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スクリーンタイムを超えて―高学年の生徒にとって禁止よりもバランスが重要である理由

スクリーンタイムを超えて―高学年の生徒にとって禁止よりもバランスが重要である理由

記事:高学年の生徒にとって「スクリーンタイム」は必ずしも有害とは限りません。PISA関連の調査結果や日本の調査データからは、デジタル利用を一律に禁止するよりも、バランスの取れた区切りを設定し、保護者や教師が積極的に関与する方がより効果的であることが示されています。


スクリーンタイムを超えて―高学年の生徒にとって禁止よりもバランスが重要である理由

保護者や教師は長年にわたり、子どもの「スクリーンタイム」について、特に学業成績への潜在的な影響を考えて懸念してきました。これはごく当然のことです。もし、生徒が常に画面を見つめているのであれば、そのことが生徒の学習に悪影響を与えかねないと考えるのは自然なことです。しかし同時に、デジタル学習の手法や学習ツール、オンラインの学習リソースが広く普及し、さらに娯楽としてオンラインで過ごす時間も増えている現在、本当にすべてのスクリーンタイムが有害なのかどうかを改めて考えることも重要です。


OECDが発表した2025年後半の報告書では、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)対象国の15歳の生徒へのデジタルレジャー時間の影響について調査しており、従来の懸念を裏付ける一方で、驚くべき結果も示しています。

調査では、部分的には、デジタルレジャー(他者とのコミュニケーション、ソーシャルメディア、ストリーミングビデオ、ビデオゲームなど)に費やす時間が長すぎる生徒、特に学校にいる間にデジタルレジャーに触れる生徒は、数学の成績に悪影響があっただけでなく、デジタル不安(ソーシャルメディアの過度な利用により生じる、孤立や取り残されることやその他の要因に対する恐怖によるストレス)の増加と共に、人生満足度や学校への帰属意識の低下を報告していることがわかりました。これらの要因が組み合わさり、学業への関心や取り組みの欠如が起こります。この問題への解決策は一見シンプルに思えるかもしれません。つまり、学校でのスマートフォンやその他のデバイスを禁止することです。しかし教育現場からは、実際にはそれほど単純ではないという声も上がっています。安全面の懸念から「スマートフォン禁止」政策に反対する保護者も多く、また生徒は他のデジタルリソースにもアクセスできるため、この分野では保護者と教師の理解を深めるためのさらなる議論や検討が必要だとされています。

一方で、この報告書は驚くべき点も明らかにしました。デジタルレジャーに費やす時間と個人の成果や学校での​​成果との関係は、単純に「時間が増えるほど悪くなる」というものではなかったのです。実際、デジタルレジャーの時間と宿題の時間が中程度(それぞれ平均で1日あたり2.26時間、1.36時間)の生徒は、デジタルレジャー時間が短く(平均で1日あたり約25分)宿題の時間が長い(平均で3.21時間)生徒よりも数学の成績が良く、学校への帰属意識、さらには人生満足度が高いと報告しています。このことは、生徒たちがオンラインで「時間を浪費している」だけだという考えに反しているように見えます。

宿題に費やす時間が長い生徒は単純にストレスが多く「燃え尽き症候群」に陥って成績が悪いのかもしれない、と考えることもできるでしょう。しかし、結果からは、デジタルコンテンツに費やす時間が最も短い生徒は、デジタルレジャー時間が最も長く宿題時間が最も短いと報告した生徒と比べても数学の点数が低く、学校への帰属意識が低いと報告していることがわかっています。このことから二つの考えが裏付けられます。第一に、コミュニティーとして学校に参加している生徒の方が学業成績が良いということ。第二に、少なくともこの年齢層では、ある程度のスクリーンタイムは生徒の幸福感と学業成績に有益な影響を与えるということです。

デジタルとの関わり方を見直す時?

こうした結果を踏まえると、教育者や保護者にとって重要なのは、私たち自身が育ってきた学習環境や社会環境が現在とは大きく異なることを認識し、デジタルレジャー、そしてそれに伴うスクリーンタイムが、生徒の成功において持つ意味を理解することかもしれません。


博報堂教育財団こども研究所が2025年に実施した、小学校高学年の生徒および中学生1,200人とその保護者を対象とした調査によると、生徒たちが授業でデジタル学習方法に日常的に取り組んでいることや、デジタル学習とその効果についての認識が保護者とは異なる(手書きよりもタイピングを好む傾向やデジタル教科書の活用など)ことがわかりました。調査対象の生徒の約7分の1が宿題の一環として動画を視聴しており、60%以上がタブレット端末で課題を提出していました。これらはすべて、生徒たちが保護者よりもデジタルコンテンツに慣れており、より快適に利用していることを示しています。このことは、余暇時間の場合についても考慮すべき点です。


教室の外では、オンライン空間は生徒たちが語り合い、共通の文化的な出来事に関与し、学校の外でも中でも仲良くなるためのフォーラムになっています。いじめ、美の基準や社会的基準に関する同調圧力、不適切なコンテンツへのアクセスの可能性など、オンライン活動に伴う危険性を念頭に置き、可能な限り安全策を講じることは正しいことです。同時に、これらの空間やメディアが少なくとも部分的に、場合によっては完全に、私たちがより慣れ親しんできたであろう従来のコミュニケーションや文化伝播の方法に取って代わったことを認識する必要があります。


多くの生徒にとって、特定のクリエイターのコンテンツを視聴したり、オンラインでチャットしたりすることは、私たちの場合の特定のトレンドやテレビ番組を知っていて学校で会話ができることや、放課後や週末に仲間と関係を築く時間を過ごせるといった、現在では過去に比べて難しく思われるようなことと同等である場合が多いのです。また、私たち自身の子ども時代や10代の頃のメディアの習慣を振り返るべきです。多くの場合(あるいはほとんどの場合)、私たちが消費したものすべてが「役に立つ」わけではありませんでした。デジタルレジャーの時間が増え、メディア環境がはるかに多様化または細分化している一方、テレビを見る時間(多くの場合、私たち自身にとっての「スクリーンタイム」ですが、そのようには呼ばれていません)が近年減少していることも注目に値します。



YouTubeチャンネルやクリエイターなど、従来とは異なるメディアに対しても同じような視点を持つことで、十代の若者のメディア利用をすぐに批判するのではなく、より理解し関わることができるようになります。そして、そのような関わり方は、必要な場面で介入する際にもより良い結果を生むことが多いのです。発信元が違う、あるいは家族でテレビを囲んでいないという理由だけで、それが必ずしも「より悪いもの」であるとは限りません。

重要なのは、以前と同様に、保護者や教師が子どもたちがどのようなコンテンツに触れているのかを把握し、それについて話し合うことです。さらに重要なのは、これについてメリットとデメリットも含めて子どもたちと話し合うことです。つまり、子どもと一緒に、あるいは別に、そのメディアを見て、説明や複雑な話し合いができるように議論の基盤を築くということです。適切なアプローチで接すれば、生徒たちはこうした内容について十分に深く考え、議論することができます。ソーシャルメディアについても、特定の年齢の生徒が利用する場合には同様のアプローチを取ることができますが、この場合、特に低年齢の子どもや10代の若者に対しては、保護者(または近年オーストラリアで見られるように、政府)がアクセスをより厳しく管理することが一般的なアドバイスです。

もう一つ重要なのは、私たち自身のスクリーンタイムの習慣を振り返ることです。

自分たちの動画配信サービス、オンラインショッピング、ソーシャルメディア閲覧について考えずに生徒たちを批判するのは簡単です。しかし、子どもたちは周囲の大人からヒントを得ることが多く、たとえば、家庭で保護者が本を読む時間を作ると、子どもも自然と本を読むようになることはよく知られています。これはデジタルレジャーの場合にもほぼ間違いなく当てはまります。そこで、自然の中や公園を散歩する、植物やペットの世話をする、旅行をする、ボードゲームをする、など、スクリーンを必要とせず子どもにも大人にも学習効果や新しい発見をもたらします。同時に、教師や保護者は、有益なYouTubeチャンネルやコンテンツクリエイターを紹介するなど、良いデジタルコンテンツのモデルを示すこともできます。そして、学校の仲間とのつながりや所属感を育てるような、必ずしも学術的に「有益」とは言えないスクリーンコンテンツにも、ある程度の余地を残すことが大切です。

総じて言えるのは、高学年の生徒にとってスクリーンタイムは、私たちが想像するほど一方的に悪いものではないということです。適切に管理されれば、学校のテスト結果だけでなく、学校での安心感や生活満足度といった、個人の成長に大きく関わる要素にも良い影響を与える可能性があります。これは、スクリーンタイムが他のあらゆる学習方法や経験に取って代わるべきだという意味では決してありません。しかし、子どもをサポートする大人は、生徒が現在どのような環境で生活し学習しているのか(そして実際、将来どのように学習を続けるのか)を考慮し、話し合いを通じて、幸福、自信、そして最終的には成功につながる習慣を身につける手助けをすることが重要なのです。

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この記事の記者

ジョージョー・モランダグラスは、帰国子女アカデミーの学術部門責任者として、2006年より帰国子女やインターナショナルなバックグラウンドを持つ生徒とその家族を対象に、カリキュラム、学習法、サポート戦略の開発に携わってきました。その間、幼児教育から日本の入試制度を受ける学生、さらには国内外の難関大学を目指す学生まで、数千人の生徒の成功を導いてきました。また、在籍中には保護者や生徒への助言を提供する記事を、さまざまな媒体で執筆しています。

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