幼保一体の次は、学童保育も併設型?
2000年代にブームとなったプリスクールと2010年代には、国際バカロレアがホットトピックとなった。
インターナショナルスクールに追い風が続いている。
また、小学校からの英語の導入を踏まえ、英語、多文化理解、英語で学ぶ国際教育はもはやブームではなくなっている。
幼児教育の無償化は、幼稚園・保育園だけではなく認可外保育施設にも補助を出す計画であり、第3の幼児教育の軸となったプリスクールにとってさらに追い風となる。
▼下記、写真は、東京都立川市にあるGlobal Step Academy International Schoolの授業風景
プリスクールは、英語で教えるため外国人教員が多く採用されている。
外国人教員は、英語圏のカナダ、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどで幼稚園教諭、保育士に準ずる資格を得ていることが多い。
しかし、海外の幼稚園教諭、保育士資格があっても、日本の保育士・幼稚園教諭とみなされない。
そのため例え、ハーバード大学卒でアメリカの保育士免許を持つ「幼児教育のプロフェッショナル」でも、日本ではただの「保育補助」にしかカウントされない。
Learn to Change the World(学びは世界を変える)。ハーバード大学教育学部は、学部から修士、博士課程まで多様な教育を学べる。
幼稚園で教えるには、幼稚園教諭免許が必要となり、保育園は、運営上一定比率の保育士が必要だ。
そのため海外の幼稚園教諭、保育士資格があっても、外国人は資格があると数えられないため多くのプリスクールは、認可外保育施設として運営している。
進化スピードが早いプリスクール
その一方で、プリスクールやインターナショナルスクールは、外国人教員の流動性が高く、規制の枠が低い分、教育ニーズへの対応が早い。
一例が、幼保一体化を越えたコラボレーションだ。
国際バカロレア機構の日本大使を務める坪谷ニュウエル氏が代表を務める東京インターナショナルスクールは、2015年から探究的な学びのアフタースクールを開始し、現在、全国6カ所に東京インターナショナルスクール アフタースクールを展開している。
プリスクールで学んだ生徒が、義務教育部分にあたる小学校・中学校でどのように英語力と英語で学ぶ思考力を育むか、が課題となっていたが、アフタースクールに通い続けることでダブルスクールが可能となった。
国際バカロレアのように探究的に学ぶ東京インターナショナルスクールのアフタースクールはインターナショナルスクールがアフタースクールに展開した例だ。
逆にプリスクールと学童保育、英語塾が融合したキッズデュオは、全国に展開する。
英語で預かる学童保育/プリスクールのKids Duo
国際バカロレア一貫校となったアオバジャパンインターナショナルスクールグループは、探究的に学ぶバイリンガルプリスクールを増やしている。
同校の特徴は、1歳半から英語で学べる幼保一体化の幼児園だ。
さらに同校は、幼児園が終わった後のアフタースクールも手厚い。
プリスクールに通う日本人保護者のニーズに対応するため、小学校受験のこぐま会やスポーツ系のプログラムが並ぶ。
アオバジャパンは、幼児園として探究型学習のバイリンガルプリスクールを都内に展開している。
STEM教育に特化したローラス・インターナショナルスクール・オブ・サイエンスは、都内に8校以上のプリスクールを運営し、2016年に初等部を開校した。
同校も豊富なアフタースクールプログラムを提供している。
STEM教育に特化したローラスインターナショナルスクールオブサイエンスは、放課後にSTEMアカデミーをはじめ英語コースなどが開講している。
プリスクール業界は、幼保一体化から幼保学童一体型にシフトしつつある。
幼保学童一体型の魅力は、保護者にとって「英語」で「学び続ける」ことができる学童保育として人気だ。
子供にとって幼保学童一体型は、「慣れ親しんだ校舎」「幼い頃から教えてくれた教職員」「友人がいる」とメリットがある。
認可外保育施設として、補助金が少ないプリスクールにとって施設を有効活用でき、安定的に学び続ける環境を生徒・保護者に提供できるのだ。
幼保学童一体型のその次へ
プリスクールとインターナショナルスクールの幼保学童一体型からさらに選択肢を提供する動きがある。
それが、オンライン教育も提供するGlobal Step Academyグループ(以下、GSA)だ。
GSAは、都内の名門インターナショナルスクール教員だったモントゴメリー・ジョン氏がインターナショナルスクールに通う生徒を対象とした進学コンサルティングの塾から創業している。
Global Step Academyは、インターナショナルスクールを中心にオンラインからプリスクール、インターナショナルスクール、アフタースクールなどを運営している。
日本を代表するアメリカンスクール・イン・ジャパンや国際バカロレアを日本で初めて取り入れた横浜インターナショナルスクール、日本初のUWC加盟校となったUWC ISAKや10スクールズと呼ばれるアメリカの名門ボーディングスクールに進学させてきた。
その実績と経験から、2015年からインターナショナルスクールの教育のオンライン化に取り組み、2016年から都内にあるプリスクールの運営を始めた。
2017年からは、初等部、中等部を含めたインターナショナルスクール経営を始めプリスクールの校数を増やしている。
GSAが運営する東京都八王子市にある東京ウエストインターナショナルスクールは、幼稚部・小学部・中等部がある。
同校は、今年9月に市ヶ谷、恵比寿、目白など都心部で学童保育を運営するウィズダムアカデミーと提携を発表した。
ウィズダムアカデミーは、民間学童保育を都心部に開校。また、子育て教育支援複合施設として全国にRAINBOW TREE PROJECTを展開している。
ウィズダムアカデミーが現在運営するプリスクールをGlobal Step Academy International Schoolにするとともに、今後ウィズダムアカデミー各校にGSAプリスクール開校を進める。
プリスクールとインターナショナルスクールの運営で実績を出すGlobal Step Academyと習い事を豊富に提供し、魅力ある学童保育を運営するウィズダムアカデミーの連携。
GSAは、ウィズダムアカデミーとGSA Wisdom International Schoolを三鷹、目白をはじめ恵比寿、市ヶ谷に開校した。
今回のコラボレーションの背景には、2つの要因がある。
ひとつは、共働きの家庭が増え、世帯年収が増加していること。
ふたつ目は、少子化によって子供一人当たりの教育費していることである。
その一方で、共働き家庭が増え家庭で子供をみる「時間」が減少している。
すなわち、従来の教育機関が提供できない「時間」を預かり、さらに時代に合わせた教育の「質」を求める保護者のニーズがある。
幼保学童一体型は、新しいワンストップサービスといえる。
▼続きはこちらから。プリスクールとアフターとさらにオンライン
【プリスクール進化論】後半 プリスクールとアフターとさらにオンラインの未来
http://istimes.net/articles/1072【プリスクール進化論】プリスクールとアフタースクール一体型の先にオンラインの学びが広がっています。スカイプ英会話が広げたオンライン学習。乳幼児・自動は集中力を含め、英語で学び続けるには課題も指摘されていました。その課題に挑むのがオンラインも提供するGSAグループです。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。