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ハリー・ポッターの呪い?それでも英国のボーディングスクールが笑う理由

ハリー・ポッターの呪い?それでも英国のボーディングスクールが笑う理由

世界的ベストセラーの児童書といえば、J・K・ローリング著の「ハリー・ポッター」。ハリー・ポッターが通ったホグワーツ魔法魔術学校は、イギリスのボーディングスクールが舞台です。英国のボーディングスクールの展開も実は、ハリー・ポッター効果があったようです。


世界的ベストセラーのハリー・ポッター

世界的ベストセラーの児童書といえば、J・K・ローリング著の「ハリー・ポッター」。
ハリー・ポッターが通ったホグワーツ魔法魔術学校は、イギリスのボーディングスクールが舞台です。

ポッターが入学したホグワーツ魔法魔術学校は、設定では男女共学の7年制のボーディングスクールで、生徒数は約1000人。
1学年は4寮あわせて約143名。生徒は、4つの寮に寄宿しています。

約70名以上の合同授業が多く、魔法薬学など一部の授業を除いて、残念ながら少人数制教育とは言い切れないようです。

化学、心理学など理工系リベラルアーツのボーディングスクールといえるのかもしれません。

イギリスのスコットランド地方にあると推測されるホグワーツ魔法魔術学校

ボーディングスクールは王子も学ぶ。

ボーディングスクールは、現在のウィリアム王子、ヘンリー王子も学びました。
現在、保育園に通っているジョージ王子もいずれはボーディングスクールで学ぶのでしょうか?

保育園に入ったばかりのジョージ王子。いずれはイートン校に入学するのでしょうか?
写真:ROTA/Camera Press/アフロ

イートン校など英国王室も通わせるボーディングスクール。
実は、歴史と伝統がある分、実はゆるやかに衰退する教育機関でした。

しかし、ある本のおかげで急速に息を吹き返します。

それが1997年に出版されると世界的なブームとなった「ハリー・ポッター」シリーズです。

ハリーポッターシリーズは、世界で73の言語に翻訳され、世界累計発行は4億5000万部以上のベストセラーとなりました。

またハリー・ポッターの魔法のおかげで英国のボーディングスクール業界は緩やかに生徒数が減少する教育機関でしたが、世界から注目が集まり、生徒数が増えました。

ハリー・ポッターの大ヒットは、映画に出演したダニエル・ラドクリフなど出演者とって出世作となりましたが、同時に演じる役柄がじわじわと狭められていきました。

しかし、ボーディングスクールは、映画の出演者とは違い、「ハリー・ポッター」の波に乗り、驚く展開を進めます。

そう「ハリー・ポッター」の世界的なベストセラーと同じく、ボーディングスクールも海外に進出していったのです。

イギリスのボーディングスクールが海外で成功

イギリスのボーディングスクールなどが加盟するThe Independent Schools Council (ISC)の統計では、イギリス国内のボーディングスクールの数より、海外でボーディングスクールの校数が増えていることを裏付けています。

インド、シンガポール、マレーシアなどの東南アジア、ドバイなどの中東、中南米、アフリカとイギリス式のボーディングスクールの分校が増えています。

1696年に創立されたダリッジカレッジ(Dulwich College)は、ダレッジカレッジインターナショナル(Dulwich College International)を海外で展開しています。

1619年創立のダリッジカレッジ(Dulwich College)。ちなみに1603年に徳川家康が征夷大将軍となり江戸に幕府を開くのは、1603年。

▼ シンガーポール校のインスタグラムから引用。

すでに中国の北京、上海、蘇州、韓国のソウル、シンガポール、マカオ、ミャンマーのヤンゴンに分校を開校し、約6000人以上が海外で学んでいます。

Harrow Schoolは、ダレッジカレッジと同じように海外校をインターナショナルスクール(Harrow International School)として展開しています。

すでに香港、中国の北京、上海、タイのバンコクと分校を開校しています。

ハリーポッターがイギリス国内よりも海外でベストセラーになったように、ボーディングスクールは海外で分校を増やしています。

ハリー・ポッターがボーディングスクールに残したのもの

英国のボーディングスクールが世界展開を進めた時期は、ちょうど「ハリー・ポッター」の世界的ベストセラーと重なりました。

1997年に「ハリー・ポッターと賢者の石」が発行され、最終巻となる「ハリーポッターと死の秘宝」が2007年に発行されています。

英語版の「ハリー・ポッター」シリーズは、約10年で世界を席巻しましたが、その間に英国のボーディングスクールも世界展開を進めました。

その早さは、まるで魔法のようです。

しかし、魔法のように解けることはなく、その国、地域に根付いたスクールとなっていました。
もちろん、ホグワーツ魔法魔術学校ではありませんでしたが。

こちらも参考にしたいですね。

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この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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