Powered by Global Step Academy    
10年後には、生徒数1千万人へ!なぜ、インターナショナルスクールは世界で大人気?マレーシアとベトナムの事情から考える。

10年後には、生徒数1千万人へ!なぜ、インターナショナルスクールは世界で大人気?マレーシアとベトナムの事情から考える。

世界でインターナショナルスクールが教育機関として急成長しています。2017年には、インターナショナルスクールで学ぶ生徒数は、1千万人になると考えられています。なぜ、インターナショナルスクールは世界で大人気なのか?同じアジアのマレーシアとベトナムの事情から考えてみました。


世界で急成長するインターナショナルスクール業界

ブラジル、ロシア、インド、中国の4ヶ国がBRICsと呼ばれていますが、経済の発展、人口の増加に対して、インターナショナルスクールも増加しました。

この数年でその存在感がさらに増してきました。

新興国として、オリンピックを開催したブラジル。

さらに21世紀に飛躍する11カ国として韓国、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム、メキシコがNext Eleven(ネクストイレブン)と呼ばれています。

しかし、インターナショナルスクールの増加は、新たな段階に進んでいます。

それが、発展途上国の公教育までインターナショナルスクールが担うこと。
学校と教員、カリキュラムなど安定的に運営ができないのならば、それらの国では富裕層の教育は「インターナショナルスクール」に任せて、国として公教育として必要な学校教育をしよう、となりつつあります。

これまでのインターナショナルスクールの成長

インターナショナルスクールに関する世界的な調査機関であるISC社(International School Consultancy Research)は、記事の中で次のように書いています。

International School Consultancy Researchの調査をもとに編集部が作図。


2000年、英語で学ぶインターナショナルスクールの生徒数は、幼・小・中・高(K-12)で合わせて100万人にも達しませんでした。

それが、2017年現在、世界でインターナショナルスクールに通う生徒数は、460万人まで増えています。

10年後の2027年にはインターナショナルスクールに入学する子供たちの数は1000万人に達すると予想されています。

ISC社の予測では、英語で学ぶインターナショナルスクールの教育市場の規模は、現時点で415億ドル(約4兆6千億円)。

2027年までには850億ドル(9兆4千億円)まで上がると予想されています。

インターナショナルスクールの増加は、親のニーズの表れ。

なぜ、世界でインターナショナルスクールが急増するのか?

インターナショナルスクールが増えた世界的な要因

インターナショナルスクールが世界で増えた要因は、いくつか指摘されています。

1.新興国を含め、世界で富裕層が増えた。

2.人口が増加し、教育のニーズが高まり、富裕層が国際教育に教育投資をするようになった。

3.グローバル化の進展に伴い、海外駐在員が世界的に増えた。

4.それに伴い、世界各地でインターナショナルスクールのニーズが高まった。

では、なぜ、インターナショナルスクールに入学させたい親が増えているのでしょうか?

新興国の富裕層の増加が、インターナショナルスクールの増加と関連しているようです。

インターナショナルスクールで学ぶと我が子の可能性が広がる?

ISC社は、記事の中でインターナショナルスクールに通わす家庭の変化をしてきています。

それは、従来、海外からの転勤族の子供達が通うインターナショナルスクールが、地元の生徒も受け入れるようになったことで、大きな変化が起きていると指摘します。

インターナショナルスクールを地元の生徒にも!

1.我が子に質の高い教育を受けさせたいと願っている家庭の数が増えていること。

2.英語で世界的に人気な大学志願資格(編集部注記:Aレベルや国際バカロレアのディプロマ資格課程など)を学ぶことができる。

3.良い大学志願資格を得ることで、より国際的な大学などに進学する可能性が高い。

4.より国際的な大学などに進学すると、就職時、さらにその後の人生で様々なチャンスを得やすい。

すなわち、多くの保護者は、インターナショナルスクールに進学することで学歴、職歴が有利になると考えているのです。

英語で学び、海外で学ぶことで人脈ができ、その後の仕事や人生が大きく変わると考える親が多い。

ベトナムは、インターナショナルスクールのニーズが地方都市にも

ISC社は、ベトナムのインターナショナルスクール増加について次のように記事にしています。

現在、ベトナムのインターナショナルスクールは、ベトナムのインターナショナルスクールは、首都ハノイとホーチミンで増えていました。

現在、ベトナムでインターナショナルスクールの校数は、109校、3万9千人以上の生徒がインターナショナルスクールに在籍しています。

インターナショナルスクールに入学できる生徒は、外国人の生徒が中心です。

ハノイにある国連が運営するインターナショナルスクール”UNITED NATIONS INTERNATIONAL SCHOOL OF HANOI”。

ベトナムではインターナショナルスクールに通える地元の生徒枠を設けています。

小学校は、生徒数の10%まで、中学校・高校では生徒数の20%までにするように制限をしています。

しかし、第73条と呼ばれるベトナムの教育に関する法律改正が待たれています。

高い経済成長が見込まれるベトナムでは、様々な分野で国際的な技能、経験、基準、国際品質を育成することが必要とされるからです。

すなわち「国際知識労働者」の養成が重要です。

そこで、地元枠を撤廃することで、地方都市にもインターナショナルスクールが増えるようにしてほしいという動きがあります。

インターナショナルスクールで成功するマレーシア

マレーシア南端部のジョホール州で進められているイスカンダル計画では、9つの促進産業のひとつに教育が選ばれています。

そのため英国王室のキャサリン妃が学んだマルボロカレッジの分校などイギリスのボーディングスクールや海外の大学などが開校しています。

▼ジョージ王子も小学校が決まり、英国王室の選ぶ教育に注目が集まります。写真は、英国王室のインスタグラムより引用

英国王室 キャサリン妃に学ぶプリンセスになる学校選び 

http://istimes.net/articles/800

英国王室のプリンセスキャサリン妃は、どのような学校で学んできたのか?シャーロット王女も生まれ、ジョージ王子とともに人気の英国王室。ウィリアム王子とシャーロット王女も英国式保育園で学んでいます。

地元の生徒も進学できるマレーシアのインターナショナルスクール

マレーシアでは、2012年にインターナショナルスクールに通う生徒の地元枠を撤廃しました。

マレーシア国民を含め、マレーシアのインターナショナルスクールに誰でも入れるようにしたのです。

インターナショナルスクールを選べるようにしたマレーシアでは、5年で生徒数が2倍以上に増え、学校数も増えている。International School Consultancy Researchの調査をもとに編集部が作図。

インターナショナルスクールも選べるようにしたマレーシアですが、多くのインターナショナルスクールは、地元の生徒と海外からの駐在員の生徒が50:50になるように目指しています。

2012年にマレーシア国民もインターナショナルスクールに通えるようになったことで、インターナショナルスクールの校数は108校から170校に急増しました。

インターナショナルスクールの志願者数は、2012年の2万9千人から7万千500人へ激増しています。

マレーシアのインターナショナルスクールの成功が他の国の未来?

中国も国民がインターナショナルスクールに通うことを規制しています。
大きな経済成長が見込まれるベトナムでは、「成長のために国際人材を育てる必要性」が高まっています。

そのためマレーシアが国民がインターナショナルスクールも選ぶことができるようにしたことが、いかに英断だったのかがわかります。

規制を外しインターナショナルスクールも選べるようにしたマレーシア。ウィンブルドン現象となるか?

日本と同じく、中国、ベトナムでは、自国の言語で国家カリキュラムを学ぶ教育が軸となっています。

マレーシアが国民のインターナショナルスクールへの進学を認めることで、どのような結果になるのか、を中国、ベトナムが見定めようとしているのかもしれません。

教育の規制を外し門戸を開放した結果、インターナショナルスクールが優勢になり、地元の教育が消沈または淘汰される=ウィンブルドン現象になるのか?

注目が集まります。

こちらも参考にしたいですね。

【英国発】ジョージ王子の学校が決定!一体どんな学校なの!?

http://istimes.net/articles/894

先日、英国王室はウイリアム王子とキャサリン妃の長男、ジョージ王子(3歳)が9月からロンドン南部にある「トーマス・バタシー校」に入学する事を明らかにしました。ジョージ王子に自分が卒業した学校とは、別の学校を選んだウイリアム王子、キャサリン妃夫妻。どんな学校に入学するのかロンドン在住のChika B記者がご紹介します。

ボーディングスクールのスゴイ学費。世界トップに人脈を作るには、やはりお金がかかる?

http://istimes.net/articles/775

世界トップの子弟が学ぶボーディングスクールの学費とはどのくらいかかるのでしょうか。中学校・高校で培った人脈は、一生続きます。ボーディングの学費とその施設を中心にまとめました。

なぜ、インターナショナルスクールの授業料は高いのか?

http://istimes.net/articles/769

お子さんが生まれると一度は、インターナショナルスクールに通わせることを考えませんか?有名人が子どもをインターナショナルスクールに通わせている記事も載ります。ネットでインターナショナルスクールのホームページを見て、高い授業料に驚いた方もいると思います。なぜ、インターナショナルスクールの授業料は高いのか?をまとめました。

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

最新の投稿


小学校受験に国際化の衝撃!サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラス受験レポ

小学校受験に国際化の衝撃!サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラス受験レポ

サレジアン国際学園小学校インターナショナルクラスは、2025年度入試で志願者が前年比220名以上増え、A日程2〜3倍、B日程8.1倍と高倍率でした。受験生の8割がプリスクール生や帰国生など英語環境の子どもで、英語未経験でも合格例がありました。入試では創造力、主体性、非認知能力が重視され、幼児教室未経験でも合格が見られました。「一条校×インター」の安心感、プリスクール生の増加、口コミの速さ、改革で知られる大橋学園長への期待、都心からの通いやすさが人気の理由として挙げられます。


ビジョン 2035:実用的な英語を最優先に

ビジョン 2035:実用的な英語を最優先に

日本がアジア太平洋地域で英語力のリーダーシップを発揮するには、中高の英語教育の抜本的な見直しが必要です。現在、週5時間の授業の大半が文法・読解に費やされ、スピーキング練習は週1〜2時間程度です。この比率を逆転させ、週5時間をスピーキング中心に、文法・読解は週1〜2時間とすべきです。AI会話ツールやオンライン交流などのテクノロジーを活用すれば、日本人教員でも実施可能です。2024年のEF英語能力指数で日本は116か国中92位でした。文法や読解を捨てるのではなく、「話す・聞く・書く力」を支える手段として再構成し、実際に使える英語力を育成することが重要です。試験や評価方法もスピーキング能力を反映したものに変える必要があります。


インターナショナルスクールへの転校を考える前に知っておきたい学校生活言葉の壁:その先にある課題

インターナショナルスクールへの転校を考える前に知っておきたい学校生活言葉の壁:その先にある課題

インターナショナルスクールへの転校は、言葉の壁を越えた先に、新しい文化や価値観との出会いが待っています。本記事では、子どもが多様な環境の中で自分らしさを保ちながら成長していくためのヒントを探ります。


東京大学、新学部カレッジ・オブ・デザインで日本のグローバル教育を拡充

東京大学、新学部カレッジ・オブ・デザインで日本のグローバル教育を拡充

東京大学は、2027年秋、70年ぶりに新学部「カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)」を開設します。英語によるカリキュラムと柔軟な出願ルートを導入し、日本でも広がりつつある総合型選抜により、国内の学生にもグローバルな学びの選択肢を提供します。


帰国子女アカデミー「英語入試」「帰国生入試」中学受験ガイドを無料で公開

帰国子女アカデミー「英語入試」「帰国生入試」中学受験ガイドを無料で公開

『Bluebook Select』は、英語入試や帰国生入試を行う中学校の情報をまとめたガイドブックです。2026年度入試に対応し、首都圏を中心とした98校の最新データを掲載しています。試験科目や出願資格、英語授業体制など、学校選びに役立つ情報を整理しました。