ブライトン・カレッジ(シンガポール)のニック・デイビス校長にインタビュー
ブライトン・カレッジ(シンガポール)のニック・デイビス校長
英語プログラム(PCP)責任者が国際教育フェアに来日
今年10月12日(土)大阪、10月14日(月・祝)東京で開催される国際教育フェアにも出展する同校。
英語プログラム(PCP)責任者で、EAL(第二外国語としての英語学習)専門家のイアン・スミス先生がシンガポールから来日し、10月12日大阪、14日東京でのイベントに参加します。
直接お話が聞ける貴重な機会です。英語力を含めぜひブースでご相談ください。
ブライトン・カレッジとは
英国に本校があるブライトン・カレッジは、1845年に設立され、3歳から18歳までの男女を対象としたイングランド有数の独立系学校です。AレベルおよびGCSEの成績で、英国の男女共学の学校の中で常にトップクラスを維持しています。
同校の海外分校は、アブダビ、アル・アイン、バンコク、ドバイ、シンガポール校に開校しています。
英国式インターナショナルスクールで「キー・ステージ」と呼ばれる学年単位が特徴です。
編集部は、ブライトン・カレッジ(シンガポール)のニック・デイビス校長にインタビューをお願いしました。
ブライトン・カレッジ(シンガポール)には、現在、3つの教育課程があります。
プレプレップスクール(18ヶ月〜Year 2)、プレップスクール(Years 3〜6)、シニアスクール(Years 7〜9)です。
編集部:御校は上に教育課程を伸ばしています。その中で今年度、学校運営で特に力を入れている取り組みは何ですか?
今年、ブライトン・カレッジ(シンガポール)は、施設と教育の両面の充実を目指しいくつかの重要な取り組みに注力しています。2024年8月のシニアスクールの開校に伴い、シニアスクールの談話室、デジタル・イノベーション・ラボ、新図書館、食堂など、さまざまな新施設を導入しました。
また、物理的なスペースの拡張も続けており、現在の校舎をさらに増築して、シニア・スクールの拡大に対応する計画です。
カリキュラムの面では、副教科主任を含む9名の中等部教諭を新たに採用し、中等部レベルで提供する科目の幅を広げ、生徒たちに包括的で充実した教育を保証しています。
また、「初等教育準備コース(PCP)」として知られる、まったく新しい制度をシンガポールに導入したことも誇りです。
このコースでは、英語初級レベルの生徒を対象に、専門教師による比類ないレベルの英語サポートを提供しています。十分な流暢さを身につけた生徒たちは、PCPスキームを卒業し、メインストリームクラスに参加します。
編集部:多くの日本人生徒も御校に進学を検討しています。御校では、生徒にどのような価値観やスキルを身につけさせたいと考えていますか。
ブライトン・カレッジ(シンガポール)では、「好奇心」「優しさ」「自信」という3つのコア・バリューを生徒たちに育むことに深く取り組んでいます。
好奇心、優しさ、自信です。
私たちは、生徒が自分の周りの世界を探究し、疑問を抱くような革新的な教育方法を採用することで、自然な好奇心を育むことを目指しています。
生徒たちが自分の限界に挑戦する機会を提供し、忍耐と献身の価値を教えることで、自信を植え付けます。
同様に重要なこととして、優しさの重要性を理解し、生徒たちが他者を尊重し礼儀正しく接することの大切さを理解するよう指導しています。
編集部:礼節を重んじる点など英国式の規律を感じますが、英国式のインターナショナルスクールが増える中で、貴校の特徴や他校との違いについて教えてください。
ブライトン・カレッジ(シンガポール)は、幼児期から中等教育まで、全人的かつ継続的な教育を提供することに取り組んでいます。
当校のユニークな学習環境は、生徒たちに活気に満ちた多様な教育体験を提供しています。
今後、幼小中高の一貫校計画に沿って、好奇心、優しさ、自信といった価値観への重点的な取り組みをし、当校は単に学問的な教育を行うだけでなく、将来の課題に立ち向かうことのできる豊かな人間性を備えた生徒を育てています。
当校のもうひとつの特徴は、英国を代表する独立系学校であるブライトン・カレッジと非常に緊密な関係にあることです。
この関係は、当校の生徒たちに充実した教育を提供する上で重要な役割を果たしています。
したがって、当校は、優れた学力、英国のブライトン・カレッジのサポート、入念に作り上げられた支援的な環境、そして当校の価値観が果たす重要な役割の組み合わせにより、シンガポールの他の学校とは一線を画しています。
編集部:英国のブライトン・カレッジの歴史と学びのノウハウが含まれているのですね。
実際に通わせているご家庭やシンガポールの地域社会との連携はどのような事例があるのでしょうか。
ブライトン・カレッジ(シンガポール)では、保護者や地域社会との協力が生徒の成功に不可欠であると考えています。
当校では保護者の方々を教育の旅路における重要なパートナーとして捉え、定期的なコミュニケーション、保護者会、学校行事への参加など、様々なチャネルを通じて積極的に参加していただいています。
アーリーラーニングビレッジ内にある、新しく改装された保護者カフェは、強い学校コミュニティを育むという私たちのコミットメントの証です。
また、保護者同士の交流の場である「ブライトン・ソサエティー」も自慢のひとつです。
今年度の第2週(nd )の終わりには、約200名の生徒の保護者を招いてブライトン・ソサエティー・クイズナイトを開催する予定です。
私たちは、オープンな関係性を維持し、保護者が参加できる場を設けることで、生徒が学校と家庭の両方で必要なサポートを受けられることを確信しています。
編集部:学校行事を含め「ブライントン・ソサエティー」の組織があると保護者として関わりやすいですね。
話が変わりますが、人気になり生徒数が増える御校では、どのような教育的な課題に直面していますか?また、それに対してどのような対策を講じていますか?
現在の教育環境において、私たちが直面している主な課題のひとつは、生徒数の急激な増加、特に高等部における生徒数の増加に対応することです。
幼小中高の一貫校への移行に伴い、この拡大をサポートするために必要なインフラ、スタッフ、リソースを確保する必要があります。
このような課題に対処するため、当校では、生徒数の増加に対応できるよう、現在の校舎を段階的に増築するなど、成長軌道を慎重に計画してきました。
また、多様な生徒のニーズを満たすバランスの取れた幅広いカリキュラムを提供できるよう、経験豊富な中等教育学校の教師を採用しました。
編集部:教員の確保が重要という点は、多くのご家庭も共感すると思います。
シンガポール校の場合、駐在員や教育移住のご家庭も多く検討されると思います。
貴校では、いじめ防止や生徒のメンタルヘルスに関して、どのような取り組みを行っていますか。
ブライトンカレッジ(シンガポール)は、生徒の幸福と精神的健康の確保に積極的に取り組んでいます。
当校の中核的価値観である優しさと尊敬の念を重視し、協力的で包括的な校風を確立しています。
当校のパストラル・ケア・システムは、いじめなどの問題を早期に発見し、対処するように設計されており、すべての生徒が安全でサポートされていると感じられるようにしています。
私たちは、いじめを発見し、対応する方法を生徒たちに教育しています。
さらに、訓練を受けたスタッフやスクールカウンセラーを配置し、メンタルヘルスのサポートができる体制を整えています。また、生徒のレジリエンスと心の健康を促進することを目的としたワークショップやプログラムを提供しています。
編集部:学校の理念の重要性を感じます。御校のように海外分校は、多様な生徒がいます。
英国式のインターナショナルスクールとして、教職員の育成や研修に関してどのような取り組みを行っていますか?
ブライトン・カレッジ(シンガポール)では、生徒の多様性を考慮し、教師陣の継続的な専門能力開発に重点を置いています。
当校では、英語が初めての生徒を含め、生徒の多様なニーズに対応するために必要なスキルと知識を身につけるための研修プログラムを実施しています。
新しく導入された初等準備コースは、初級レベルの英語力を持つ児童を対象にしたもので、効果的な指導を行うための専門スタッフ・トレーニングによってサポートされています。
さらに、教師にはさらなる資格取得を奨励し、多様な学習者を惹きつける最新の教育実践や戦略に焦点を当てたワークショップへの参加を促しています。
編集部:インターナショナルスクールの先生は、研修が多いのは聞いていましたが、英語力をサポートする先生や専門科目の先生を含め多様なトレーニングが用意されているのですね。
これまで学校としてお話をお聞きしたのですが、ニック・デイビス校長として個人的に大切にしている教育信条や哲学がありましたら教えてください。
私は校長として、やりがいがあり、かつ協力的な教育環境を作ることの重要性を固く信じています。
学問的な卓越性と人格や幸福の発達のバランスが取れた、全人的な教育アプローチを大切にしています。
ブライトン・カレッジ(シンガポール)では、生徒の好奇心、優しさ、自信を育むことに努めています。
私はまた、教育者、保護者、地域社会が協力することの力を信じています。
知識だけでなく、共感力と回復力を備えた生徒を育てるためには、このような協力体制が不可欠だからです。
編集部:ニック・デイビス校長ありがとうございます。バランスが取れた、全人的な教育アプローチは、共感するご家庭も多いと思います。
ちなみにこれまで生徒の成長で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
印象的なエピソードのひとつに、最初はクラスで自分を表現することに自信が持てず苦しんでいた6年生の生徒の話があります。
ブライトン・カレッジ(シンガポール)の教師たちのサポートとインクルーシブな環境を通して、彼女は次第に自分の声を見つけることができるようになりました。
昨年末には、クラスのディスカッションに積極的に参加するだけでなく、先学期の学校劇「白雪姫」でも主役を務めました。
劇は90分の大芝居で、80人以上の生徒が参加しましたが、演技だけでなく、歌やダンスも必要な彼女の力強い演技は、この生徒がどれほど自信をつけたかを考えると、より印象深いものでした。
このような変化は、ブライトン・カレッジ(シンガポール)が提供する、生徒が自分自身に挑戦し、自分の可能性を発見することを奨励する育成環境の証です。
このような瞬間こそが、当校が生徒一人ひとりの成長を促すことを目指していることを浮き彫りにするのです。
編集部:6年生というと思春期に入るタイミングで人間関係など複雑になってきますね。そのタイミングで自信を持って演劇を成し遂げた「成功体験」を踏まえて成長する生徒さんのエピソードは、印象的です。
ぜひ、国際教育フェアで御校のブースで多くの方に話を聞いていただきたいです。
ニック・デイビス校長ありがとうございました。
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