インターナショナルスクールとは?
インターナショナルスクールは、法的に定義されていない名称です。
そのため誰でも「インターナショナルスクール」の名称を使うことができます。
塾や英会話が多いのですが「インターナショナルスクール」と名乗っているケースもあります。
自由標榜にインターナショナル・スクールと名乗ることができますが、一般的には「主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設」とされています。
文部科学省の中央教育審議会は、次のようにとらえています。
主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設
・英語による授業
・外国人を対象
このふたつがキーワードです。
日本人にも広がるインターナショナルスクール人気
90年代までは、インターナショナルスクールは、外国人の子供が通うスクールというイメージが強かったのですが、90年代以降、日本人のお子さんも多く通うようになりました。
海外から帰国してきた生徒が中心でしたが、80年代からのプリスクールブームが背景にあり、義務教育違反になっても「英語で学ばせたい」と小学校・中学校を通わせる日本人が多くなってきました。
グローバルなコミュニケーション能力と海外の大学に進学してほしい、という保護者が通わせていました。
また、日本の学校が文部科学省の学習指導要領に従わなければいけないのに対し、インターナショナルスクールは、教育理念から独自のカリキュラムを組むことができます。
柔軟にカリキュラムを変更できることもあり、世界標準の最先端の教育を実施できるため、インターナショナルスクールの人気が高まりました。
例えば、プログラミングを1980年代から取り込んでいたアメリカンスクール・イン・ジャパンや探求型の国際バカロレアを1979年に採用したセントメリーズインターナショナルスクールや80年代に横浜インターナショナルスクール、カネディアン・アカデミイの例が挙げられます。
インターナショナルスクールの人気は、日本だけではなく世界で高まっています。
特に中国、インド、UAE、インドネシア、マレーシアやシンガポールを代表とする国々では、インターナショナルスクールが増加しています。
インターナショナルスクールの調査レポートでは、2030年までに学校数が2倍に増えると予測されています。
インターナショナルスクールがカリキュラムを自由に選べる理由
一条校を除くインターナショナルスクールは、国や文部科学省が決めるカリキュラムではなく、教育理念に基づき、カリキュラムを採用し、開発していきます。
日本国民は、国民の義務として教育を受けさせなくてはなりませんが、一時的に駐在する外国人は国民ではないため、教育の義務がありません。
そのため一条校を除くインターナショナルスクールは、基本的に自分たちでカリキュラムを採用し、開発し、教科書など必要な物などを費用負担しています。
都道府県から一部補助金が出ているスクールもありますが、それでも数百万などごくわずか。
インターナショナルスクールの授業料が高いのも、公的な補助が少ないことも理由のひとつです。
「外国人のための教育機関」であるため、国や都道府県も税金投入する理由が少ないのです。
費用も出さないから、カリキュラムにも口出しをしない。
それが、インターナショナルスクールのこれまでの姿でした。
しかし、最近は風向きが変わりつつあります。
例えば、千葉県幕張市にある幕張インターナショナルスクールや長野県軽井沢市にあるインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢のように一条校として設立されることも多くなってきました。
インターナショナルスクールがあるか、ないかによって、海外からの直接投資に結びつき、直接投資が増えれば、国や都道府県も税収の増加に関わってくるため、教育インフラとして積極的に誘致する県も出てきました。
「国民」と「納税」という視点からも、外国人の子弟が通うインターナショナルスクールのカリキュラムは、国や文部科学省の学習指導要領に準拠する必要がないため、自由にカリキュラムを組むことができるのです。
1条校とは?
学校教育法の第一章 総則には、次のように記されています。
学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
現在、インターナショナルスクールで一条校となっているスクールは、数校。
例えば、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢や幕張インターナショナルスクール、ぐんま国際アカデミー、沖縄アミークスインターナショナルスクールなどが代表的です。
プリスクールとは?
日本人にとって小中学校にあたる教育は、義務教育です。
そのため、義務教育違反になるインターナショナルスクールに通わせている方より、乳幼児の教育機関である「プリスクール」やに通わせている方が多いのが現状です。
ちなみに「プリスクール」のほとんどが認可外保育施設です。
プリスクールに似たナーサリー、キンダーガーテン、デイケア、幼児園などと呼ばれている施設も、ほとんどが認可外保育施設です。
これは、乳幼児を預かる場合、都道府県に認可外保育施設として届け出る必要があるからです。
また、認可保育施設になるには、日本の保育士免許を持っている職員が預かる児童数に比例した人数が必要です。
外国人がアメリカの保育士免許を持っていても、日本の保育士として認められません。
日本の保育士免許がアメリカで保育士としてみなされないのと同じ。
外国人が日本語で日本の保育士養成講座を受講し、試験に合格する例はほとんどいません。
そのため外国人教員を多くするほど、日本の保育士免許を持つ人材が少なくなります。
認可外保育施設は、日本の保育士数が認可ほど厳しくありません。
そのため、多くのプリスクールではアメリカやカナダ、フィリピンやインドなど海外の保育士免許または同等レベルの資格保有者を採用しています。
安全・衛生面、指導面など世界基準で採用をしています。
しかし、どの国にもローカルルールはあるため、その国の安全・衛生基準を満たすように施設側は教職員を指導していきます。
例えば、災害の多い日本では、地震や津波、台風や火災など防災害対策がしっかりしています。
また、日本より安全面で厳しいアメリカやイギリスなどでは、散歩時に公園のトイレを使わないケースや使う場合は、教職員がひとつひとつトイレを確認しなければ使えないケースもあります。
その国々の文化と事情があります。
ちなみにプリスクールは、英語教育のニーズ、待機児童の増加で増えた認可外保育施設がほとんど。
そのため幼・小・中・高と教育課程のあるインターナショナルスクールとは教育施設として、別と考える方が主流です。
インターナショナルスクールの校数
日本国内のインターナショナルスクールの校数は、データが古いのですが文部科学省は、次のように把握しています。
インターナショナルスクール(主に英語で授業を行うもの) 24校
インターナショナルスクールタイムズの独自の調べでは、約53校。
これは、幼小中高と連続した教育課程があり、インターナショナルスクールとして国際認定組織から認定を受けているスクールです。
(認定を受けていないスクールは数に入っていません)
国際認定組織の認定を受けていないスクールも数多くあるため、実際はこれ以上と考えられています。
カリキュラムとは?
日本の学校(一条校)の場合、カリキュラムは、文部科学省の学習指導要領に従っています。
インターナショナルスクールのカリキュラムは、創立理念や母体によって教育理念からカリキュラムを開発していきます。
そのため、カリキュラムはそのスクールによって違います。
例えば、アメリカンスクール・イン・ジャパンはアメリカ式ですが、生徒の創造性と探究心を積極的に高めるために独自に進化しています。
また、日本人が初めて創立した西町インターナショナルスクールは、英語・日本語が必修で有名ですが、標準のカリキュラムを枠組みとし、生徒は、質問型の学習を通して学びを進め、各教科の内容を掘り下げて勉強します。
東京インターナショナルスクールは、国際バカロレアを採用し、教科の枠を超えてあらゆる教科を一貫したつながりの中で学び、教科間同士がどのように関わっているかに注目しています。
コロンビアインターナショナルスクールや大阪YMCAインターナショナルスクールが取り入れるカナダのオンタリオ州教育省のホームページ
http://www.edu.gov.on.ca/eng/
カナディアン・インターナショナルスクールは、カナダのプリンスエドワード州教育省から認定を受けており、カナダの教育と国際バカロレアのPYPを併用しています。
アオバジャパンインターナショナルスクールは、この数年でアメリカ式から国際バカロレアの一貫校にカリキュラムを変更しました。
アオバジャパンのように数年でカリキュラムを変更することもできるのが、インターナショナルスクールの動きの早さ。
良いカリキュラムならば、すぐに取り入れ、活用していきます。
カリキュラムは自分たちで毎年作り変える。
それが、インターナショナルスクールのカリキュラムの良いところといえます。
どの都道府県にインターナショナルスクールが多いのか?
インターナショナルスクールタイムズの調べでは、もっともインターナショナルスクールが多いのは東京都。
その次に神奈川県、兵庫県が同じ5校で並びます。
神奈川県、兵庫県は、日米修好通商条約で横浜港、神戸港が開港したこともあり、歴史的にも外国人貿易商が早くから赴任したこともあり、インターナショナルスクールも早くから創立されています。
第1位 東京都:28校
第2位 神奈川県:6校
第2位 兵庫県:6校
(編集部独自調査:2022年2月現在)
インターナショナルスクールが多い都道府県がある分、少ない地方もあります。
全体的に東北、甲信越、中部、四国はインターナショナルスクールが少ないことが判明しています。
ちなみにブラジル人学校、中華学校や朝鮮学校などは、その国や民族の教育、理念を教えています。
すなわちインターナショナル(国際)ではく、ナショナルスクール(民族または国民学校)と判断されています。
ナショナルスクールは、志願時にその国または民族の国籍や過去に滞在した経験または保護者などがその国または民族出身であることが条件になります。
多様性、多文化のインターナショナルスクールとは異なる目的で創立されたスクールのためインターナショナルスクールタイムズでは、ナショナルスクールを統計に入れていません。
注意したい義務教育違反
インターナショナルスクールは、海外からの駐在員のために開校した歴史的な経緯があります。
そのため日本の教育とは違い、英語やフランス語、ドイツ語などで指導でき、カリキュラムや指導方法を自由に選択してきました。
日本は憲法の三大義務のひとつに「教育」があります。
そのため日本国籍を持つお子さんは、義務教育を受ける必要があります。
義務教育は、小学校・中学校をイメージするとわかりやすいですね。
日本国籍を持つお子さんが小学校・中学校をインターナショナルスクールに通うと厳密には「義務教育違反」となります。
しかし、例外もあり例えば二重国籍を持つお子さんや海外からの帰国生などはインターナショナルスクールに進学することが増えています。
それは将来海外で生活する可能性があり、英語やその他の言語で学ぶことが合理的だと判断されるからです。
海外で幼稚園から小学校まで通ったお子さんが急に日本に帰国し、中学校から日本語で学ぶのが難しい場合などが挙げられます。
そのため幼児教育のプリスクールやキンダーガーテンは、義務教育違反にならず英語と国際文化に触れられるため人気になっています。
インターナショナルスクールの高等部から入学を希望しても、小学校・中学校を日本語で学んできた生徒が「英語」で社会や物理を理解するのは難しいため現実的ではないと考えられています。
日本国籍を持つお子さんがインターナショナルスクールの小・中・高に入学させたいと思う場合、かなりの覚悟が必要です。
日本の教育に戻れない、と覚悟する必要があります。
もちろん、学費も日本の学校に通わせるよりもはるかにかかります。
「プリスクールは気軽に。インターナショナルスクールは、慎重に」が日本のインターナショナルスクール事情といえます。
インターナショナルスクールの小学校を考える前に義務教育について知ろう!
http://istimes.net/articles/780小学校と中学校は、義務教育。義務教育について知っておきましょう。
インターナショナルスクールに入学するには
インターナショナルスクールに入学するには、教育課程でも違いがありますが、日本の受験とほぼ同じと考えてよいでしょう。
*(プリスクールではなく、小中高のあるインターナショナルスクールを前提としています)
1.学校説明会
2.願書配布
3.願書記入・提出
4.面接・試験
5.合否発表
6.手続き
7.入学
このプロセスは、英語で実施されます。
インターナショナルスクールの面接・試験では、お子さんの英語力・学年相当の学力だけではありません。
保護者も積極的にスクールをサポートするため、保護者がどこまでそのスクールの教育理念に共感し、英語でコミュニケーションができ、スクール運営に協力できるか、もポイントになります。
人気のあるスクールほど、保護者の資金力・人格力・コミュニケーション能力・語学力のハードルが高いといえます。
先生や職員との連絡、学校行事も英語で行われるためインターナショナルスクールでは保護者の語学力も問われるのです。
試験は、面接が重視され、個別面接、集団面接などがあり、学年によって求められる能力は違います。
幼稚部から小学部に進学する場合、英語力、理数能力、コミュニケーション能力、担任などの個別面接、同じ学年のお子さんたちが一緒の行う集団行動観察、校長・教頭先生との面接などがあります。
小中高とも最低限必要とされるのが、学力とともに英語力。
英語力がなければ授業を理解できないため、学年相当の英語力がない場合、一学年下げて入学をすすめられることもあります。
また、ESLなど英語力を育てるコースからスタートする場合もあります。
英語力を補うクラスやコース
インターナショナルスクールは、フランス語、ドイツ語のスクールもありますが、そのほとんどが英語で学びます。
そのため、英語を理解できない生徒は学力が身につきません。
すなわち学ぶために必須なのが英語力です。
英語力が低い場合、入学前に英語力を補うようことが条件となることがあります。
ESLやEALなど呼ばれているクラスやコースです。
通常の授業で英語のクラスだけ習熟度別に分かれるケースや放課後にESLの先生と英語の特訓をするケース、生徒の横にESLの先生が付いて授業を解説しながら教えてくれるケースなどさまざまです。
放課後に上級生がチューターとして指導をしてくれるケースもあります。
インターナショナルスクールでは、とにかく英語力が前提となっています。
また、英語力が低い場合、学力面だけではなく、人格形成にも大きな影響を及ぼします。
インターナショナルスクールで学ぶ場合、英語力がキーポイントです。
日本語・国語の学び方
英語力がキーポイントですが、インターナショナルスクールに通う生徒は、多様です。
英語力と同時に日本にあるインターナショナルスクールとして、日本語・国語が重要視されています。
日本語は、日本語を母語としないお子さんの学び方があり、日本語を母語とするお子さんは、国語として学んでいきます。
日本語を母語とするお子さんの場合、多くのインターナショナルスクールでは文部科学省の検定教科書を使うことが多くなっています。
日本語を母語とする生徒のために開発された「国語」の教科書を使うのは、理にかなっています。
小学部1年生から日本の学校と同じ授業数で国語を実施するスクールも増えています。
漢字や語彙などインターナショナルスクールに通った場合、個人差がありますが、相対的に日本語力が若干低くなるようです。
漢字や四文字熟語など日本語に触れている時間が少ない分、弱くなるのは自然と考えられます。
そのため、日本語をしっかり身につけてほしいと思う保護者は、放課後に国語の塾に通わせることも多い様です。
社会人になって新入社員研修で状況に応じて、謙譲語や尊敬語などの使い分けなどを学ぶのは、日本の学校を卒業した学生とあまり変わらないともいえます。
インターナショナルスクールの学費・授業料は
■志願時
志願料と呼ばれるもので、日本の学校でも願書を出願した時に志願料がかかります。
志願料の目安です。
志願料:約2万〜5万円
■入学時
入学時にかかる費用は、入学金が一度のみとし、施設使用料など施設関係と教材費関係は毎年、納付する必要があります。
入学金:約20万〜50万円
授業料:約150〜250万円
施設使用料:約20万〜50万円
教材費:約20万〜50万円
施設充実費または協力金(認定などの費用):約5万円〜20万円
保護者会費:約2万〜5万円
■在籍時
翌年度からは、施設費や教材費などを毎年納付し、在学中は授業料とランチ、スクールバスなどがかかります。
スクールバスは、学校によって大きく異なります。
往復で月額50万円ほどかかるスクールもあり、スクールバス代に大きな違いがあります。
都心と郊外を結ぶ長い距離の場合、スクールバス代が高くなるケースが多くなっています。
インターナショナルスクールの学校生活とは
■新年度の始まり
新年度の始まり
インターナショナルスクールの多くが8月末から9月に新学期が始まります。
ちなみに4月始まりのスクールは、新年度を日本に合わせたケース。
欧米と同じ新年度の始まりを8月末または9月にしているのは、外国人駐在員の転勤時期や卒業後の進路に便利なため。
スクール側としても、世界のインターナショナルスクールの教員マーケットから人材を良い人材を募集できる8月末または9月に合わせた方が良い人材を採用できます。
入学式も意外とあっさりと開催され、すぐに授業に入るところが多いようです。
■学校行事
インターナショナルスクールの学校行事は、基本的に日本の学校と大きく違いません。
始業式、終業式から定期試験や面談など、遠足、修学旅行やスキーキャンプ、コンサート(合奏会、合唱会)、ドラマ(演劇発表会)、フェスティバル(文化祭)、ほとんど同じです。
英語で表記されるので大きく違うように思えますが、内容はそれほど違いません。
学校行事には、保護者も積極的に関わってきます。
また、学校行事がチャリティー活動に結びついていることが多いのも特徴です。
寄付のために保護者も積極的に関わり、バザー、ベイクドセール、フードフェア、ウィンターフェア、ウオーカソンなど保護者の勤務先なども物品やサービスの寄付を通して盛り立てます。
収益は、そのまま寄付されています。
近年は、日本式の「運動会」も取り入れるスクールが増えています。
■通学
インターナショナルスクールの通学といえば、スクールバスをイメージされる方が多いと思います。
実際は、年齢によって大きく変わります。
幼稚部では、保護者の送り迎えまたはスクールバスが中心です。
小学部から電車など公共交通機関での通学が可能になるところが多いようです。
小学部低学年では、保護者の送り迎え、スクールバスの利用が多く、3年生前後からは、電車通学などひとりで通学するケースが多くなってきます。
中学部・高等部になると多くの生徒が電車など公共交通機関を使って通います。
一部生徒は、スクールバスのアテンド(送迎係)としてスクールバスに乗る生徒もいます。
この場合、スクールからアテンド料が出るところもあります。
スクールバスのアテンドをする中高生は、アテンドとして乗る前にAEDの使い方や安全講習、保護者とのコミュニケーション能力などが求められるため、結果的に優秀な生徒が乗ることが多いようです。
ちなみに海外にあるインターナショナルスクールでは、王族、国内外の政府高官の子弟、著名な起業家などセレブが通っていることもあり、送迎時にスクールに特殊な警備がつくことがあります。
■ランチ
幼小中高とあるインターナショナルスクールの多くは、カフェテリアがあるところがほとんどです。
カフェテリアでは、洋食だけではなく、月ごとにテーマとなる国・地域の食文化を取り上げ、食育を実施しているところも多くあります。
これは、生徒や教職員がさまざまな国や文化を持っているため、多様性を受容し、考えるきっかけとして実施しているようです。
また、アレルギー、宗教、イベントなどに対応できるようになっています。
カフェテリアもIT化が進んでおり、生徒ひとりのIDでアレルギーや宗教的に食べられない素材や手法などを登録でき、オーダー時や会計時に購入できない仕組みを導入しているところもあります。
イベント時には、カフェテリアもフードフェアを盛り上げたり、パーティ用、保護者会や説明会で軽食を提供しているところもあります。
■生徒会・クラブ活動
生徒会やクラブ活動も盛んです。
生徒会は、学校生活をどのように充実させ、生徒同士がまとまり、イベントやチャリティーなどの活動を実施します。
問題解決型の行動が多く、地域社会、国、世界と活動するフィールドも広いのが特徴です。
カンボジアに学校を建設するために資金を集め、実際に建築も手伝ったり、運営費を継続的に寄付するためにイベントを開催する、などスクール全体が関わり、保護者も積極的に寄付や行動でサポートしていきます。
クラブ活動は、通年型と季節型に分けれます。
屋内で活動できるブラスバンドや合奏、ロボットなどは通年型が多く、屋外で活動するクラブは季節によって取り組むスポーツが中心です。
陸上、バスケット、野球、ソフトボール、サッカーなど学期ごとに取り組みます。
ちなみに高校野球で甲子園を目指すためには、高校野球連盟に加盟する必要がありますが、東京都内で高野連に加盟しているインターナショナルスクールはありません。
一条校が対象となっているため、インターナショナルスクールは加盟対象となっていないのが残念です。
ユニークなのは、スポーツなどの対抗戦が関東リーグ、日本リーグ、アジア地域のインターナショナルスクール同士で対抗戦が開催されます。
インターナショナルスクール同士の対抗戦のため、遠征がシンガポールやインドネシアなどでも開催されます。
また、国内の場合、沖縄の米軍基地の学校とも対抗戦が組まれていることもあり、沖縄に遠征し、宿泊は基地の近くのリゾートに宿泊し、試合は基地内のグラウンドを使うケースもあります。
面白いのは、引越した友人と対抗戦で再開すること。
例えば、東京からシンガポールに引越した友人と遠征先のインドネシアで開催される対抗戦で再開することがあること。
世界に友人がいるインターナショナルスクール生徒らしいエピソードです。
■制服
制服があるスクールと自由なスクールにはっきり分かれています。
イギリス式、インド式などのインターナショナルスクールでは制服があることが多く、アメリカ式のインターナショナルスクールは自由なことが多いようです。
一度も制服に袖を通さずに大学に進学するケースもあり、インター生からは「制服を着てみたかった」という声も。
インターナショナルスクールを卒業後、どのような大学に進学しているのか?
インターナショナルスクール卒業生は、大きく2つの進路に分かれます。
海外の大学に進学するケースと国内の大学に進学するケースです。
■1.海外の大学に進学するケース
インター生は、英語で学んできたため、英語で学べる海外の大学に進学するケースが主流です。
英語で学べる大学選びでは、英語圏のアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが多いといえます。
アメリカでは、東海岸と西海岸に分かれ、東海岸のハーバード、コロンビアなどのIVYリーグ、リベラルアーツ系の名門カレッジ、西海岸のスタンフォードやUCバークレー、UCLA、カルフォルニア工科大学などが挙げられます。
また、ハワイの大学や音楽や演劇などの専門大学などに進学するケースもあります。
たまに見かけるのが、ウエストポイントやアナポリスと呼ばれる士官学校など。アメリカ国籍を持っている生徒に限られるのですが、士官学校を目指すケースもあるようです。
イギリスでは、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学を始め、セントアンドリューズ大学、ダラム大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン大学ユニバーシティーカレッジ、ウォーリック大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、エクセター大学、ランカスター大学、ラフバラー大学、バース大学、リーズ大学などに進学しています。
カナダでは、トロント大学、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学などが定番といえます。
オーストラリアでは、メルボルン大学、オーストラリア国立大学、シドニー大学、クイーンズランド大学、モナッシュ大学など。
ニュージーランドはオークランド大学などが挙げられます。
出身国や親の祖国に進学するケースもあり、ヨーロッパ、南米、中東などの大学に進学しています。
近年は、シンガポール国立大学、南洋理工大学、香港大学、香港科技大学などアジア圏の大学も増加しつつあります。
優秀な生徒は、奨学金がつくためアジアのトップ大学に進学するケースが増えるのでは、と考えられています。
■2.国内の大学に進学するケース
国内の大学では、伝統的に英語で学べるインター生を受け入れてきた上智大学、ICU(国際キリスト教徒大学)が代表的です。
近年は、英語で学べる国際教養学系の学部やコースが増え、早稲田大学、慶應大学などが増えています。
生徒の約半分が留学生の大分県にあるAPU(立命館アジア太平洋大学)や秋田の国際教養大学は、特徴ある教育が人気を集めています。
国立・公立大学は、東京大学や京都大学、大阪大学、名古屋大学など英語で学べるコースが増えつつあり、インター生の進学も増えています。
また、自治医科大学など都道府県知事の推薦が必要で、かなりの成績優秀者が対象となる大学にも進学者が増えています。
この数年でぐっと国内大学で学べる環境が整ったようです。
ちなみに卒業してすぐに大学進学をしないケースもあります。
奉仕活動やベンチャー企業に数年働いてから、大学に進学するケースもあります。
また、海外の大学に進学した後、日本の大学に編入するケースもあります。
言語の壁が少ないため、学びたいことを優先し、自由に選ぶことができるインター生らしい進路です。
保護者のメリットとは?
以外と書かれていないのが、お子さんがインターナショナルスクールに通った場合の保護者のメリット。
インターナショナルスクールに通わせる保護者には、いくつかの共通点があります。
・教育熱心
・海外生活に慣れている
・社会的成功者が多い
・自由な発想を好む
・多様性を重視する
・語学力がある
インターナショナルスクールタイムズの取材を通して感じるのが、柔軟で多様性を好む方が多いといえます。
また、社会的成功をおさめている方が多いため、企業経営者など相互に情報交換やさまざまな機会がさらに増えることが多い様です。
子どもの教育を考えてインターナショナルスクールに通わせているため、共通する話題もあり、英語力もあるため、意気投合し、ビジネス面でもパートナーとなることもあるようです。
インターナショナルスクールらしい保護者同士の付き合い。
学費が高い分、それなりの保護者が集まっています。
それが、子どもをインターナショナルスクールに通わせる保護者のメリットのひとつといえます。
■こちらも参考にしたいですね。
学費も年収も2倍に?日本人がインターナショナルスクールに通うメリットとは?
http://istimes.net/articles/782日本人がインターナショナルスクールに通うメリットとは?インターナショナルスクールタイムズの調べでは、学費は日本の学校に通わせるより2倍以上かかります。しかし、インターナショナルスクール卒業生の所得も2倍以上になっていると考えられます。
国際バカロレアは、国公立・私立・インターナショナルスクールの三つどもえ?
http://istimes.net/articles/799国際バカロレアは、広島と東京が熱い?国際バカロレアは、国公立・私立・インターナショナルスクールがそれぞれ異なる言語で実施しています。なかでも広島はインターナショナルスクール、私立、公立と人口280万人の都市ながら国際教育に積極的です。また、東京は国立、公立も国際バカロレアコースを設置。全国に普及するか、が注目です。
ボーディングスクールのスゴイ学費。世界トップに人脈を作るには、やはりお金がかかる?
http://istimes.net/articles/775世界トップの子弟が学ぶボーディングスクールの学費とはどのくらいかかるのでしょうか。中学校・高校で培った人脈は、一生続きます。ボーディングの学費とその施設を中心にまとめました。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。