2016年05月24日
一番古くからある外国人学校それが1872年創立の「サンモールインターナショナルスクール」です。明治維新からわずか5年後のことです。ナショナルスクールとインターナショナルスクールは、違います。インターナショナルスクールは、外国人学校のなかにできた概念です。
一番古くからある外国人学校
それが1872年創立の「サンモールインターナショナルスクール」です。
明治維新からわずか5年後のことです。
創立140年以上。
ちなみに東京大学の前身、帝国大学の設立が1877年(明治10年)。
外国人学校の歴史がいかに古いかわかると思います。
ちなみにサンモールインターナショナルスクールは、カトリック教のサンモール修道会(フランス)によって設立されました。
サンモール修道会は、雙葉学園も創設しています。
サンモールインターナショナルスクールの公式vimeoより引用
セントメリーズインターナショナルスクールや、聖ミカエルインターナショナルスクールなど「セント」や「聖」がついている学校が多くあります。
また、聖心インターナショナルスクール、清泉インターナショナルスクールなどキリスト教で有名な学校があります。
キリスト教の聖人の名前を由来とする校名からも、インターナショナルスクールの歴史とキリスト教の関係の深さがわかります。
一番古いサンモールインターナショナルスクールもそうですが、外国人宣教師による創設によるものです。
古い学校にキリスト教系が多い理由です。
また、創設100年以上の学校もあります。
古くからの学校は、新設校に比べるとキャンパスが広く、生徒の国籍数も多いのが特徴です。
セントメリーズインターナショナルスクールの公式ツイッターより引用
外国人学校が、入学条件を緩和した時期は、1940年代前後と推定されます。
その理由として入学希望者の増加、多様化があります。
第二次世界大戦後の戦後復興を含め、多様な外国人駐在員が来日し、教育機関を求めました。
その後、1964年(昭和39年)の東京オリンピック、1970年(昭和45年)大阪万博でさらに国際化。
世界的な国際教育の流れは、国際バカロレアを生みだします。
国際バカロレアを運営する国際バカロレア機構が設立されたのが、1968年代。
インターナショナルスクールのでも国際バカロレアを採用するケースが増えていきます。
現在のインターナショナルスクールの歴史の原型についてさらに時代とともに調べてみましょう。
開国とキリスト教がもたらしたインターナショナルスクール
インターナショナルスクールインターナショナルスクールも、老舗インターの創設までさかのぼると明治時代にたどり着きます。
江戸末期に日米和親条約と日米修好通商条約によって、下田・箱館に加え、横浜、長崎、新潟、神戸、大阪、東京が開港しました。
開国にともなって外国人の居留と往来が増えたことがインター創設へとつながります。
江戸時代に艦隊を率いて鎖国をしていた日本へ来航し、開国への交渉を要求したマシュー・カルブレイス・ペリー。
当時は、外国人学校の創設であり、現在の国際学校(いわゆるインター)ではありません。
開校理由もキリスト教徒の子弟のため、または、アメリカ人、ドイツ人というように民族、国籍が入学対象となっていました。
外国人学校のいくつかが、その後、対象とする生徒を広げ、カリキュラムを変更し、老舗インターになっていきます。
1872年(明治5年)に日本最初の外国人学校が創設されます。
それが、現在の「サンモールインターナショナルスクール」です。
サンモールインターナショナルスクールは、女子校でしたが、その後、共学となり、クリスチャンスクールからカリキュラム、生徒が多国籍化し、インターナショナルスクールとなりました。
サンモールが開校後、日清戦争が1894年~95年(明治27年~28年)勃発します。
日清戦争後に、外国人学校がさらに増えます。
1872年(明治5年)に日本最初の外国人学校が創設されます。
それが、現在の「サンモールインターナショナルスクール」です。
サンモールインターナショナルスクールは、女子校でしたが、その後、共学となり、クリスチャンスクールからカリキュラム、生徒が多国籍化し、インターナショナルスクールとなりました。
サンモールが開校後、日清戦争が1894年~95年(明治27年~28年)勃発します。
日清戦争後に、外国人学校がさらに増えます。
日本の外国人学校は、サンモールインターナショナルスクールが1校目。
フランスのキリスト教系修道会が布教とともに開始されました。
引用 サンモールインターナショナルスクール ホームページより
設立:1872年 明治5年
設立地:神奈川県
設立時のスクール分類:クリスチャンスクール
設立母体:フランス サンモール修道会(現・幼きイエス会)
住 所:神奈川県横浜市中区山手町83
最寄り駅:みなとみらい線 元町中華街駅、JR 京浜東北根岸線 山手駅/石川町駅
電 話:045-641-8121
ホームページ:http://www.stmaur.ac.jp
学 年:2.5歳 - 12年生 共学
学 期 8月 - 6月
認定機関:WASC
カリュキュラム モンテッソーリ・国際バカロレア・フランス
1901年(明治34年) 横浜にセントジョセフ(*2000年に廃校)、1902年(明治35年)に東京築地にアメリカンスクール、1904年(明治37年)に東京横浜独逸学園が創設されました。
横浜のセントジョセフは、歴史ある学校でしたが、残念ながら2000年に廃校となりました。
1902年(明治35年)創立のアメリカンスクール・イン・ジャパン。現在は、調布にメインキャンパスがあります。
インターナショナルスクールとして代表的なアメリカンスクール・イン・ジャパン。
元は築地にありました。
設立:1901年 明治34年
設立地:神奈川県
設立時のスクール分類:クリスチャンスクール
設立母体:フランス マリア会
住 所:神奈川県横浜市中区山手町
最寄り駅:みなとみらい線 元町中華街駅
電 話:
ホームページ:http://sjcalumni.com/sjistop (同窓生のサイト)
学 年:5歳 - 12年生 男子校
学 期
認定機関:
カリュキュラム:
日本で最初の男子校のインターナショナルスクールでしたが、残念ながら2000年に廃校になりました。
現在、同校の同窓生によるサイトが運営されています。
(ご関係者の方で、カリュキュラムと認定の情報および校舎写真を提供していただける方はご連絡ください。)
アメリカンスクール・イン・ジャパンの公式ページより
設立:1902年 明治35年
設立地:東京都
設立時のスクール分類:ナショナルスクール
設立母体:米国人コミュニティ
【六本木キャンパス】
アメリカンスクールインジャパン アーリーラーニングセンター
American School in Japan, Early Learning Center
住所:東京都港区六本木6-16-5
最寄り駅:都営大江戸線/日比谷線 六本木駅、都営大江戸線/南北線 麻布十番駅
電話:03-5771-4344
ホームページ:http://www.asij.ac.jp/elc
学年:3歳 - 6歳 共学
学期:8月 - 6月
認定機関:WASC
カリュキュラム:モンテッソーリ、レッジョ・エミリアアプローチの独自カリュキュラム
【調布キャンパス】
アメリカンスクールインジャパン
American School in Japan
住所:東京都調布市野水1-1-1
最寄り駅:西武多摩川線 多磨駅
電話:0422-34-5300
ホームページ:http://community.asij.ac.jp
学年:幼稚園 - 12年生 共学
学期:8月 - 6月
認定機関:WASC
カリュキュラム:
大学志願:SAT,AP,ACT
東京横浜独逸学園は、横浜市都筑区にあり、ドイツ語による教育を行なっています。また、フランス語も取り入れているため、スイス、オーストリアの学校からの転入、転校も受け入れています。
引用 東京独逸学園 ホームページより
設立:1904年 明治37年
設立地:神奈川県
設立時のスクール分類:ナショナルスクール
設立母体:ドイツ人コミュニティ
住所:神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎南2-4-1
最寄り駅:横浜市営地下鉄線 仲町台駅
電話:045-941-4841
ホームページ:http://www.dsty.ac.jp
学年:幼稚園(3 - 6歳) - 18歳 共学
学期:9月 - 6月
認定機関:ドイツ政府およびスイス政府
カリュキュラム:ドイツ政府認定在外ドイツ学校カリキュラム
大学志願:アビトゥア
日露戦争後、1908年(明治41年)に聖心インターナショナルスクール、ドイツ学院 ヨーロピアンスクール(現在)が開校します。
日露講和条約の正文 引用 Wikipedia
聖心インターナショナルスクールは、聖心女子大学など複数の学校を経営する聖心女子学院の外国人学校部門が母体となっています。
聖心女子大学に隣接し、緑豊かなキャンパスと広い校舎など都心にあるインターとして抜群のロケーションを誇ります。カトリックの女子校として高い人気のインターナショナルスクールです。
設立年:1908年 明治41年
設立地:東京都
設立時のスクール分類:クリスチャンスクール
設立母体:フランス 聖心会
住所:東京都渋谷区広尾4-3-1
最寄り駅:日比谷線 広尾駅
電話:03-3400-3951
ホームページ:http://www.issh.ac.jp
学年:3-18歳 幼稚部のみ共学/小学部以降は女子のみ
学期:8月下旬 - 6月初旬
認定機関:WASC,CIS
カリュキュラム:IPC
大学志願:SAT,AP
神戸のドイツ学院 ヨーロピアンスクールは、ドイツ語によるドイツカリキュラムのドイツ学院と国際バカロレアのPYPを導入しているのが特徴です。ひとつの校舎で、ふたつのコースがあるユニークな学校です。
引用 神戸ドイツ学院・ヨーロピアンスクール ホームページより
設立年:1909年 明治42年
設立地:兵庫県
設立時のスクール分類:ナショナルスクール
設立母体:ドイツ人コミュニティ
住所:兵庫県東灘区光陽町中3-2-8
最寄り駅:六甲ライナー アイランドセンター駅
電話:078-857-9777
ホームページ:http://dskobe.org
学年:幼稚部(2歳-5歳)- 12歳 - 7年生 共学
学期:8月 - 6月
認定機関:ドイツ政府 DAS
カリュキュラム: Thüringer Curriculum,国際バカロレア IB-PYP
この時期に開校したスクールは2校。
1913年(大正2年)に神戸にカネデイアン・アカデミイが開校します。
1924年(大正13年)に横浜インターナショナルスクールが開校します。
国際バカロレアを西日本のインターナショナルスクールとして70年代からいち早く採用し、高い進学実績のカネディアン・アカデミイ
神戸のカネデイアン・アカデミイは、アメリカのカリキュラムと国際バカロレアで学ぶことができる学校です。
また、海外の著名大学にも多くの生徒が進学しているインターナショナルスクールです。
設立:1913年 大正2年
設立地:兵庫県
設立時のスクール分類:クリスチャンスクール
設立母体:カナダ メソジスト教会
住 所:兵庫県東灘区光陽町中4-1
最寄り駅:六甲ライナー アイランドセンター駅
電 話:078-857-0100
ホームページ:http://www.canacad.ac.jp
学 年:2歳 - 12年生 共学
学 期 8月 - 6月
認定機関:WASC,CIS
カリュキュラム:国際バカロレア IB-PYP,MYP,DP
横浜インターナショナルスクールは、創設時から男女共学、無宗教という教育理念で創設されたため、インターとして創設時からされた日本発の学校です。
世界で二番目に創設されたインターナショナルスクールです。
1924年当時にすでに国際学校という概念で運営されていることに驚きますね。
引用 横浜インターナショナルスクール ホームページより
設立:1924年 大正13年
設立地:神奈川県
設立時のスクール分類:インターナショナルスクール
設立母体:横浜外国人コミュニティー
住所:神奈川県横浜市中区山手町258
最寄り駅:東急東横線 元町・中華街駅
電話:045-622-0084
ホームページ:https://www.yis.ac.jp
学年:2歳 - 12年生 共学
学期:8月 - 6月
認定機関:NEAS&C,CIS
カリュキュラム:国際バカロレア IB-PYP,MYP,DP
ライシャワー夫妻。左が西町インターナショナルスクールの創立者である松方種子の姉・ハル。
築地のアメリカンスクールで学んだ代表といえば、1960年代に駐日アメリカ大使となるエドウィン・O・ライシャワー。
彼はその後、アメリカンスクールの同窓生である松方ハル(西町インターナショナルスクールの創設者である松方種子の姉)と結婚しています。
駐日大使時代もアメリカンスクールや西町インターナショナルスクールを訪れている写真が新聞に掲載されています。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
外国人学校とインターナショナルスクールは、違います。
インターナショナルスクールは、外国人学校のなかにできた概念です。
外国人学校自体、その多くは明治時代に外国人居留区にできました。
そのため対象者は、その国、国民など限定されたものでした。
また、教員は外国人宣教師が多かったようです。
外国人学校が、入学条件であった国籍、宗教、言語などを少なくしていったのがインターナショナルスクールに変化していきました。