2013年06月22日
関西学院千里国際キャンパスには、千里国際中等部・高等部と大阪インターナショナルスクールがあります。土曜日に開催されている小学生を対象としたサタデースクールがあります。授業を見学してきました。
関西学院千里国際キャンパスには、千里国際中等部・高等部と大阪インターナショナルスクールがあります。
関西学院千里国際中等部・高等部(以下千里国際)と、大阪インターナショナルスクールは、ビジョン・ミッション・理念を共有して教育活動を行っています。
国際性の高い生徒構成を活かし、帰国生、一般生、外国籍生徒がひとつのキャンパスで学んでいます。
その関西学院千里国際キャンパスにおいて、小学生を対象としたサマープログラム「Just For Kid」が開催されました。
「Just For Kid」は、プログラムの充実度が高く、現在まで多くの保護者から厚い信頼を得ています。
サマープログラムに通う保護者から、もっと学べる機会がほしいという要望に応え、土曜日に開催されるサタデースクールが誕生しました。
関西学院千里国際キャンパスのサタデースクールには、多様な生徒が通っています。
現在、入学にあたり、生徒の英語力を正確に把握するため、面接とテストが行われています。
サタデースクールでは、帰国生、外国籍生徒、一般生が学んでいます。
そのため、ひとりひとりの英語力を正確に把握し、クラス分けに活用されています。
サタデースクールの1クラスの定員は、20人です。
しかし、実際に見学していると15人前後のクラスが多いようでした。
クラスは基本的に同学年、同じレベルの生徒によってクラス編成がされています。
さらにクラスには担任の先生が付きます。
クラス担任の先生は、英語科の先生が受け持ち、さらにバイリンガルのスチューデントスタッフが1名から3名ほど付きます。
時間割に沿って、スチューデントスタッフと各教科の教室へ移動し、授業を受けていきます。
千里国際キャンパスの施設をフル活用し、英語の授業以外にも体育、音楽、IT、図書(アドバンスドクラスのみ)などプログラムが充実しています。
ひとつの授業は、45分で構成され、朝9時から午後3時まで8コマの授業があります。
そのなかでも英語の授業は、英語力維持だけではなく、能力の向上を考えられたプログラムです。
また、体育(うち1学期はスイミング)、音楽、IT、図書(アドバンスドクラスのみ)などすべての授業が「英語」で行われ、キャンパスに一歩踏み入れると「コミュニケーションは、すべて英語」という環境です。
充実したプログラムを、すべて英語で学ぶのが、ポイントです。
生徒320人に対し教職員スタッフは約100人。
ひとつのグループにスチューデントスタッフが付き、さらに体育、音楽、IT、図書の科目では、さらに専門教員とアシスタントが加わります。
教員は、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど英語圏をはじめ、多国籍な構成です。
サタデースクールに通う生徒構成に合わせ、教職員も多国籍な構成です。
さらに看護師も常駐し、カウンセラーが生徒の様子にも気を配り、教職員に専門のアドバイスを行っています。
サマースクールなどの短期のプログラムと違い、サタデースクールでは、生徒の通う期間も長くなります。
小学1年生から入学すると最長で、6年間学ぶことができます。
そのため、1年間から最長で6年間におよぶ各学年に対応したカリキュラムが用意されています。
サタデースクールには、全体を統括するディレクターをはじめ、カリキュラムを担当するアカデミックコーディネーターがカリキュラム開発、プログラムの計画にあたっています。
プロジェクターに物語と英語の歌詞が映し出され、先生が、ピアノを演奏しながら歌いだしました。
オペラ歌手の先生の歌声は、深みのある澄んだ声です。
スクリーンに映し出される英語の歌詞は韻を踏んでおり、子どもたちは先生の奏でるピアノに合わせて一緒に楽しそうに歌っていました。
カーペットに座り、なかにはスチューデントスタッフの膝にすわり、歌を口ずさむ子もいました。
毎週土曜日に会う先生やスチューデントスタッフ、友達に囲まれ、生徒たちがリラックスしているのが伝わってきます。
隣のクラスでは歌詞をホワイトボードに書き込みながら、音階をリズムから理解する授業が行われていました。
先生の口元に生徒たちの視線が集まります。
先生が、『ド』『レ』の音などハミングをします。
生徒がその音階を当てます。
次に、音階を9枚の答えの書いてあるカードから正解を当てていきます。
音階の理解にゲーム的な要素が取り入れられ、生徒が楽しんで学ぶことができるように工夫がなされていました。
図書館のパソコンで書籍検索をした後に、自分で図書館学のどの分類に当てはまり、本棚のどこに検索した本があるのか探しに行きます。
図書館のスチューデントスタッフの方が授業について説明してくれました。
先生が最初に読み聞かせた後、生徒は各自、読みたい本をパソコンを使い検索します。
自分で読みたい本を検索する。
調べるということが重要です。さらにその本がどのような分類で、どのようなところにあるのか。
それを理解しなければ図書館の機能を活用できることにはなりません。
だから、子供たちは自分で本の検索から経験を積まないといけないのです
このプログラムの目的や理由について、先生だけでなく、スチューデントスタッフも熟知しており、先生とスタッフの双方でプログラムの充実を図っている様子がうかがえました。
各スタッフの高いモチベーションを感じるエピソードでした。
”Thank you Mayuri!”
図書館の入り口に子供たちの声が響きました。
次の教室へ向かう前に、図書館のコーディネーターに挨拶をしていました。
図書館の前には、次のグループのカラフルな水筒と小さなリュックが並んでいます。
英語の授業では、各レベルによって内容が違います。
インターミディエイトからプレアドバンスドまでは、オックスフォード大学出版局の英語教材「Let's Go 」シリーズを使っています。
英語の授業の2コマは、オーラルコミュニケーションの授業で、歌、会話、ビデオ、リスニング教材などを通して、英語を学習します。
アクティビティーやゲームを通して学ぶのがポイントです。
また、フォニックスとリーダーズレッスンも取り入れられています。
フォニックスは、文字と音、子音の結合、母音の組み合わせを学びます。
リーダーズレッスンでは、語彙力や文章力の向上のためおとぎ話や童話、さらに小説、ノンフィクションなどさまざまな文章に触れます。
アドバンスドになるとアメリカの小学生用の教科書で、世界120カ国・約6000万人に使用される「ホートン・ミフリンHoughton Mifflin」が教材として使われています。
アドバンスドクラスは、ネイティブと変わらないため、読み書きの能力、応用、読解力をさらに力をつける授業がおこなわれています。
マイクさんと授業見学を進めていると英語のクラスで「見てよ、マイク。ケイスケのイラストがきれいだよ」という声がしました。
英語の授業で、テキストのイラストを模写しています。
クラスの子に声を掛けながら、マイクさんがケイスケ君のイラストをのぞきこみました。
「この色使いはきれいだね。ピカソのようだ。」
この日は、サタデースクールの学期末にあたるため、英語の授業も熱がこもっていました。
コンピューター室で、子供たちがITの授業を受けていました。
画面で、崖と崖の間に橋を架けるゲームです。
橋の構造、強度などを考え、どのように橋を架けると良いのか、というゲームです。
橋ができるとさまざまな動物が橋の上を渡ります。
象が出てきて、橋を渡り終えると成功。
象がわたる途中に橋が落ちるともう一回。
橋にかかる負荷を考えて、橋脚を組む。
物理や構造について学ぶソフトを使っていました。
隣の教室では、グラフィックソフトで、イラストを描いていました。
各学年に合わせ、題材も変わり、イラストを何枚も使って、アニメーションを制作することもあります。
作品を作ることと同じく、もうひとつ重要なことがありました。
この授業を通して、どのようなグラフィックソフトでも共通する基本操作を覚えてほしいと思っています。
ITの先生が科目のポイントを教えてくれました。
パソコンでも、基本操作を何度も使うと指が覚えていきます。
ショートキーの使い方など基本操作を一度覚えれば、例えばグラフィックソフトが変わっても、基本の操作は大きく違いません。
また、基本操作は、パワーポイントやワード、エクセルというソフトも一緒です。
どんなソフトであれ、共通する基本を覚えていれば、応用できるのです。
ITの授業では、パソコンやソフトの基礎を学び、さらに応用へとつなげる授業が行われていました。
千里国際キャンパスのグラウンドで、2クラスが体育の授業を行っていました。
グラウンドで、2クラス合計30人がキックベースなどをしています。
写真を見るとよくわかると思いますが、グラウンドを広く使っています。
プログラムのバランスを大切にしています。」とディレクターのマイクさん。
英語の授業、音楽、IT。そこに体育の授業が入り、身体を動かす。このバランスが大切です。
この日は、天気も良く、グラウンドで身体を動かすと汗ばむ陽気で、子供たちは、休憩するたびに水筒を口に運んでいました。
なお、サタデースクールは、春、秋、冬と学期があります。
そのうち1学期は、温水プールでの授業が取り入れられています。
また、雨の日は、体育館で屋内スポーツが行われます。
〒562-0032
大阪府箕面市小野原西4丁目4番16号
関西学院千里国際キャンパス スペシャルプログラム事務局
URL:http://ss.special-programs.net
TEL: 072-727-5060
FAX:072-727-5079
午前8時~午後4時45分
火曜日~金曜日、土曜学校登校日
(およびサマープログラムJust for Kids実施日)
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※祝日、休暇中は運営いたしません。
■事務局冬期休業期間:
2015年12月19日(土)から2016年1月5日(火)まで
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
現在、生徒の英語力によってクラスが4段階に分けられています。
生徒の英語力を考慮し、それぞれのレベルに応じた学習環境のためのクラス分けです。
レベル別にインターミディエイトからアドバンスドまで4段階の生徒が学んでいます。