2022年07月16日
2022年、23年開校マップを確認すると大都市ではなく、自然環境が豊かな地域に根付いた開校計画が目立ちます。今回、静岡県がインターナショナルスクールの調査を計上しました。従来の富裕層向けのインターナショナルスクールではなく、地域住民の多様化に合わせたインターナショナルスクールに向けた開校調査と考えられます。
2022年、23年開校マップを確認すると大都市ではなく、自然環境が豊かな地域に根付いた開校計画が目立ちます。
静岡県は4日、本年度最初の多文化共生推進本部会議(本部長・森貴志副知事)を静岡県庁で開き、政策分野ごとに六つあるプロジェクトチーム(PT)がそれぞれ本年度のテーマを報告した。
教育PTは外国人児童生徒の教育環境充実を目指し、インターナショナルスクールの設置に向けた検討を始める。
出典:静岡新聞 2022年7月6日付
編集部の独自調べでは静岡県に小中高の2つの教育課程以上のインターナショナルスクールは、ありません。
その一方で静岡県は、製造業が盛んであり、日系移民が生産現場を支えてきました。
ブラジル人学校やペルー人学校は、外国人学校として括られ、教育基本法の学校法人とは別枠で運営されています。
そのため国公私立小中高の私学助成金をほとんど受けずに運営されています。
今回、ペルー人学校、ブラジル人学校に通う子弟の学習環境を整備する意思も静岡県が公表したリリースからも伝わってきます。
静岡県が取り組む多文化共生の地域づくりという視点から考えると、ブラジル人、フィリピン人をはじめとする多様な住民の教育インフラとしての視点が高いと考えられます。
静岡県が調査費を計上したインターナショナルスクールですが、これまで公立としてインターナショナルスクールが開校した事例が1つ挙げられます。
それが広島県立広島叡智学園です。
全寮制の国際バカロレア認定校で、中学校・高校があり、中学校は義務教育のため授業料はかからず、高校は公立校の授業料とプラス寮費がかかります。
広島叡智学園は、「学びを通じて平和な社会づくりを実現し続ける存在となることを目指す」をミッションに掲げ、広島県として平和都市として世界に向けて教育を通して発信しています。
外国人の学生・同僚が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、日本で就学、就労する外国人は増えています。
静岡県のインターナショナルスクールの調査は、多様化する住民構成に対し、教育インフラを必要に応じて設置する動きです。
静岡県 多文化共生の地域づくりホームページより引用。
従来の富裕層向けのインターナショナルスクールではなく、地域住民の多様化に合わせたインターナショナルスクールに向けた開校調査と考えられます。
静岡県の事例は、今後、多くの都道府県が必要となる国際教育インフラの動きと考えられます。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
静岡県 多文化共生の地域づくりホームページより引用。