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聖心インターナショナルスクールのEFLサマープログラムとは?

聖心インターナショナルスクールのEFLサマープログラムとは?

東京都港区にある聖心インターナショナルスクールでは、例年7月下旬から小学生の女子を対象としたEFLサマープログラムを開催しています。授業の楽しさを見学してきました。

国際高専デザインシンキングイベント

聖心インターナショナルスクールのEFLサマープログラム

非常階段から放たれた気球は、目印に向かって ゆっくりと落下していきました。

3人で気球を目印に放します。

紙コップのなかの生卵はヒビもなく、実験は成功!

「いつも通っている学校では、このような実験がないので、楽しい」と参加者のひとりが話してくれました。

小学校に通う女子生徒を対象としたサマープログラム

 例年、7月下旬から3週間におよび開催されるEFLサマープログラム。

 今年は、3週間の開催期間中に、のべ460人が参加しました。

 参加者は、主に日本の学校に通う生徒ですが、帰国生だったり、英語学習が初めてだったりと、その背景は様々です。

 また、聖心女子学院の姉妹校をはじめ、日本各地から生徒が集まります。

 生徒は、女子校に通う生徒が一番多く、近年は共学校に通う生徒の参加も増えています。

【2017年 サマー】聖心インターナショナルスクールのEFLサマープログラムの申込み開始

http://istimes.net/articles/902

【サマー】聖心インターナショナルスクールの2017年EFLサマープログラム。今回、テーマも各学年で違い、さらに楽しめるようになっています。小学生の女子のみのを対象としているサマープログラムです。

聖心インターナショナルスクールの魅力が詰まったサマープログラムです。

 授業は、朝9時から夕方3時まで、1日5時間の授業があり、ひとつの授業は、45分間です。

 サマープログラムでは、各学年にテーマがあり、そのテーマに沿った授業が行われています。

 授業は、毎日の英語から算数、クラフト、スポーツ、調理実習など多彩な専門科目があり、各科目を通してテーマを学んでいきます。

 ひとクラス15人の少人数制で、授業はすべて英語で行われます。

 担任の先生以外に、聖心インターナショナルスクールの生徒や卒業生がアシスタントとしてつきます。

 アシスタントの多くは、日本語と英語のバイリンガルです。

 そのため、英語が話せない生徒でも安心して参加できます。

 冒頭の気球の実験は、理科の授業風景です。

 このように実験も多く、テーマ学習を主としたプログラムです。

EFLとは?

【EFLプログラムのEFLとは?】
 EFLとは、English as a Foreign Languageの略です。
 英語が母語ではない生徒を対象にしたプログラムという意味です。

1908年創立の聖心インターナショナルスクール

 静かで緑豊かキャンパスは、「広尾駅」から徒歩3分
 地下鉄日比谷線の広尾駅で地上に出ると広尾プラザのある外苑西通りに出ます。

 賑やかな外苑西通りから、通り一本入ったところに聖心インターナショナルスクールの校舎があります。

 聖心女子大学と同じキャンパスにあり、敷地内に入ると都心とは思えない緑豊かなキャンパスが広がります。

 聖心インターナショナルスクールは、1908年(明治42年)にカソリックの女子修道会「聖心会」により設立されたインターナショナルスクールです。

 教育課程は、幼稚科から高等科があり、幼稚園のみ共学です。

 40ヶ国以上からの生徒が、幼稚科から高等科合わせて約500人が学んでいます。

 2011年には、初等科の新校舎が完成し、さらに施設が充実しました。

 校内には、科学室、調理室、演劇室、工芸室、図書館、バンドルーム、音楽室、初等科のオープンエリア、多目的室、グラウンド、テニスコート、小体育館、大体育館、チャペル、カフェテリアがあります。

  また、JR渋谷駅、恵比寿駅、品川駅、目黒駅から都バスで「日赤医療センター前」、または「広尾橋」バス停で降り、徒歩5分です。 

女子生徒向けインターナショナルスクールの サマープログラム

 インターナショナルスクールのサマープログラムは、男女共学がほとんどです。
 しかし、小学校中学年になると男の子、女の子で興味のある分野、勉強の仕方に違いが出てきます。

 そこで、変わりゆく世の中で力強く生き続ける若い女性の教育という聖心インターナショナルスクール設立当時からの学校方針にもとづき、女子向けのサマープログラムを開始。

 それがEFLサマープログラムです。

調理実習の授業

 サマープログラムでめずらしい調理実習の授業。

 調理室には、白板前に先生用の調理台があり、生徒用の調理台が4台あります。

 生徒たちが入る前に調理実習のアシスタントが手際よく、下準備を開始。

 ランチを食べた生徒たちが、リュックを背負いながら、調理室に入ってきました。

 調理室に入るとリュックを置き、先生用の調理台を取り囲み授業開始。

 最初に先生から火や熱湯、包丁など調理上の注意について説明がありました。

 次に、今日作る" Honey Glazed Carrots(ハニー グレイズ キャロット)"のレシピの紹介です。

 使う材料と調味料について質問形式で説明していきます。

「人参の皮をむき、さらにこうやって切ってね。
 茹でた人参は、この液体に混ぜていくよ。
 これは何かな ?」

 ガラス瓶に入った液体に「オリーブオイルかな?」との返事。

 「よく見てごらん、色が違うよ。なにかな?」

 「はちみつかな?」という声に先生は、うなずきながら「英語ではなんというかな」とヒントを出します。

 一斉に「ハニー!」との答え。

 授業を見ていると、先生が生徒たちの反応を読み取り、理解度を瞬時に判断していることに気付きます。

 生徒の理解が足りない場合、先生は同じ内容を違う角度から質問していきます。

  ひとりひとりの目を見て、質問をしながら理解を深めていくことができるのも少人数制の特徴です。

サマープログラムではめずらしい調理実習

 火や包丁を使うため、安全対策にかなりの注意を払っているようです。

 「調理実習ではケガをする可能性もあり、安全に実習を行うため、調理実習のアシスタントが複数います」と久岡さん。

 調理実習の先生以外に、クラスのアシスタント、各調理台にひとりずつのアシスタント、さらに英語の先生がいます。

  アシスタントは聖心インターナショナルスクールに通う生徒さんや卒業生です。

 各クラスのアシスタント以外に、各科目専属のアシスタントが配属されています。

英語の授業は、謎解きから始まる!

 先生がある職業について英語で、説明し始めました。
 生徒たちが先生の説明に耳を立てます。

「操縦桿を握り、荷物や人を運びます。
 陸地ではなく、海でもない。
 すごいスピードで飛んでいきます。
 この乗り物を操縦している職業はなんでしょう?」

 さっと手が挙がります。
 まるで早押しクイズのようです。

 ほとんどの生徒が手を挙げています。

 「この職業はなんでしょうか?」
 
 元気に「パイロット」という生徒の答え。

 「正解!では、解答用紙にスペルを書いてください」。

解答用紙にパイロットを含む10の職業が書き込まれると、次は白板にスペルを書いていきます。

それと同時に、生徒同士で答案用紙を交換し、採点していきます。

両手を頭の上に載せる算数の授業

「次の図形はペンタゴン!」
 
 生徒が2チームに分かれ、カーペットに円座しています。
 その中心には、図形を描いたカードがずらり。

 先生の"W hich one is...P entagon!"という掛け声に合わせ、生徒たちが五角形を描いたカードをカルタのように取っていきます。

「次の図形は…」先生の読み上げにも、力が入ります。

 真剣勝負の一瞬です。

「サークル!」

 一斉に円が描いてあるカードに手が伸びました。

 先生が時折フェイントを交えます。

 そのたびに、つられた生徒が照れる場面も見えました。

  カルタ取りを取り入れた授業ならば、楽しみながら、英語で聞いて、図形を理解し、発音もすぐに覚えます。

ゲームのように楽しむ「算数」の授業です。

授業を見学して気付いたこと。

 それは、先生の質問にさっと手が挙がります。

 授業が謎解きから始まるため、生徒の集中力が冒頭から高まります。

 さらに次々と答えていくことで、生徒の意欲が高まっていくのがわかりました。

 この集中力と意欲を引き出す緩急をつけた授業が生徒の興味を引き出し、自然と手を挙げさせるようです。

理科に架ける橋

「次は6㎏に挑戦」

 机と机の間に、生徒たちが作った橋を置きました。

 その橋に先生が、分銅を載せながら、どこまで耐えられるか重量を読み上げていきます。

 じわじわと負荷がかかり、しなる橋をみて生徒たちから「崩れませんように」と声が上がります。

 「さらに500gを足すと…」
  生徒たちがかたずをのんで、見守ります。

 「これで6.5㎏。次に500gを足して…」「次に100gを足して…」
  分銅を載せる先生の手がゆっくりになりました。

  徐々に橋が重みに沈んでいきます。
 「よくできましたね。この橋は7.5キロまで構造的に支えることができました。新記録です!」
 褒められた生徒が、実験で使った橋を持ちながら、考え事をしながら机に戻っていきました。

 どうやらどこが構造的に弱かったのか考えているようです。

 机に置かれた崩れかかった橋。

 崩れかかったからこそ、生徒の探求心がさらに広がったようです。

インターナショナルスクールタイムズが実感した 「知の仕組み」

実習、実験が多く、楽しい!

 英語で学ぶ授業ですが、実習や実験が多く、楽しみながら学ぶことができます。

 さらに授業そのものがインターナショナルスクールらしい探求型のプログラム。

 普段とは違う学び方を体験することができます。

英語で学ぶけれど、なぜかよくわかる。

 授業はすべて英語で行われます。

 授業といっても、講義形式の授業ではありません。

 算数の授業でも、体全体を使います。

 英語で学ぶのに、いつもの授業より算数や理科がわかるふしぎな体験かもしれません。

もっと知りたい!を深める体験

 英語で学ぶのに、なぜか普段よりよく理解できるのには、訳があります。

 それは、理解を進めるための重要なポイントが授業に組み込まれているから。

 それは、なぜ?どうして?という発想。

 実験や実習が必ずしも成功するとは限りません。

 また、理解が中途半端ならば、それは実験、実習にすべて反映されます。

 実験は成功したのに、考えている生徒を多く見かけました。

 これこそ、次へのステップ。

 なぜだろう?どうしてだろう?こそ、学問のスタートライン。

 もっと知りたい!を深める体験がEFLサマープログラムで待っています。

『聖心インターナショナルスクールのカリキュラムを参考にサマープログラムを作っています』とプログラムディレクターのメータさん、塩澤さん。

 実際に見学して感じたのが、専門科目の実習が多く導入されていることでした。
 理科でもテーマ学習を取り入れ、調理実習がサマープログラムに取り入れられているのも特徴でした。

ーーー見学して気づくのが、調理実習や理科の実験の多さです。EFLサマープログラムではどのようなところを工夫されましたか?

メータさん
 聖心に通っていた学生時から、他のサマープログラムでティーチング・アシスタントをしてきました。

  いくつものサマープログラムを実際に手伝いながら、もっと違うアプローチのサマープログラムができるのではないだろうか、と考えていました。

 インターナショナルスクールのサマープログラムは、多くの生徒さんが毎年参加します。

 しかし、プログラムが毎年同じだと、課外活動やゲームもすでに体験したことのあるものが多くなります。

 そこで、EFLサマープログラムでは、毎年テーマを変え、さらに週ごとにテーマを変えています。

 テーマがあるので、複数の科目が共同で授業を行うことが出来ます。

 例えばテーマが「Travel(旅行)」ならば、クラフトの授業で宝物を作り、英語の授業で校舎に隠されている宝物を探すという授業ができます。

 複数の科目を一つテーマで学ぶことで、生徒の好奇心も高まり、積極性が出てきます。

塩澤さん
 EFLサマープログラムでは、同じテーマについて複数の視点から学習できるので、生徒の学びも深まります。

 また、教師も科目を越えて、協力しながら授業を作れます。

---なるほど。複数の科目でも、テーマがあるから総合的に学ぶことができます。
 さらに生徒さんたちも常に新しいアプローチに触れていきます。
 英語で各科目を学ぶことに対し、期待が大きいと思います。生徒さん、保護者の方の反応はいかがですか?

塩澤さん
 生徒さん、保護者の方からは「楽しかったです」という感想をお聞きすることが多くなりました。

『来年も参加します』という声を聞くと私たちももっと良いプログラムにしていこう、と感じます。
 おかげさまで毎年、参加する生徒さんもかなり多くなってきました。

メータさん
 最近、英語学習への期待が高まるなかで、一日中、英語で学ぶことで英語が上達するのではないか、と考える生徒さん、保護者の方もいらっしゃいます。

 確かにEFLプログラムで、英語で学ぶ楽しさを体験してほしい、と考えています。

 しかし、英語環境に浸る(英語イマージョン教育)と呼ばれますが、イコール英語習得ではありません。

 英語を学ぶきっかけ、英語で学ぶきっかけになればと考えています。

---確かに英語環境をつくることも必要ですが、その先、言語としての英語の習得は、ボキャブラリーや文法、構文を含め、しっかり学ぶ必要があると思います。2009年から始まったEFLサマープログラム。メータさん、塩澤さんがEFLサマープログラムを通し、生徒さんに伝えたいこととはどのようなものでしょうか?

メータさん
 日本の学校に通う生徒さんにもっとインターナショナルスクールの授業の良さを体験してもらいたいと考えていました。

 そこで、多くの実習や実験を取り入れたEFLサマープログラムができました。

 日本の学校とは違うインターナショナルスクールならではのアプローチを今後も、多く取り入れていきたいと考えています。

塩澤さん
 探求型のカリキュラムを英語で学ぶ楽しさを感じてもらい、少しでも英語に興味を持ってもらえるといいなと考えています。

---英語で学ぶ楽しさ、インターナショナルスクールの教育を体験することで、生徒ひとりひとりの学び方を提案しているのがEFLサマープログラム。

 例えるならば、EFLサマープログラムは、聖心インターナショナルスクールからの「英語で学ぶ楽しさを発見する」招待状といえます。

EFLサマープログラムをさらに掘り下げると

7つの聖心女子学院姉妹校に共通する教育方針がありました。

 聖心女子学院の教育方針に以下の3つがあります。

 ・魂を育てる
 ・知性を磨く
 ・実行力を養う 

 これは聖心女子学院の7つの姉妹校に共通するものです。

 今回のサマープログラムは、特に2.知性を磨き、3.実行力を養う聖心の教育方針そのもの。

 また英語で学ぶEFLサマープログラムは、聖心の教育理念である「世界の一員としての連帯感と使命感」が反映されたプログラムです。

EFLサマープログラム Q &A

Q.1 英語ができない子どももEFLサマープログラムに入れますか?

入れます。
EFLとは、英語を母語としない生徒のためのサマープログラムです。
英語初心者の生徒でも楽しめるような授業と日本語ができるアシスタントが各クラスに入ります。
そのため、安心して学べます。

Q.2 参加するには条件がありますか?

参加対象は、4月から小学校に通っている女の子です。
小学校1年生から6年生までが対象となっています。

Q.3 参加者は、どのように通学されていますか?

地下鉄日比谷線の広尾駅から徒歩3分と近いため、多くの生徒さんが電車で通っています。
また、都営バスもJR渋谷駅、恵比寿駅、品川駅、目黒駅から「日赤医療センター前」と「広尾橋」まで出ています。
生徒は、徒歩、電車、バスで通っています。
また、多くの保護者の方が送り迎えをなさっています。
なお、スクールバスは運行されていません。

Q4 申込みなど、英語ができなくても参加できますか?海外から申し込めますか?

申込みは、インターネット上で、日本語で申し込むことができます。
海外から申し込むこともできます。
申込み後、一週間以内に参加費を振り込む必要がありますので、ご注意ください。
保護者に特に英語スキルは必要とされていません。

Q5 参加費はどのくらいかかりますか?

参加費は、1セッション(一週間)ごとに¥55,000(2015年)です。
参加費には、ランチ、教材費、名札、クラス写真、傷害保険費用が含まれます。
お弁当を持参しても、参加費は同じです。

EFLサマープログラム概要

対象:小学校1年生~6年生 女子
英語力:英語力は問われません。
開催期間:例年 7月下旬から3週間 1週間ごとにセッションA,B,C
授業時間:9:00~15:00

申込み
 同校の公式ホームページから申込むことができます。

お問い合わせ

〒150-0012
東京都渋谷区広尾4-3-1
Tel: 03-3400-3951
Fax: 03-3400-3496
HP http://www.issh.ac.jp/

左から久岡様、筆者、メータ様、塩澤様

取材後記
 今回の取材にあたり、広報室の久岡メアリ様、サマープログラムディレクターのメータ・プリヤ様、塩澤真季様、マーティンデール・ベンジャミン様に深く感謝申し上げます。
 久岡様のお力なくして、取材がスタートすることはありませんでした。
 授業の見学から、記事作成に関し、深くご協力をいただきました。
 また、ディレクターであるメータ様、マーティンデール・ベンジャミン様ご夫妻には、三か月になるお子様とともにお会いでき、EFLサマープログラムについてお聞きすることができました。
 特に、ご自身の経験、サマープログラムの開発理由を踏まえ、聖心ならではのサマープログラムについてお聞きすることができました。
 塩澤様には、サマープログラムがどのように運営されているのか。また、聖心インターナショナルスクールが聖心女子学院のなかで姉妹校との関連を含め、一体的に聖心女子学院として運営されていることを含め、具体的なお話をお伺いしました。

 EFLサマープログラムの授業が行われている最中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

 また久岡様、メータ様、塩澤様の御三方とも聖心インターナショナルスクールの卒業生というエピソードがとても印象的です。
 聖心で学び、母校に戻った同窓生によって、さらに聖心の教育が伸びていく。
 教育は「人と人」といわれます。
 同窓生が母校に戻る光景は、まさに人から人への教育を最も象徴しています。

この記事のライター

都内でインターナショナルスクールを運営した経験から現場の目線と記者としての目線で記事を書いています。

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