2016年05月21日

大阪YMCAインターナショナルスクールのサタデースクール

大阪市にある大阪YMCAインターナショナルスクールは、カナダのオンタリオ州政府認可校で、国際バカロレアの初等教育プログラム(PYP)認定校です。そのサタデースクールを見学してきました。


子どもたちの視線が、ぎゅっとピクチャーカードに集まります。

「何をしているかな?」
 先生が、ゆっくりと入れ替える一枚のイラスト。

 早押しクイズのように子どもたちが「ギター!」と答えます。

 先生は、頷きながら、さらに表現力のある答えを促します。
 「前の絵はriding my scooterだったね。」

 動詞、代名詞、名詞でこの絵をどう表現するのか、さらにヒント出ました。
 「わかった!」という空気が、頂点に差し掛かるとすかさず先生が

 「この絵は、どう表現するかな?」
 「わかった人は手を挙げて!」という声。

 

一斉に生徒の手が挙がりました。

 この間合い。
 好奇心の引き出し方。
 ひとりひとりとのアイコンタクト。

 一枚のピクチャーカードで、これほどまでに楽しく、集中力を集めることができるのか、と実感した瞬間です。

 この授業展開こそが、大阪YMCAが持つ授業の「質」なのです。

小学生特進帰国子女クラス

 帰国子女クラスでも、ティーチングアシスタントが入り、少人数制の授業が行われていました。
 同じ時間帯にクラスを見学していくと、さまざまな授業が行われていました。

 低学年のクラスでは、英語の授業。
 ”Y”のスペルが付く動詞をみんなで探していました。

 中学年は、グループ学習。高学年は、自分の課題を提出し、みんなで分類をしていました。

 

 「スペルにYが付く動詞は、ほかに何があるかな?」
 「Cry!」

 「その通り、ほかには?」
 「Try!」

 「いいね。まだまだあるよ。」
 「Buy」「Fly!」
 次々に動詞が出てきました。

 子どもたちの元気な声が、教室に響きます。

帰国生 中学年クラス

 クラスでは、11人の生徒が、少人数のグループ学習の様子です。

 大阪YMCAインターナショナルスクールの教室は、日本の学校で使われた教室をそのまま活用しています。

 40人学級を少人数教育で活用するとこのように空間を広く使うことが出来ます。

 サタデースクールでも、普段の授業のように教室内を広く活用していました。

 少人数で、空間をさまざまに使うことができる。

 そのため、その時の生徒の理解や授業内容に合わせ、すぐにグループ学習に変えることができます。

 インターナショナルスクールの授業の特徴が表れた写真です。  

 

小学校高学年クラスの授業

 小学校高学年クラスの授業では、それぞれのプリントを提出
 授業では、それぞれのプリントを提出。

 

 

 それを先生と生徒が一緒に考えながら、分類をしていきました。
 この一緒に分類していくプロセスが重要です。
 A君の答えとBさんの答え、C君の答えには、それぞれの理由があります。
分類をしていくなかで、それぞれの共通項を見出すには、話し合い、全体的な整合性がなければいけません。
 意見の述べあい、相手の主張を取り入れながら、分類を進めていく。

 多文化理解力を養いながら英語コミュニケーション能力を伸ばす。

 この授業では、高学年ならではの授業が行われていました。

 サタデースクールでは、一般生のスタンダードクラスも帰国生クラス同様すべて英語で指導されています。

 しかし、生徒たちは先生の声のトーン、表情、ジェスチャー、体の動かし方を含め、全身で読み取っています。

 このような質の高い授業は、少人数でないと成り立ちません。

 

また、教員側に、生徒一人一人がどのような反応をしているのか、見極める瞬時の判断が要求されます。

 大阪YMCAのサタデースクールの授業では、TAも入り、生徒ひとりひとりの目を見て、授業が行われていました。

 

「楽質多近」な大阪YMCAのサタデースクール!

楽しい

先生の質問にパッと手が挙がり、TAと一緒に笑う子どもたち。
 しっかりと学びなかで、子どもたちの意欲を一番高めるのが、「楽しい」という感情。
「楽しい」が、子どもの意欲の源です。

 

質が高い 

 授業が楽しいには、ワケがある。
 楽しい授業には、深い指導法と五感を刺激したプログラムがあります。

 大阪YMCAでは、先生の指導法、授業内容・クオリティーをしっかりチェックしています。

 今回の見学中も、コーディネーターのケビンさんが授業評価のためのオブザーブしているところに出くわしました。
 サタデープログラムの質を追及する。

 実は、その背景には教員も学び続けるという国際バカロレアの理念がありました。

 国際バカロレア認定校ならではのサタデースクールです。

 

多い 

 土曜のサタデーと春夏秋冬の短期プログラム
 今回、見学させていただいたのが、土曜日に開催されているサタデースクール。

 一年で38回開催されています。

 さらに、季節ごとに開催される短期プログラム。

 この短期集中プログラムの開催数が多いのが、大阪YMCAの特徴です。

 日本の学校が休みの時期に開催されています。
 ホームページに随時、短期集中プログラムの募集が掲載されます。

 春夏秋冬と開催されている短期集中プログラムに参加してみましょう。

近い 

 通いやすさは、笑顔の近道。
 外と見落としがちなのが、通いやすさ。

 どんなにすばらしい授業でも、通うのに時間がかかると長く続かないもの。

 もちろん、親も不安です。

 しかし、大阪YMCAは、梅田駅から近く、便利です。

 通いやすさは、子どもの笑顔の近道です。

『頼れるお兄さん、お姉さん』ティーチングアシスタント

 授業のサポートやクラスの雰囲気を明るくし、先生と生徒の橋渡し役をするのが、バイリンガルなティーチングアシスタント(TA)。
 TAは、大阪YMCAの厳しい条件と面接をクリアした人材(主に大学生)が採用されています。
 年齢的にも先生と生徒の中間です。

 そのため、子どもたちの『頼れるお兄さん、お姉さん』的な存在です。

 先生とともに歌を歌い、生徒を励まし、時には注意するTA。もちろん全て英語です。

 授業の合間にさっと要領よくレポートなどを採点する後ろ姿に、将来の「先生」の姿を垣間見ました。

どのようなお子さんにおススメか?

1、初めて英語を学ぶお子さん
 大阪YMCAインターナショナルスクールのサタデースクールは、初めて英語を学ぶお子さんにも配慮されています。

 インターナショナルスクールには英語を母語としない多国籍な文化背景を持った子どもが通っています。

 英語が母語でない生徒のためのESLプログラムなど英語学習法がインターの重要なポイント。

 サタデースクールにも大阪YMCAのESLのノウハウが取り入れられています。

 

2、帰国生
 英語圏から帰ってきた帰国生やインターで学んでいたお子さんの英語力維持と向上に活用したいのが、サタデースクール。

 子どもは、英語を覚えるのも早いのですが、忘れるのも早い。

 サタデースクールと短期集中プログラムを活用することで、英語力の維持だけではなく、さらに向上させることができます。

 また、海外で長く生活していた帰国生にとって、日本の学校は、カルチャーショックが大きいのも事実。

 日本語の授業に追いつくので精一杯かもしれませんが、土曜日に思いっきり英語で話し、笑える友人がいることが心のより所になります。

 

3、大阪YMCAインターナショナルスクールに入学したいお子さん、その保護者
 サタデースクールには、本科の国際バカロレア(IB)PYPの手法が反映されています。

 そのため、英語で国際バカロレアを学びたいお子さん、探究型のカリキュラムを体験させたい保護者の方に、サタデースクールがおススメです。

インターナショナルスクールタイムズのおすすめ

 大阪YMCAは、カナダのオンタリオ州のカリキュラムと国際バカロレア(IB)のPYPを導入しています。
 カナダは、「イマージョン教育」発祥の地。

 イマージョンには、「浸す」という意味がありますが、母語でない言語をどのように学ぶべきか考えられて生まれたのが「イマージョン教育」。

 また、国際バカロレアは、探究型といわれる教育法。

 「なぜ?」という疑問から掘り下げていく学習方法です。

 日本の知識偏重(いわゆる詰め込み教育)とは正反対。

 

 英語イマージョンと国際バカロレアで学ぶことで、探究型の発想を学んでいきます。
 さらに、サマースクールなど短期集中プログラムを併用するとほぼ一年中通うことができます。

 ここで、重要なのは、3年以上、継続して通うこと。
 記憶と経験はすぐに忘れてしまうものです。

 しかし、体得したことは、すぐには忘れません。

 幼稚園から小学校までサタデーに継続して通うと、英語と探究型の学習効果がさらに相乗効果を引き出します。
 英語、知識、経験の3つが揃ったら、後は、お子さんが自ら羽ばたいていくのを楽しみに待つだけ。

 自由に飛べる翼を子どもに。それが大阪YMCAのサタデースクールです。

 

Q&A

Q.1 英語ができない子どももサタデースクールに入れますか?
入れます。
簡単なテストがありますが、クラス分けのために必要です。

Q.2 対象年齢は、何歳から何歳まで?
(入学時に)3歳となるお子さんが対象です。
現在、幼稚園年少から小学校6年生までのクラスがあります。

Q.3 通学はどうしたら良いのですか?
多くの生徒が、電車またはバスで通学しています。
阪急神戸線・宝塚線の中津駅から徒歩6分。
地下鉄御堂筋線の中津駅より、徒歩12分。
大阪市営バスの中津六丁目より、徒歩3分です。

Q4 お昼はお弁当の準備が必要ですか?
お昼は、お弁当またはランチサービスを頼む生徒に分かれます。
ランチサービスを頼む場合、申込書と別途費用がかかります。
なお、アレルギーのあるお子さんへの対応は、幼稚園クラスまでです。

Q5 保護者ですが、英語ができません。それでも参加できますか?
大阪YMCAインターナショナルスクールの事務には、日本語ができる職員がいます。
連絡事項など日本語で相談ができます。

Q6 費用はどのくらいかかりますか?
初回に入学金¥20,000がかかります。
授業料は、年間で¥325,000ですが、分割を選ぶことができます。
その場合、1ヶ月¥30,000の11回払いです。

Q7 サマースクールはありますか?
あります。
2013年は、外部生向けに7月22日(月)~8月23日(金)計4週間開催されました。
英語の初心者でも参加できるサマースクールです。
また、冬・春にも、短期集中プログラムが開催されています。
ホームページに随時、掲載されます。

サタデースクール概要

基本情報 地図、アクセスなど

 
・幼稚園コース
 対象 年少~年長
・小学生スタンダードコース
 対象 小学1年生~6年
・特進帰国子女コース
 対象 小学1年生~6年生

<時間>
 9:30~14:50

<各クラス定員>
 12名

<授業料>
入会金 ¥20,000
年間授業料 (38回)
分割(11か月) ¥30,000
一括 ¥325,000

編集後記
 記事作成にあたり、大阪YMCAインターナショナルスクールの教職員のみなさまにお世話になりました。
 特に本記事を作成にあたり、取材スケジュールを含め、ご担当いただいた高様、入試担当として基本方針をお教えいただいた日出様、カリキュラム説明をしていただいたケビン様、学校全体と授業見学を含め、記事全体をトータルでアドヴァイスをいただいた小路様に感謝申し上げます。

 ありがとうございます。

ケビン様と事務局長の小路様

 

大阪YMCAインターナショナルスクール公式ホームページ
http://www.ymca-kids.org

〒531-0071
大阪市北区中津6-7-34
TEL: 06-6345-1661
FAX: 06-6345-1601


この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。