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【独占インタビュー1】千代田インターナショナルスクール東京は、どのような学校になるのか?

【独占インタビュー1】千代田インターナショナルスクール東京は、どのような学校になるのか?

東京都千代田区に2018年4月に開校予定のChiyoda International School Tokyo(千代田インターナショナルスクール東京)。注目のHead of school(学園長相当)に国際バカロレアを日本に普及させてきたトップランナーの大迫弘和氏が就任予定です。どのようなスクールになるのでしょうか?


2018年4月に開校予定の千代田インターナショナルスクール東京

東京都千代田区に2018年4月に開校予定のChiyoda International School Tokyo(千代田インターナショナルスクール東京以下、CHIST)。
注目のHead of school(学園長相当)に国際バカロレアを日本に普及させてきたトップランナーの大迫弘和氏が就任予定です。

千代田インターナショナルスクール東京 公式ホームページ

Head of schoolに就任する大迫弘和氏の活躍

大迫弘和氏は、これまで千里国際学園(現、関西学院千里国際中等部、高等部と大阪インターナショナルスクール)をはじめ、文部科学省が定める一条校と国際バカロレアを融合させる国際学校を作ってきました。

九州の福岡のリンデンホールスクール中高学部校長、千里国際学園学園長、同志社国際学院校長など要職を歴任。

現在は武蔵野大学教授、都留文科大学特任教授を務め、この度東京都千代田区に設立されるChiyoda International School Tokyo(千代田インターナショナルスクール東京以下、CHIST)の立ち上げから関わることになりました。

編集部はCHISTのHead of schoolに誰が就任するのか、かねてより注目しており早速、就任予定の大迫弘和氏にインタビューをお願いしました。

インタビュー:CHISTでしかできない教育をやろう

編集部 村田:本日は、設立準備でお忙しいところありがとうございます。早速ですが、大迫先生はこれまで多くの学校で国際バカロレアの導入をしてきました。今回、CHISTの設立にあたり、どのような考えをお持ちですか?

大迫:インターナショナルスクールを作るとなった時に、既存のインターナショナルスクールと同じものを作ることは考えなかった。CHISTでしかできない教育をやろう、と。

村田:大迫先生がCHISTで取り組んでみたい教育とはどのような教育でしょうか?

大迫:世界を見渡すと、国際バカロレア(以下、IB)は、インターナショナルスクールではある意味標準装備になってきたと言えます。

 IBをやるにしても、IBの原則を守りながら、いろんなやりようがあるのでは、と考えています。
 IBの可能性をより広げていければと。

村田:IBの可能性を広げるとは?

大迫:IBで最も大切なことは、understanding、理解することです。その「理解」に関して、「こういう手法でここまで形成できる」と新しい教育モデルができたらいいな、と考えています。

 IBに長く関わってきた「日本人」として、もう一歩踏み込んだ先に、IBの本質があるのではないか、と考えています

 それをCHISTとしてやっていきたい。

建築が進む千代田インターナショナルスクール東京。2017年3月撮影。

IBをもう一度掘り下げる。

村田:IBをもう一段階、掘り下げると考えてよろしいでしょうか?

大迫:1968年にIBが世界に提示した理念は、先見的なものでした。
 世界でIB校が増えている現状を踏まえると、IBの役割が21世紀に入り、より大きくなったと思います。

 一方で、IB教育が、20年前、30年前と「なにか」が変わっていないのであれば、それは時代の変化に本当に対応しているのか?ということになるでしょう。

 IBは常に変化しようとしてはいますが、私が教壇に立っていた例えば30年前という時代は、パソコンなどICTがほぼ存在しない時代でした。

 しかし、情報技術が急速に変化した現代と30年前と「授業が変化していないのではないか」と感じることがあります。

村田:21世紀に入ってどのように変わるのでしょうか?

大迫:とりわけAIという存在が教育に与える意味はとても大きいのです。

 そのためにCHISTでは、子どもたちの本質にコミットしながら、これからの時代にふさわしいゴールに到達することを考えているのです。

国際バカロレア機構が提唱するIBの学習者像

村田:時代に合わせて変えていく。それは、教育のバージョンアップのようなイメージでしょうか?

大迫:それに近いところはあります。

 IB教員が、本当に時代を捉えて教育に当たっているか、そんなことをしっかり問い直しながら進めていければと思っています。

CHISTが目指す教育
とは?

村田:大迫先生は、日本のIB界の大御所です。その大迫先生から危機感の強い言葉をお聞きし、驚いています。

大迫:勿論IBを否定しているわけではありませんが、次のステージへの移行が必要だと思っています。

 日本の学校法人が設立するインターナショナルスクールとして日本の教育改革につなげたい。

 CHISTで作り上げる教育が、日本の教育全体に、ひとつのサジェスチョンになればよいと願っています。

 一条校だから、インターだからという枠にとらわれないで、自由な発想で、日本の教育改革に一石を投じるような教育を生み出せればと考えています。
 (編集部注:千代田インターナショナルスクール東京は、武蔵野大学、千代田女学園と連携している)

CHISTと学習指導要領

大迫:日本の学習指導要領は、日本の誇るべき宝なのですが、インターだからといって、学習指導要領に対して扉を閉ざす必要はない。

 例えば算数教育で、それをIBPYPでやるにしても、そこで日本の学習指導要領を、1条校としての縛りにとらわれないで、どこまで自由にそれを含みこんでやっていけるか。

 新しい可能性がそこにあります。

村田:日本の文部科学省の学習指導要領は、批判されることが多く、こうして算数教育に光が当たるとは思わなかったので、驚いています。

大迫:基本的にインターは、世界の子供たちを対象としているのですが、帰国生など日本の国籍の生徒も入ってくることもあります。

 その場合などは特に学習指導要領の良さを取り入れたCHISTの教育がフィットすると考えています。親御さんも安心なさるでしょう。

南側から千代田インターナショナルスクール東京の校舎(イメージ)

村田:IBと学習指導要領の融合でしょうか?

大迫:日本のIBDPの普及活動の際に、日本の学習指導要領とDPの突き合わせをしました。   
 この3、4年でDPレベルでは学習指導要領とIBの整合性が整理されてきています。

 今回はPYPと学習指導要領を自由に組み合わせてカリキュラムを組むのがCHISTプロジェクトで大切なところになります。

村田:探究型の教育といわゆる暗記型と呼ばれる日本の教育の融合と考えてよろしいでしょうか?

大迫:日本の学習指導要領の内容をIB的な手法で実施したら、すごい教育ができると思います

 でも、あなたが言うような探究型の教育と学習指導要領に基づく学習を相容れない別種のものと考えてはいけません。
 どう融合するか、が重要なのです。

 そこに絶対に素晴らしい教育が生み出され、今までにない教育をCHISTで絶対にプロデュースできると思っています。

村田:学習指導要領とIB的な手法。それは、逆に言うと日本でしかできない教育ですね。日本のお子さん、ご家庭の教育ニーズにも合うと思います。

リソースセンター(イメージ)

大迫:一条校ではないので学習指導要領をすっ飛ばしてもよいのです。

 しかし縛りがないからこそ「ここは日本の学習指導要領、ここはIBのScope & Sequence」で実施する、と組み合わせることができます。

 CHISTの教育はどこの国のお子様にとってもベストのものになるはずです。

村田:期待が膨らみます。早く授業が見たいです(笑)。2018年4月に開校するCHISTは、どの学年から開校するのでしょうか?

大迫:開校時はエレメンタリースクールの1年生から5年生までを募集します。

 インターナショナルスクールでは、全学年を一斉に開くのが一般的なのですが、CHISTは下から丁寧に積み上げていきたいと考えています。

村田:エレメンタリーの1年生から5年生まで開校するためにカリキュラムと先生を用意するのは大変ではないでしょうか?

大迫:勿論決して楽な仕事ではありませんが、基本的にフィロソフィーがしっかりしていれば、後は実務の部分でどう回していくか、ということになりますので、心配はしていません。

 これまで幾つかの学校を立ち上げてきた経験がありますし。

*編集部注:国際バカロレア機構はIBの名称使用について厳密な規定を持っています。本記事はあくまで大迫先生のご構想としてお読みください。
 CHISTは、小学校相当のエレメンタリーが5年、中学校相当が4年、高校相当が3年の5・4・3制を導入する予定です。

連載2回目は、こちらから

【独占インタビュー2】千代田インターナショナルスクール東京の学び!はこちら
http://istimes.net/articles/927

【独占インタビュー2】千代田インターナショナルスクール東京の学び!

http://istimes.net/articles/927

東京都千代田区に2018年4月に開校予定のChiyoda International School Tokyo(千代田インターナショナルスクール東京)。注目のHead of school(学園長相当)に国際バカロレアを日本に普及させてきたトップランナーの大迫弘和氏が就任予定です。どのようなスクールになるのでしょうか?

お問い合わせ

千代田インターナショナルスクール東京 設置準備事務室
Email:chist@musashino-u.ac.jp

CHIST Chiyoda International School Tokyo 千代田インターナショナルスクール東京

https://www.chist.jp

Chiyoda International School Tokyo (CHIST) is going to start as a new international education base in Chiyoda-ku, Tokyo; the political and financial center of Japan.

こちらも参考にしたいですね。

【速報】千代田インターナショナルスクール東京のホームページが公開!

http://istimes.net/articles/904

東京都千代田区に2018年4月に開校予定の千代田インターナショナルスクール東京。注目の学園長相当のHead of schoolに国際バカロレアを日本の教育に普及させてきたトップランナーの大迫弘和氏が就任。ついにホームページのHPが公開されました。果たして、どのようなスクールでしょうか?

千代田インターナショナルスクール東京(通称CHIST) 一足早く建築現場を見せていただきました。

http://istimes.net/articles/872

東京都千代田区麹町四番町に建築中の千代田インターナショナルスクール東京。一足早く工事中の同校を見学させてもらいました。千代田インターナショナルスクール東京は、国際バカロレアの候補校となっている千代田女学園に隣接し、2018年4月開校予定(設置認可申請中)です。2/28 一部修正・加筆

なぜ女子校激戦区の千代田区に国際バカロレア認定校がなかったのか?

http://istimes.net/articles/781

女子校の激戦区千代田区。東京都23区の中核区で、千代田区の皇居周辺には国会議事堂、最高裁判所といった国の中枢機関が集まっています。その千代田区にインターナショナルスクールや国際バカロレア認定校など国際教育インフラがありませんでした。理由について一部加筆しました(9月3日)。

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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