神戸に世界から高い評価を受けるボーディングスクールがあります。
■それがカネディアン・アカデミイです。
asiancorrespondent.comによる世界的ボーディングスクールトップ10にも選出されています。
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■1913年(大正2年)創立
1913年(大正2年)に神戸市の長峰にカナダのメソジスト教会の宣教師により、「Canadian Methodist Academy」として創設されました。
1990年に現在の神戸の六甲アイランドに移設され、生徒数は約650人。
幼稚園から高校までの教育課程があり、35ヶ国以上の生徒が学んでいます。
生徒は、アジアが最も多く56%(日本人25%を含む)、北米18%、ヨーロッパ 8% 、その他地域18%から構成されています。
「Canadian Methodist Academy」に由来し、校名に「カネデイアン」ですが、教育内容は、国際バカロレアとアメリカのカリキュラムを採用しています。
特に国際バカロレアは、1980年には国際バカロレア機構(IBO)より認定を受け、ディプロマ課程(DP)を開始。
その後、国際バカロレア(IB)の初等教育であるPYP,MYPも採用しました。
これによって、アメリカのカリキュラムと探求型カリキュラムのIBで学ぶ二本柱が完成。
さらに生徒の能力を育て、進学を後押しています。
【カネディアン・アカデミイのボーディングプログラム】
8学年から12学年を対象とした寄宿舎でのプログラム。
学生寮のグロスターハウスで寝食を共にする学友と切磋琢磨する環境が用意されています。
ボーディングスクールとしての高い合格実績
世界の大学への合格実績
アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏の大学。
さらに、ヨーロッパ、アジアでは日本、香港、中国、韓国の著名校が並びます。
確かな実績
UCBerkeleyなど世界トップの大学に5年間で11名と毎年複数の生徒が進学しています。
同じくカナダのブリティシュ・コロンビア大学には15名。ニューヨーク大学9名、ボストン大学6名など2011年から2015年の5年間で毎年、卒業生は50名前後に対し、高い実績を安定的に出しています。
イギリスのオックスフォードやケンブリッジも輩出しており、トップレベルの進学実績です。
ボーディングスクールとして、世界の大学から高い評価を受ける一方で、生徒の多くが海外に進学しているため、日本の教育関係者でも知る人ぞ知る学校です。
神戸から世界へ
■多くの卒業生を輩出してきたカネディアン・アカデミイ
外資系金融機関で国際金融に携わり、現在、アオバジャパンインターナショナルスクールのアドミッションディレクターを務める木村愛さん。
『カネディアン・アカデミイで学んだことが社会に出てから活きている』と語ります。
木村さんは、カネデイアン・アカデミイ(CA)で学び国際バカロレアのディプロマ資格を取得し、海外の大学を卒業後、外資系金融機関の日本法人に就職。
競争の厳しい国際金融で「二度の産休を挟みながら、活躍できたのは、カネディアンで学んだ教育の賜物」と述べます。
その後、木村さんは、活躍の場を国際教育に広げ、2012年にアオバジャパンのアドミッションディレクターに就任しました。
『CAで国際バカロレアのディプロマ資格を取得した経験から、国際バカロレアは身近に感じていた』と木村さん。
木村さんが、勤務するアオバジャパンは、国際バカロレアの認定校となりました。
カネディアン・アカデミイで学ぶ日本人
■1980年以降、帰国生の数は、年間一万人を越える。
帰国生の中には、英語で学んできた生徒も多く、帰国後の学校選びで悩みます。
日本語で学ぶことが難しいケースもあり、日本の教育制度などカルチャーギャップが指摘されています。
特に習得した語学力の維持、向上が課題です。
帰国後、義務教育の小学校、中学校でも、住んでいる市区町村の教育委員会に就学猶予措置を活用すれば、日本人でも、インターに入学することができます。
諸手続きは必要ですが、選択肢のひとつです。
帰国生が欧米中心から、アジア・アフリカなど多様化するなかで、受け入れる学校側も多様化しています。
インターナショナルスクールは古くから帰国生の教育を担ってきました。
カネディアン・アカデミイの卒業生で、現在、広報・入試担当の三浦直子さんは、日本人の入学について次のように語ります。
帰国生の中には、英語で学んできた生徒も多く、帰国後の学校選びで悩みます。
日本語で学ぶことが難しいケースもあり、日本の教育制度などカルチャーギャップが指摘されています。
特に習得した語学力の維持、向上が課題です。
帰国後、義務教育の小学校、中学校でも、住んでいる市区町村の教育委員会に就学猶予措置を活用すれば、日本人でも、インターに入学することができます。
諸手続きは必要ですが、選択肢のひとつです。
帰国生が欧米中心から、アジア・アフリカなど多様化するなかで、受け入れる学校側も多様化しています。
インターナショナルスクールは古くから帰国生の教育を担ってきました。
カネディアン・アカデミイの卒業生で、現在、広報・入試担当の三浦直子さんは、日本人の入学について次のように語ります。
『CAは古くから、日本人生徒を受け入れてきました。
授業は英語で行われ、学校からの連絡も英語です。
そのため、生徒、保護者も英語力が必要でした。
英語で授業を受けることができる日本人が限られてきたと思います』。
まさに英語で学べる生徒が限られていたため、国内では知る人ぞ知るインターナショナルスクールでした。
ボーディングプログラム
国内の名門インターナショナルスクールのボーディングプログラム。
http://www.canacad.ac.jp/page.cfm?p=4193
生徒構成の変化とESOLプログラム
■『韓国、中国をはじめアジア各国から生徒が入学してきます』と三浦さん
その背景には、従来の欧米だけではなく、中国、韓国メーカーをはじめ、日本に進出してくるグローバル企業の増加があります。
また、ASEANなどのアジア各国、BRICSに代表される新興国からも入学生が増えています。
それにともないカネディアン・アカデミイの生徒構成も多国籍になり、英語を母語としない生徒が近年特に増えています。
そこで注目が集まるのが、英語を母語としない生徒向けの英語習得プログラムです。
もともとインターナショナルスクールには、英語圏以外の生徒向けの英語習得プログラムがあります。
カネディアン・アカデミイでは英語を母語としない人々のための英語『ESOL(English for Speakers of Other Language)』で生徒の英語力を上げます。
このESOLプログラムの対象は幅広く、日本語を母語とする生徒も含まれています。
『このESOLプログラムを活用し、日本人もカネディアン・アカデミイで学んでいる』と三浦さん。
また、年齢によってはESOLを活用しなくても、カネディアン・アカデミイの教育環境によって英語力が身に付く場合があるようです。
それが、幼稚園など幼児期から入学する場合です。
発音もきれいに身に付き、高学年になってから学ぶよりも早く英語が身に付きます。
■生徒の英語力を上げるESOLプログラム
では、保護者に求められる語学力はどの程度でしょうか?
『担任の先生や事務局との連絡など英語で行われます。
そのため、保護者が英語でコミュニケーションを取れることが必要です。
現在、お子さんを通わせている方でも、保護者両方、またはひとりが英語で学校と連絡を取っています』と三浦さん。
子どもの教育について担任と話し合うことも多く、学校行事も保護者が積極的に参加するため、保護者の英語力が子どもの学校生活を充実させるひとつにキーポイントのようです。
日本の大学の変化と進学先の変化
■グローバル化で進学先も多様に
グローバル化でカネディアン・アカデミイの生徒構成と変化しているようです。
『従来は、アメリカ、カナダ、イギリスが主流でした。
また、日本ではICUや上智、同志社、関西学院などに進学していました』
近年、進学先に変化が見えると三浦さん。
『例えば、文科省に採択されたグローバル30の大学です。
東京大学、京都大学、大阪大学などの国立大学、早稲田、慶応などの私立大学に注目が集まっています。
アジア出身の生徒のなかには、日本の大学を選ぶ場合もあります。
英語で学べるため、本校の生徒にも人気があります』。
グローバル30の各大学
■奨学金が充実しているとはいえ、米国の大学授業料は、高い。
■奨学金が充実しているとはいえ、米国の大学授業料は、高い。
例えば、IVYリーグのコロンビア大学、ダートマス大学では年間授業料が約450万ほどかかります。
グローバル30をはじめとする日本の大学は、アメリカの私立大学に比べると授業料が安いのが特徴です。
『大阪大学など国立大学に入学する生徒も増えています。
また、東京大学教養学部 英語コース PEAKに進学する生徒も増えてきました』と三浦さん。
秋入学や英語指導が日本の大学教育の課題となるなかで、すでに日本のインターの生徒はグローバル30の大学などへ進学しています。
これまでカネディアン・アカデミイの生徒は、海外に進学することが多かったようです。
しかし、国内の大学で英語で学べるのであれば、日本の大学も選択肢に入り、幅広く選ぶことができます。
地域社会との結びつきを担うサマープログラム
「サマーファン@CA」
もともとは30年ほど前からカネディアン・アカデミイの生徒(幼稚園〜高校生)向けのサマースクールがあり、授業は全て英語で開催されていました。
ここ数年、「興味があるけど英語での授業は無理」という声もあり、「日本の学校に行っている子供でも参加できるプログラムをつくってほしい。」との要望が増えたためサマーファン@CAが始まりました。
2012年からスタートした「サマーファン@CA」は、神戸近郊の小学生が参加し、評判も高く、人気プログラムとなっていています。
神戸で100年という歴史を積み重ね、卒業生を世界へと輩出してきたカネディアン・アカデミイ。
サマーファン@CAでさらに神戸との結びつきを深めようとしています。
次の100年へ
世界的なボーディングスクールとして、地域の教育機関として、さらに進化を続けるカネディアン・アカデミイ。
国際バカロレア教育でも先駆者で、多くの卒業生が世界で活躍しています。
なかでもボーディングスクールとしてカネディアン・アカデミイの実績は、日本のインターナショナルスクールの歴史において重要です。
カネディアン・アカデミイの歴史とその進学実績が、世界で日本のインターナショナルスクールの評価を高めてきたといえます。
カネディアン・アカデミイ お問い合わせ
〒658-0032
兵庫県神戸市東灘区向洋町中4丁目1
URL:http://www.canacad.ac.jp/
TEL:078-857-0100
FAX:078-857-3250
編集後記
取材の申し出をご快諾いただいた入試・広報担当の三浦直子さん。特に卒業生として、自身の体験から日本の教育とカカネディアン・アカデミイの特徴を、ユーモアを交えながらお話くださいました。海外出張から帰国し、お忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございます。今回の取材に際し、かおるホワイトさん、また、母校カネディアン・アカデミイへコメントをいただいたアオバジャパンの木村愛さんにご協力いただきました。ありがとうございます。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。