ビジョン2035の成功は教師の育成と支援にかかっています。従来の文法中心の授業から、教師は「コミュニケーションを促す立場」へと転換する必要があります。生徒が多く話す活動の設計、AIツールやデータの活用、教師自身の英語力向上への支援が不可欠です。一度きりの研修では不十分で、定期的なフォローアップ、相互授業観察、専門学習コミュニティへのアクセスが求められます。また、留学プログラムへの公的支援や国際学校との連携により、教師が自信を持って指導できる環境を整えることが重要です。CEFRや英検に基づく基準を日々の実践に活用し、生徒データを分析して指導を調整する力も必要です。自信と能力を備えた教師への投資が、ビジョン2035を実現する鍵となります
第6の柱:教師の育成と支援
英語教育の改革は、教師なくしては成功しません。英語に毎日ふれる機会づくり、イマージョン教育、テクノロジーの活用、評価制度の改革といった、英語教育のための意欲的な計画も、すべて最終的には教室を指導する教師の能力、自信、そして責任にかかっています。ビジョン2035を成功させるためには、日本は教師の育成と支援を中核に据える必要があります。
コミュニケーションを促す立場としての教師
これまで長い間、日本での英語の授業は文法の説明や訳す練習を中心に行われてきましたが、ビジョン2035の目標を達成するためには、教師は講義をする立場からコミュニケーションを促す立場へと役割を転換する必要があります。そのためには以下のことが必要です。 生徒が教師よりも多く話す活動を設計すること ペアワークやグループディスカッション、プレゼンテーションを日常的に行う授業を構成すること 生徒が間違えた場合でも自然なやり取りや即興的な発話を促す方法を身につけること
最新の英語ラボに対応するための研修
一度きりの研修では十分ではありません。教師には以下のことが必要です。 生徒の成績が基準(第1の柱)を下回った場合の定期的なフォローアップ研修 コミュニケーション重視の指導に優れた同僚の授業を観ることができる、相互観察プログラム 活動例や教材、課題解決策を共有できるオンラインの専門学習コミュニティへのアクセス
教師自身の英語力を支援すること
自信は重要です。教師が自分の言語能力に不安を感じている場合、生徒を流暢に話せるように指導することはできません。継続的な支援には次の内容を含むべきです。 教師が上級英語コースを受講したり資格を取得したりするための補助金
教師自身がイマージョンの経験(第10の柱)を新たにするための、留学または交換プログラムへの公的支援
地域の教師が共同授業や授業観察を行えるようにする、国際学校(第8の柱)との連携
国の基準との整合
明確な基準やROI/KPI(第1の柱)が導入される中で、教師はそれらの基準を理解するだけでなく日々の実践に活用できるように研修を受ける必要があります。そのためには以下のことが必要です。 CEFRまたは実用英語技能検定に基づく目標への進捗を把握する方法を学ぶこと 生徒のデータを分析し、指導方法を調整すること 生徒が期待される水準に達しなかった場合、責任を負いながらも支援も受けられること
より広範な連動のための研修
他の柱の取り組みも、教師の力量に直接依存しています。 日常的に英語にふれること(第5の柱): 教師には、校内放送、メニュー、課外活動に英語を取り入れるための発想が必要です。
不安要因の克服(第7の柱): 教師は、不安を抑えて即興力を育てる、プレッシャーの少ない活動を作る方法を知る必要があります。
イマージョンプログラム(第10の柱): 教師には、英語によるキャンプや校外学習、教科横断型プロジェクトを行うための研修が必要です。
ビジョン
教師は英語教育改革の要です。十分な初期研修、継続的な専門能力開発、そして実効性のある財政的・制度的支援があれば、教師はビジョン2035を理想から現実に変えることができます。2035年までに自信をもって流暢に英語を使える若者を育てるためには、まず今、自信と能力を備えた教師に投資することが必要です。