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5年でインターナショナルスクールの生徒数が32%増えても、シンガポールは国際教育の後進国?

5年でインターナショナルスクールの生徒数が32%増えても、シンガポールは国際教育の後進国?

シンガポールの地元紙は、シンガポールでインターナショナルスクールの校数少ないことを危惧しています。隣のマレーシア、タイはインターナショナルスクールの校数が増え、生徒数も増えています。その一方でシンガポールはシンガポール人は公教育が優先されるからです。シンガポールの危機感。国際教育のアジアトップをめぐる争いが見えてきます


教育先進国シンガポール

シンガポール国立大学がアジアのトップになり、シンガポールにはインターナショナルスクールが増えてきました。

2017年、その勢いはどうなっているのでしょうか?
シンガポールの情報サイトAsiaOneは、"International schools in Singapore still growing"とシンガポールのインターナショナルスクールが増加するとする記事を2017年3月に掲載しました。

シンガポールの地元紙は、隣国マレーシア、タイと比較し、インターナショナルスクールを増やす政策が弱いと危機感を記事にしています。

外国人が働くには高度なスキルが求められるシンガポール

シンガポールでは、外国人労働者の流入が厳しく規制されているため、在留資格の伸びが鈍化する可能性がある。
しかし、英国にあるインターナショナルスクールの調査会社のインターナショナルスクールコンサルタント(ISC)の調査によると、インターナショナルスクールの需要は増え続けている。

他の多くの東南アジア国々では、外国人ではなく、その国、その地域に住む住民がインターナショナルスクールの教育を求めており、需要がさらに強まっている。

シンガポールでは、インターナショナルスクールの生徒数が増えています。
2013年度は、前年に比べ12%生徒数が増え、47,000人になりました。

その後、生徒数は増加を続け、2016年は59,900人に増えています。

東南アジアのインターナショナルスクール生徒数ランキング

東南アジア全体では、2016年に約94,000人の生徒がインターナショナルスクールに入学しました。
2012年に比べて34%増加したことになります。

2017年現在、シンガポールでインターナショナルスクールに在籍する生徒数は63,789人に上ります。
インターナショナルスクールに通う生徒数では、東南アジアで3位です。

1位は、マレーシアの71,589人。
2位は、タイの65,928人です。

データによると、シンガポールのインターナショナルスクールの数は、2012年の65校から2016年の86校と約32%増加しました。

2020年までに校舎の拡張などで受け入れ生徒数はさらに伸びる。

ビジネスタイムズによると2015年から2020年の間に、少なくとも5つのインターナショナルスクールが現在のキャンパスを拡張する計画を持ち、より広い校舎に移設を考えています。

ISCリサーチは2015年から2020年に東南アジアのインターナショナルスクールの校数は725校から1008校に39%増加すると報告しています。

IRSのコンサルタントは、「インターナショナルスクールを英語圏の国の外で全面的または部分的に英語でカリキュラムを提供するスクール」として定義しています。

シンガポールのように、英語が公用語の一つである国では、国のカリキュラム以外の英語中級カリキュラムを提供しています。

IRSのコンサルタントは、2014年後半に石油・ガス市場が低迷した後の外国人労働者の削減にもかかわらず、東南アジアのインターナショナルスクールは成長を続けていると述べました。

多くの東南アジア諸国では、「インターナショナルスクールの需要は地元の人々による国際教育ニーズがあるからだ」と付け加えた。

シンガポールでインターナショナルスクールに通う生徒が増えない理由

シンガポールのインターナショナルスクールの増加が遅いのは、理由があります。
教育省(MOE)は、生徒の学んできた特別な状況を除いて、インターナショナルスクールに入学することを許可しないという方針を持っています。

タイのプレミア・インターナショナルスクール(Premium International Schools)では、海外駐在員の生徒よりも、タイ人の生徒が多くなっています。

ISCリサーチは、東南アジア全域のインターナショナルスクール306校を調査しました。
タイとマレーシアは、その国の国籍を持つ生徒が通っており、それぞれ12パーセントを構成しています。

外国人は、アメリカ人、韓国人がそれぞれ6%、イギリス人は5%でした。

マレーシアのインターナショナルスクールでは、マレーシア人生徒の入学が増加し、今では生徒構成の点から見ても重要な存在となりました。

積極的なタイ、マレーシア

イスカンダル計画によってマレーシアに開校したマルボロ・カレッジ・マレーシア校(Marlborough College Malaysia)の学費は、 24,000ドルと高額です。

マールボロ・カレッジの校長は、高い授業料にもかかわらず、生徒の約4分の1はマレーシアに住む地元の生徒で構成されていると語ります。

マレーシアにあるマルボロ・カレッジ 公式ホームページのスクリーンショット

同じくマレーシアのイスカンダールにあるエクセルシオール・インターナショナル・スクール(Excelsior International School)では、マレーシア人の生徒が60〜70%とさらに多くなっている。

エクセルシオールの教頭のイラン氏は、「子供たちはグローバル市民として生きて行くことを認識しており、将来的にグローバルに活躍できるようなライフスキルを育てています」と語ります。

マラッカインターナショナルスクール 公式ホームページのスクリーンショット

マラッカインターナショナルスクール(Melaka International School)は、71%のマレーシア人の生徒が通学しています。
マレーシア人の多くは子どもが将来、海外に進学することを前提とし、入学させています。

同校の教員は、「保護者は、英国中等教育や英国のカリキュラムに加えて、学力に重点を置いており、学力向上のため生徒と教師の比率もチェックする」と語ります。

シンガポールでシンガポール人生徒がインターナショナルスクールが入学を許可することは、ほとんどありません。

なぜならば、シンガポールの教育制度では、インターナショナルスクールは外国人のためにあるからです。

インターナショナルスクールからシンガポールの公教育へ

シンガポールの公立学校では、外国人は約5%しかいません。
この比率は、近年ほぼ一定です。

シンガポールでインターナショナルスクールに通う生徒が、公立学校へ入学を希望する場合、編入試験(AEIS)で英語と数学のテストを受ける必要があります。

AEISの申請件数は毎年3,000人〜3,500人の範囲で、合格率は、毎年異なります。

AEISの合格者には、住んでいる地域の通学可能な公立学校が案内されます。

AEISは、公立学校に入学した外国人がシンガポールのカリキュラムに対応できるよう支援するものだからです。

それでも増えるシンガポールにインターナショナルスクールは増える。

シンガポールでは、公教育と外国人向けのインターナショナルスクールが分けられています。

シンガポール人にとって、隣国のマレーシア、タイに名門インターナショナルスクールが増え、シンガポールが「鎖国」している状況に危機感を覚えるようです。

しかし、シンガポールは、アジアにある多くの外資系の会社が集積しています。
法人税等を含むさまざまな税金が低いという理由でシンガポールに移っています。

シンガポールは、もともといろいろな人種がいる国です。
そのため公教育も多様性を尊重し、多言語を大切にする文化となります。
その点で、インターらしい教育を現地校が実施していることが多いようです。

シンガポールのチャイナタウンでは旧正月を祝う。

しかし、海外から転勤する家族の子供はインターを希望する人が多くいのも実情です。
海外駐在員は、会社がほとんど学費を負担するため、あまり内容がわからない現地校より自然とインターナショナルスクールを選んでいます。

今後、グローバル企業のアジア拠点が増える分、インターの需要もまだまだ増えそうですね。

シンガポールの地元紙が危惧するほどではないようです。
少なくとも、シンガポールではインターナショナルスクールが増えると予測されているからです。

こちらも参考にしたいですね。

【英国発】ジョージ王子の学校が決定!一体どんな学校なの!?

http://istimes.net/articles/894

先日、英国王室はウイリアム王子とキャサリン妃の長男、ジョージ王子(3歳)が9月からロンドン南部にある「トーマス・バタシー校」に入学する事を明らかにしました。ジョージ王子に自分が卒業した学校とは、別の学校を選んだウイリアム王子、キャサリン妃夫妻。どんな学校に入学するのかロンドン在住のChika B記者がご紹介します。

【オランダ発】オランダのインターナショナルスクールは、半官半民?「ダッチ・インターナショナル・スクール」とは?

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世界トップの子弟が学ぶボーディングスクールの学費とはどのくらいかかるのでしょうか。中学校・高校で培った人脈は、一生続きます。ボーディングの学費とその施設を中心にまとめました。

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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