Powered by Global Step Academy    
2013.01.07 国際バカロレアの調査研究校

2013.01.07 国際バカロレアの調査研究校

文部科学省は「平成24年度国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究 指定校一覧」を指定した。今回の指定校は、5校。


国際バカロレアの調査研究校

2013.01.07

 文部科学省は「平成24年度国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究 指定校一覧」LinkIconを指定した。

 今回の指定校は、5校。

 国際バカロレアのDPは、6グループからなる科目と3つの要件がある。

 今回の指定校では、3つの要件であるEE:課題論文、TOK:知識の理論、CAS:創造性・活動・奉仕の調査研究が集中した。

 科目の調査研究では、札幌聖心女子学院の「言語B英語」の研究がある。

 このなかで、注目すべきなのが関西学院千里国際高等部の研究課題だ。

 多くの学校がDP導入における研究が多い。
 しかし、千里国際はDPをどのように取得するか?と具体的な研究が主眼だ。

 実は、千里国際は、同じ校舎で国際バカロレア認定校の関西学院大阪インターナショナルスクールが併設されている。
 
 そのため、大阪インターナショナルスクールの国際バカロレアの科目を千里国際の生徒が受けることができる。

 実際、大阪インターナショナルスクールで国際バカロレアの科目を履修している生徒がいるため、今回の文科省の指定校になったことで、千里国際の生徒のDP取得へ向けた追い風になると考えられる。
 今回の研究課題である
 「学習指導要領に則った授業へのIB教授法導入の有用性」
 「一条校の生徒としてIBDPを取得するために乗り越えるべき諸条件」がどのような結果が出るのか、注目だ。

 大きなポイント

 1、一条校の生徒としてDPを取得するための調査研究 (関西学院千里国際高等部)

 2、公立校がDP認定校になるための課題研究  (愛知県立旭丘高等学校)

 3、学習指導要領に則った学校が国際バカロレアを実施しているインターナショナルスクールの授業を取り入れた場合 (関西学院千里国際高等部)

国際バカロレアのディプロマのカリキュラム

グループ1
第1言語(母語)
グループ2
第2言語(外国語)
グループ3
個人と社会
グループ4
実験科学
グループ5
数学とコンピューター科学
グループ6
芸術又は選択科目
Extended Essay(EE:課題論文)
生徒が学んでいる科目に関連した研究課題を決めて、自分で調査・研究を行い、学術論文にまとめる。
Theory of Knowledge(TOK:知識の理論)
学際的な観点から個々の学問分野の知識体系を吟味して、理性的な考え方と客観的精神を養う。さらに、言語・文化・伝統の多様性を認識し国際理解を深めて、偏見や偏狭な考え方をただし、論理的思考力を育成する。
Creativity/Activity/Service(CAS:創造性・活動・奉仕)
教室を出て広い社会で経験を積み、いろいろな人と共同作業することにより協調性、思いやり、実践の大切さを学ぶ。

 今回、指定された各校は以下の通り。

名古屋大学教育学部附属中・高等学校LinkIcon
IBDP-TOKの枠組みと評価方法を生かした協同的探究学習による自立した思考者としての生徒育成
−「総合人間科(総合的な学習の時間)」「自然と科学・地球市民学(学校設定教科)」の発展−
愛知県立旭丘高等学校LinkIcon
①公民科(倫理)及び総合的な学習の時間におけるTOKの趣旨を踏まえたカリキュラム開発
②DPにおいて日本語の使用が認められることを前提とした公立高等学校が国際バカロレア認定校となるための課題の研究
京都市立堀川高等学校LinkIcon
①「探究基礎」におけるTOKを踏まえた指導法及び論文・発表の評価法の研究開発
②実体験を重視した生徒主体の活動に対する、CASを踏まえた評価法の研究開発
札幌聖心女子学院高等学校LinkIcon
①IBの趣旨を踏まえた教育と自校の教育の関連性やIB教育の活用と発展の可能性についての研究
②「Extended Essay」の評価基準とルーブリックを用いた指導評価
③IBDPの「言語B英語」の評価基準とルーブリックを用いた「ライティング」の授業展開
④TKOの趣旨を踏まえた「倫理」及び学校設定科目「環境科学」の展開
関西学院千里国際高等部LinkIcon
①IB教育を実施しているインターナショナルスクールでの教育活動を踏まえた、学習指導要領に則った授業へのIB教授法導入の有用性についての調査研究
②一条校の生徒としてIBDPを取得するために乗り越えるべき諸条件に関する調査研究

 なお、文科省では「学校教育法第1条で規定されている学校が国際バカロレアの認定校になるためには、学校教育法等関係法令と国際バカロレア機構の定める教育課程の双方を満たす必要がある」としている。

引用 文科省 国際バカロレアについてLinkIcon
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/index.htm
文科省 平成24年度国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究 指定校一覧LinkIcon
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoiku_kenkyu/__icsFiles/afieldfile/2012/12/10/1328711_01.pdf

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

最新の投稿


国際教育フェア2025秋【東京・大阪】開催概要と見どころ

国際教育フェア2025秋【東京・大阪】開催概要と見どころ

国際教育フェアは、国際教育を牽引する教育専門家、学校、業界のリーダーが、国際教育分野における様々な可能性や機会を全国の保護者や生徒、関係者に向けて継続的かつタイムリーに発信することを目的としたイベントです。


KAインターナショナルスクールが日本初のコーウィン・ビジブル・ラーニング認定校になりました。

KAインターナショナルスクールが日本初のコーウィン・ビジブル・ラーニング認定校になりました。

今年、KAインターナショナルスクールは、コーウィンから「ビジブル・ラーニング・スクール」認定を受賞する栄誉に浴しました。日本で初めてこの称号を獲得した学校となります。これは、私たちの学校を特徴づけてきた共同努力、共有された考え方、そして研究に基づく実践への取り組みに対する意義深い評価です。KAインターナショナルスクールでは、学習を可視化することで学習をより良いものにし、最も重要なことに集中できるようになりました。それは、すべての生徒の成長を支援することです。


ビジョン 2035 – 基準を引き上げる時

ビジョン 2035 – 基準を引き上げる時

日本は2035年までに全高校生が英検2級レベルに達する目標を掲げているが、現実は厳しい。6年間英語を学んでも基本的な会話ができない生徒が多く、英語能力の国際ランキングでは92位とアジア諸国に大きく遅れている。根本的な問題は、週1回程度の学習では不十分なことと、英語を「あると便利」程度にしか考えない社会の認識だ。本当の改革を実現するには、教師・保護者・政策決定者が意識を変え、英語を必要不可欠なスキルとして捉え直し、継続的な学習と実践を重視した教育に転換する必要がある。


ビジョン2035: 日本の将来を見据えた英語能力の向上

ビジョン2035: 日本の将来を見据えた英語能力の向上

「ビジョン2035」は、2035年までに日本の全高校卒業生の英語習得を目指す教育改革計画です。人口減少により労働力が縮小する中、英語力向上は生産性と柔軟性を高める重要な手段となります。現在、高校3年生の英検2級合格率は20%強に留まり、多くの学生がグローバル環境で必要な言語能力を持たずに卒業しています。英語力は観光を超えた経済的視野の拡大をもたらし、地方企業の国際展開や学術研究への参加を可能にします。この取り組みは教育格差の解消と社会的流動性の向上にもつながり、日本の文化的アイデンティティを世界に発信する手段ともなります。目標達成には教育者、家族、機関、政策立案者の連携が不可欠です。


【速報!】K.インターナショナルスクール DP 満点7名、平均点42.0点

【速報!】K.インターナショナルスクール DP 満点7名、平均点42.0点

東京にあるK.インターナショナルスクール東京(KIST)が、2025年5月に実施された国際バカロレア DPにおいて、驚異的な成果を収めました。同校によると、今年度のDP試験では7名の生徒が満点である45点を獲得。さらに、受験生の平均点は42.0点という、世界平均を大きく上回る優れた成績を記録しました。