Powered by Global Step Academy    
【コラム】4ヶ国と国交断絶。カタールのインターナショナルスクール業界は、安定成長を続けられるか?

【コラム】4ヶ国と国交断絶。カタールのインターナショナルスクール業界は、安定成長を続けられるか?

サウジアラビア、UAEなど4カ国と国交断絶にある中東のカタール。秋田県ほどの大きさの国は、資源開発、イスラム金融、さらに観光業で発展をしてきた。しかし、今回の国交断絶により、同国のインターナショナルスクール業界にも影響が懸念される。編集部では、カタールのインターナショナルスクール業界の動向について考察してみた。


中東のカタール

中東のカタールは、人口約210万ながら、一人当たりのGDPが約6万ドルの富裕国だ。
(日本は一人あたりのGDPが約3万8千ドル)
中でも、カタール国籍はわずか約15%にすぎない。
外国人労働者が支えている国でもある。

その収入の多くを石油・液化天然ガスがまかなっている。

サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、そしてバーレーンの中東4カ国は5日、カタールとの国交を断絶すると発表した。

編集部は、サウジアラビアをはじめとする国交断絶がカタールのインターナショナルスクール業界にどのような影響を及ぼすのかを考察した。

資源開発、イスラム金融が同国のインターナショナルスクールを支える。

カタールは、イスラム金融を伸ばすために規制緩和を進めており、その結果、海外からの金融機関系である外資系企業が増加した。

従来の資源開発の外国人駐在員に加え、金融機関系の駐在員も増加した。
これに伴い同国ではインターナショナルスクールが増加した。

現在、同国にあるインターナショナルスクールは47校。

編集部の調べでは、カタールにはインターナショナルスクールが47校あり、イギリス系が多い。
アメリカン、スイス、ドイツなど各国系のスクールも揃っている。

また、イスラム系のインターナショナルスクールが多いのも特徴だ。

カタール航空とUAEのエミレーツ航空は、空でも豪華な設備、その他レベルの高いサービスを競っている。

サウジアラビア、UAE、エジプト、バーレーンの4カ国と国交断絶の状況にある中で、今後、イスラム金融センターとして同国のポジションが低下すると考えられる。

同国のインターナショナルスクール需要の多くを生み出した資源開発、イスラム金融の停滞とともに、同国のインターナショナルスクールの需要も低下する可能性が高い。

同国は、観光業も力を入れてきたが、2022年に開催予定のワールドカップにも暗雲が立ち込める。

その一方で隣国、UAEなどにイスラム金融、観光業などが一部流れ、インターナショナルスクールの増加に繋がると考えられる。

急成長したカタール。その代償

中東のインターナショナルスクールもこの10年で急激に増加した。
その多くは、資源価格の高騰、イスラム金融の発展が影響しており、それらを担う外国人駐在員の増加によるものだ。

しかし、今や資源価格は2014年後半から半値まで下がっている。

今回の国交断絶がどのようなプロセスを歩むのか。

その動向によっては、同国の外国人駐在員が他国へ移動または自国へ戻り、インターナショナルスクール業界が壊滅的な被害を受ける可能性がある。

国内も他人事ではない

移動性が高い外国人駐在員を対象とした教育機関のインターナショナルスクール。

カタールのインターナショナルスクール業界が直面する課題は、近年、インターナショナルスクールが急増したUAE、シンガポール、マレーシアなどにとって他人事ではないだろう。

10年単位で世界各地で起こる金融危機、自然災害、紛争は、予想ができない。
そのためカタールの事例からスクール側は、守りの経営を予測しなければならない。

日本も不測の事態に備えよ

国内のプリスクールからインターナショナルスクールを含め、金融危機、自然災害、紛争時にどのような守りの経営手法を取るのか。

補助金をほとんど受けていない国内のインターナショナルスクール業界にとって、生徒数の激減は、収入に直結する。

年間予算と人件費を含めた固定費比率の高い業界のため、次の経済危機に備えたスクール運営が求められる。

次に世界的な金融危機が起きた場合、プリスクールなど小規模なスクールは大きな打撃を受けるだろう。

教育機関として継続していくための努力がスクールオーナーに必要になってくる。

現在の安定的な経営環境の中だからこそ、次の危機に備えた財務基盤の強化、スクール同士の提携など万が一への備えを策を準備しておきたい。

唯一の救いは、世界的にインターナショナルスクールの需要が5年で2倍に増えと予想されるためゼロサムゲームではないことかもしれない。

“国際家庭教師サービス、国際サバイバル。今すぐ無料体験!”

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

最新の投稿


言葉が広げる子供達の可能性

言葉が広げる子供達の可能性

何気ない大人の一言が、子どもの可能性を閉ざす言葉にも、未来を開く言葉にもなります。何気なく使っている大人の声かけは、学びへの姿勢や自信を静かに形づくっています。本コラムでは、家庭と学校の言葉が重なったときに生まれる、子どもの成長の力を紐解きます。


ビジョン 2035】第9の柱:テクノロジーとグローバル・パートナーシップの活用

ビジョン 2035】第9の柱:テクノロジーとグローバル・パートナーシップの活用

テクノロジーとAIが英語教育を根本から変えようとしています。最新の英語ラボでは、生徒が自分の発音を録音して即座にフィードバックを受け、海外の生徒とリアルタイムで協働プロジェクトに取り組むことが可能です。AIツールは日本人特有の発音の課題を特定し、個別指導を提供。教室の壁を越えて、自宅でも継続的に学習できる環境が整いつつあります。ビジョン2035の実現には、こうした技術を数学や理科と同じように日常的に活用することが鍵となります。未来の英語教育がどう進化するのか、その最前線を紹介します。


【ビジョン 2035】第8の柱:帰国子女の強みを活用する

【ビジョン 2035】第8の柱:帰国子女の強みを活用する

日本は毎年約1万人の帰国子女を受け入れており、彼らは高度な英語力と異文化適応力を持つ貴重な国家資産です。しかし、継続的な支援がなければこれらのスキルは急速に低下します。ビジョン2035の目標達成には、既に高い英語力を持つ生徒の能力維持が最も効率的です。学校での専門プログラム、政府支援、成功事例の共有を通じて、この未活用の強みを最大限に活かし、日本全体の英語教育水準を向上させる連携した取り組みが必要です。


家族のためのマインドフレーム

家族のためのマインドフレーム

子供の教育で「What」よりも「Why」「How」を大切にする考え方について解説していきます。


TOEIC、TOEFL、GREを所有するETS、試験ポートフォリオの一部を5億ドルで売却することを検討

TOEIC、TOEFL、GREを所有するETS、試験ポートフォリオの一部を5億ドルで売却することを検討

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、TOEIC、TOEFL、GREを提供する非営利機関ETSがTOEFLとGREの買い手を探しているという。この背景にあるのは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって業界が不安定になったことや、トランプ政権によって米国大学院課程への留学生の受け入れ数を減らそうとするトランプ政権の圧力がある。


“生徒募集!KAインターナショナルスクール”