アオバジャパンインターナショナルスクールが、国際教育を推し進める大前研一さん率いるビジネス・ブレークスルーに運営譲渡されました。
上場企業による初のインターナショナルスクール経営権取得として、注目されています。
2013.12.12
この秋、アオバジャパンインターナショナルスクールが、国際教育を推し進める大前研一さん率いるビジネス・ブレークスルーに運営譲渡されました。
上場企業による初のインターナショナルスクール経営権取得として、注目されています。
タイムズとしては、同校は、国際バカロレア一貫校として、さらに追い風に乗ってくると思います。
気になるのが、プリスクール・キンダーガーテン発祥のインターナショナルスクールです。
関西国際学園(さくらインターナショナルスクール)、キンダーキッズやキッズデュオが代表的といえると思います。
ポイントは、プリスクール、キンダーガーテンを複数展開していることです。
学校運営面からすると、幼稚園・保育園から育ってくる生徒・保護者が「小学校を作ってくれたら入りたい」というのであれば、系列の小学校を作っていくと思います。
また、国際バカロレアを実施するのであれば、小学校は、一学年一クラス(約18人前後)が最適です。
国際バカロレア認定校を200校にするという目標
文科省は、国際バカロレア認定校を200校にするという目標をかかげています。
これは、IB(国際バカロレア)の高校課程のDP(ディプロマ)でなくても問題はありません。
幼稚部・小学部でPYPを採用しても、もちろん認定校です。
文科省が目標とする200校の1校に数えられます。
最初にPYPを導入し、認定をもらえば後は、そのまま生徒の進級とともにMYP,DPを順次、開設すれば理論的には、国際バカロレア一貫校を作ることができます。
運営上ポイントなのが、キンダーを複数運営していることです。
小学校以降は、義務教育ということもあり、キンダー卒業生の多くは、国公私立小学校など外部に進学していきます。
しかし、複数のキンダーを運営している場合、小学校で一学年一クラス(約18人前後)の生徒を集めれる問題ありません。
例えば3つのキンダーを運営している場合、そこから合計で約18人の内部進学生がいれば、定員に達します。
キンダーからの内部生がいるため、学校側としてもかなりリスクは少ない展開です。
多くの生徒が家から近いキンダーを選びます。
しかし、小学校は子供の成長とともに通学にかける時間を取ることができます。
多少遠くても良い学校を選ぶのが一般的です。
インターナショナルスクールの特徴である送迎システムを活用するのであれば、さらに生徒の通学ハードルは下がります。
保護者にとっても、幼稚部ではスクールバスで15分だったのが、小学部では20分かかろうとそれほど心理的に遠く感じません。
むしろ、生徒・保護者にとって通学に60分かけても良いと思える学校がない方が、悲劇かもしれません。
例えば、キンダーを複数作ります。
その後、内部生が進学したいという要望の声に合わせ、キンダーから等距離の場所に小学校を作ることもできると思います。
例えば、山手線の目黒、品川、二子玉川にキンダーを運営している場合、小学校は、三軒茶屋に作ると便利かもしれません。(あくまでも例えですが・・・)。
スクールバスで三軒茶屋に通う。
そのような運営もできると考えます。
もちろん、教育の質、内容をどう引き上げていくのか?という課題はあります。
しかし、『英語で学ぶ学校を!』というニーズがある限り、時代や社会のニーズをくみ取った学校を提案する必要もあると思います。
プリスクール・キンダーガーテン発祥のインターナショナルスクールが、今後躍進する可能性が強いのは、生徒・保護者のニーズを読み取り、日本語を母語とした生徒のためのカリキュラム開発ノウハウがあり、教員採用ノウハウがあるからこそ。
さらに展開においてリスクが少ないのであれば、事業として発展するのは自然なことです。
今後、10年以内に株式上場するケースが出てくる。
複数のキンダーを運営し、中心に小学校、中学校、高校を作る。
このビジネスモデルは、東京や大阪だけではなく、全国に展開できるものです。
また、政令指定都市規模の人口であれば、十分に運営できると考えられます。
むしろ、コスト面で地方都市ほど有利であると思われます。
そのため、全国規模でこのビジネスモデルと展開すると30校のキンダーを運営し、小中高を10校運営する会社が出でも不思議ではありません。
上場会社が運営というとすぐに営利目的という批判が出てきます。
しかし、上場企業として運営されるのであれば、経営、コンプライアンスを含め、高い透明性が要求されます。
実際にプリスクール・キンダーガーテン発祥のインターナショナルスクールが生徒・保護者に支持されています。
これは、現実です。
一条校という枠組みを越えて存在しているのです。
この事実は、重いと感じます。
さらに現実は、私が感じているより、はるかに早く、強く動いています。
私には、ユニクロが躍進してきた当時、老舗百貨店がとった反応を思い出します。
みなさんがご存じの通り、その後、ユニクロを代表とするファストファッションは世界を席巻していきます。
数年前に、ユニクロにテナントとして入居してくれるように老舗百貨店が依頼したのも記憶に残っています。
住み分けをするインターナショナルスクール
英語で学ぶという点において共通項が見いだせますが、老舗インター、新興インター、プリスクール系、さらにIB校と対象としている生徒像が違います。
よって、住み分けがさらに進むと考えられます。
案外このあおりを一番食らうのが、何の対策もしない普通の学校法人かもしれません。