2017年10月27日
創立から4年目を迎えたインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢は、学校名を「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK)」に改め、新たな門出を迎えていました。インターナショナルスクール最高峰の栄誉であるUWCに加盟したUWC ISAKの加盟式典のレポートです。
2017年9月。
創立から4年目を迎えたインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(通称ISAK)は、学校名を「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(以下、UWC ISAK)」に改め、新たな門出を迎えていました。
UWC ISAKが加盟したUWCとは?
UWCは、正式名称をUnited World Colleges (ユナイテッド・ワールド・カレッジ)と言い、1962年にドイツの教育哲学者のクルト・ハーンによって創設されました。
▼UWCの公式Instagramには、UWC Dayを祝う様子と概要が動画にまとめられています。
UWCは、世界17カ国にインターナショナルスクール加盟校があり、1962年に英国のウェールズにAtlantic Collegeが設立されました。
それから、半世紀後。日本に待望のUWC加盟校が誕生しました。
世界でも17校のみが加盟しているインターナショナルスクール界の名門UWCグループの審査に応えたISAKは、2017年-18年度からUWCの正式加盟校になりました。
UWCは、次のミッションに掲げています。
世界平和と持続可能な未来を実現するために、教育力で世界の人、国、文化をひとつにする
ミッションにある「教育を通じて世界の人、国、文化をひとつにする」を現したのが民族衣装で出迎えた学生たちと言えます。
UWCの教職員にキャンパスを案内する学生たち。
インターナショナルスクールとしてUWC ISAKの新年度は8月始まりです。
UWC ISAKは、2017年8月からUWC加盟校としての1年目をスタートしました。
加盟式典のために、UWC ISAKの学生は、UWC本部や世界から参加するUWC各校の教職員に「我が校」がUWCに加盟する喜びを民族衣装で表しました。
世界で国際バカロレアのインターナショナルスクールを展開してきたUWC (United World Colleges)。
UWC加盟校は、1ケ国に1校のみが許されるインターナショナルスクール界の最高の栄誉です。
写真右からUWC国際理事会理事長 ジョン・ダニエル卿と代表理事兼発起人の小林りん氏、発起人代表の谷家衛氏、国際本部長イェンス・ウォルターマン氏。
加盟式典では、UWC会長のヌール・ヨルダン王妃からの祝辞をライヤ王女が代読する一幕も。
小林りん代表理事と同じくUWCカナダ校に留学した経験があるヌール ヨルダン王妃は、これまで 500 名以上の日本人が世界のUWC校を卒業していることに言及。文化的、歴史的にも豊かな国に、新たな UWC校が誕生したことを「この上ない喜び」と贈りました。
UWCに加盟するためには教育理念、生徒構成、カリキュラムや教職員、運営やガバナンス、さらに財務状況までUWCの加盟に値するか、が厳密に審査されます。
世界でも17校のみが加盟しているインターナショナルスクール界の名門UWCグループの審査に応えたISAKは、2017年-18年度からUWCの正式加盟校となったのです。
UWC ISAKのロデリック・ジェミソン校長(写真中央)を祝って囲むUWC各校長。
最初からUWCとして開校するのではなく、ISAKが創立後にUWCに加盟する形をとりました。
UWC加盟により、正式名称「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン」(英語表記 UWC ISAK Japan)となりました。
UWCの本部は、UWC ISAKの創立のユニークさについて触れました。
それが『百人の発起人』です。
UWC ISAKは、そのミッションとビジョンに共感する100人の個人による支援で誕生した学校なのです。
ハーバード大学ビジネススクールの竹内弘高教授も発起人のひとり。式典が終わり、小林氏と挨拶する竹内教授。
竹内教授は、現在は閉校した横浜にあった男子校のセント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジで学んだインターナショナルスクール卒業生のひとり。
同校の発起人には、各界の著名人が名を連ねています。
UWC ISAKの教育理念に賛同し、惜しみない支援を続けた発起人たち。
小林りん氏の情熱、行動力、リーダーシップが百人の発起人を集めたことをUWCの本部も讃えました。
『世界のチェンジメーカー』を生み出す教育を目指すUWC加盟校として、創立経緯からしてUWC ISAKは、まさに人の心を巻き込みながらひとつひとつを具現化していく歩みだったと言えます。
式典の後半でスタンディングオベーションが鳴り止まない瞬間が訪れました。
それは、UWCに奨学金を提供しているシェルビー・デイビス氏が『UWC ISAKに奨学金資金として100万ドル(約1億円) の寄付をする』と宣言した瞬間でした。
これまでUWCの奨学金など国際教育を支援してきたデイビス氏。会場は、スタンディングオベーションとなり、惜しみない拍手が送られた。
シンポジウム、さらにシェルビー氏からの寄付の宣言などがあり、大いに盛り上がった会場では、学生がUWC本部、各校の教職員に感謝の気持ちを伝える瞬間が訪れました。
式典の後半で、和太鼓が鳴り響きました。
学生たちが壇上に上がると、大きな筆で何やら書き始めました。
それがこちら。
記念式典に列席したUWC本部と各校関係者、そして、百人の発起人へ感謝を込めた書道でした。
書道パフォーマンスの中に、感謝の気持ちが込められており、一気に書き上げたメッセージに参加者も感激でした。
UWCは、現在159カ国に National Committee と呼ばれる委員会を設置しています。
各国の母国語で志願者を募集、選抜し、17ある世界のUWC校に派遣するシステムを持っています。
UWC ISAKの公式Face Bookページから引用。
多様な国から様々な背景を持った学生がともに学ぶ。
それがUWC加盟校の多様性です。
UWCは、カリキュラムに国際バカロレア(IB) を採用しており、各校がIBDPにおいて高い平均点を誇ることで有名です。
すでに同校には、IBの教授経験が豊富で優秀な教員が在籍していますが、UWCに加盟することで国際感覚豊かで優秀な教育者が今後も継続的に採用可能になります。
UWC ISAKでは、在校生の7割が全額または部分奨学金を得て入学しています。
家庭の経済状況に応じてこのような支援を受けている生徒たちにとって、大学進学は大きなハードルでした。
しかし、この度UWCに加盟したことにより、UWC ISAKの卒業生たちも、加盟記念式典で100万ドルの奨学金の開設を宣言したシェルビー・デイビス氏がスポンサーを務める「デイビスUWC 奨学金制度」の対象となるのです。
この奨学金制度は、米国の提携大学に合格したUWC卒業生が経済的に進学困難な場合学資支援を行っています。
現在、UWC卒業生2,500名が全米91の提携大学でデイビス奨学金の給付を受けて学んでいます。
さらに同校では、日本国内大学へ進学を希望する外国人生徒についても、奨学金基金を設立する方向で準備が進んでいます。
UWCに加盟したUWC ISAKに入学したいと考える日本人の家庭も多いと思います。
UWC ISAKへ入学を考えている日本人家庭は、次のように準備をしましょう。
入学ができるのは、原則として10年生(高校 1 年生)になる生徒でUWCではなく、同校に直接応募する必要があります。
海外に住んでいる日本人についても、 UWC ISAKへの入学を希望する場合は10年生からの直接応募が原則となります。
2018-19年度の生徒受け入れは、10年生は約40名。
生徒構成は、30%が日本人、70%が海外からの留学生となる計画です。
11年生になると世界のUWCから約40名が派遣される予定です。
2018年8月入学の「募集要項」「出願書類」は、同校ウェブサイトで公開されています。
学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン
HP:https://uwcisak.jp/jp/
〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉5827-136
TEL: 0267(46)8623
【おめでとうISAK!】インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢の第1期の卒業式が開催されました。
http://istimes.net/articles/960インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)の卒業式が開催されました。2008年9月「学校、つくります」という小林りん代表のブログから始まったISAK。国際バカロレアの認定、さらにUWCの加盟とISAKの一期生とともに歩んだ学校に編集部もお祝いします!
長野県にある学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)は、10月31日ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)に正式に加盟と発表した。新しい校名は、UWC ISAK Japanへと移行する(移行時期は未定)。
【インタビュー】世界の有名校が取り組むデザイン思考・マインドフルネスとは?町田来稀さん、下島一晃さん
http://istimes.net/articles/69軽井沢で日本初となる全寮制インターナショナルスクール(ISAK)の立ち上げに参画し、講師としてリーダーシップ・カリキュラム構築に関わ関わっていた町田さん、下島さん。ふたりがISAKから独立し新しく立ち上げたのがImaginExです。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
レセプションの受付も学生が笑顔で案内。UWC関係者も笑顔で答える。