Powered by Global Step Academy    
TOEIC、TOEFL、GREを所有するETS、試験ポートフォリオの一部を5億ドルで売却することを検討

TOEIC、TOEFL、GREを所有するETS、試験ポートフォリオの一部を5億ドルで売却することを検討

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、TOEIC、TOEFL、GREを提供する非営利機関ETSがTOEFLとGREの買い手を探しているという。この背景にあるのは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって業界が不安定になったことや、トランプ政権によって米国大学院課程への留学生の受け入れ数を減らそうとするトランプ政権の圧力がある。


ウォール・ストリート・ジャーナル紙のダグラス・ベルキン(Douglas Belkin)氏とジュリエット・チョン(Juliet Chung)氏によると、TOEIC、TOEFL、GREを提供する非営利機関ETSがTOEFLとGREの買い手を探しているという。これは、彼らの報告によれば、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって業界が不安定になったことや、米国大学院課程への留学生の受け入れ数を削減するよう求めるトランプ政権の圧力を背景としている。


GREは、米国の大学院課程の入学選考で各大学院が使う汎用的な試験です。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミック期間中の接触を減らす対策の一環として、アメリカの多くの大学はGREを任意とするか、入学選考の要件から除外しました。特定の課程で今もGREを要件とする大学もあるものの、米国の多くの大学でこの状況は続いています。ETSによると、GREの受験者数は2020~2021年の35万人から、2024~2025年には20万人に減少している。


TOEFLについては、2020年3月からオンライン版の英語能力テストが行われているものの、パンデミック期間でも受験者が自宅で受験できる1時間のオンラインテストを行うDuolingo社との競争に直面してきました。同社のテストは、アイビー・リーグ(Ivy League)の全8校、カナダの大学連合で同国の学生の47%を占めるU15の全15校など、北米の大学で急速に導入されています。カレッジ・パルス(College Pulse)社がDuolingo社と共同で実施した調査によると、2028年に米国の大学を卒業する学生のうち21%がこのテストを受けており、2025年に卒業見込みの学生の場合の13%から増加している。


一方、トランプ政権は、米国の大学への留学生の入学を制限する措置を講じました。これが英語試験にどう影響するかについてはデータが不十分ですが、TOEFLは米国の大学への出願者に人気のある試験であるため、これらの措置が萎縮効果をもたらす可能性があります。


ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ETSは約5億ドルの入札を募っていると報じています。買い手の候補としては、シンガポールに拠点を置く投資会社のヒルハウス(Hillhouse)社、近年ACTを買収したネクサス・キャピタル(Nexus Capital)社とNWEA(非営利テスト機関)の資産を買収したベリタス・キャピタル(Veritas Capital)社(両社はプライベート・エクイティ企業)、そして、入学支援会社アプライボード(ApplyBoard)社の共同創設者で、移民や留学生に金融アクセスや「スマート・イミグレーション」サービスを提供するパッセージ(Passage)社のCEOマーティン・バシリ(Martin Basiri)氏が挙げられています。また、同紙は、TOEFLとGREの新規市場への展開を促すために、ETSの事業部門がヒルハウス(Hillhouse)社やおそらくはパートナー企業から投資を受ける可能性があるとも報じています。ETSの最高経営責任者であるアミット・セヴァク(Amit Sevak)氏はコメントを控えているという。


以前の記事でも書きましたが、2026年1月21日からのTOEFLの改訂には、人間が採点するセクションの削減が含まれており、このことによって実施コストが下がると考えられます。そうなれば、TOEFLは買い手候補にとってより魅力的なものになるかもしれません。


引用:Testing Giant Shops GRE and TOEFL Exams for Around $500 Million


“国際家庭教師サービス、国際サバイバル。今すぐ無料体験!”

この記事の記者

ルケ・ベリボは、帰国子女アカデミーにおいてカリキュラム開発を担当しています。カナダ出身で、英語とフランス語のバイリンガル環境に育ち、成人後に第三言語として中国語を習得しました。2008年にフランスで語学教育のキャリアを開始し、その後、オーストラリアを含む5か国で指導経験を積みました。オーストラリアでは応用言語学およびTESOL(英語教授法)における修士号を取得。専門分野は、言語評価、アカデミック英語、教育理論、カリキュラム設計です。

関連するキーワード


TOEFL TOEIC GRE

最新の投稿


国際教育の本質とはなにか?を考える

国際教育の本質とはなにか?を考える

本記事では、「国際教育の本質とは何か」という問いを軸に、なぜ今あらためて国際教育が重要なのかを深掘りします。保護者の願いと子どもの実感に生まれるギャップに光を当てながら、学校と家庭が目的を共有し、対話を重ねることの意義を考察。AI時代に求められる批判的思考力、協働力、主体性をいかに育むのかを具体的に示し、国際教育を“進学の手段”ではなく、親子で歩む成長のプロセスとして捉え直します。


インタビュー 横須賀バイリンガルスクール × 神奈川歯科大学「日本発インターナショナルスクール」の新モデル

インタビュー 横須賀バイリンガルスクール × 神奈川歯科大学「日本発インターナショナルスクール」の新モデル

横須賀バイリンガルスクール(YBS)が神奈川歯科大学との系属校連携を発表しました。歯科大学とインターナショナルスクールの提携の背景には、中高から大学までを見据えた進路接続という明確なビジョンがあります。ケンブリッジ国際カリキュラム修了生の国内進学ルート構築や医療分野との連携も視野に、「インター卒業後は海外へ」という固定観念を超える挑戦です。


2027年4月、サレジアン国際学園小学校に初心者向け新クラス「SG」誕生の理由とは?

2027年4月、サレジアン国際学園小学校に初心者向け新クラス「SG」誕生の理由とは?

英語経験の有無が、小学校入学の入口を分けてしまう現実があります。英語で学べる小学校への関心が高まる一方、サレジアン国際学園小学校のインターナショナルクラスでは志願者の多くが帰国生やプリスクール出身者でした。こうした状況を受け、同校は、2027年4月、英語未習からでも段階的に世界基準へ接続する新クラス「SG」が始動します。日本語を土台に基礎を築き、徐々に英語へ移行する設計です。日本型インターナショナル教育の進化が進んでいます。


変化する帰国枠入試における算数の役割 ー 主体的な学習姿勢が育てる帰国生の力

変化する帰国枠入試における算数の役割 ー 主体的な学習姿勢が育てる帰国生の力

近年の帰国枠中学入試では、英語力を前提としながらも、国語と算数が合否を左右する重要な科目として位置づけられる傾向が強まっています。本稿では、英語資格による試験免除制度の広がりや、英語で得点差がつきにくくなっている現状を踏まえ、算数の出題内容や難度がどのように変化しているのかを整理しました。あわせて、学校ごとに異なる試験形式や求められる力に着目し、帰国生一人ひとりの学習背景や到達度に応じた学習設計の必要性を示しています。さらに、クラスメイトと学ぶ過程の中で、算数を「できるようになる」だけでなく、「学ぶこと自体を前向きに、楽しさを伴って捉えられるようになる」経験が、帰国生ならではの主体的な学習意欲を高めることにもつながる点を論じています


言葉が広げる子供達の可能性

言葉が広げる子供達の可能性

何気ない大人の一言が、子どもの可能性を閉ざす言葉にも、未来を開く言葉にもなります。何気なく使っている大人の声かけは、学びへの姿勢や自信を静かに形づくっています。本コラムでは、家庭と学校の言葉が重なったときに生まれる、子どもの成長の力を紐解きます。


“生徒募集!KAインターナショナルスクール”