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【インタビュー】国際バカロレアで学ぶとはどのようなことでしょうか? ディプロマ取得者 六本木延浩さん

【インタビュー】国際バカロレアで学ぶとはどのようなことでしょうか? ディプロマ取得者 六本木延浩さん

国際バカロレアのディプロマを取得し、日本の大学へ進学が決まっている六本木 延浩さんにお伺いしました。六本木さんは、シンガポールのインターでバカロレアPYP、MYP、日本に帰国後、横浜インターナショナルスクールで学び、ディプロマを取得しました。


国際バカロレアで学ぶとはどのようなことでしょうか?

国際バカロレアで有名な横浜インターナショナルスクール出身者の六本木さんにお話をお聞きしました。

六本木さんは、シンガポールのインターでバカロレアPYP、MYP、日本に帰国後、バカロレアで著名な関東のインターで学び、ディプロマを取得しました。

ふたりの姉もバカロレアで学んでいたため、姉たちが練る時間を削り、ディプロマの課題を作成する姿を身近に見てきました。

幼稚園からPYP,MYPと六本木さん自身、国際バカロレアのカリキュラムに慣れていましたが、ディプロマ課程は、大変だったようです。

[六本木 延浩(ろっぽんぎ のぶひろ)さんの経歴]
 シンガポールのインターナショナルスクールUnited World College of South East Asiaにて教育を受ける。
 その後、中学で帰国し、世界で二番目に古いインターナショナルスクールである横浜インターナショナルスクールに編入。
 横浜インターナショナルスクールで、国際バカロレアのディプロマを修了。上智大学理工学部に進学予定。
 横浜インターナショナルスクールでは生徒会長を務めるなど、積極的にインターナショナルスクールでの活動を行う。

United World College of South East Asiaとは?

ディプロマ課程でどのような科目を選んだのでしょうか?

 ディプロマ課程では、1から5のグループから各1科目を選び、さらに芸術または1~5のグループから1科目を選びます。

 さらに3科目または4科目を上級レベル(Higher level:HL)を選ぶ必要があります。

 六本木さんは、6科目のうち4科目を上級レベルで履修をしています。
 上級レベルは標準レベルと比べると、課題の量が多く、内容の範囲も多少広くなっています。
 そのため、大学で勉強したい科目などを上級レベルのクラスで取る生徒が多くいます。

【知っておきたいHLとSLの違い】上級レベルと標準レベルの違い

 上級レベル(Higher Level:HL)と標準レベル(Standard Level:SL)は、履修時間が大きく違います。
 上級レベル(Higher Level:HL)は、2年間で1科目あたり240時間。
 標準レベル(Standard Level:SL)は、時間の履修時間が必要とされています。

 3科目でも大変といわれる上級レベル。
 六本木さんは、4科目を上級レベルで学んでいます。

 グループ1、2の言語をどちらもネイティブで取得したため、デュアルディプロマを授与されています。

グループ1 第1言語 (母語) 英語A1 (English A1) SL
グループ2 第2言語 (外国語) 日本語A2 (Japanese A2) HL
グループ3 個人と社会 地理(Geography) SL
グループ4 実験科学 物理(Physics) HL
グループ5 数学とコンピューター科学 数学(Mathematics) HL
グループ6 芸術又は選択科目 化学(Chemistry ) HL

3つの要件

 TOK(知識の理論)のクラス、CAS(ボランティア活動など)、そしてExtended Essay (卒業論文)を修了し、初めてディプロマが授与されます。

 六本木さんは、どのような題材を選んだのでしょうか?
 お聞きしてきました。

課題論文(EE:Extended Essay)では、何を題材として選びましたか?

題材:数学 (Mathematics)
タイトル:Where would be the best location to book a Hotel when there are various leisure venues all over Tokyo?

そもそも算数でEEを書く事を決めていたので身近なものでいかに面白いEEを書けるかを考え、ふと通学途中で思ったことが「どのように携帯電話で見られる電車の案内が機能している一方で、なぜ観光客は〇〇駅の近くにホテルを予約するのか」でした。そこからGraph Theoryを用いて数学を使いつつ仮説検証しました。

知識の理論(TOK:Theory of Knowledge)のIBO によって指定される10の課題から何をエッセイにしましたか?

Through different methods of justification, we can reach conclusions in ethics that are as well supported as those provided in mathematics’ To what extent would you agree

TOKのプレゼンテーションについて教えてください。

TOKのプレゼンテーションは個人で行いました。
当時マクドナルドでバイトしており、幼い頃からSuper Size Meなどのマクドナルドを批判する番組などを見てきたので、実際はどうなのだろうか?と思い始めたのが疑問を感じたきっかけでした。

プレゼンテーションでは肥満率の増加に関するデータや、マクドナルド側の主張などをまとめたものを発表し、社会のマクドナルドに対する否定的な認識とマクドナルド側、どちらの主張の信憑性が高いかについてディスカッションしました。

創造性・活動・奉仕(CAS:Creativity/Action/Service)では何をされましたか?

 スポーツ活動 Varsity Soccer (Grade 11,12), Varsity Baseball (Grade11)
 カンボジアに行き、学校の建設支援 Cambodia Project (Grade 11) 
 生徒会(生徒会長)Student Council (Grade 11), Student Council President (Grade12)
 ブラスバンド Symphonic Winds (grade 11),
 国際問題への取り組み  Global Issues Network (Grade11 +12)

Q, 将来、就きたい職業、ジャンルはありますか?

 横浜インターナショナルスクールの数学の先生で、大学では宇宙科学や環境問題に取り組み、その後原子力発電所で働いた経験を持った方がいました。
 自身の持つ多様な経験を授業中に紹介、共有してくれました。
 そんな先生のように多彩な経験を持つ人に憧れていました。

 現在、化学、物理、数学など様々な学問分野に興味があるので、大学でとにかく学び、まずはエンジニアとして社会で働いてみたいです。

 その後の経験を生かし、将来は先生として高校生の子供達のよい刺激になれたらなと思っています。

Q,なぜ、六本木さんはフルディプロマ取得を考えたのですか? (将来の進路など含め)

A,横浜インターナショナルスクールがフルディプロマ獲得に力を注ぐ学校であった事と年上の姉両方がフルディプロマ修得者である事が大きな要因だと思います。

 姉や先輩などからフルディプロマの大変さは聞いていたのですが、姉の影響もあり、高校生活を通してチャレンジ精神を培うことが大切だと考えフルディプロマにチャレンジする事に決めました。

Q,いつごろからディプロマ取得を考えましたか?

A,取得は物心ついた頃から考えていました。
 シンガポールのUnited World College of South East Asiaは優秀なインターナショナルスクールトップ10に入っており全員がフルディプロマ志願者でした。

 姉二人がその学校を卒業しており、また自分の学校でもフルディプロマを取得できるチャンスがありました。

 そういった環境の中でフルディプロマは幼い頃から意識はしていました。

Q,ご両親、兄弟、親戚などから、ディプロマ取得についてアドヴァイスはありましたか?

A,学年が上がるにつれて、姉両方と母親から頻繁にアドヴァイスをもらうようになりました。
 例えばIGCSEからIBへと移行する際の勉強量の違いなどを聞かされていました。

 他に、CASやEEがあること、またその提出課題では何を書いたかなど教えてくれたので、フルディプロマプログラムを受けている時にはスムーズに取り組むことができ、とても役立ちました。

Q,ディプロマの科目を選ぶ時の判断基準はどこにありましたか?

A,一番の判断基準は自分の興味でした。
 2年間その科目をしっかりと学び続けることとなるので、単なる名前だけで科目を選ぶのではなく、自分の興味関心があるかどうか、楽しめるかどうかを重視して科目を決めました。

Q,学んでいて「この科目は特におもしろかった」というのがあれば教えてください。

A,数学と物理です。
 先生は、ただ微分積分といったことをする「数学」と区切るのではなく、自身の経験をふまえながら、どのような物にも数学は関係していることを教えてくれ、とても感動した記憶があります。

 先生の自宅のソーラーパネルの発電量をグラフにし、式を構築し、積分してみたりなど、色々な経験をする事が出来ました。

 さらに物理では身近な物事を説明してくれたり、当たり前な事を宇宙で行ったらどうなるかなどを教えてくれとても興味をひきつけられました。

Q,自分は選ばなかったけれど、友達の間で「この科目は良かった」など評判があったら教えてください。

A,選択した科目上どうしても取れなかった科目が心理学で、この科目はとても評判が良かったです。
 物理と化学をすでに取っていたので、私は選択することができず少し不満でした。

 もしもまたIBを取る事が出来れば間違いなく学びたい科目の一つです。

Q,ディプロマ取得は、「生徒にとって大きな達成感と自信を与える」といわれます。 六本木さんは、実際に取得が決まった時、どのような実感がありましたか?

A,達成感はかなりありました。
 2年間自分が頑張ってきた事が実績として表れたで嬉しかったです。

 しかし同時に不満も覚えました。思うように成績が伸びなかっただけではなくCASにたくさん力をいれたのに、ぎりぎりしかこなしていない生徒と同じ評価だったので不満に思いました。

 CASはPass or Failなのでランクや成績がつけばよかったのにとは思いました。

Q,今後、日本でもディプロマを導入する学校が増えてきます。  英語と日本語で学ぶことが決まりそうですが、六本木さんから考える「これは日本語で学ぶにはふさわしくない。  これなら日本語で学ぶ方が良いと思う科目」があったら教えてください。

A,唯一あげられるものは言語だと思います。
 日本語はもちろん日本語で教えた方が上達は早いです。

 さらには外国語を習う際にほかの言語から入ってしまうとどうしてもすでに知っている言語に頼りがちになってしまいます。

 そのため学年や習熟度にもよりますが、言語面に関してはその教わっている言語で授業を受けた方が、最終的な到達度は高くなると思います。

 基本的にIBで教えられている科目は日本でも教えられています。

 科目の内容について日本語で教える事に問題はないと思います。

 しかし、各科目でIBが重視しているのは知識だけではなく、その知識を得るためのアプローチの仕方や、その知識を学んだ上で物事の考え方や学んだ概念の応用です。

 そのためただテキストを読んで教えるだけでは高得点は狙えません。

 私の学校の先生はテキストを暗記すれば4(7点満点中)がとれると言っていました。

 しかしそれより上の得点を取得するには、ただ単に知っているというだけでは足りません。

 どの科目がどの言語で教えられるよりも、教えている先生自身がIBの求めているものを理解し、知識の受け渡しだけでなく、IBスタンダードで授業を提供できるのかどうかが一番重要だと思います。

六本木さん インタビューに答えてくれてありがとうございました

横浜インターナショナルスクール

横浜インターナショナルスクール は、神奈川県横浜市中区にあるインターナショナルスクール。
教育課程:幼・小・中・高
所在地: 〒231-0862 神奈川県横浜市中区山手町258
設立: 1924年
電話: 045-622-0084
URL: https://www.yis.ac.jp/

United World College of South East Asia

教育課程:幼・小・中・高
所在地: 1207 Dover Road, シンガポール 139654
電話: +65 6775 5344
URL: https://www.uwcsea.edu.sg

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この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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