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イベントレポート【前編】 STEM教育とインターナショナルスクール

イベントレポート【前編】 STEM教育とインターナショナルスクール

ローラス武蔵新城校で開催され、満員御礼の大盛況で終了したSTEM教育イベント。テーマは、『AI時代にあなたの子供は、どう生きていますか? ~STEM教育を英語で学ぶことで身につく学びとは~』 当日の様子を前編と後編の2回に分けてお伝えします。


AI時代にあなたの子供は、どう生きていますか? ~STEM教育を英語で学ぶことで身につく学びとは~

先月9/2(土)にローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス武蔵新城校にて、インターナショナルスクールタイムズが主催し、STEM教育イベントを開催しました。
当日は、STEM教育の現状とAIによる技術革新を絡めながら、20年後に社会がどのように変わっているのかについて、ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス、Founder兼CEOの日置麻実先生、同スクールサイエンス顧問の朝日良典先生、株式会社Global Educational Partners 代表取締役社長兼CEOのモントゴメリー道緒氏の3名に講演いただきました。

インターナショナルスクールタイムズでは、大盛況で終了した本イベントを前編と後編の2回に分けて、当日の様子を伝えていきます。

第一部/STEM教育とインターナショナルスクール

第一部はSTEM教育とインターナショナルスクールというテーマに、株式会社Global Educational Partners 代表取締役社長兼CEOのモントゴメリー道緒氏によるプレゼンテーションが行われました。

◆プレゼンター紹介
1983年東京都生まれ。日本人とアメリカ人のハーフ。
国内最大の料理教室会社ABC Cooking Studioの元代表取締役社長。

経歴:
西町インターナショナルスクール卒業(幼稚園から中学校)
アメリカンスクール・イン・ジャパン卒業(高校)
バブソン大学(米国マサチューセッツ州)

大学卒業後、メリルリンチ日本証券で国内および海外M&A業務に従事
2012年に国内最大の料理教室会社ABC Cooking Studioの代表取締役社長。
2014年にNTT Docomoへの売却を機に独立。
2013年に旧(株)GLOBAL EDUCATIONAL PARTNERSを買収し、代表取締役に就任。

STEM教育とは何か?

まず、最近よく聞くSTEMとは一体何なのでしょうか?
STEM教育(ステムきょういく)とは、
Science:科学
Technology:技術
Engineering:工学
Mathematics:数学
の教育分野を総称する単語であり、各分野の頭文字を取ってワンワードにしています。

このSTEMから派生した関連ワードの中には、下記のような単語があります。
・STEAM(Science, Technology, Engineering, Art and Mathematics)
※芸術分野の要素を加えたもの
・STEAM(Science, Technology, Engineering and Applied Mathematics)
※応用数学に力点を置いたもの

それでは、なぜSTEMは教育業界で重要視されているのでしょうか?

その答えはパッケージ化と思考のプロセスにあります。STEM教育を端的に表しているのが上の図です。この図を下に、まずは「STEMを一つのパッケージにして学ぶ必要性」についてご説明します。

ここで突然ですが、時代を18世紀の第1次産業革命前に巻き戻します。
この時代には、機械化を進めるための動力となる、蒸気エンジンの開発という課題があります。

先人たちは、蒸気エンジンを開発するにあたって、水は熱すると蒸気化するという事実(Science)から、”水量×熱量=蒸気量・蒸気圧”という蒸気エネルギーの理論(Mathematics)を導き出し、蒸気をエネルギーとして取り出せるか否かという技術や実現性を検証し(Technology)、蒸気をエネルギー化するための装置の開発(Engineering)で具現化していきました。

このようにSTEMの各分野がギアのようにしっかりと噛み合って、0から1を創り出すイノベーションが形になっていきます。歴史的な発見と開発は常にこのパッケージによって具現化され、世の中に輩出されてきました。

STEM教育で21世紀を生き抜くための必須能力を養う

また、STEMの各分野に共通した「考え方の流れを身に付ける事」も非常に重要です。この思考プロセスこそが、STEM教育の真髄だと言われています。

まず、社会にある問題を定義し、その問題を解決するためには何が必要なのかを明確化します。
そして、チームで議論をしながら解決策を洗い出します。その議論を経て出てきた解決策に優先順位をつけてプロダクトやサービスを開発し、テストを繰り返します。その後、幾つものテスト結果の調査と分析を行い、解決策となりうるプロダクトやサービスを選定します。
最後に、解決策となるプロダクトやサービスをコミュニケーションや共有、発表という手法で、世の中にスケールしていきます。

STEMを一つのパッケージで学ぶ事と思考プロセスの重要性について、過去、現在、未来、いつの時代も色褪せない、人類の発見と開発の根源である事をご理解いただけたのではないでしょうか。

全世界のSTEM教育

それではここで、世界各国(アメリカ、シンガポール、イギリス)のSTEM教育に対する取り組みを比べてみましょう。

アメリカのSTEM教育

オバマ前大統領は在任中、「”オタク”になることが、国に貢献するベストな方法だ」とインタビューに応え、STEM教育を推進し、年間30億ドルの予算をつけました。

また、これまでのSTEM教育に関する主な施策は下記のようなものがあります。
・2020年までに初等、中等教育の優れたSTEM分野の教師を10万人養成。併せて現在のSTEM教育も支援。
・初年次から高校卒業までの間で、STEM分野の経験を持つ若者の毎年50%増加を目標とする。
・大学生については、今後10年間でSTEM分野の卒業生を100万人増加させる。
・今後10年間で、これまであまりSTEMと関係していなかった層から、STEMに関する学位を取得する学生数を増加させる。さらに女性の参加も促進させる。
・大学卒業生にSTEMの専門知識や応用研究を学ぶ訓練制度を提供する。

シンガポールのSTEM教育

続いて、90年代から教育分野にITインフラを導入してきたシンガポールのSTEM教育をご紹介します。
2000年代初頭にはICTのカリキュラムへの統合や学校現場での利用を進め、2009年から知識集約型経済で成功するための能力を児童・生徒に身に付けさせるため実践的な計画を推進しています。

・STEM教育に取り組み、PISAのテストで上位に
・教育予算は、国家予算の18%(国防費は16%)

イギリスのSTEM教育

イギリスでも先進的なSTEM教育の施策を実行しています。

・5歳から7歳の学年では、モノの構造と3Dプリンターなどの機器の使い方を学ぶ。
・7歳から11歳の生徒には、スイッチや電球、ブザーやモーターなど実際に電気を使って動くモノづくりを体験してもらい、同時にコンピューターから制御する方法も学ぶという本格的な授業を実施。
・11歳から14歳の中学生に該当する生徒達はスケッチ方法、モノづくりの詳細な計画立案、3Dモデリング作業、アイデアからデザイン化する方法、といった製品開発に関する一連の流れを学び、同時にプレゼンテーション方法も学ぶ予定。

人工知能(AI)をはじめとした社会の変化

実は、GDPを労働人口で割った時に、先進国に関しては大抵の場合、1人あたり1500万円程度の生産性だと言われ、先進国の労働生産性は拮抗している状態です。労働時間には限りがあるので、生産力や効率をあげないと、今後先進国がGDPを底上げする事はできません。

そんな中で注目を集めるのが人工知能(AI)の開発です。経営コンサルティング会社、アクセンチュアの最新調査では、「2035年には人工知能によって先進12カ国の経済成長率が倍増し、労働生産性は最大40%向上することが判明」と発表されています。

そして、これこそが第四次産業革命なのではないかと言われています。
第四次産業革命は、情報技術の発展で起こります。第一次産業革命は蒸気機関の発明、第二次は電気の発明、第三次はコンピューターの発明。それに次ぐ産業革命が、今まさに起ころうとしているのです。

第四次産業革命は、loTや人工知能といったテクノロジーによって生み出されます。その経済効果は、名目GDPである約500兆円にも匹敵すると言われています。
もちろんこの変化を生み出すのは、人工知能やloTを操るプロフェッショナルたち。彼らはSTEM分野の教育を受けてきた人材です。

なぜ初等教育で、STEM教育が重要なのか?

この状況を受け、ニューヨーク州立大学で教授を務めるキャシー・デビッドソン氏は、デューク大学で教鞭をとっていた当時、「2011年に小学校に入学する子供達の65%が、現在存在しない職業に就く」という予測を米紙のインタビューで綴っています。

この発言には、将来の変化を予測することが困難な時代を生きる子供たちに対しては、社会の変化に受け身で対処するのではなく、自ら課題を発見し、他者と協働してその解決を図り、新しい知・価値を創造する力を育成することが喫緊の課題である、という教授の思いが込められています。この発想はSTEM教育に紐づいていきます。

しかし、こんな未来を切り拓く可能性を秘めたSTEM教育にもリミットがあります。
ある教育研究によると、高校生に対するSTEM教育の成否は、往々にしてそれ以前の初等教育の段階で決まってしまうと言われています。
また、幼稚園や小学校低学年の段階で自然科学や社会科学への興味を植え付けられた生徒は、高校進学後にSTEM教科で好成績を収める可能性が高まるという統計結果も出ています。

可能な限り早い段階で、子ども達はSTEMに関する興味と学習経験を持っていた方が、その後もSTEM領域での人材になり、20年度に社会に出る際に社会の第一線で活躍できる可能性が高まるのです。

アメリカのNASAも教員向けのSTEM教育素材とアイディアを共有しています。

日本のSTEM教育の現状

では、最後に日本のSTEM教育の現状についてご紹介します。

・文部科学省は、学習指導要領の見直し(2020年にプログラミング必修化を予定)
・入試制度、センター試験の改革
・200校以上の指定校があるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)化
・国際科学技術コンテスト、科学の甲子園、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)などの取り組み
・次世代科学者育成プログラム、中高生の科学研究実践活動推進プログラムなどの取り組み

日本でもSTEM教育の充実化に向けて国が具体的に動き出している事が分かります。
しかし、現在の進捗を見てみると、STEM教育において重要となる学校のIT環境や無線LANの整備がまだまだ追いついていません。

●現在の進捗と今後の具体的な目標
・「授業中にITを活用して指導することができる教員の割合について、2020年までに100%を目指す
(2014年度:71.4%)
・「都道府県及び市町村におけるIT環境整備計画の策定率について、2020年度までに100%を目指す。」
(2014年度:31.9%)
・「無線LANの普通教室への整備を2020年度までに100%を目指す。」
(2014年度:27.2%)

STEM教育を実施している国内の教育機関

グローバリゼーションの中で、全世界で理数系人材の育成が進んでいる事が分かりました。
その中で、日本在住の親として、自分の子供にSTEM教育を与えたいと考えた時、どのように選択していけば良いのでしょうか?

現在、STEM教育を実施している国内の教育機関をご紹介いたします。

インターナショナルスクールはどこもSTEMを教科として取り組んでいますが、取り組む時間の長さを見ると、ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンスが群を抜いています。

それでは、ローラスではどのような理念や考えをもってSTEM教育に取り組んでいるのでしょうか?また、ローラスでのSTEM教育を経て、どのような人材を育成しているのでしょうか?

後編に続きます。

STEM教育イベントレポート【後編】 第二部/STEM教育を英語で学ぶことで、身に付く学びとは?

◆ゲストパネラー:
・ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス Founder兼CEO、日置麻実氏(上智大学外国語学部卒)
・ローラス サイエンス顧問 朝日良典氏(京都大学大学院理学研究科修了)
・株式会社Global Educational Partners 代表取締役社長兼CEO モントゴメリー道緒氏(バブソン大学卒)

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