教育先進国のオランダ
インターナショナルスクールも半官半民で取り組んでいるようです。
その半官半民のインターナショナルスクールのことを『ダッチ・インターナショナル・スクール』と呼んでいます。
グローバル化に合わせた教育は、自然な動き。
インターナショナルスクールをオランダらしい発想で取り組んでいることをオランダ留学・サッカー留学で支援するRIO INTERNATIONAL EDUCATIONの寄稿です。
ダッチ・インターナショナル・スクールとは?
ダッチ・インターナショナル・スクール(以下ダッチ・インター)とは、そのまま日本語にすると「オランダ国際学校」。
政府の補助金が入っている、いわば半官半民のインターナショナルスクールです。
親の転勤や移住によってオランダへ来ることとなった外国籍の子ども達、または他の国からオランダに戻ってくるオランダ人の子ども達が、英語環境での学習を続けるために作られた学校です。
ダッチ・インターは、文部省によって承認され、資金提供を受けています。
そのため公立のダッチ・スクールのように無料ではないものの、私立のプライベートのインターナショナルスクールと比べると格安の学費で通わせることができます。
歴史を感じさせる運河のある街並み
入学できる生徒の条件がある
ダッチ・インターナショナル・スクールに入るには、国内の規制に基づいて、入学できる生徒の条件が設けられています。
・オランダ国籍ではない国籍を有し、限られた期間、オランダ(またはオランダ国境地域)で働いている親を持っている。
・オランダの国籍を持ち、親が海外に駐留していたため、少なくとも2年間は海外に住んでいた。
・オランダの国籍を持ち、2年以内に少なくとも2年間留学する親を持つ。親の雇用主による書面での証明が必要。
半官半民で文部省から補助が出るダッチ・インターナショナル・スクール。
気になる学費は、いくらでしょうか?
ダッチ・インターナショナル・スクールの学費とは?
気になる学費は、年間€4,000〜7,000(日本円で約50〜85万円)くらい。
これは、プライベート・インターの€15,000〜20,000(日本円約180〜250万円)と比べるとかなりの割安感があります。
学費が安いからカリキュラムが良くないのかというと、決してそういう訳ではありません。
アムステルダムの街並み
ダッチ・インターナショナル・スクールのカリキュラム
ダッチ・インターでは、プライベート・インターと同様に、国際的に広く採用されている以下のカリキュラムを採用しています。
【国際バカロレア】
・IB−PYP(国際バカロレア初等プログラム)
・IB−MYP(国際バカロレア中等プログラム)
・IB−DP(国際バカロレアディプロマプログラム)
【イギリス系】
・IPC(国際初等カリキュラム)
・British Curriculum(ブリティッシュ・カリキュラム)
・IGCSE(ケンブリッジOレベル、Aレベル)
プライベートのインターとダッチ・インターの違い
■プライベート・インターナショナルスクールの場合
まず第一に、プライベート・インターの方が学校の規模が大きく、施設やアクティビティが充実しているということ。
最も人気のある、International School of AmsterdamやAmerican School of the Hagueなどでは全校合わせると千人以上の生徒が通っています。
アムステルダム・インターナショナルスクール スクリーンショット
イベントやクラス替えなどを通して、よりたくさんのお友達を作ることが可能かもしれません。
スポーツや芸術のイベントはとても盛り上がりますし、課外活動は内申書(スクール・レポート)にも有利になります。
また生徒の数が多いということは、授業においてより多くの選択肢があります。
例えば、国際バカロレアでは、中学年から第二外国語を学習するのですが、
規模の大きな学校では、フランス語・ドイツ語・スペイン語などの中から自分で選択することができます。
でも、小さな学校では「当校ではスペイン語」などと決まっていて、選ぶことができません。
また、施設面でも、プライベート・インターは大きな敷地の中にサッカーや野球などもできる大きなグラウンド、体育館、劇場などを持っています。
■ダッチ・インターナショナル・スクールの場合
ダッチ・インターの校舎は、元ダッチ・スクールだった校舎を利用しているケースが多く、そういった施設は持っていません。
休み時間に遊べるような小さなプレイグラウンドはありますが、スポーツやスイミングの授業は、近くの公共の施設にて行なわれます。
ただし、ダッチ・インターでも、幼稚園から高校までが同じ校舎で学ぶ学校は比較的大きな施設を持つ学校もあります。
ダッチ・インターナショナル・スクール
また、親の職業にも少し違いがあるようです。
プライベート・インターでは、親の多くが大手企業の駐在員や大使館職員、国際機関職員などで、会社が学費を負担して通っている生徒が多いです。
またはビジネス・オーナーや有名スポーツ選手、芸能人の子どもも通っていたりするそう。
特に大都市のアムステルダムやデン・ハーグでは、その傾向が顕著なようです。
ダッチ・インターにも、やはり駐在家庭や国際期間職員家庭や親の留学で来る生徒が集まりますが、オランダ人の割合が多くなります。
また、地域によっては移民が多く、学費の滞納が多い学校などもあるようなので少し注意が必要です。
ダッチ・インターナショナル・スクールの注意点
最後に忘れてはいけないのは、ダッチ・インターはあくまで一時的な通学を想定しているということ。
通常2年程度、最長でも5年くらいまでしか在籍できませんし、永住権を持つ外国籍の生徒は入学できません。
高校卒業まで学校を移りたくない、永住組で英語教育を受けさせたいケースでは、プライベート・インターを選ぶ家庭もあります。
また、ダッチ・インターでは、アメリカのカリキュラムを採用している学校はありませんので、アメリカのカリキュラムで学習したい家庭(アメリカの大学進学を目指すのに有利)はプライベート・インターであるアメリカン・スクールを選ぶしかありません。
親子留学や家族留学で数年滞在される場合は、これはあまり気にしなくてもよいでしょう。
▼公式のプロモーション動画も公開されています。
ダッチ・インターのまとめ
以上、一般的にいわれている、ダッチ・インターとプライベート・インターの違いを挙げてみました。
学校の規模や施設、カリキュラムの選択肢、世帯層などに違いはあるものの、大切なのは国際的な環境の中で、国際的に通用するカリキュラムで学ぶことだと思います。
そういう意味では、ダッチ・インターでも十分に通用しますし、むしろ、よりオランダ社会に近い位置づけのインターナショナル・スクールとして、とても良い選択だと思います。
(RIO INTERNATIONAL EDUCATIONコラムより寄稿)
http://rio-inter.net/2017/04/05/ダッチ・インターナショナル・スクールとは/
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インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。