Powered by Global Step Academy    
東京大学、新学部カレッジ・オブ・デザインで日本のグローバル教育を拡充

東京大学、新学部カレッジ・オブ・デザインで日本のグローバル教育を拡充

東京大学は、2027年秋、70年ぶりに新学部「カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)」を開設します。英語によるカリキュラムと柔軟な出願ルートを導入し、日本でも広がりつつある総合型選抜により、国内の学生にもグローバルな学びの選択肢を提供します。


2012年にスタートした PEAK(Programs in English at Komaba) は、東京大学として初めて 全課程が英語で提供される学部課程として開設されました。このプログラムは、優れた学業成績と国際的な視野を持つ意欲的な学生を国内外から集めてきましたが、規模は限定的で、年間の入学者数はわずか30名程度でした。世界的な才能を引きつけることには成功したものの、PEAKの小規模さとリソース集約型の構造は拡大を困難にし、東京大学はより大規模な国際教育の統合方法を再考せざるを得ませんでした。

カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)の開設

13年間に及ぶ検討の結果、東京大学では約70年ぶりとなる新学部設置が提案されました。2025年4月に新学部「カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)」の構想とビジョンが初めて発表されました。そして、2027年秋には、記念すべき第1期生を迎え入れる予定です。

出典:東京大学 College of Design(カレッジ・オブ・デザイン)公式ウェブサイト

新学部は5年間の学士・修士課程で、授業は英語で実施され、年間約100名(国内と海外ほぼ半数ずつ)の学生を受け入れます。藤井輝夫総長の指揮のもと、東京大学および海外の教育者が連携し、「デザイン」を単なる芸術的な分野ではなく、思考と探究の方法としてとらえる教育を推進します。このプログラムの目的は、気候変動、デジタル・トランスフォーメーション、高齢化社会など、世界的な課題に対して、創造的かつ学問を超えた観点から解決策を描けるリーダーを育成することにあります。

東京大学「カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)」についての詳細は、こちらからご確認ください。

2通りの出願ルート:国内・国際

構想発表後、出願方法やカリキュラムの概要も明らかになりました。7月の発表によると、出願は英語で受け付け、海外からの受験がより簡便かつ低コストになるだけでなく、国内のインターナショナルスクール出身者にとっても出願しやすい仕組みとなります。

現時点では、2種類の出願方法が想定されています。「大学入学共通テスト」を利用するルート(ルートA 仮称)と、国際的な標準化試験を利用するルート(ルート
B 仮称)です。どちらのルートでも、成績証明書、推薦状、そして英語または日本語で書かれたエッセイによる書類審査が行われます。ルートBでは、ACT、SAT、国際バカロレア(IB)、国際Aレベルなどの試験が想定されています。ルートAで出願する場合は英語能力試験のスコア提出が求められますが、ルートBの場合、出願者の教育背景によってはその提出が免除される場合があります。正式な対象試験の一覧はまだ公表されていませんが、TOEFL、IELTS、あるいは近年人気が高まっているDuolingo English Testなどが含まれる可能性が高いと考えられます。概要資料によれば、一部の海外出願者についてはオンライン面接が実施される予定であることも記載されています。

                      
区分 ルート A ルート B
対象者 主に国内の受験生(日本の大学入試制度を利用) 主に海外または国際教育を受けた受験生(国際標準化された試験を利用)
主な試験要綱大学入学共通テスト 指定された国際標準試験のいずれか(例:IB、Aレベル、SAT、ACT など)
提出書類
  • 調査書または成績証明書
  • 推薦書
  • エッセイ
  • 英語能力試験スコア(必須)
  • 出願者が準備する書類はすべて英語
  • 成績証明書
  • 推薦書
  • エッセイ
  • 英語能力試験スコア(応募者の背景により免除の可能性あり)
  • 出願者が準備する書類はすべて英語
面接 主に英語で実施(必要に応じて日本語使用可) 英語で実施。海外からの受験者は 来日不要(オンライン可)
指導言語 英語 英語
選抜方法 共通テストを基盤とした総合評価 国際試験を基盤とした総合評価
募集人数(予定) 50名 50名
出願スケジュール(2027年度入学)
  • 募集要項:2026年8月公表予定
  • 出願開始:2026年秋
  • 合格発表:2027年2〜3月
ルートAと同様
備考 東京大学が指定する科目で共通テストを受験する必要あり どの試験が利用可能かなど、詳細は正式な募集要項で確定予定

日本の大学入試に広がる「総合型選抜」

出典:東京大学 College of Design(カレッジ・オブ・デザイン)公式ウェブサイト

カレッジ・オブ・デザインが提案している入学者選抜方法は、日本の高等教育全体で起きている大きな変化を反映しています。日本の大学は、試験の点数だけでなく、エッセイ、面接、学校での活動記録など多面的な観点から学生を評価する「総合型選抜(AO入試)」へと移行しつつあります。これは北米やヨーロッパの多くの大学では長年一般的な方法でしたが、日本では学生の好奇心、創造性、異文化コミュニケーション能力を評価する必要性が高まる中で、ようやく広がり始めています。文部科学省もこの方向性を後押ししており、日本最古の国立大学である東京大学が新学部の入試選抜でその理念を実践することは象徴的な出来事といえます。

日本における国際教育

進学先を検討している家庭にとって、これはまさに好機と言えます。歴史的な円安が続く中、海外留学の費用はますます高騰しています。こうした状況で、英語で学べる日本の大学教育プログラムは、魅力的な選択肢として注目を集めています。日本に滞在することによる安全性、利便性はそのままに、比較的手頃な費用で国際的な学習環境を得られるためです。東京大学が大きなリソースを投入する背景には、日本の高等教育が自らの未来を再定義しよういう強い意思があります。それは、複雑な社会・環境課題への対応に向けて、学生を育成する大学運営における世界的な変化を反映し、ますます国際的、学際的、そして協働的な教育へと発展していく未来です。

東京大学「カレッジ・オブ・デザイン」についての詳細は、こちらから ご確認ください。

“国際家庭教師サービス、国際サバイバル。今すぐ無料体験!”

この記事の記者

ブレット・コーベットは帰国子女アカデミーの高等部アドバイザーとして、KAを帰国子女やバイリンガル生徒にとって大学進学準備の拠点となるよう尽力しています。また、教師、主任教師、そして元KA Plusプログラム責任者として、KAの各教室とオンラインプラットフォーム全体で指導に携わりながら、KAのカリキュラム開発にも貢献してきました。

関連する投稿


東大に最も近いインターナショナルスクール開校へ。アオバジャパンのが文京区、三鷹、下目黒と快進撃!

東大に最も近いインターナショナルスクール開校へ。アオバジャパンのが文京区、三鷹、下目黒と快進撃!

アオバジャパン・インターナショナルスクールグループの文京区に中高開校に注目が集まっている。文京女子学院と提携し、アオバジャパンの中高等部を東大前に開校するのだ。アオバジャパンは、昨年、世界のインターナショナルスクールで最も多く採用されているケンブリッジ国際カリキュラムのインターナショナルスクールを東京都三鷹市で経営を開始。さらに2021年4月に目黒区下目黒に国際バカロレアのバイリンガルスクールを開園する。国際教育グループとして、その動きに注目が集まる。


実は「東大より古い」インターナショナルスクールの歴史

実は「東大より古い」インターナショナルスクールの歴史

インターナショナルスクールは、外国人のお子さんが学ぶ学校として開校しました。東京大学の前身「帝国大学」の設立が1877年ですが、それより早くにインターナショナルスクールは、創設されています。インターナショナルスクールの歴史をまとめてみました


最新の投稿


【ビジョン 2035】第6の柱:教師の育成と支援

【ビジョン 2035】第6の柱:教師の育成と支援

ビジョン2035の成功は教師の育成と支援にかかっています。従来の文法中心の授業から、教師は「コミュニケーションを促す立場」へと転換する必要があります。生徒が多く話す活動の設計、AIツールやデータの活用、教師自身の英語力向上への支援が不可欠です。一度きりの研修では不十分で、定期的なフォローアップ、相互授業観察、専門学習コミュニティへのアクセスが求められます。また、留学プログラムへの公的支援や国際学校との連携により、教師が自信を持って指導できる環境を整えることが重要です。CEFRや英検に基づく基準を日々の実践に活用し、生徒データを分析して指導を調整する力も必要です。自信と能力を備えた教師への投資が、ビジョン2035を実現する鍵となります


英語を強みにする中学受験 ― 求められる力と学年ごとの準備設計

英語を強みにする中学受験 ― 求められる力と学年ごとの準備設計

英語を強みにした中学受験が広がる一方、難関校が求める力は資格試験では測れません。渋渋・渋幕・広尾学園などでは英検1級でも不合格になることがあります。アカデミックな文章を読み解き、論理的に書き、深い思考を示す総合力が問われるためです。こうした力は短期間では身につきません。中学年では内容理解しながら読む経験を積み、学習語彙に触れることが重要です。高学年では英語で学ぶ場面を増やし、5年生で要点をまとめる力、6年生で実践的対策へと段階的に進みます。 学年ごとの役割を理解し、適切なタイミングで準備を重ねることが受験突破とその先の学びにつながります。


KAISにおける「ビジブル・ラーニングについて」  KAISで実践される、研究に基づいた指導とは

KAISにおける「ビジブル・ラーニングについて」 KAISで実践される、研究に基づいた指導とは

学校選びで最も大切なのは「この学校で子どもは本当に学んでいるのか」という問いです。KAインターナショナルスクールは、世界最大規模の教育研究に基づく「ビジブル・ラーニング」を実践し、日本初の認定校となりました。このアプローチでは、子どもたちが「何を学び、なぜ大切か」を常に理解し、基礎から応用へと段階的に成長します。教師は「この教え方は機能しているか」と問い続け、効果的なフィードバックで子どもの成長を加速させます。目標が明確で成長が見える環境では、子どもたちは受け身ではなく主体的な学習者へと変わります。本記事では研究に裏付けられたKAISの教育実践を具体的にご紹介します。


【ビジョン 2035】第5の柱: 英語にふれる機会を増やす

【ビジョン 2035】第5の柱: 英語にふれる機会を増やす

英語力向上には週1回の授業だけでは不十分です。2023年の研究で、わずかな量でも毎日英語に触れることが不定期な学習より効果的であることが証明されています。学校では英語の校内放送やサイン掲示、イングリッシュデーなど日常に英語を組み込み、プロジェクト学習や選択授業を英語で実施することで「受け身」から「能動的」な学習者へ変わります。家庭でも英語番組の視聴や音楽を流すなど、継続的な環境づくりが重要です。英語を試験のためではなく、日々の生活で役立つ道具として実感できる環境が、子どもたちの真の英語力を育みます。本記事では具体的な実践方法を紹介します。


【ビジョン 2035】第4の柱: 正しい第一歩を踏み出すために

【ビジョン 2035】第4の柱: 正しい第一歩を踏み出すために

日本の英語教育の大きな課題は、学習初期からカタカナで英単語を教える点です。カタカナは日本語の音体系で設計されており、英語本来のリズム・強勢・母音を歪めてしまいます。一度カタカナ版の音が定着すると修正に何年もかかり、聞き取りや発音の障壁となります。幼少期は音声発達の敏感期であり、正しい発音習得に最適です。ネイティブ音声教材やフォニックス、オーディオブックを活用し、カタカナに頼らない「本物の英語」で学ぶことが、ビジョン2035実現への確かな第一歩となります。 (文字数:200文字)


“生徒募集!KAインターナショナルスクール”