのものがケンブリッジ国際認定校となります。

これによって、静岡聖光の教員がケンブリッジ国際教育課程に基づく授業を行い、校内で資格認定試験を受けられる体制を整えていきます。

高校では、Cambridge International AS & A Levelの取得を目指すことができます。

A Levelは、英国をはじめ、世界各国の大学への出願に使われている国際資格です。

中学から英語で教科を学び、高校でA Levelに進む。

海外大学進学までを考えた6年間の流れが、静岡聖光の中につくられることになります。

同時に、静岡聖光は一条校なので、日本の高校卒業資格も取得できます。

海外大学だけでなく、国公立大学や私立大学、英語で学位を取得できる国内大学も進路の候補になります。

国内か海外かを早い段階で一つに決めなくてもよい点も、ご家庭にとっては大きいでしょう。

高校からセント・メリーズでIBを学ぶ

もう一つ注目したいのが、セントメリーズとの教育提携です。

東京都世田谷区にあるセントメリーズは、日本で唯一の男子インターナショナルスクールです。

国際バカロレアの一貫教育を行っており、高校段階ではIB DPを提供しています。
静岡聖光の生徒が高校からセントメリーズに通い、IB DPを学ぶ進路も用意されます。

中学では静岡聖光の寮で生活しながら、英語力、日本語力、教科学力を伸ばす。そして高校からセント・メリーズでIBを学ぶという流れです。

静岡聖光でケンブリッジ国際教育を続けてA Levelを目指すのか。それとも、高校からセント・メリーズでIB DPを学ぶのか。

中学校に入ってからの成長や得意科目、進学したい大学や国に合わせて考えることができます。

一条校とインターナショナルスクールが、ここまで進路をつなげる取り組みは、国内でもかなり珍しいものです。
両校は静岡県静岡市と東京都世田谷区にあります。距離の離れた男子校同士が、それぞれの特徴を生かしながら連携する点も面白いところです。

国際系中学受験に「寮×男子校×A Level・IB」

静岡聖光とセントメリーズの取り組みは、次のような家庭にとって検討する意味がありそうです。

  • プリスクール卒園後も英語学童などで英語力を伸ばしてきた家庭
  • 英語で教科を学べる一条校を探している家庭
  • インターナショナルスクールと私立中学校の間で迷っている家庭
  • 海外のインターナショナルスクールから帰国する家庭
  • 保護者は海外に残り、子どもだけ先に帰国させたい家庭
  • 寮生活を送りながら海外大学を目指したい家庭
  • 高校でA LevelまたはIBを選びたい家庭
  • 国内大学と海外大学の両方を進路として残したい家庭

これまで英語力の高い男子が中学受験を考える場合、首都圏の国際系私立中学校やインターナショナルスクールが中心でした。

静岡聖光は、寮のある一条校の男子校です。

その学校がケンブリッジ国際教育を導入し、校内でA Levelを目指せるようになります。

さらに、高校からセント・メリーズでIB DPを学ぶという進路もあります。

英語で学んできた子どもが、小学校卒業後も英語力を伸ばしながら、日本語力や国内大学への進路も選べます。

静岡聖光とセント・メリーズの取り組みは、国際系中学受験を考える家庭や帰国生家庭に、新しい学校選びの選択肢を加えることになりそうです。

お問合せ
静岡聖光学院 中学校・高等学校
公式サイト:https://www.s-seiko.ed.jp/
〒422-8021静岡県静岡市小鹿1440番地
電話 054-285-9136

Facebook:https://www.facebook.com/shizuoka.seiko.gakuin
Instagram:https://www.instagram.com/shizuokaseiko/
LINE(説明会情報):https://line.me/R/ti/p/@siz-seiko

この記事の記者

編集長 兼 国際教育評論家 村田学

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。