2017年12月07日
今回、編集部は「ランチ」からインターナショナルスクールの多様性をレポートしようという企画が立ち上がりました。それが「インターナショナルスクールのランチを食べる!」です。カフェテリアのランチから実感したのが、同校の多様性を尊重する理念です。実は、トップ画像のハンバーグにもヒントがありました。
今だ、国内では、なぞに包まれている「インターナショナルスクール」の世界。
今回、編集部は「ランチ」からインターナショナルスクールの多様性をレポートしようという企画が立ち上がりました。
それが「インターナショナルスクールのランチを食べる!」です。
編集部が初めて挑む「食レポ(食事レポート)」。
記念すべき第一弾は、こちらのスクールです。
第一弾が、創立百年以上の歴史を持つ神戸のカネディアン・アカデミイです。
国際バカロレアの一貫校で、関西でも名門インターナショナルスクールとして、カネディアン・アカデミイとして広く知られています。
校名は「カネディアン」ですが、カナダ人向けのカナディアンスクールというわけではありません。
「Canadian Methodist Academy」に由来し、「カネディアン」となっています。
教育内容は、国際バカロレアとアメリカのカリキュラムを採用しています。
男女共学のインターナショナルスクールで、多様な生徒約700人が学んでいます。
神戸の六甲アイランドにある幼・小・中・高と教育課程があるキャンパスは、広く施設も充実しています。
▼公式ホームページはこちら。
Canadian Academy in Kobe, Japan is the best international school in the Kansai region. CA offers all 3 of the IB programs and IB & US high school diplomas.
幼・小・中・高と学校全体で700名の生徒がいるインターナショナルスクールのため、カフェテリアも充実しています。
カフェテリアでランチを選ぶ中高生。
キャッシュレスなレジでアレルギーなど生徒のデータが一括管理されています。
写真は、ベジタブルハンバーグを盛り付けるところ。
この日のメニューは2種類用意されていました。
この日は、タイ風カレーとチキンのソテーのメインも選べました。
調理場からできたての品が運ばれ、温かいまま提供されます。
デザートは、キャラメルムースとマンゴームース。
ひとり1スプーンと健康を気遣う表示。
カフェテリアは、生徒の健康を考える保護者の考えをデータベースで対応しています。
例えば、スナック禁止やアイスクリーム禁止などレジで生徒の登録データから販売しないようになっています。
ナッツ類のアレルギーは重症化しやすいため、ナッツフリー(持ち込み禁止)で調理にも使われていません。
今回、取材を通して感じるのが、いわゆる「学食」感覚ではなく、そこは「インターナショナルスクールのカフェテリア」ということ。
カフェテリアには、カフェコーナーもあります。
写真は、小学生のランチタイム。お弁当を持ってくる生徒もいます。
グラウンドに近いソファー席は、シックな雰囲気。
クリスマスツリーも飾られたカフェテリア。
写真奥が、ビュッフェスタイルのキッチンがあります。校庭に面したサンルームから眺めた感じです。ポインセチアなど季節の花が飾ってあり、家庭的な雰囲気なカフェテリアです。
校庭に面したコーナーは、つい学校にいることを忘れてしまうカフェテリアです。
写真は、ビーフシチューとマッシュドポテト、サラダ、ベジタブルハンバーグと人参のローストとカスタードムース。
食べ応えのあるポテトが入ったビーフシチュー。ホクホクしたジャガイモが美味しい。
ベジタブルハンバーグは、豆のペーストでできており、食べごたえ充分。
ひよこ豆のトマトソースと良く合います。
実際に食べるとベジタブルハンバーグなど野菜を使ったメニューが多くことに気付きました。
また、カフェテリアは、中学、小学、高校の順に3回転するため、調理を続けています。
そのため、いつもできたての温かいランチを食べることができます。
味付けも濃くなく、薄くなく、食べやすい味付けで、スパイシーそうなタイ風カレーも香辛料も全体的に丸い味付けです。
メニューの豊富さは、多様な生徒の食文化を尊重しているため。
アレルギーのある生徒やベジタリアンなど宗教や食文化、個人の考えを受け入れる校風がランチメニューから伝わってきます。
2種類から選べるメインの他に麺コーナーもあります。
写真は、ラーメンを茹でているところ。
面白いのが、ラーメンのトッピングも選べ、具がウィンナーやベーコン、目玉焼きがあるところ。
海外のラーメン屋では、トッピングで目玉焼きがありますが、同じ発想のようです。
生徒さんがオーダーしたラーメンを撮らせてもらいました。
目玉焼きと天かす、ウィンナー、ワカメ、ネギのトッピングです。
カネディアン・アカデミイは、寮もあり、海外からのボーディングプログラムの生徒も敷地内の寮から通っています。
また、中高生など部活動で夕方まで学校にいることも多く、カフェテリアは、生徒にとって第二のリビングルームです。
宿題をしたり、友人と語ったりする空間です。そのため、カフェコーナーも充実しています。
¥150からコーヒーがあり、バニラ、キャラメルなどラテも豊富。
エスプレッソ、フレーバーの追加もできる本格的なカフェコーナーです。
また、100%のフルーツスムージーなども用意さ、カフェコーナーにも多様性がメニューに現れています。
コーヒーにプリントされた「シーザーズカフェ」のロゴ。照れた感じの太陽がかわいいですね。
朝や夕方も営業しているカフェコーナーは、ベーグルなども軽食も用意されています。
放課後にベーグル片手に、国際バカロレアのレポートをまとめる生徒の姿も印象的です。
カフェテリアを運営するシーザースキッチンのマネージャーのMr.Hichemさんがコーヒーを入れてくれました。
カフェコーナーは、朝から夕方まで営業しています。
朝は、授業の間に軽食を取る生徒や夕方は中高生などが放課後に利用しているそうです。
また、保護者が子供の迎えにきた時や教職員の利用も多く、カネディアン・アカデミイの先生に聞くとカフェコーナーも好評だそうです。
シーザーズキッチンのロゴが入ったナプキン。
ベバレッジコーナーも充実しています。
ニューヨーク生まれのGlaceau vitaminwaterが中心の棚にあるのもインターナショナルスクールらしいですね。
カネディアン・アカデミイは、世界40ヶ国以上の国籍の生徒が通っています。
海外からの駐在員のお子さんなど多様な文化を持っているため、学校生活の中で、食文化も重要です。
取材を通し感じたのは、同校の多様性を受け入れる土壌がカフェテリアにも反映されていることです。
その根底には同校のミッションが反映されています。
カネディアン・アカデミイは、児童・生徒が 生涯を通じて、自ら問いかけ、ふり返って考え、世界を思いやり変えていく選択をするよう、意欲を育んでいきます。
このミッションをさらに説明している信条の一番目に書いてあるのが次の文章です。
多様性を受け入れることにより、 豊かな人間性が育まれます。
多様性を受け入れること。
学校として、多様な食文化を提供することで、生徒同士がお互いに違うことを日々、理解していきます。
そして、それは豊かな人間性を育むことに繋がっています。
ベジタブルハンバーグのように、多くの人が口にすることができる発想などは、まさに多様性を理解する食事です。
同校のカフェテリアから、同校の教育と理念が浮かび上がってきたのではないでしょうか。
〒658-0032
兵庫県神戸市東灘区向洋町中4丁目1
URL:http://www.canacad.ac.jp/
TEL:078-857-0100
FAX:078-857-3250
世界から高い評価を受けるボーディングスクールが神戸にあるカネディアン・アカデミイ」創立百年以上の歴史があるカネディアン・アカデミイ。過去にノーベル受賞者を輩出しています。国際バカロレアの一貫校で、ボーディングプログラムもあるインターナショナルスクールです。
【サマー】カネディアン・アカデミイのサマープログラム 2017
http://istimes.net/articles/895神戸の国際バカロレア一貫校のカネディアン・アカデミイでは、サマープログラムを6月から7月までインターナショナルスクール在校生、英語で学んできた経験のある生徒向けのSummer Experience 2017と7月下旬から日本の学校に通う生徒も参加できるSummer Fun@CAを開催します。
カネディアン・アカデミイの「フード&ファンフェアー」が開催!今年も大人気。
http://istimes.net/articles/68神戸の名門インターナショナルスクールであるカネディアン・アカデミイで先日、「フード&ファンフェアー」が開催されました。その様子が公式ビデオで公開されています。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
1913年(大正2年)創立されたカネディアン・アカデミイ。現在の六甲アイランドにキャンパスが移設したのは、1990年です。