「高等部 開設」で幼小中高一貫校に
2010年4月に創立された東京ウエストインターナショナルスクールは、プリスクール、幼稚部、小学部、中学部と教育課程を順次拡大し、現在、国際バカロレアのPYPの認定校となっています。
高等部開設に伴い将来のキャリアを見据えた国内外の希望の大学へ最短で進学できる仕組みを構築しました。
そこで編集部は、同校の加藤理事長と高等部 韓校長にインタビューをお願いしました。
編集部:高等部の開設おめでとうございます。日本とアメリカの通信制を導入したことで、生徒にとってどのような学びが用意されるのか、また、学費の面についても教えてください。
韓高等部校長(以下、韓):自分がやりたいことを見つけて欲しい。
普通科の高校に進学するとどの科目も満遍なく学びます。
ナレッジベースとして素晴らしい学びですが、社会に出るとその知識は一部しか活用されません。
ある程度、高校生くらいから自分のやりたいこと、パッションがあることに自分の強みを振り分けていく必要があるのではないでしょうか。
人生100年時代と呼ばれる中で、自分のキャリアを考えていく必要がある。
経済的なメリットとして、従来のインターナショナルスクールで高等部に進学した場合に比べ、本校の年間学費はかなりリーズナブルに抑えられています。
写真左から東京ウエストインターナショナルスクール 加藤理事長、韓 高等部 校長。
韓:高等部は最終ゴールではなく、大学やその後のキャリアに繋がる一ステップです。
高等部の学びに高い学費を投じるよりも、より将来に繋がるオルタナティブな学校選択肢が増えています。
そこで本校は、従来のインターナショナルスクールとは全く異なる新たな仕組みを考えました。
高校無償化と通信制高校の仕組み
編集部:アメリカと日本の通信制高校の仕組みを導入していますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
韓:本校は、日本の通信制高校とアメリカの通信制高校の両方の学びをこのキャンパスで実現しました。
通信制高校の仕組みを利用しているだけで、実質、全日制の高等部となります。
私の娘の実体験になりますが、ある有名私立大学のAO入試は、志願書類と面接だけでした。
娘は、普通の高校に通いながら、苦手な古文や漢文を泣きながら勉強していました。
娘を見ていたら、要は赤点を取らないために努力をしていたわけです。
親としては、人生にとっては良い試練になったと思いますが、別の見方もあります。
それは、人生百年時代の中で娘が、そこに力を注ぐのが正しい時間の使い方なのか、と。
韓:都内の中学校がテストを廃止した例がありますが、時代にあった学びの改革が必要と考えています。
どこかが学びの変革を実施していかないと永遠に教育は変わらないのではないでしょうか。
私も高校生時代に必死に受験勉強をし、1日8時間勉強して大学に行きました。
受験勉強が役に立ったことはありますが、ただ振り返ると有意義な時間の使い方だったのか、と疑問に感じるのです。
高校時代にいろいろな体験をしてみたかったのですが、ほぼ勉強だけの生活でした。
生徒たちには、そのような後悔をして欲しくない、と考えています。
現在、2名の高等部生徒でスタートしましたが、ネイティブの先生が複数で指導しています。
始まって数ヶ月ですが生徒の成長する姿を見ると、この新しい仕組みのすばらしさに実感が湧いてきます。
編集部:高校の授業料無償化にともない、御校の生徒にも国からの補助のようなものはありますか。
加藤:世帯年収590万円未満の場合、年間30万円。世帯年収590万円~910万円未満の場合、年間12万円の就学支援金を申請できます。その分、年間費用が抑えられます。
▽ 高等部の年間費用は、入学金などの一時金を除くと約111万円です。
高等部がスタートして感じること
編集部:2名でスタートした高等部ですが、その中で見えてくる新しい学びとキャリアがあるようですね。
韓:本当に社会で必要なスキルは、社会で活躍した人でないとわからないし、教えられないのではないでしょうか。
キャリアデザインセンターの顧問は、実際に社会で活躍している方を外部からお招きしています。
英語ネイティブの教員、IELTSや英検対策なども含めると生徒2名にエキスパートの教員6名によるサポート体制です。
高等部のコース選択
編集部:高等部には、コースがあるそうですが、どのように分かれているのでしょうか。
韓:高等部の1学年の定員は、合計30名です。
その中で英語がネイティブレベルの生徒が学ぶSコースが15名、英検2級程度のレベルの生徒が学ぶAコース15名の2クラス制です。
編集部:高等部を卒業した後の大学受験資格について教えてください。
文部科学省が従来から認めているインターナショナルスクール認定団体は、WSACなど4つありました。
この度、新たにCogniaが加わりましたが、御校にとってどのような効果がありましたか?
加藤:インターナショナルスクールは、施設、財務状況、教育レベル、カリキュラム、教員資格、ガバナンスなどを総合的に判断し、教育機関として水準を満たしていると評価された場合、公的な国際学校認定団体により学校認定が与えられます。
学校認定団体として、日本の文部科学省が認めているのは、WASC、ACSI、CIS、NEASC、Cogniaの5団体です。本校は、従来よりCogniaの認定を受けています。
Cogniaが文部科学省より大学入学資格において「国際的な評価団体認定 外国人学校」の認定団体として指定されたことによって、本校の国際学校としての評価も高まるものと期待しています。
アメリカを中心に世界中で学校認定をしているCognia。
なぜ、通信制高校の仕組みを導入したのか?
編集部:通信制高校の仕組みをアメリカ、日本ともに導入されましたが、その理由と背景を教えてください。
韓:通信制高校というと楽に卒業できる、というネガティブな捉え方もあると思いますが、本校では、通信制高校の仕組みを逆に活かすことを考えました。
加藤:日本の通信制高校は、3年間の在籍が必要ですが、アメリカのペンフォスター高校は、単位を取得すれば1年でも飛び級をして卒業することができます。
その場合、ペンフォスター高校の卒業証書を持って大学受験を進めます。
しかし、日本の高校卒業資格は取れないデメリットがあります。
ペンフォスター高校から飛び級で著名な大学に進学している例もいくつかあります。
日本の高校卒業資格は取れないのですが、飛び級でアメリカなどの海外の大学に進学する、という選択をされるご家庭もあるのではないでしょうか。
韓:アメリカを含む海外のすべての大学が飛び級を認めている、というわけではないのですが、突き抜けている生徒にとってひとつの選択肢だと考えています。
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通信制なのに毎日通学するインターナショナルスクール
編集部:日本とアメリカの通信制課程を、毎日、こちらのキャンパスに通って学ぶ高等部の学校生活について具体的に教えてください。
韓:本校には、ご覧の通りキャンパスがあります。
校庭や体育館、プールや実験室やガーデンもあります。また、体育や音楽、アートの授業もあります。
通信高校では、通常の授業として体育、音楽、アート、科学実験などはありません。
本校では実際にキャンパスがあるため、これらの授業が実現できています。
加藤:都心にある通信制の学校やインターナショナルスクールは、ビルの一室であることがほとんどです。
その点、本校は屋外の施設を含め、教育施設が充実しており、そこがこれらの学校と大きく異なる利点です。特に、校舎後方に広いガーデンを有し、幼稚部から高等部までガーデニングの授業を専門教員により実施しています。
高等部 開設で戻ってくる卒業生
編集部:御校は、幼稚部・小学部・中学部までの教育課程で高等部がなかったため、全ての生徒が過去に途中で他校へ転校していきました。お聞きすると転校した生徒が再入学するケースも増えていると聞きます。どのような理由で再入学してくるのでしょうか。
加藤:日本の私立小学校・中学校の国際コースに進学したケースも多くあります。しかし、これらの国際コースの多くが、ネイティブの教員を除いて、生徒のほとんどが日本人という状況になっていると聞きます。
国際コースといっても、英語関連以外の授業が日本語で行なわれ、生徒のほとんどが日本人という環境では、同級生から学ぶ生きた英語やその背景にある異文化を学ぶことはできません。いろいろな国々から教員や生徒が集まっているダイバーシティ(多様性)な環境こそが本校の最大の特色です。
高等部ができたことで、この環境で学びを続けたいと戻ってくる生徒が出始めています。
これは、私たちにとってたいへん光栄なことです。
東京ウエストの卒業生の進学先とは
編集部:御校は、幼稚部・小学部・中学部までの教育課程で高等部の開設に時間がかかりました。そのため。小学部、中学部を卒業後、他の国公私立、インターナショナルスクールに進学していると思いますが、その進学先について教えていただけますか。
加藤:卒業生の保護者から連絡をいただいたのですが、本校からセントメリーズインターナショナルスクールや横浜インターナショナルスクール、大阪インターナショナルスクール、マレーシアのインターナショナルスクールを経て、アメリカの大学をはじめ東京大学や早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、青山学院大学、などに進学しているようです。
ですので、高等部を開設した今、将来の生徒の大学進学に関しては、たいへん自信を持っています。
編集部:最後に、ひとことで御校を表現するとしたら、どんな言葉になりますか。
加藤:みなさんは、「ダイバーシティ(多様性)があるスクール」というのを思い浮かべるかたが多いですね。教員も生徒もかなりたくさんの国からきていますから。
私は、15年前の設立当初から、「リゾートのようなスクール」を子どもたちに提供したいという想いでやってきましたので、やはりこの「リゾート」という表現でしょうか。
リラックスして自然の中で学習、スポーツ、ミュージック、イベントを楽しんでほしいと願っています。毎日スクールに来る楽しさ、気持ちよさ、学ぶ喜びを知ってほしいのです。
ほんとうに小さなキャンパスですが、施設のいたるところにこの想いを詰め込んでいます。
まだまだ「リゾート」というにはほど遠いのですが、子どもたちの可能性を引き出せるようなリラックスできる教育環境と充実した教育内容をいかに整えていけるかが私たちに課せられた使命だと考えています。
編集部:加藤理事長、韓高等部校長、ありがとうございました。
学校説明会
東京ウエストインターナショナルスクールは、6月に説明会を開催します。
開催は、幼稚部、小学部と幼小中高の全体の大きく3つ開催されています。
お申し込みは、こちらのGoogleフォームよりご記入ください。
https://forms.gle/VkRR74Lden4eX8Bt6
お申し込みは、こちらのGoogleフォームよりご記入ください。
https://forms.gle/ZQTLUNh1a8xrN6jw6
お申し込みは、こちらのGoogleフォームよりご記入ください。
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お問い合わせ
東京ウエストインターナショナルスクール
Tokyo West International School
公式サイト:www.tokyowest.jp
所在地:東京都八王子市梅坪町185
電話:042-691-1441
メール:admission@tokyowest.jp
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。