2026年05月26日

連載1:ほぼインター「サレジアン国際学園小学校インタークラス」の人気が高まる理由

連載:ほぼインターシリーズ。1回目は、サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスの人気が急上昇しています。2026年度入試では出願者数が400名となり前年から253名増加。「英語で学ぶ」環境を求める家庭が、インターナショナルスクールだけでなく私立小学校の国際クラスにも広がっていることを示しています。同校では、英語ゼロから学べる「SG(スタンダードグループ)」も新設。PBL型授業やSTEAM教育を通じ、「正解を覚える教育」ではなく「問いを立てる教育」を重視しています。日本の国際教育は今、“第三の選択肢”として新しいフェーズに入り始めています。

“生徒募集!KAインターナショナルスクール”

連載1:「ほぼインター」小学校の高倍率が示したもの

ここ数年、小学校受験市場で一つの特徴的な動きが見られています。

それは、「インターナショナルスクールのように英語で学べる学校」、いわゆる“ほぼインター”型の学校の人気が急騰していることです。

2026年3月7日(土)に開催されたサレジアン国際学園小学校の第1回学校説明会は、満席で注目の高さを感じさせました。
次回は、2026年6月6日(土)に予定されています。

 

従来、英語で学ぶ教育を求めるご家庭はインターナショナルスクールを選択するのが一般的でした。

しかし現在は、日本の学校の中で「英語環境」と「英語で探究的に考える学び」、そしてその結果としての「将来の進路可能性」の両立を求める、新しい価値観の家庭が急速に増えています。

この需要の拡大が、今回筆者が学校説明会を取材したサレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスの人気にもつながっています。

出願数急増が示す国際教育の転換点

2026年、日本の国際教育は新しい段階に入りつつあります。
これまで英語で学ぶ初等教育の選択肢としては、主にインターナショナルスクールが注目されてきました。

しかし今、「日本の学校でありながらインターナショナルスクールのように学べる学校」という新しい選択肢が台頭し始めています。

その象徴的な存在の一つが、2026年4月に開校したサレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスです。

本稿では、第1回学校説明会の内容をもとに、同校が示している教育の方向性と意味について整理します。

まず印象的だったのは、学校側から示された出願者数です。

2026年度入試では出願者数が400名となり、前年より253名増えたと説明されました。小学校受験市場において、これだけの伸びを見せるのは非常に目を引きます。

さらに注目すべきは、志願者の居住エリアです。
学校近隣のエリアだけでなく、インターナショナルクラスでは城西・城南といった都心エリアからの支持の方が厚かったといいます。

この動きは、インターナショナル教育に関心を持つ情報感度の高いご家庭が都内の広い範囲に存在し、その一部がインターナショナルスクールだけでなく、私立小学校のインターナショナルクラス・国際クラスにも流れ始めていることを示しています。

英語ゼロからインターへという新しい入り口

今回の説明会での新情報としては「英語ゼロの子どもでも入学できるSG(スタンダードグループ)」の設置です。

 

これまでインターナショナルクラスは、帰国生やプリスクール卒園児、英語環境で育った子どもが中心となるケースが一般的でした。
しかし同校では、英語ができない状態からでも入学ができ、その後英語に慣れながら力を伸ばしていくグループが次年度入学生から用意されます。

入試は日本語で行われ、入学後に段階的に英語力を育成し、最終的には英語で学ぶ環境へと移行していく設計です。

 

これは最初から英語環境である従来のインタークラスではハードルが高いと感じていた層に対して、新しい選択肢を提示するものと言えます。

従来のインターナショナルスクールにはない、日本の私立小学校だからこそ実現できる「英語ゼロからインターへ」というモデルは、今後の国際教育の在り方に大きな影響を与える可能性があります。

大橋学園長「成功モデルの消滅」と「教育の変化」

説明会の中で特に強い印象を残したのは、大橋清貫学園長が語った教育観です。大橋学園長は、これからの時代には従来の成功モデルが通用しにくくなると述べました。

かつては、先輩や既存のエリートの背中を追いかけることで進路を描くことができました。

しかしAIの進化や社会構造の変化によって、「誰かの真似をすればうまくいく」という前提は崩れつつあります。

その結果、教育の主題は「何を記憶したか再現できるか」から「どのように問いを立て何を解決できるか」へと移行しているという指摘です。

その具体的な方法として示されたのが、「解のない問い」を扱う教育です。同校ではPBL型授業を重視し、子どもたちが自ら問いを立て、議論し、発表し、評価し合うサイクルを回していきます。

単なるアクティブラーニングではなく、「自分の考えを持つことが当たり前になる環境」を12年間かけて設計している点が特徴です。

大橋学園長が改革を手掛けた学校の中で唯一の小学校がサレジアン国際学園小学校のインターナショナルクラスです。
ここでの6年間は、自分で考え行動するための基礎を作る重要な期間と位置づけられています。

 

教育設計を実現する環境、そして入試の変化

サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスの英語教育は、単なる英語重視教育とは異なる設計です。

授業の大半を英語で行い、日常的に英語に触れる環境を整えながら、その先にあるのは「英語で考える」「英語で意見を発表する」ことが自然にできる状態です。

 

英語はあくまで手段であり、思考と言語の両方を自然に身につけるための学びの環境として位置づけられています。

教育の全体像としては、カトリック教育を中心に据えながら、言語、思考、理数リテラシー、コミュニケーションの四つの力を育てる構成が示されました。

さらにSTEAM教育や探究の時間が組み込まれ、教科横断型の学びが設計されています。
英語教育だけでなく、これからの社会で求められる力を総合的に育てる構造になっています。

 

「第三の選択肢」への国際教育の転換

入試においても変化が見られます。親子面接、ペーパー試験、グループ活動を通じて総合的に評価する中で、重視されるのは「創造性」です。

思考力の素養とオリジナリティを持つ児童に来てほしいという、インターナショナルクラスらしい観点を入試に取り入れています。

また、Web面接の導入や、帰国生受験条件の変更など、制度面でも新しい設計が進められています。これは学校が求める人材像の変化を反映したものです。

今回の説明会から見えてきたのは、一つの学校の取り組みを超えた市場の変化です。
これまでの初等教育の選択肢はインターナショナルスクールか、従来型私立小学校かという二択に近いものでした。

そこに今、「インターナショナルスクールのように学べる私立小学校」という第三の選択肢が加わりつつあります。

日本の国際教育は次のフェーズへ

サレジアン国際学園小学校の取り組みは、単なる新設校の話ではありません。日本の教育モデルそのものを再設計しようとする動きの一つです。

今後、日本の国際教育はインターナショナルスクールだけでなく、私立小学校のインターナショナルクラス・国際クラスが市場を牽引していく可能性があります。
その転換点として、今回の説明会は非常に示唆的な場となりました。

同校の取り組みがどのような成果を生み、他校へどのように波及していくのか。
引き続き注目していく必要がありそうです。

インターナショナルスクールタイムズでは次回6月の学校説明会もレポート予定です。

インターナショナルクラス 第2回学校説明会

 

日時:6月6日(土)11:00~

お問合せ

サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラス
住所:〒115-8524 東京都北区赤羽台4-2-14
インターナショナルクラス直通:03-3906-0222
メール:primary@salesian.seibi.ac.jp
公式サイト:https://www.el.seibi.ac.jp/international/


この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。