2013年08月02日

【インタビュー】東京ウエストインターナショナルスクール理事長 加藤義範さん

『国際バカロレアを取り入れる予定です』2014年4月に八王子新キャンパスで、付属幼稚部と小学部が開設。その後、順次中学部、高等学部を開設する東京ウエストインターナショナルスクール(以下東京ウエスト)。八王子新キャンパス開設を前に東京ウエストの加藤理事長がインタビューに応じてくれました。


 

東京ウエストインターナショナルスクール 八王子新キャンパス

『国際バカロレアを取り入れる予定です』

 2014年4月に八王子新キャンパスで、付属幼稚部と小学部が開設。
 その後、順次中学部、高等学部を開設する東京ウエストインターナショナルスクール(以下東京ウエスト)。

 八王子新キャンパス開設を前に東京ウエストの加藤理事長がインタビューに応じてくれました。

 

このキャンパスでは、付属幼稚部、小学部、中学部、高等学部の一貫教育が行われます。
各学年1クラス-幼稚部3学年、小学部6学年、中学部3学年、高等学部3学年 合計15学年の学校ができます。
中等部、高等学部では、カリキュラムに国際バカロレアのMYP、DPを導入する予定です。 
特に高等学部では、DPによって海外進学をバックアップしたいと考えます。

 来年の4月開校にさきがけ、小学部の一部が砂川キャンパスから移動してきました。

 校舎が建設されるまで事務棟で授業がおこなわれていました。

 一足はやく八王子新キャンパスで学んでいる小学部の3、4、5年生の授業を見学させていただきました。

八王子新キャンパスの全体像

 菜の花がゆれる八王子新キャンパスの校地。

 JR八王子駅からスクールバスで10分。

 遠くに富士山を眺め、辺りには菜の花がそよぐ八王子新キャンパスに到着しました。

 周辺には複数の大学があり、そのため八王子駅からバスの本数も充実しています。

 また、幹線道路が東西南北に走り、スクールバスの通学も便利です。
 校舎裏には、桑の木が並び田畑が広がります。

 桑畑に古くからの八王子の風情を感じます。

 

新校舎

 校舎は、L字型に建設され、校庭と100mトラックは天然芝でおおわれます。
 校庭の横には、25メートル温水プールを完備。 

 校舎は、4階建てで、1階に幼稚部、小学部、図書室、2階に小学部、中学部、3階に高等学部、4階に音楽室、理科室、体育館、屋上多目的コート、テラスができます。

4階 音楽室、理科室、体育館、多目的コート、テラス
3階 高等学部
2階 小学部、中学部
1階 幼稚部、小学部、図書室、カフェテリア(事務棟)
屋外 校庭(100mトラック併設)、25m温水プール
また、事務棟にカフェテリアも完備されます。

新キャンパスのカリキュラム

 東京ウエストの幼稚部、小学部は、国際初等教育カリキュラムIPCを中心とした日英米の複合カリキュラムで学んでいます。

 現在、幼稚部、小学部は、このカリキュラムをもとに、米国の学校認定団体AdvancEDに学校認定の申請をしています。

 今後、開設される中等部、高等学部では、国際バカロレアのカリキュラム、MYP、DPを採用する計画です。

米国の学校認定団体AdvancEDの認定は、世界の大学に認められています。
さらに国際バカロレアを取り入れ生徒の進学先を世界中に広げたいと考えています。

 米国だけで1万4千校が認定を受けているAdvancED。

 世界的な認定を受けながら、さらに国際バカロレアを導入し、生徒が世界中から進学先を選べるように準備が行われていました。

AdvancED
 アメリカだけで1万4千校を認定している国際的カリキュラム認定組織。
国際バカロレア
 世界の大学に進学する際に国際バカロレアのフルディプロマ、ディプロマの認定科目などが志願時に活用されています。

AdvancED アメリカだけで1万4千校を認定している国際的認定組織。
http://www.advanc-ed.org

 

小学部の授業から

先生がホワイトボードに例文を書き、構造を分析していました。

英語で英文法を学ぶ点が、日本の文法の授業と違います。
ちなみにこの日のクラスの時間割りです。
1,2時間目 数学
3時間目 体育
4時間目 英文法
5,6時間目 国語(日本語)
7時間目 科学
8時間目 美術

国語の授業

日本語を母語とする生徒のための国語の授業。
文科省の教科書を使い、授業が行われていました。 
作文、漢字の宿題など日本の学校の内容と同じです。
違う点は、少人数のため、先生が授業中に課題ができない生徒を把握し、授業のスピードを調整していた点です。
先生がこまめに教室のなかを歩きます。
ひとりひとりのノートを確認し、話しかけます。
生徒ひとりひとりの理解度を確かめながら、授業は進んでいきました。

 

授業風景とランチ

日本語の授業

 別室で日本語の授業が行われていました。
 A君は、日本に赴任し、数か月。
 まだ、国語の授業についていくには難しいところでした。
 そのため、日本語教師の桜木先生がA君とマンツーマンで授業を行っていました。

 多国籍で移動性が高いインターナショナルスクールの生徒たち。
 そのために、ひとりひとりの進度に合わせた指導が必要です。

授業内容について桜木先生が説明をしてくれました。

 

昨日のことを作文にし、朗読します。
さらに折り紙で再現もします。
折り紙を使うことで、日本文化の理解を促すのもポイントです。
生徒の興味を引き出し、五感で覚えてもらいたいと考えています。
そうすることで日常生活でも使える日本語の習得ができます。

お弁当箱におにぎりとチキンが並びます。
加藤理事長と桜木先生が、A君の作文を読んで「漢字もだいぶ増えたし、ひらがながきれいに書けるになったよね」と話していました。

生徒ひとりひとりを把握している様子がうかがえます。

 

イタリア人シェフのランチ

 校舎が建築中の八王子キャンパスでは生徒たちはどのようなランチを食べているのでしょうか。

 実は、八王子キャンパスでも、生徒たちはできたてのランチを食べています。

 事務棟にキッチンスペースを作り、イタリアの調理師資格を持つシェフのマイケルさんがランチを作っていました。

 八王子は、東京都でも指折りの野菜の産地です。

 採れたての地元野菜を使った料理が並びます。
 まさに食育と地産地消。

マイケルさんの調理場を見学させていただくと、サイドディッシュに納豆もありました。

東京ウエストの文化融合がメニューにも口にも広がります。

 

物欲しそうに眺めているとマイケルさんが味見をさせてくれました。
トマトのコクと和えた野菜の甘みが、ソーセージとよく合います。
生徒も楽しみにしているランチ。
マイケルさんの腕が光ります。

 

実は、マイケルさんの経歴はユニークです。
東京ウエストでは、複数のことをこなせる多国籍な人材が多く、マイケルさんもその一人。
イタリアの救命センターにレントゲン技師として長年勤務していた経歴があり、その後、日本人の奥様と一緒に来日、東京ウエストに勤務しています。
調理師として腕を振るうマイケルさん。
さらに、国際救急救命講習も修了しています。
調理師でもあり、万が一に備えて、救急救命の資格も取得。
複数の専門性を兼ね備えた人材が東京ウエストの教育を支えています。社会人サッカー選手としても活動している彼は、来年から行われるクラブ活動、サッカークラブのサポートを楽しみにしています。

東京ウエストインターナショナルスクールの一貫教育

3つのキャンパス

 2014年4月の新校舎完成に伴い、八王子新キャンパスには、付属幼稚部、小学部が開設されます。
 その後、順次、中学部、高等学部が開設されます。
 柴崎キャンパスは、セントラルフォレストインターナショナルスクール立川が開設されます。

 2014年には、東京ウエストの3キャンパスになります。
 八王子キャンパス 東京ウエスト付属幼稚部、小学部
 立川キャンパス 保育部・幼稚部(セントラルフォレストインターナショナルスクール立川)
 中央林間キャンパス 保育部・幼稚部(セントラルフォレストインターナショナルスクール)
 があります。
 保育部、幼稚部が合計3か所、小学部以降の教育課程は東京ウエストインターナショナルスクールに進みます。

 

創立者の願い

 一貫教育へ向けて、東京ウエストはどのように発展していくのでしょうか。
 加藤理事長にお話をお伺いしました。

 1学年1クラスで、東京ウエストの教育の質をさらに高めていきます。
 すべての教育課程が完成しても、幼稚部から高等学部(15学年)まで合計約550人です。
 教職員が生徒ひとりひとりを把握するには、1学年1クラスが最適です。
 また、幼稚部からの一貫教育によって、東京ウエストの教育の質をさらに高めることができます。
 中学部・高等学部では、国際バカロレアを導入する予定です。
 国際バカロレアのカリキュラムの良さが、東京ウエストの少人数制、1学年/クラスによって引き出せると考えています。
 高等学部では、生徒全員が国際バカロレアのディプロマ取得を目指します。
 八王子新キャンパス開設で、東京ウエストの教育をさらに高めていきたいと考えています。

 

【ミニコラム】 少人数のインターナショナルスクール

 現在、少人数で1学年をさらに小規模にする学校が増えています。
 なぜならば、国際バカロレアのディプロマ取得にとって、少人数制が重要です。
 国際バカロレア機構の統計によると多くの学校が1校18人前後のディプロマ志願者を輩出しています。
 また、より良い教育を目指す学校ほど少人数、少学級になっています。
 この流れは、今後、日本の公教育にも少なからず影響を与えると考えられます。

取材後記
シルクロードの始点-八王子。東京ウエストの校舎裏には、桑畑が並び、田畑が広がります。
八王子は、古くからの絹の産地です。養蚕によって、八王子の絹は、遠くヨーロッパまで届けられました。そのシルクロードの始点-八王子にメインキャンパスを開校する東京ウエスト。
日本の絹の産地である八王子から、今度は、東京ウエストの卒業生が世界に羽ばたきます。
謝辞
この度、新キャンパス開設にともない多忙ななか加藤理事長をはじめ、教職員のみなさまにお時間をいただきました。深く感謝申し上げます。
特に、授業見学に際し、ご協力いただいた先生方ありがとうございます。
また、日本語教師の桜木先生、アドミニストレーターのフランコさん、スクールナース兼シェフのマイケルさん、ありがとうございました。

東京ウエストインターナショナルスクール

〒192-0013 東京都八王子市梅坪町185
Phone: 042-691-1441
E-mail : admission@tokyowest.jp


この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。