2017年03月28日

「成功する練習方法」とは?「1万時間」の練習で一流になれるのか?

「成功する練習方法」とは?「1万時間」の練習で一流になれるのか?本記事は、マインドセットのImaginExによる寄稿です。英語と日本語を交えたバイリンガル指導で「学び方」を身につけ、問題解決能力と自己管理力を育むワークショップを開催しています。


「成功する練習方法」とは?

練習に多くの時間をかけることが大事。
そう考える方は多いのではないでしょうか。

一流になるには「1万時間の練習」が必要。
この言葉、どこかで聞き覚えありませんか?

これは「天才!成功する人々の法則」の著者マルコム・グラッドウェル(Malcolm Gladwell)が紹介したことによって、世の中で広まった法則です。

マルコム・グラッドウェル(Malcolm Gladwell)は、イギリス生まれのカナダ人ジャーナリストで、雑誌New Yorkerのライター兼スタッフとして活躍していました。

2009年に講談社から翻訳されたグラッドウェルの「天才! 成功する人々の法則」。
実は、翻訳を担当したのが、経済評論家の勝間和代でした。

 

グラッドウェルが「1万時間」の法則の元としたのが、スウェーデンの心理学者アンダース・エリクソン(Anders Ericsson)の研究。

エリクソンは、グラッドウェルが「天才!成功する人々の法則」で述べた法則単に「1万時間かける」だけでは足りないと指摘しています。

毎日3時間のランニングでオリンピックを目指せる?

エリクソンは、次のように問題点を指摘しています。

例えば、あなたが毎日3時間、ランニングをした場合、10年後にオリンピック選手と競えるマラソンランナーになっているでしょうか?

自分のタイムも計測せず、コーチもなし。
ただ1万時間、ヘッドホンで音楽を聞きながら走っているだけで、オリンピックのマラソン選手になれる。

みなさんご存知の通り、そうは、考えられないですね。

 

自分のタイムも計測せず、コーチもいない。
ただ1万時間、ヘッドホンで音楽を聞きながら走っているだけで、オリンピックのマラソン選手になれるでしょうか?

みなさんご存知の通り、そうは、考えられないですね。

エリクソンは単に時間をかけるのではなく、質の高い練習、意図的な練習(Deliberate Practice)を重ねることが重要だと指摘しています。

成長を可能とする意図的な練習とは?

それでは「質の高い」「意図的な練習」とは具体的にどのような練習でしょうか。

エリクソンは、「質の高い」「意図的な練習」の要素を大きく4つに分類しています。
それが、この4つ。

1.やっと手が届くぐらいの明確な目標
2.高い集中力と努力
3.タイムリー且つ的確なフィードバック
4.調整を重ねて何度も繰り返す

 

1.やっと手が届くぐらいの明確な目標

現在はできないが、手を伸ばせば届く目標。
目標を明確に設定することによって、具体的にどのような行動が必要か、また自分の練習の成果が見えてきます。

例えば、バスケットの練習で「シュートが上手くなる」という目標を設定した場合、実は目標が広すぎるのです。

すなわち、具体的な行動、またはその成果の測定方法が見えてきません。

より具体的な目標に落とし込む必要があります。

 

例えば「フリースローを85%以上入れること」と設定すると、練習内容やその成果を図る方法が具体的になってきます。

2.高い集中力と努力

勉強だけに拘らず、音楽やスポーツなどあらゆる分野において、練習には「高い集中力」と「努力」をもって挑むことが重要です。

エリクソンは、意外なことに高い集中力を保って取り組みには次のポイントがあると指摘します。

「練習を1時間におさめる」また「1時間毎に休憩を挟む」ことを推奨しています。

 

高い集中力を維持させるには、休憩をとることが重要です。

3.タイムリー且つ的確なフィードバック

練習直後またはその最中にタイムリーなフィードバックが重要です。

なぜならば、フィードバックを貰うことで、その時点で自分にとって何が足りないのか、またどこを改善するべきか、その必要性を深く理解できるのです。

 

もちろん、自らの行動を振り返ることも重要です。

しかし、タイムリーに自分より上のレベルの人からフィードバックをもらうことで、次のレベルに向かうために必要なことが明確になります。

4.調整を重ねて何度も繰り返す

練習の成果を計測しながら、目標を調整し、フィードバックを反映し、練習方法の調整を重ねる。

この練習サイクルを繰り返します。

このことによって、練習を単に時間を費やすの行為から「はっきりとした意図をもって物事に取り組む」練習に変えていくのです。

自ら「興味を持って取り組める関心ごと」を見つけ、「意図的な練習」を繰り返し行うことで求めている成長がより実現できます。

 

多くのことに前向きな姿勢をもって挑戦していく。
そのためにまずは、興味のあること探すことから始めたいですね。

「学びのマインドセット」を育むImaginEx

ImaginExでは「学びのマインドセット」を育むワークショップを小・中学生に提供中。

英語と日本語を交えたバイリンガル講師の指導で、「学び方」の新常識を身につけ問題解決能力と自己管理力を育むワークショップを週末および長期休み(春休み、夏休み、冬休み)に開催しています。

 

お問い合わせ | ImaginEx

https://imaginex.jp/contact/

ワークショップについてご質問がある場合は、お問い合わせフォームを通じてお気軽にご連絡ください。ImaginExでは行動を起こす力を身につける小・中学生向けのワークショップを週末及び春・夏・冬休みに開催しています。

こちらも参考にしたいですね。

成功に必要なのは、やり遂げる力(GRIT):マインドセットのImaginEx寄稿コラム

http://istimes.net/articles/834

日本初のUWC加盟校のインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢。そのマインドフルネスを開発し、担当していたふたりが「マインドセットのImaginEx」を開講しました。英語と日本語を交えたバイリンガル指導で「学び方」を身につけ、問題解決能力と自己管理力を育むワークショップを開催しています。

頭の良さだけでは成功できない?21世紀になって見えてきた非認知スキルの重要性

http://istimes.net/articles/802

ImaginExでは「学びのマインドセット」を育むワークショップを小・中学生に提供中。英語と日本語を交えたバイリンガル講師の指導で、「学び方」の新常識を身につけ問題解決能力と自己管理力を育むワークショップを週末および長期休み(春休み、夏休み、冬休み)に開催しています。

【インタビュー】世界の有名校が取り組むデザイン思考・マインドフルネスとは?町田来稀さん、下島一晃さん

http://istimes.net/articles/69

軽井沢で日本初となる全寮制インターナショナルスクール(ISAK)の立ち上げに参画し、講師としてリーダーシップ・カリキュラム構築に関わ関わっていた町田さん、下島さん。ふたりがISAKから独立し新しく立ち上げたのがImaginExです。


この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。