2017年10月30日
世界で急成長する教育分野のひとつが「インターナショナルスクール」です。インターナショナルスクールの統計調査を公表しているISCReserchは、今後、5年間でインターナショナルスクールの市場規模は2倍に成長すると予測。人材大国で英語を公用語とするフィリピン、インドはインターナショナルスクールの教員を年々輩出しています。
AIやロボット、バイオ、自動運転やロケット開発など22世紀の社会がおぼろげに浮かび上がる中で、世界で急成長を遂げる教育分野があります。
そのひとつがSTEM教育で、もうひとつが国際教育です。
国際教育の中でも、インターナショナルスクールの教員採用についてフォーカスしてみたいと思います。
インターナショナルスクールの統計調査を公表しているISCReserchは、今後、5年間でインターナショナルスクールの市場規模は2倍に成長すると予測しています。
しかし、多くのインターナショナルスクールがベテラン教員の採用を課題とし、また、インターナショナルスクールの教員養成が業界の課題です。
これまでインターナショナルスクールの教員は、欧米系の英語ネイティブが中心でしたが、インターナショナルスクールの需要が新興国など世界に広がった結果、英語で教える教員のニーズも変化しています。
例えば、英語を公用語とする人材大国のフィリピンやインドは、世界のインターナショナルスクールに教員を送り込んでいます。
従来の富裕層と海外駐在員向けの「インターナショナルスクール」から、世界の各地で公教育が積極的にフォローできないアッパー層向けの国際教育分野としてインターナショナルスクールが増えています。
では、世界のインターナショナルスクールではどのような人材を求めているのでしょうか?
International School Communityでは、2017-18年度のインターナショナルスクールの教員採用の傾向を指摘しています。
そこで、編集部ではInternational School Communityの記事を元にインターナショナルスクールの求人動向をまとめました。
なお、「インターナショナルスクール」と一括りにしていますが、初等教育、中等教育など保育園、幼稚園から高校までがあり、今回の記事は、全体的な傾向の参考にしてください。
まず最初に教員として「該当するカリキュラムを使って教えたことがあるか?」ということが重要になります。
世界のインターナショナルスクールでは、主に3つのカリキュラムが軸になっています。
・英国系カリキュラム (例:キーステージ/GCSE/A )
・アメリカ系カリキュラム (例:共通コア/AP)
・国際バカロレアカリキュラム(例:PYP,MYP,DP)
です。
幼児教育では、モンテッソーリ教育が挙げられます。
インターナショナルスクールは、カリキュラムを時代に合わせて柔軟に変えていきますが、軸となるカリキュラムが土台となっています。
そのため、これらのカリキュラムで教えたことがある。
または教員免許を持っていることが重要となります。
また、学校側は、履歴書にあると学歴、教員資格と職務経歴に一貫性があるか、を考慮します。
すなわち履歴書と経験の一貫性が重要です。
インターナショナルスクールの教員は、グローバルにキャリアアップしていきます。
世界的な成長分野のため、人材流動が高いため、学校側は、継続的に教員と教員候補をリクルーティングしています。
一貫性があると学校側も安心して採用できます。
教員採用もSNS(ソーシャル・ネットワーク)で告知・連絡がされるようになっています。
代表的なのがLinkedInです。
ビジネスSNSのLinkedInでは、活発にスクールの人材採用が行われている。
SNSは、担当者への連絡が身近になった分、経歴もすぐにチェックされます。
検索された時に教育者としてネガティブな印象を与える投稿なども担当者に見られると考えましょう。
掲載されている経歴など免許、勤務期間などわかりやすく掲載しておくことも重要です。
課外活動やコーチ歴は、どのような課外活動を担当してきたのか。コーチを務めた場合は、その成績なども重要な経歴です。
課外活動やクラブなどは、教員の興味がある分野、リーダーシップや協調性を知ることができます。
また、学校コミュニティを積極的にサポートし、意欲が高いと判断されます。
そのためSNSには、時系列で課外活動歴も掲載しましょう。
また、担当者へのメッセージへの返信などはSNSのためレスポンスも重視されます。
特に採用担当者からのメッセージには、スマートな対応が大切です。
インターナショナルスクールは、新興国を含め、急速に拡大しています。
人気がある都市のインターナショナルスクールは高い人気です。
世界的な人気都市よりも、新興国など採用倍率が低い国、地域、都市にあるインターナショナルスクールから教員歴を積み重ねることも考えましょう。
特に新興国のインターナショナルスクールの校長、教頭、カリキュラムコーディネーターなどは、先進国のインターナショナルスクールの経験を経て、ヘッドハンティングされて就任しています。
新興国のインターナショナルスクールは、校長や教頭など近いため、コネクションが作りやすい。
人気の低い都市のスクールでは、ベテラン教員の確保が難しいため、若手に成長してもらう必要があり、積極的に教員を研修に出し、養成にも力を入れるケースもあります。
特に次の転職先を考えた時、校長を含め学校経営陣と緊密なコネクションは、結果的に次の就職活動に影響を与えます。
校長などの推薦、人脈も活用できるでしょう。
人気がない都市だからこそ、その数年間の教員歴は、次の勤務先に繋がる経歴となります。
新興国の求人は、地味でも次のステップに進むために活用していきたい。
インターナショナルスクールの教員は、ベテラン、若手を含め世界的に高いニーズがあります。
公教育が充実している先進国よりも、公教育を引き上げが優先される新興国では、国際教育をインターナショナルスクールが積極的に担当しています。
アジアでは、中国、インド、インドネシアはさらにインターナショナルスクールが増えると考えられ、資源国が集まる中東、中南米、アフリカと今後のインターナショナルスクール増加がさらに予測される地域があります。
インターナショナルスクールの教員になりたい、と考えている方は、編集部にご連絡ください。
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【世界で教える!】インターで活躍した先生に聞いた「インターナショナルな教育の醍醐味」
http://istimes.net/articles/8911976年、まだ世界にインターナショナルスクールが100校に満たなかった頃「世界で働きたい」と全てのインターに履歴書を送った若い青年がいました。ジム・ドーラン先生です。その後、日本を含む世界七カ国のインターナショナルスクールで教え一昨年定年退職したジム先生に「インターナショナルスクールの醍醐味」について伺いました。
インターナショナルスクールの先生になるには?これまでインターの教員採用は、知られていませんでした。しかし、グローバル教育に注目が集まるとともにインターの教育に興味を持つ方が増え、教員を目指す方も増えてきました。そこで、インターナショナルスクールの先生になる方法をまとめました。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
Association Montessori Internationaleの公式ホームページのスクリーンショット。