インターのカリキュラムを知ろう!AP(Advanced Placement)編
2013.07.29
インターナショナルスクールのカリキュラムというと国際バカロレアをイメージするかもしれません。
しかし、アメリカンスクール、聖心インターは国際バカロレアを導入していません。
IBは成績がよければ、大学によってはそのまま単位として認めらます。
(例:IBプログラムで取得できるワシントン大学の単位です。)
http://admit.washington.edu/Admission/Freshmen/College/IB
実は、もう一つこのような大学で単位として認められる事のあるプログラムがあります。
それが、Advanced Placement、通称APです。
老舗インターのアメリカンスクール、聖心インターでは、APを導入しています。
また、国際バカロレアとAPを両方取り入れている学校もあります。

APはアメリカのCollege Board(SATも運営しています)が行っているカリキュラムで、毎年5月にテストを実施しています。
評価は1~5の5段階で評価されます。
テストの結果によっては、大学で単位を取ったものと認められるほど。
そのため、APは大学1年生レベルの試験となっているものが多く、5月のAPテストにおいて4~5の評価を取ると、大学での単位として認めるところが多いようです。
例えばアメリカのプリンストン大学ではAPを次のように単位認定しています。
Reference Table for AP Credit Accepted at Princeton
Academic Year 2013-14 (Provisional Table for the Class of 2017)
http://www.princeton.edu/pub/ap/table/
このようにAPでは、高校で大学レベルの授業を学ぶことができ、大学側も認めています。
科目を選ぶことができるのが、APの特徴です。
国際バカロレアのフルディプロマは、この他にTOK,EE,CASという要件があります。
APは、科目ごとのため、国際バカロレアのフルディプロマよりサーティフィケイトに近いものと考えられます。
APは、できる生徒にはより難易度の高い授業(大学レベルのものさえ)が用意されています。
そして、それをしっかり修了し、テストで評価されれば、そのまま大学で学んだことと同等の認定を受けるという制度が用意されています。
また高校の成績を表す指標であるGPA。
このGPA算出時に、APコースの成績は少し高めに評価されます。
このAPは、大学を早く卒業するために使えるだけでなく、自分が大学においてどの専攻を選択するのかを選ぶ参考にもなります。
高校の授業内容と大学の授業内容はだいぶ違います。
大学を選ぶ時に、「大学で実際にどんなことを学ぶのかよくわからないまま選ぶのって、なんか違和感あるな」
と感じた人もいたと思います。
APコースの授業を受けないとしても、高校にそのコースが用意されていれば、少しのぞいてみたり、そのコースを受けている生徒に話を聞くことなどもできます。
それにより自分の進路をよりしっかりと考えることができるのがAPではないでしょうか。
関連する投稿
APとは?アメリカ式のインターナショナルスクールで大学志願のために科目を選んで受験する試験
APは、Advanced Placementの略でSATなどを運営しているCollege Board が5月の上旬に実施しています。日本ではアメリカ式のカリキュラムを採用しているインターナショナルスクールで科目毎に受験しています。APの成績は、5段階評価で3以上で大学の教養学部の単位に認められています。
インターナショナルスクールのカリキュラムは、国際バカロレアだけではありません。
インターナショナルスクールのおもしろさ。それは、各校が自分たちのカリキュラムを作っている点です。例えば、カリキュラムの基礎に米国、英国、カナダなどのナショナルカリキュラム(日本だと文科省が定めたカリキュラムです)を採用しているケース。さらに米国型で学び、日本語は文科省の国語の教科書を採用する場合などさまざま。
最新の投稿
小学校受験に国際化の衝撃!サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラス受験レポ
サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスは、2025年度入試で志願者が前年比220名以上増え、A日程2〜3倍、B日程8.1倍と高倍率でした。受験生の8割がプリスクール生や帰国生など英語環境の子どもで、英語未経験でも合格例がありました。入試では創造力、主体性、非認知能力が重視され、幼児教室未経験でも合格が見られました。「一条校×インター」の安心感、プリスクール生の増加、口コミの速さ、改革で知られる大橋学園長への期待、都心からの通いやすさが人気の理由として挙げられます。
日本がアジア太平洋地域で英語力のリーダーシップを発揮するには、中高の英語教育の抜本的な見直しが必要です。現在、週5時間の授業の大半が文法・読解に費やされ、スピーキング練習は週1〜2時間程度です。この比率を逆転させ、週5時間をスピーキング中心に、文法・読解は週1〜2時間とすべきです。AI会話ツールやオンライン交流などのテクノロジーを活用すれば、日本人教員でも実施可能です。2024年のEF英語能力指数で日本は116か国中92位でした。文法や読解を捨てるのではなく、「話す・聞く・書く力」を支える手段として再構成し、実際に使える英語力を育成することが重要です。試験や評価方法もスピーキング能力を反映したものに変える必要があります。
インターナショナルスクールへの転校を考える前に知っておきたい学校生活言葉の壁:その先にある課題
インターナショナルスクールへの転校は、言葉の壁を越えた先に、新しい文化や価値観との出会いが待っています。本記事では、子どもが多様な環境の中で自分らしさを保ちながら成長していくためのヒントを探ります。
東京大学、新学部カレッジ・オブ・デザインで日本のグローバル教育を拡充
東京大学は、2027年秋、70年ぶりに新学部「カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)」を開設します。英語によるカリキュラムと柔軟な出願ルートを導入し、日本でも広がりつつある総合型選抜により、国内の学生にもグローバルな学びの選択肢を提供します。
帰国子女アカデミー「英語入試」「帰国生入試」中学受験ガイドを無料で公開
『Bluebook Select』は、英語入試や帰国生入試を行う中学校の情報をまとめたガイドブックです。2026年度入試に対応し、首都圏を中心とした98校の最新データを掲載しています。試験科目や出願資格、英語授業体制など、学校選びに役立つ情報を整理しました。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。