Powered by Global Step Academy    
潰れるプリスクールの特徴とは?つくばインターナショナルナーサリースクールから考える。

潰れるプリスクールの特徴とは?つくばインターナショナルナーサリースクールから考える。

つくばインターナショナルナーサリースクールが残念ながら営業を停止しました。 編集部は、プリスクールの突然閉鎖を見てきました。 今回、元プリスクール運営者として、保護者がより良いプリスクールを選べるようにしていただきたいと思い、本記事を作成しました。


潰れるプリスクールの特徴とは?

Yahoo!ニュースは、11月30日に下記のように報じました。

「つくばインターナショナルナーサリースクール」運営のピアソン(茨城)、事業停止し破産へ

Yahoo!ニュースは、信用調査会社の帝国データバンクのリリースを記事にして報じています。

同園は、2021年11月25日に営業を停止し、ヒューマンネットワーク三森法律事務所に事後処理を一任しました。

生徒、保護者、そして、教職員のナーサリーが突然閉鎖されました。

では、実際にプリスクール(英国式の名前ではナーサリー)を運営してき経験からどのようなプリスクールが倒産する可能性が高いか、をお伝えします。

コロナ禍で借入が容易になったため、2年続くコロナ禍でさらに資金繰りが悪化し、負債比率が増えているプリスクールが増えていると考えられます。

▽ その前にプリスクールオーナー様、ひとりで抱え込む前に編集部にご連絡ください。
これまで複数のプリスクールから連絡をいただき、複数のプリスクールを再建してきました。
生徒、保護者、教職員を巻き込む前に編集部にご連絡ください。

プリスクール・キンダーガーテンの経営者やオーナー様へ | By インターナショナルスクールタイムズ

https://istimes.net/articles/881

インターナショナルスクールタイムズからのお願い。インターナショナルスクールタイムズは、メディアです。しかし、実際にプリスクール、キンダーガーテンの運営もしています。その経験からプリスクール、キンダーガーテン経営者の方へのメッセージです。

茨城県つくば市鬼ケ窪1047−1にあった。Googleマップより引用。

危険なプリスクールを避けるためには

保護者は、プリスクールに乳児・幼児の命を預けます。

では、何を基準にプリスクール選びをすれば良いのか? 
経営者が園の運営体制を築けているか?です。

▽ 参考までにこちらが「つくばインターナショナルナーサリースクール」の公式ホームページのスクリーンショットです。

園の公式サイトのトップは、アメブロのホームページテンプレートを使用しています。
掲載は、2020年10月から更新されていません。

▽同園の公式Instagramより引用。英国式の建物で広さを感じさせます。

・個人から法人化
帝国データバンクによると
2003年4月開園の「つくばインターナショナルナーサリースクール」を運営
2009年(平成21年)9月に設立の保育園運営
とあります。

設立時から法人でなかった可能性があります。
すなわち個人で「つくばインターナショナルナーサリースクール」を設置し、その後、法人化したと推測されます。

・園の公式サイト
公式サイトは、入学希望者に正しい情報と適切な内容を掲示する必要があります。
例えば、多くのプリスクールのトップページは、園の授業風景、イベントの様子などです。

同園は、アメブロのホームページテンプレートを使ってるため、内容の更新も容易です。
しかし、2020年10月から更新されていませんでした。
2020年11月も更新されていません。

同園の公式サイトの目次は、
1.見学について
2.Instagram
3.Twitter
です。

プリスクールの公式サイトとして、通常とは大きく異なります。

多くのプリスクールは、子どもの命を預かる施設として、「どのような理念で預かるのか」をミッションとともに目次に記載します。

同園は生徒募集に困っていたのか、見学について、Instagram、Twitterを優先しています。
▽ 同園公式サイトより引用。赤記:編集部。

園の理念の次に、どのような教え方をどのような教職員が、年間、月間、週間、日で教えていくのか、が掲載されます。

しかし、同園のサイト上では、現時点で理念やカリキュラム、スケジュールなど掲載されていません。

また、理事長、または園長の氏名も記載がありません。
(ニュース掲載前後に書き換えられた可能性があります)

世田谷区のプリスクールも閉校

「東ゼン労組」のサイトによると

同社は、茨城県つくば市で「つくば・インターナショナル・ナーサリー・スクール」および、東京都世田谷区で「羽根木インターナショナルプリスクール」の2校を運営していたものの、2020年2月16日、どちらも発表通りに閉校した。

と報じています。

東京都世田谷区にあった「羽根木インターナショナルプリスクール」 は、Facebookページがありますが、掲載内容を見ると教職員の顔写真が写っていません。

多くのプリスクールでは、教職員と子どもたちのやり取りを写真で公開しています。

公式サイトまたはFacebookで教職員と生徒の写真が掲載されていないプリスクールは、生徒、教職員のプライバシーが厳格に守られているか、または、学校側と教職員側が合意しないない可能性があります。

理念、ミッション、園長が出ていないプリスクールは危険

理念、ミッション、園長、そしてカリキュラムやスケジュールが公式サイトに表示されていないプリスクールは、危険です。

認可外保育施設は、施設入り口に運営者の情報を掲示する義務があります。
しかし、公式ホームページに掲示する必要はありません。

しかし、園の運営者として、公式ホームページに理念やミッション、園長の挨拶を出さない理由が見当たりません。
むしろ、出した方が園の特徴を打ち出せるため、各プリスクールともホームページに理念やミッションを伝えようと工夫をしています。

公式ホームページは、幼児教育の説明と同時にその園の対外的な顔です。

保護者は、理念や授業から園の教育を理解し、理念に共感して入園させます。
また、理念がどのように授業で実施されるのかを理解しようとします。

しかし、同園のホームページに理念、ミッション、園長挨拶、そしてカリキュラムやスケジュールが(12月2日時点で)掲載されていません。

なぜ、0歳から6歳まで同じ保育費なのか?

乳児・幼児施設は、認可外保育基準(厚生労働省)と各都道府県の保育基準があります。
今回、同園のホームページで不思議に感じたことがあります。
それが、なぜ0歳から6歳まで同じ保育費なのか?です。

▽ 同園のホームページのスクリーンショット引用。

認可外保育施設は、保育基準に則り運営されています。

なぜ、0歳から6歳まで同額の保育料がおかしいのか?は、保育士、保育補助に必要な人数の配置が異なるからです。

0歳の子ども3人に対して保育士1人
1~2歳は子ども6人に対し保育士1人
3歳は子ども20人に対し保育士1人
4歳以上は子ども30人に対し保育士1人とする

すなわち、保育士1名は0歳児3名の保育にあたる場合、保育料6万円では月額18万円の売上にしかなりません。
その時点で保育士の給料になりません。採算割れです。

プリスクールの多くはは、採算割れを避けるために0歳児から2歳までは、保育士の人数が必要なため保育料を高めにします。

3歳以降は、保育士ひとりが見ることができる人数が増えます。
そのため3歳以降は、保育費を下げていくのが経営的な視点です。

この点からも「同一保育料」で運営されていた同園の経営判断に疑問が残ります。

公式ホームページは、園を知る「ものさし」

これまで数百園のプリスクールの公式ホームページを見て、取材もしてきました。

園児が楽しそうにイベントに参加する様子や、創立者の理念が8000文字ほどの場合もあります。
時間割りから教職員ひとりひとりをニックネームとともに紹介する園もあります。

質素なホームページでも、理念、ミッション、園長挨拶など家庭的な雰囲気が伝わるホームページもあります。

プリスクールの公式ホームページでも、共通して掲げる内容です。
・理念およびミッション
・創立者の想いまたは園長挨拶
・沿革
・教職員紹介
・園の特徴(カリキュラムや時間割り)
・授業の説明(体育や遠足、ハロウィン、スポーツデーなど)
・年間、月間、週間のスケジュール
・入園方法またはお問合せ
・卒園児の保護者の声など
・住所、地図、電話番号
・SNSのリンク(Instagram、Facebookなど)

日本だけではなく海外のプリスクールの公式サイトもほとんど同じ内容です。

認可外保育施設の立入調査の一覧は、必ず見ておきたい

▽参考にしたいのが、各都道府県の認可外保育施設の立入調査の一覧です。ホームページで公開されます。
コロナ禍で各都道府県の認可外保育施設の立入調査が減っているため過去のデータです。
事業開始年度からも地域において後発組でナーサリースクールを開始しています。

保育士と保育従事者の比率は、4:15。

外国人教員は日本の保育士資格を持っていないため、プリスクールは日本の保育士資格を持った人数が少なくなるのが特徴です。

プリスクールは、運営上、自然と教職員が多くなり、結果的に人件費が経営を圧迫していきます。

引用:つくば市認可外保育施設 平成30年度認可外保育施設立入調査等結果一覧(事業所内保育所除く)

困っている経営者は、こちらへ

プリスクール・キンダーガーテンの経営者やオーナー様へ | By インターナショナルスクールタイムズ

https://istimes.net/articles/881

インターナショナルスクールタイムズからのお願い。インターナショナルスクールタイムズは、メディアです。しかし、実際にプリスクール、キンダーガーテンの運営もしています。その経験からプリスクール、キンダーガーテン経営者の方へのメッセージです。

インターナショナルスクールタイムズ編集部は、これまで複数の経営再建を果たしてきました。
再建を専門としている業者ではありませんが、いろいろなケースを知っています。
また、方法を実施してきました。

オーナー様のなかには、ネット検索や折り込みチラシなどに広告費を検討し、生徒数を増やそうとする方もいます。
しかし、財務上、収支のバランスと売上と負債のバランスを理解しないまま運営するのは、突然閉鎖に繋がります。

編集部は、再建時に最も重視したのが、教職員に安心して教育に専念できる環境を用意しました。
そして、在校生に質の高い教育を実施し、それが保護者の間で伝わることで2年目、3年目と繋げていきました。

学び・保育の質を上げることが本質であり、ネット検索や折り込みチラシなど広告費よりも、そのお金を使って生徒の授業がいかに深い学びに繋がるか、をオーナー様は考えるべきです。

そして、教職員を盛り立てて、園の最大のは、保護者なのです。

オーナー様が創立した時の想い。それを軌道修正することは可能です。
オーナー様、銀行、弁護士だけの話だけではなく、編集部にもご連絡ください。

“国際家庭教師サービス、国際サバイバル。今すぐ無料体験!”

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

最新の投稿


英語を強みにする中学受験 ― 求められる力と学年ごとの準備設計

英語を強みにする中学受験 ― 求められる力と学年ごとの準備設計

英語を強みにした中学受験が広がる一方、難関校が求める力は資格試験では測れません。渋渋・渋幕・広尾学園などでは英検1級でも不合格になることがあります。アカデミックな文章を読み解き、論理的に書き、深い思考を示す総合力が問われるためです。 こうした力は短期間では身につきません。中学年では内容理解しながら読む経験を積み、学習語彙に触れることが重要です。高学年では英語で学ぶ場面を増やし、5年生で要点をまとめる力、6年生で実践的対策へと段階的に進みます。 学年ごとの役割を理解し、適切なタイミングで準備を重ねることが受験突破とその先の学びにつながります。


KAISにおける「ビジブル・ラーニングについて」  KAISで実践される、研究に基づいた指導とは

KAISにおける「ビジブル・ラーニングについて」 KAISで実践される、研究に基づいた指導とは

学校選びで最も大切なのは「この学校で子どもは本当に学んでいるのか」という問いです。KAインターナショナルスクールは、世界最大規模の教育研究に基づく「ビジブル・ラーニング」を実践し、日本初の認定校となりました。このアプローチでは、子どもたちが「何を学び、なぜ大切か」を常に理解し、基礎から応用へと段階的に成長します。教師は「この教え方は機能しているか」と問い続け、効果的なフィードバックで子どもの成長を加速させます。目標が明確で成長が見える環境では、子どもたちは受け身ではなく主体的な学習者へと変わります。本記事では研究に裏付けられたKAISの教育実践を具体的にご紹介します。


【ビジョン 2035】第5の柱: 英語にふれる機会を増やす

【ビジョン 2035】第5の柱: 英語にふれる機会を増やす

英語力向上には週1回の授業だけでは不十分です。2023年の研究で、わずかな量でも毎日英語に触れることが不定期な学習より効果的であることが証明されています。学校では英語の校内放送やサイン掲示、イングリッシュデーなど日常に英語を組み込み、プロジェクト学習や選択授業を英語で実施することで「受け身」から「能動的」な学習者へ変わります。家庭でも英語番組の視聴や音楽を流すなど、継続的な環境づくりが重要です。英語を試験のためではなく、日々の生活で役立つ道具として実感できる環境が、子どもたちの真の英語力を育みます。本記事では具体的な実践方法を紹介します。


【ビジョン 2035】第4の柱: 正しい第一歩を踏み出すために

【ビジョン 2035】第4の柱: 正しい第一歩を踏み出すために

日本の英語教育の大きな課題は、学習初期からカタカナで英単語を教える点です。カタカナは日本語の音体系で設計されており、英語本来のリズム・強勢・母音を歪めてしまいます。一度カタカナ版の音が定着すると修正に何年もかかり、聞き取りや発音の障壁となります。幼少期は音声発達の敏感期であり、正しい発音習得に最適です。ネイティブ音声教材やフォニックス、オーディオブックを活用し、カタカナに頼らない「本物の英語」で学ぶことが、ビジョン2035実現への確かな第一歩となります。 (文字数:200文字)


学校は社会の縮図 小さな国際コミュニティが教えてくれること

学校は社会の縮図 小さな国際コミュニティが教えてくれること

インターナショナルスクールは多様性が前提の小さな地球。子どもたちは共感力や協働する力を自然に学びます。家庭では「なぜこの学校を選んだか」という対話が重要で、比較ではなく価値観の共有が子どもの挑戦を支えます。「今日何を学んだ?」と問いかけ、「自分も他人も違いがある」という視点を育てることが国際教育の本質です。学校には移動の多い子どもたちに質の高いインクルーシブ教育を提供し、地域に根ざした存在として社会への責任を学ぶ場となることが求められます。


“生徒募集!KAインターナショナルスクール”