アメリカの「ボーディングスクールを知ってほしい」キックオフイベントが開催
アメリカのボーディングスクールに通う生徒・卒業生が自主的に「ボーディンスクールを知ってほしい」という願いから活動しているのがJABSA(ジャブサ・JAPAN-AMERICA BOARDING SCHOOL ASSOCIATION)です。
▼JABSAの公式ホームページのスクリーンショット
JABSAのキックオフイベントが2017年8月6日(日)に開催されます。
また、JABSAは、その目的を次のように語ります。
ボーディングスクールの真実を提供する学生団体であり、学生を主体としているからこそ話せる内容をお話ししたい。
ボーディングスクールを高校のオプションの一つとして入学を検討している生徒さん、保護者に考えてもらいたい。
これまでボーディングスクールフェアは数々開催されていますが、その多くは学習塾や留学エージェントなどが仕切っているため、結局はその塾やエージェントのブランディングのために行われているというのが現状です。
今回、ボーディンスクールの在校生・卒業生が立ち上げた本イベントは、「ボーディングスクールについての知名度を上げ、入学後も安心して相談できるコミュニティを作る」ために行われます。
そのため営利目的ではないのが特徴です。
ボーディングスクールフェア概要
開催日時:2017年8月6日
時間:午後12:30 開場
1:00開始
途中入退場自由
会場:西町インターナショナルスクール
住所:〒106-0046 東京都港区元麻布 2-14-7
イベントスケジュール
13:00-17:00 各校のブース
第一部説明会
13:00-14:00 説明会 (日本語*)
14:00-15:00 説明会 (英語)
第二部ゲストトーク
15:00-15:30 スペシャルゲストによるトーク (日本語*)
15:30-16:00 スペシャルゲストによるトーク (英語)
参加申込み:http://www.jabsa.org/registration.html
参加校
本イベントは、在校生・卒業生が開催するイベントであり、各スクールのアドミッションオフィサーが参加する学校説明会ではありません。
在校生・卒業生の参加予定校
・AVON OLD FARMS SCHOOL
・THE CAMBRIDGE SCHOOL OF WESTON
・CHOATE ROSEMARY HALL
・THE GOVERNOR'S ACADEMY
・THE HILL SCHOOL
・THE HOTCHKISS SCHOOL
・KENT SCHOOL
・THE LAWRENCEVILLE SCHOOL
・NORTHFIELD MOUNT HERMON SCHOOL
・PEDDIE SCHOOL
・PHILLIPS ACADEMY ANDOVER
・PHILLIPS EXETER ACADEMY
・ST. GEORGE'S SCHOOL
・TABOR ACADEMY
・TAFT SCHOOL
・THACHER SCHOOL
・WESTMINSTER SCHOOL
・WESTOVER SCHOOL
・WILBRAHAM AND MONSON ACADEMY
・WILLISTON NORTHAMPTON SCHOOL
▼写真は、NORTHFIELD MOUNT HERMON SCHOOLのサマースクールで航空力学を学ぶ生徒
在校生・卒業生とは?
当日、実際にいるボーディンスクールの在校生・卒業生とはどのような人でしょうか?
編集部では、主催するJABSAの代表である篠原さん、副代表の久保さん、副代表の水野さんにお話をお伺いしました。
編集部:一時帰国の忙しい中ありがとうございます。
早速ですが、本ボーディングスクールのイベントを開催しようとしたきっかけを教えてください。
篠原代表:以前、ボーディンスグクールの入学や生活などを説明する会に出席させて頂いた時、塾が主体だったこともあり、日本の学校とボーディングスクールの違いなどを説明するにあたってボランティアの発言に制限が存在したことに凄く疑問を感じました。
そこで、JABSAは在校生と卒業生が自由にボーディングスクールに対する「生活は?」「友達との関係は?」「どんな勉強をしているの?」など素朴な疑問にお答えるすることで良い学校選びのヒントになるのでは、と考えました。
左からJABSAの副代表の水野さん、代表である篠原さん、副代表の久保さん。
編集部:三人とも国内からアメリカのボーディンスクールに進学したのですか?
篠原:そうですね。僕と久保さんは、西町インターナショナルスクールで幼稚部から中等部まで学びました。
水野君は、東京インターナショナルスクールから小学校3年生で西町に転向して来て、そこから一緒です。
僕は、Northfield Mount Hermon School をこの夏に卒業し、9月から大学です。
久保さんがPhillips Academy Andoverの4年生。
水野君はPhillips Exeter Academyを卒業し、9月から大学です。
編集部:みなさん西町インターナショナルスクールの卒業生なんですね。
篠原:たまたま西町からボーディングスクールに行った私たちが代表をしていますが、メンバーは多くいます。
日本の私立学校から渡米した生徒もいますし、地方の公立高校からボーディングスクールに転向して来た生徒もメンバーにいます。
編集部:インターナショナルスクールからボーディングスクールに進学した生徒だけではなく、様々なボーディンスクールの在校生・卒業生が参加するのですね。
様々なメンバーがいるJABSA。写真は一部のスクリーンショット
実際のボーディングスクールの生活とは?
やはりお聞きしたいのが、実際のボーディンスクールの生活です。どのような生活ですか?
篠原:僕たちは、14歳からボーディングスクールに入学しました。中学2年生ですね。
学業面と生活面を両立することが求められていたので、ボーディングスクールでの寮生活は入学する前から楽しみでした。
実際に寮生活を始めると私の場合、掃除・洗濯など初めて自分でする経験でした。
ルームメイトとも仲良くできました。
身の回りのことを自分でする。それも自立のための重要なことだったと今では思います。
▲Phillips Academy Andoverの公式Instagramより引用。夕暮れ時の校舎は、幻想的。
編集部:ちょっと意地悪な質問ですが、ルームメイトと気が合わないなど深刻なケースはないのでしょうか?
篠原:ルームメイトと仲が悪くなるケースも稀にありますが、学校側は自分たちで解決できるまで見守りますね。
それは、忍耐や合わない人と暮らすことで身につけるスキルもある、と考えているのではないでしょうか。
さすがに大喧嘩になるようなケースは、すぐに学校も動きます。
水野:また友人とルームメイトは、イコールじゃないのもありますね。
久保:仲の良い友人とルームメイトになると良いのか?それは、また違いますね。
水野:友人だから一緒に生活するルームメイトになるとすごく良いとはならい。すなわち友人とルームメイトは別ですね。
ルームメイトだから仲良くなる、と思われますが、そうでもない。
親友になるケースもあると思いますが、基本的にルームメイトと友人は違う存在ですね。
編集部:ちなみにボーディングスクールというと階級社会と結びつけてしまうのですが、スクールカーストというのはありますか?
篠原:確かに白人のアメリカ人は一定数いますが、いわゆる「スクールカースト」とは違うと思います。
水野:それより多様な生徒構成というか、いろいろな人がいる感じです。
アメフトの体育会系もいれば、数学オリンピックで金メダルを取る生徒や近くに住んで通学している生徒もいます。
もちろん、オタクなのもいます。
編集部:それだけそれぞれの専門があり、その分野で活躍しているとなると認め合うところまで行くのかもしれませんね。
▼写真は、Phillips Exeter Academyの公式Instagramから2017年卒業式の様子。
■14歳でスカウトされる
編集部:ボーディングスクールは、いろんなスポーツが盛んというイメージがあります。実際にどうですか?
篠原:日本よりもスポーツの社会的地位が高いですね。
アメリカの大学ポーツは、プロのチームほど経済効果があり、アメフトやバスケットボールなどテレビ中継されるスポーツビジネスです。
そのためボーディングスクールも大学、その後、プロでも活躍できるスポーツができる生徒をリクルーティングしています。
もちろん、数学オリンピックなどのメダリストも積極的にリクルーティングしています。
▲THE TAFT SCHOOLの公式Instagramより引用。広大なキャンパスは、まるで大学のよう。
編集部:まさに14歳でスカウトされるのです。ところでボーディングスクールというとセレブのお子さんも多いと思うのですが、入学で優遇された理、そのような生徒は奨学金をもらうのですか?
水野:確かにアメリカ国内だけではなく、海外の著名な起業家や大企業の重役、政治家を親にもつ生徒もいます。
ただ、著名人を親に持つ生徒が入学で優遇されることは、基本的にないと思います。
篠原:やはりトップのボーディングスクールなので学校側が入学者を選べます。
そのため「落ちる」のが当たり前になります。
久保:奨学金は、学校によっても違いますが、全体の50%が何かしらの奨学金を受けています。
篠原:奨学金は、アメリカ人が対象となっているケースが多いですね。
▼模擬国連に出場するChoate Rosemary Hall の生徒たち。公式Instagramより。
編集部:いわゆるIVYリーグなど名門大学に合格者を多く出しますが、どのような授業をしているのですか?日本では暗記型の教育に批判が集まっていますが、ボーディングスクールの授業について教えてください。
篠原:暗記しないと学べない科目もあります。
例えば、言語と数学、化学は覚える必要があります。
ただ、それを暗記しているか?という点ではなく、それをアウトプットできるか?ということが試されます。
数学にしても、化学にしても、とにかく学んだことをレポートとして書くことが多いですね。
とにかく「何事においても、書く」という感じでした。
水野:私は、歴史に興味があったので世界史、アフリカの植民地前の歴史、日本の明治維新など学びました。
学ぶといっても、自分で調べて行く学び方で、明治維新前後のことは先生と話し合いながら、レポートにまとめるために大学の先生に質問をしていました。
編集部:大学の先生が、高校生の質問に答えてくれるのですか?
水野:丁寧に答えてくれました。先生もどのように質問するべきか、などアドバイスをくれます。
また、大学の先生もフィリップス・エクセターという校名を知っているので、協力してくれるのだと思います。
久保:自分の学びたいことを学校側にいうと、先生が授業を作ってくれます。
担当できる先生がいない場合は、オンラインだったり、外部の専門家とセットアップしてくれます。
これらは、「インディペンド・スタディー(自分で自分のカリキュラムを作ってくれる)」と呼ばれています。
科学、数学、歴史、言語やバイオの実験までたどり着く子もいます。
▼春のStrawberry Festでお互いのYear Bookに書き込むThe Hill Schoolの生徒たち。公式Instagramより引用。
編集部:ボーディングスクールの凄さですね。
ちなみにボーディングスクールの入学準備として、どのように準備されたのか。
また、サマースクールをどのように使ったのか、など素朴な疑問が出てきます。
そこで、詳しいケースはそれぞれ違うと思うのでやはり、ゆっくりとイベント会場でお聞きしたいですね。
JABSAボーディングスクールフェアは、8/6(日)に開催!
開催日時:2017年8月6日
時間:午後12:30 開場
1:00開始
途中入退場自由
会場:西町インターナショナルスクール
住所:〒106-0046 東京都港区元麻布 2-14-7
イベントスケジュール
13:00-17:00 各校のブース
第一部説明会
13:00-14:00 説明会 (日本語*)
14:00-15:00 説明会 (英語)
第二部ゲストトーク
15:00-15:30 スペシャルゲストによるトーク (日本語*)
15:30-16:00 スペシャルゲストによるトーク (英語)
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。