2016年10月17日

「日本でインターナショナルスクールに通わせたよ!」母親座談会

ニューヨークやパリ、ロンドンなどで配布されている海外の駐在員向けのフリーペーパーの「帰国便利帳」。定期的にインターナショナルスクール特集を組んでいます。そこで母親座談会「インターナショナルスクールに通わせたよ!編」をウェブで大公開。


海外の駐在員向けのフリーペーパー「帰国便利帳」

海外の駐在員向けのフリーペーパー「帰国便利帳」。
定期的にインターナショナルスクール特集を組んでいます。

そこで帰国便利帳の「インターナショナルスクールに通わせたよ!編」をウェブで大公開。

海外駐在中のお父さん、お母さんは帰国後のインターナショナルスクール生活をイメージしたいですね。

 

日本に帰ったら「我が子をインターナショナルスクールに通わせたい」とお考えの方もいらっしゃるはず。

日本に帰ったら、海外で受けさせた教育環境のとの兼ね合いなどから、「我が子をインターナショナルスクール(以下、インター)に通わせたい」とお考えの方もいらっしゃるはず。

今回は、それを実現させた2名のママと、日本にずっと暮らしつつもインターに通わせたママがご登場。
実体験を語ってくれました。アドバイスもいただきました!

Aさん 長男 イギリスに3年(現地校)

Aさん
長男 イギリスに3年(現地校)

帰国後、イギリス式インターに編入学→プライマリーイヤーを終了後、生まれ月の関係で日本の効率小学校に数ヶ月間編入学→都内の有名私立中学に入学。現在12歳

 

Bさん 長男&長女 イギリスに4年(現地の私立校)、アメリカに2年(現地校)

Bさん 長男&長女 イギリスに4年(現地の私立校)、アメリカに2年(現地校)

イギリスで受験し、現地私立校に編入学→帰国後、イギリス式インターに編入学→アメリカに行き、現地校に編入学→帰国後、再びイギリス式インターへ。

現在11歳と14歳。

 

Cさん 長女 海外在留歴なし

Cさん 長女 海外在留歴sない

Cさん自身が日本語教育を務めていた都内のインターに、幼〜中学まで在籍→中学を修了後、都内の有名私立校に入学→現在19歳(京都大学2回生)

 

お子さん達を日本にあるインターナショナルスクールに入学させた理由を教えてください。

Aさん 
うちの息子はイギリスで3年間、英語環境にいたのですが、帰国したのが小2の時だったので「このまま日本の公立小学校に編入学させてしまうと、むこうでの経験が思い出程度になってしまう」と思ったのがインターを選んだ1つ目の理由です。

あとは、夫の仕事の関係で日本と海外を行ったり来たりする可能性があったので、いく先々で教育スタイルがぶれるのがいやっだったというのうのが、もう1つですね。

そのまま海外の学校に戻っても、違和感がないだけの教育を受けさせたいと考えていたので。

 

Bさん 
うちの娘たちはイギリスとアメリカ、2つの国で現地の学校に通いましたが、帰国後はイギリス式インターに通わせようと決めていました。
英語の勉強というよりは、イギリスの教育スタイルがとても気に入っていたからです。

 

Aさん
Bさんのお子さんたちも私の子も「イギリスで現地の学校に行き、帰国後にイギリス式インターに編入」したのですが、自然な流れだと思います。
帰国後も、海外で受けさせていた教育スタイルを継続させてあげられるというのは、日本でインターに通わす大きな魅力でした。

 

Cさん
私は日本にあるインターで日本語教師をしていましたが、夫も私も、英語が特別喋れるわけでもありませんし、正直、「日本の学校でもいいかな」と思っていました。
でも、暗記ばかりじゃなく、子供達自身で考えさせて勉強したり、子どもたち同士を競わせずにのびのびと教育をするようなインターのスタイルがすごく好きだったので、「1年ぐらいお試しのつもりで体験させてみるのもいいかも」と思ったんです。
「その後どうしたいかは子ども自身に決めさせよう」と考えていましたが、娘には合っていたようで、結局、5歳から中学修了までをインターで過ごしました。

 

Aさん

帰国のタイミングと入学のタイミングは合いましたか?
うちは、夫は4月に帰国したのですが、学校が決まる夏までの間、息子と私の2人だけでイギリスに残りました。

 

Bさん

うちは2月に辞令が出たのですが、4月にはもう編入していましたね。

 

Aさん

それは娘さんたちが相当優秀なのね!
インターの場合、純粋な日本人は入学の優先順位が一番後回しになってしまうから、早め早めに動かないと枠がとれないっと言うでしょう?
うちは、「3月に移動の正式発表が出て9月の新学期に編入」という流れだったけれど、かなりギリギリでしたよ。

 

Bさん

現地で頑張って受験して、私立校に通わせていたのがよかったのかな。
問い合わせをして、学校が作ってくれたリファレンスを送ったら、すぐに「入れます」って。
だから試験も受けなくてよかったんです。

 

編入学前、学校見学には行かれましたか?

Bさん

実は行けてないんです。
入学してから初めて行きました。
ホームページを見たら悪くなさそうな学校だったので、いいかなって(笑)。

 

Aさん

うちは3校候補があったのですが、5月に一時帰国して、3校とも見学に行きました。

 

Cさん

私の場合は、自分が働いていた学校なので見学の必要はありませんでしたが、いい部分を間近で見て知っている一方で「やっぱり日本の教育は優れている」と感じる部分もあって…正直迷いましたよ。

 

Aさん

基礎の反復という意味では、日本の教育は素晴らしいですよね。

 

Cさん

特に算数教育に関しては日本の方が優れているかな、と感じますね。
ただ、日本の"お受験"のような風潮が私は嫌いだったので、最終的に子どもをのびのびと教育してくれるインターを選びました。

 

Aさん

うちは帰国後、日本語の文字教育のために8歳頃から進学塾に入れていたのですが、まわりに感化されて、いつの間にか「自分も当然、日本の中学を受験するもの」と思っていたみたいです。

 

Cさん

インターから日本の中学校に入れることに抵抗はありませんでした?

 

Aさん

受験した中学の入学要件を満たすために、数ヶ月ですけど公立小学校に行かせた経験もあったので、抵抗はなかったですね。
それと夫の立場が変わって、家族帯同で海外に行くことも今後はなさそうかな、というのが見えてきたので、逆にこのまま日本的な教育をうけさせないというのもどうなんだろう、って。

今通っている中学は男子校なんですが、欧米系の教育を日本語でやっているだけみたいなところがあるので、そういった意味でも息子には合っているのかな、と思います。
あとは、「団結してみんなで1つのことを成し遂げる」、「みんなのために努力する」という日本の学校らしい感覚が新鮮で、楽しいみたいです。

 

Cさん

うちの娘の場合は、「海外には行かないから日本の学校に行きたい」と言い出して。インターで中学修了後、日本の私立高校に行ったのですが、帰国子女ではないので義務教育終了試験を受けなければいけないんですね。その試験を受けるために区にお願いをしにいくのですが……いろいろ言われるんですよねぇ。
「日本人なのに、帰国子女でもないのに、必要もないのに、義務教育を受けさせずにインターに通わせていたのに、なんで今さら戻って来るんだ」って。

 

Aさん

頭きますよね、あれ!

 

Cさん

うちはインターがたくさんある区だったのでまだよかったですが、区によっては担当者と喧嘩になったり、何年か前は「罰金を払った」なんてケースもあると聞きました。

 

Aさん

帰国してインターに入れる段階でも、区に報告に行かなければならないんですけど、「あなたは法律違反をしている」と言われますからね。
「今後、戻したいと言っても、日本の学校には戻れませんよ」という脅かしにサインをさせられるんです(苦笑)。

 

Aさん

帰国してインターに入れる段階でも、区に報告に行かなければならないんですけど、「あなたは法律違反をしている」と言われますからね。
「今後、戻したいと言っても、日本の学校には戻れませんよ」という脅かしにサインをさせられるんです(苦笑)。

 

Bさん

あった、あった!

 

Aさん

公立小学校に通わせていた時は「国際社会、国際社会」とあれほど言っていたのに「こういう経歴の人間には冷たいんだな」と、その時はつくづく感じました。

 

帰国後、インターへの編入学を考えている方にアドバイスをお願いします。

Aさん

日本人枠はただえさえ少ないので「今度帰国するので、入れますか?」ぐらいの軽いお伺いメールだと「日本人に枠はありません」とビシッと断られる可能性が高いです。
「うちはこういう過程で、子どもにはこういった教育を受けさせてきて、だからそちらの学校に通わせたいです」という熱意を伝えれば、先方にも本気度が分かっていただけるのではないかなと思います。

 

Cさん

公平性を重視する方々が多いので「誰々さんを知っている」といった日本的な"コネ"のアピールも嫌う傾向にありますね。

 

Aさん

あとは、早め早めの行動でしょうか。
入学にあたって、学校側とのやりとりが必要になってきますが、インターはお休みが多いですからね。書類のやりとりをするだけでも、あっという間に時間が経ってしまうので、少なくとも半年ほど前から動いておくことをおすすめします。

 

Bさん

あとは、母親がブレないことね(笑)!

 

Cさん

おっしゃるとおり。
人と比較するのではなく、どんな選択をしても「うちの子はこうなんです」と胸を張れる教育スタイルを貫いてあげることがベストなんだと思います。

 

「滞在中から知っておきたい日本の教育! 帰国便利帳」(2016年秋冬号)より転載

編集/帰国便利帳編集部、桃井さおり、イラスト/すぎやまえみこ

 

詳しくは帰国便利帳WEBも参考にしたいですね。

帰国子女を応援するマガジン -帰国便利帳-

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この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。