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広島県で開校ラッシュ!【他県は真似できない?】国際バカロレア、ボーディングスクールなど取り組みがスゴイ!

広島県で開校ラッシュ!【他県は真似できない?】国際バカロレア、ボーディングスクールなど取り組みがスゴイ!

国際バカロレアで学べる寮制の広島叡智学園が県立中高として開校した広島県。2020年4月には、小学生を対象とした神石インターナショナルスクールが名門ボーディングスクールへ進学できるルートを持ち開校。さらに瀬戸内グローバルアカデミーは、名門リベラルアーツと提携し開校。AICインターナショナルスクール初等部も2021年4月に開校予定と開校ラッシュが続く。編集部は、広島が熱い理由を調査した。


広島にボーディングスクールやインターナショナルスクールが急増!

日本で最もボーディングスクールやインターナショナルスクールなど国際教育で熱いのが、「広島県」だ。

この3年で4校が開校するのだ。

2019年4月 広島県立広島叡智学園(中学生・高校生ボーディングスクール)
2020年4月 神石インターナショナルスクール(小学生ボーディングスクール)
2020年9月 瀬戸内グローバルアカデミー(高校卒業生向け海外リベラルアーツ提携校)
2021年4月 AICインターナショナルスクール初等部開校予定

怒涛の国際教育ラッシュの広島県。

47都道府県の動きのなかで、なぜ広島県がこのように国際教育で幅広い選択肢が増えたのか、をリサーチした。

その理由について東京女子学園中学校・高等学校の久保敦校長補佐に背景を伺った。

久保敦氏「広島県はモデルケース。他県も」

ニュージーランドの現地校で教員として教えたこともある久保氏。

日本帰国後は、帰国子女教育のパイオニアである東京都にある啓明学園、国際教育で著名なかえつ有明中学校・高等学校、国際バカロレアコースなど国際教育に強い立命館宇治中学校・高等学校などで国際教育に取り組んできた。

その経験から、広島県の国際教育の取り組みについて久保氏にコメントをいただいた。

広島県は、2013年に「教育のグローバル化10年展開構想」を策定しました。
それが実りつつある。

広島県は、育成すべき人材像として“広島で学んだことに誇りを持ち、胸を張って「広島(Hiroshima)」を語り、世界の人々と協働してイノベーションを生み出すことのできる人材”を掲げてきた。

この人材像が共有化された背景には、国際協力や平和貢献に取り組むなど「国際的発信力」の強い広島県の歴史がある。

また輸出型産業の占める割合が高く、全国シェアの高い農水産品と2つの世界遺産など観光業がグローバルな人材育成像に繋がった。

そのひとつが広島叡智学園といえる。

公立国際バカロレア、寮制の衝撃

広島叡智学園は、県立として、国際バカロレアでさらに寮のボーディングスクールで高校からは海外から留学生が入学してくる。

公立校の授業料で国際バカロレアを学べ、さらに高校では寮で海外からの生徒と一緒に学べる仕組みは、公立校に新たな可能性を与えた。

広島県立叡智学園は、公立校として開校された背景を久保氏は次のように語る。

久保氏:2013年に策定された「教育のグローバル化10年展開構想」の施策がの4段階目「グローバル化に対応できる学校の体制整備」が実行されている。

広島県は、歴史的な背景からも平和教育に強い信念がある。

国際バカロレアは、「より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的」を理念にしているため、教育のグローバル化として国際バカロレアを導入する学校が多いと考えている。

名門ボーディングスクールへの扉

神石インターナショナルスクールは、日本初の小学生を対象としたボーディングスクールで神石高原町のリゾート環境を存分に活かした海外の名門ボーディングスクールへの進学を見据えた学校だ。

スイスなど海外の名門ボーディングスクールにコネクションがあり、自然豊かな環境で伸び伸びと育ちながら、目指すは世界トップだ。

Jinseki International School

https://jinsekikogen.co.jp/

JINIS offers dual language education following the UK National Curriculum. A junior school that nurtures passions and embraces its natural surroundings in beautiful Setouchi, Japan.

名門リベラルアーツ大学へ

瀬戸内グローバルアカデミーは、広島女学院大学学長を務めた長尾ひろみ氏が代表理事に就任し、海外の名門リベラルアーツ大学のCollege of the Atlanticに2年次編入ができる仕組みを構築している。

高校卒業生がいきなり海外に行くのではなく、瀬戸内グローバルアカデミーで準備をし、名門リベラルアーツCollege of the Atlanticに2年次編入できるのが特徴だ。

Setouchi Global Academy – 瀬戸内グローバルアカデミー

https://sga.aust.jp/

私たちは米国COA連携高等教育「瀬戸内グローバルアカデミー」を2020年4月より始めます。アメリカのきらりと光る小さなリベラル・アーツ大学College of the Atlantic-COAと連携し新たな時代の高等教育を日本初で立ち上げました。ここは、国の支援を受けることなく自由な教育手法を採り、将来、世界に出てみたい若者、ゆっくりと生き方を考えたい若者、問題解決の手法を学びたい若者を、専門分野のエキスパートと共に応援する学校です。

AICインターナショナルスクール初等部が開校

2021年4月に開講予定なのが、AICインターナショナルスクール初等部だ。
AIC鷗州グループは、AICJ 中学・高等学校を支援し、国際バカロレアに早くから取り組んできた。

AICバイリンガル幼稚舎も運営しており、満を期してAICインターナショナルスクール初等部が開校する。

満を期して開校するインターナショナルスクール初等部だ。

広島県をあげての取り組みが花咲く

広島県が公立校で国際バカロレアを導入したボーディングスクールを開校したことで、県内の私立学校と切磋琢磨する環境が生まれた。

結果的に生徒、保護者にとって多様な学校選び、進路先へと繋がった。

広島県の取り組みとこれから必要とされるキーワードとして、久保氏は次のように語る。

久保氏:これからの時代のキーワードとして「女性の活躍・多様性・専門的な知識」が挙げられる。
3つを教育として展開していく環境の整備が必要だ。

広島県で実施している教育のグローバル化を1つのモデルケースとして、全国的にも広げて行って欲しい。

国際教育インフラが充実することで、広島発世界行きのルートが広がる。
将来、広島から海外に行き、学び、就職や起業した人材が戻ってくる。

その好循環が広島県をさらに国際的で多様性ある豊かな県にするのではないだろうか。

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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