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インターナショナルスクールの定義

インターナショナルスクールの定義

現在、インターナショナルスクールについて法令上の特段の規定はありません。文部科学省の審議会では、インターナショナルスクールの規定を次のように審議しています。そこでインターナショナルスクールの定義について掘り下げてみました。


インターナショナルスクールの研究

インターナショナルスクールタイムズでは、インターナショナルスクールについて調査・研究をしています。
世界的に増えるインターナショナルスクールですが、まだまだ調査・研究が遅れています。

特に日本では、義務教育の対象となっていないため、インターナショナルスクールについて研究者が少ないのが現状です。

インターナショナルスクールの日本語教育などは多いのですが、そもそも「インターナショナルスクールとは?」という視点を含め、編集部では今後のインターナショナルスクールの普及を含め調査・研究を進めています。

ご協力いただける方がいらっしゃいました編集部までご連絡ください。

文科省は、インターナショナルスクールについて法令上の特段の規定をしていません。

文部科学省の審議会では、インターナショナルスクールの規定を次のように審議しています。

インターナショナルスクールについて、法令上特段の規定はないが、一般的には、主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設であると捉えられている

そこで、インターナショナルスクールの定義について考えてみたいと思います。
最初に取り上げるのが、小林哲也著の「国際化と教育」です。

本著で、小林氏は外国人学校という総称のなかに
1、民族学校 (ナショナルスクール)
2、国際学校 (インターナショナルスクール)
があるとしています。 

小林哲也著 「国際化と教育」 放送大学教育振興会 

外国人学校を日本に在留する外国人の子供たちのための学校の総称とし、そのなかで、特定の国の政府または民間団体によって、その海外在留国民または民族のために設けられているものを民族学校と呼び、特定の国によって支援を受けず、民族や国籍を問わずに生徒を入学させているものを国際学校と呼ぶ (引用小林哲也著 「国際化と教育」 放送大学教育振興会)

民族学校と国際学校の違いについて
 1、民族学校(ナショナルスクール)
   運営主体  特定の国の政府または民間団体
   対象 その海外在留国民または民族のため

 2、国際学校(インターナショナルスクール)
   運営主体 特定の国によって支援を受けず
   対象 民族や国籍を問わず

 運営主体と対象で、特定の国、国籍を分類基準としています。

小林氏の定義に、朴三石氏が著書で教育内容と授業言語の定義を補足しています。

民族学校(ナショナルスクール)

特定の民族や国籍を持つ子供たちを主な対象とした教育内容をとり、特定の民族の言語を授業用語とする(引用朴三石著 外国人学校 インターナショナルスクールから民族学校まで 中公新書)

国際学校(インターナショナルスクール)

民族や国籍を問わず外国籍の子供たちを主な対象とした教育内容をとり、国際共通語(主に英語)を授業用語とする学校(引用 朴三石著 外国人学校 インターナショナルスクールから民族学校まで 中公新書)

従来は、
 在籍する生徒の国籍が複数か単一かという視点のみをもって、国際学校か否かとする区分があった。 
 現在では、欧米系の民族学校においても多国籍になっており、国籍だけでは国際学校が民族学校か区別できなくなってきている。
教育内容、授業言語について定義を足しています。
 小林氏の定義に朴氏の教育内容、授業言語を足してまとめてみます。

1、民族学校(ナショナルスクール)
   運営主体  特定の国の政府または民間団体
   対象 その海外在留国民または民族のため
   教育内容 特定の民族や国籍を持つ子供たちを主な対象とした教育内容
   授業言語 特定の民族の言語

2、国際学校(インターナショナルスクール)
   運営主体 特定の国によって支援を受けず
   対象 民族や国籍を問わず
   教育内容 民族や国籍を問わず外国籍の子供たちを主な対象とした教育内容
   授業言語 国際共通語(主に英語)

 インターナショナルスクールとナショナルスクールの違いが浮き彫りになってきました。
 ここにインターナショナルスクールの運営主体、教育課程についての定義が補足される必要があります。

 インターナショナルスクールの定義をさらに深化させたのが、櫛田健児著 「OBトーク インターナショナルスクール入門」です。

 本著において、櫛田氏は自身の体験を含め、インターナショナルスクールの内情から、教育課程、法的問題、帰国生徒やインターナショナルスクールを取り巻く社会的などを分析をしています。

 櫛田氏の本著では、ナショナルスクールの定義には触れていませんが、アジア人学校やドイツ人学校、フランス人学校の例を引用しています。

 小林氏、朴氏、が定義したインターナショナルスクールの定義からさらに一歩踏み込んだ定義を指摘しています。

櫛田健児著 「OBトーク インターナショナルスクール入門」

インターナショナルスクールは、アメリカやヨーロッパで通用するカリキュラム(教育課程)を取り入れている学校でありながら、特定の国の教育制度には縛られず、生徒は世界各国から集まっている。(引用 櫛田健児著「OBトーク インターナショナルスクール入門」扶桑社)

インターナショナルスクールの特長

 1、インターナショナルスクールでは公用語が英語である。
 2、インターナショナルスクールは、どこの国からも独立したカリキュラムと運営を行っている。
 3、インターナショナルスクールは、政府の資金的後ろ盾がない。
 4、インターナショナルスクールは、運営が独立している。
 5、インターナショナルスクールは、国際運営組織から認定を受けていることが多い。

 これらの櫛田氏の定義を小林氏、朴氏の定義に足してみます。 

1、民族学校(ナショナルスクール)
   運営主体  特定の国の政府または民間団体
   対象 その海外在留国民または民族のため
   教育内容 特定の民族や国籍を持つ子供たちを主な対象とした教育内容
   授業言語 特定の民族の言語
   カリキュラム 本国のカリキュラムに沿った教育を行っている。


2、国際学校(インターナショナルスクール)
   運営主体 特定の国によって支援を受けず。
          (櫛田氏)運営が独立している。
   対象 民族や国籍を問わず
   教育内容 民族や国籍を問わず外国籍の子供たちを主な対象とした教育内容
   授業言語 国際共通語(主に英語)
          (櫛田氏) 公用語が英語。
   カリキュラム どこの国からも独立したカリキュラムと運営を行っている
   資金 政府の資金的後ろ盾がない。

櫛田氏の指摘

 授業言語から公用語が英語、授業内容のカリキュラムも独立したカリキュラムと指摘。
 資金面においても、政府の資金的後ろ盾がない、としています。

 また、多くのインターナショナルスクールが国際認定組織から認定を受けていることが多いと指摘しています。

 さらに、運営主体が独立しているため、ガバナンスを含め、情報開示などが必要と指摘しています。

 かなり積極的にインターナショナルスクールの定義をし、さまざまな角度からインターナショナルスクールの機能分析もおこなっています。

 本著では、インターナショナルスクールの書籍のため、ナショナルスクールの定義には言及していません。

 しかし、相対的にインターナショナルスクールの定義を浮き彫りにしています。

ウィキペディア日本語版と英語版から 

インターナショナル・スクール(英語:International school)とは、国際バカロレア資格を持つような国際的な教育を行っている学校や、所在する国や地域における外国人を対象にした教育を行っている学校である。

 日本語版のウィキペディアでは、櫛田氏の指摘のある運営主体、授業言語、資金面において記述がありません。

 「国際バカロレア資格を持つような国際的な教育を行っている学校」や「所在する国や地域における外国人を対象にした教育を行っている学校である 」とあり、どちらか一方でも該当するとインターナショナルスクールの定義にあてはまります。

ウィキペディア英語版におけるインターナショナルスクールの説明

An International school is loosely defined as a school that promotes international education, in an international environment, either by adopting an international curriculum such as that of the International Baccalaureate or Cambridge International Examinations, or by following a national curriculum different from that of the country the school is located in.

和訳 
 インターナショナルスクールとは、広義の定義では、国際的な環境の下で国際的教育を推進している学校のことで、国際バカロレアやケンブリッジ資格試験を採用しているか、所在国のカリキュラムとは異なるカリキュラムを取り入れている学校のことである。

 英語版において「国際的な環境の下で国際的教育を推進している学校のことで」が十分条件となっています。

 その次に、教育内容が下記のどちらかを採用または取り入れている学校と定義が続きます。

「国際バカロレアやケンブリッジ資格試験を採用している」
 または、
「所在国のカリキュラムとは異なるカリキュラムを取り入れている学校」
 のことをインターナショナルスクールと広義において定義しています。

 英語版のインターナショナルスクールのページには、具体例の記述があります。
 それは、2009年にイタリアで開催された国際学校図書館協会で作成されたインターナショナルスクールの基準項目リストです。

 教育内容、授業言語について定義を足しています。
 やや強引ですがウィキペディアの日本語版、英語版を小林氏、朴氏、櫛田氏定義に足してみます。

国際学校図書館協会のインターナショナルスクールについての基準項目リスト

 インターナショナルスクールについての基準項目リスト
 2009年 国際学校図書館協会は、イタリアで開催された会議でインターナショナルスクールについての基準項目リストを作成しました。

基準項目リストには、8つの項目が示されています。
a. Transferability of the student's education across international schools.
 インターナショナルスクール間での教育の相互移転性
b. A moving population (higher than in state schools or public schools).
 生徒の移動数 (公立学校や私立学校よりも高い)
c. Multinational and multilingual student body
 多国籍、多言語の生徒
d. An international curriculum.( e.g. IB - DP, MYP, PYP)
 国際的なカリキュラム(例えばIB - DP、MYP、PYP)
e. International accreditation (e.g. CIS, IBO, North Eastern ASC, Weston Ass. of Schools and colleges were mentioned by the group).
 国際的認定機関よる認定(例えば、CIS, IBO, North Eastern ASC, WASC)
f. A transient and multinational teacher population.
 短期的で多国籍な教師たち
g. Non-selective student enrollment.
 選抜試験のない入学
h. Usually English or bilingual as the language of instruction.
 英語または多国語を指導言語とする。

* 引用 インターナショナルスクールについての基準項目リストhttp://iaslonline.ning.com/group/regioninternationalschools/forum/topics/how-to-define-an-international

 国際学校図書館協会
 http://www.iasl-online.org

 教育内容、授業言語について定義を足しています。

経団連の「インターナショナルスクール問題についての提言」  2002年6月14日

 「グローバルな時代に対応した教育基盤の整備に向けて」
 2000年3月に経団連が出した「グローバル化時代の人材育成について」と題する意見書に合致する教育のひとつとして、インターナショナルスクールに着目し、それをとりまく問題点と改善策を提言したものです。

 A4用紙2枚、と図式とコンパクトにまとめられていますが、実に濃い内容の提言です。

 この提言の重要なポイントは、問題解決のためインターナショナルスクールをとりまく問題点と改善策をセットで提案しているところです。

 経団連の本提案は、問題解決型だったため、その後、いくつかの点で改善されていきました。
本提言のなかで経団連が外国人学校およびインターナショナルスクールについて記述しています。
 そこを抜き出してインターナショナルスクールの定義の参考にしていきます。

 いわゆる外国人学校として、
 (1)民族系学校
 (2)母国教育のための学校
 (3)インターナショナルスクール
 の3つに分類しています。
そのなかで(3)インターナショナルスクールについて
 「複数の国籍の生徒が席を並べ、国際水準の教育を英語等によって実施する教育機関」

 「インターナショナルスクールには、各校によって異なるが、幼稚園から高等学校までの課程がある」
 と記述しています。

 多国籍、国際水準、指導言語が英語、一貫性を持った幼稚園から高等学校までの課程を指摘しています。

 これまでのインターナショナルスクールの定義に追加していきます。

* 引用 インターナショナルスクール問題についての提言 2002年6月14日LinkIcon

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2002/031/honbun.html

グローバル化時代の人材育成について 2000年3月28日LinkIcon
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2000/013/index.html

 2002年当時、経団連の提言は、大きなインパクトを持っていました。
 問題点と改善策をセットで提案しているため、具体的で、指摘した問題点のいくつかは解決されています。

運営主体、資金、対象について

 日本語版ウィキペディアの「所在する国や地域における外国人を対象」という定義だと日本人が対象になりません。

 インターナショナルスクールの現状では、老舗インターナショナルスクールを含め、日本人生徒を入学させています。

 生徒の構成比率など踏まえ、一定の条件があるようですが、現状においては日本語版ウィキペディアの定義は、事実と違うようです。

 そのため「外国人を対象」は、必ずしも該当しません。

 民族や国籍を問わず (小林氏) 、 多国籍、多言語の生徒 (国際学校図書館協会)
 複数の国籍の生徒が席を並べ (経団連) という表現にあるように、民族、国籍を問わないのがより事実に近い表現です。

 「多国籍、多言語の生徒」 (国際学校図書館協会)の記述は、「民族や国籍を問わず」 (小林氏) より詳細です。

 「多国籍、多言語の生徒」を対象にするのばもっともふさわしいようです。
インターナショナルスクールの定義 (運営主体と対象)
 インターナショナルスクールは、特定の国の支援を受けず、政府の資金的後ろ盾がなく、運営が独立している。
 インターナショナルスクールは、多国籍、多言語の生徒を対象としている。

インターナショナルスクールの定義は、現在、さらに調査をしています。

本研究にご協力いただける方は、お問い合わせよりご連絡ください。

こちらも参考にしたいですね。

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この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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