1、サマーデイキャンプとは
■歓声が上がった。
1、サマーデイキャンプとは
歓声が上がった。
カフェテリアの横での光景だった。
サマーデイキャンプのTシャツを着た子供たちが手を挙げ、先生やカウンセラーとハイタッチを交わす。
子供たちの手には、手作りの帆船があった。
Modelcraftで作った帆船をチーム対抗で息を吹きかけ、レースをしていた。
第8回サマーデイキャンプに兄と参加したことがあります。当時の体験と親になった私の視点を通し、アメリカンスクールの「サマーデイキャンプ」の魅力をまとめてみました。そのため、通常は公開されない「サマーディキャンプ」を取材させていただきました。
■創設110年以上のアメリカンスクール
アメリカンスクール・イン・ジャパンは、1902年(明治35年)に設立された伝統校です。
そのアメリカンスクールに、英語が話せなくても参加できるキャンププログラムがあります。
それが「サマーデイキャンプ」。
インターナショナルスクールの学校主催のサマープログラムでは最も古く、プログラムの充実度に定評があります。
1975年から始まったキャンプは、2012年で38回目を迎えました。
キャンプには、北海道から沖縄まで、日本全国から参加者が集まります。
従来からの調布キャンパスに加え、2006年からは、六本木のEarly Learning Center(幼稚園)でも小学1年生と幼稚園児を対象としたキャンプを開催しています。
■六本木のサマーデイキャンプ
アメリカンスクールが、2006年から六本木のEarly Learning Centerで開校させたサマーデイキャンプは、評判が高く、2012年は100名以上のキャンセル待ちが出るほどでした。
調布キャンパスを含め、アメリカンスクールのサマーデイキャンプを専門家の視点で読みやすく書かれています。
サマーデイキャンプについて、早期英語教育の専門家 清水万里子さんはAll Aboutに次のように書かれています。
英語力だけではなく、人間として目に見える成長を実感できるのがアメリカンスクールのサマーキャンプです。
インターナショナルな視点から児童、生徒への教育に取り組んでいるプロの先生たちが作ったプログラムであること。
調布のサマーデイキャンプ
小学生と今年から中学一年生も対象となった調布キャンパスを見学させていただきました。
調布キャンパスは、アメリカンスクールの小学校、中学校、高校があるメインキャンパスで、野川公園に隣接し、緑あふれる雰囲気のキャンパスです。
普段は約1400人の生徒が通っている学校ですが、サマーデイキャンプの時は、小学生の賑やかな雰囲気に包まれます。
最寄り駅は、西武多摩川線の多磨駅ですが、例年、サマーディキャンプの期間中、小田急線、京王線、中央線、西武新宿線の最寄り駅からスクールバスが運行されています。
キャンパスには、3つの体育館、多目的室、シアター、ダンススタジオ、アメフトができるグランド、サッカー場などがあり、設備がとても充実しています。
その充実した設備のキャンパスとアメリカンスクールの人材、教育ノウハウをフルに活用したのが、「サマーデイキャンプ」です。
2、サマーデイキャンプ3つのポイント!
■デイキャンプ
知っておきたいのが、「スクール」ではなく、「デイキャンプ」ということ。
キャンプといっても、テントを張ったり、林間学校のようではありません。
デイキャンプとは、さまざまなアクティビティやレクレーションを日帰りで提供する場のことです。
子どもたちは、期間中、自宅からアメリカンスクールに通い、工作や水泳、英語、ゲームなどの各 プログラムを体験します。
しかし、そこはアメリカンスクール。
各プログラムの指導は、英語で行われます。
期間中付き添ってくれるお兄さん・お姉さん(カウンセラーと呼びます)も英語で話しかけます。
ちなみにカウンセラーの2人に1人は、日本語が話せます。
また、小学1年生・幼稚園児対象の六本木キャンパスでも、1日1回、小学生・中学1年生対象の調布キャンパスは、1日2回の英語の授業があります。
注 小学1年生の英語の授業は、1日1回です。
■たくましく
キャンプ初日、慣れない状況から、多国籍な先生やスタッフの手を借りてキャンプがスタートします。
同じグループの友だちとプログラムを通し、ゆっくりと友情、団結、コミュニケーションを深めていきます。
10日間のキャンプでさまざまなアクティビティにチャレンジ。
精神的にたくましく成長していきます。
先生、カウンセラー、友だちの声援を受け、ひとつひとつ殻をやぶっていくのです。
■新たな価値観や考え方を発見
普段と違う環境だからこそ、子どもにとって新たな価値観、考え方を吸収するチャンスです。
日本の学校とは違う雰囲気の校舎、カフェテリア、プログラム、多国籍な先生、スタッフとのコミュニケーション。
なぜだろう?どうして?という疑問から、どんどん新たな価値観、考えを経験していきます。
実際、2011年の保護者アンケートにあるように「文化や習慣の違いを体験する事」で、子どもの視野を広げ、さまざまな考え方を体験していくキャンプです。
ちょっと知っておきたい サマーデイキャンプ用語
SDC:サマーデイキャンプ(Summer Day Camp) の略
キャンパー:参加者のこと
KAPPA CORNER (カッパコーナー):ランチの前後に行われるグループ対抗ゲームのこと。
カッパバッジ:カッパコーナーの勝ち抜いたグループにもらえるオリジナルバッジ
カウンセラー:各グループと二週間一緒に行動するお兄さんお姉さんのこと。2人のうち1人は日本語が話せます。
ダックやアリゲーターなど:グループ名はかわいい動物の名前です。
3、小学3年生の時間割り
どんな時間割りかな?
下にあるのが小学3年生 ライオングループの2週間の時間割り。
1日は、6つのプログラムで構成されています。
ひとつのプログラムは、55分。
プログラムが終わると、子どもたちはカウンセラーの案内で次のプログラムの教室へ向かいます。
なお、時間割りは、学年、グループによって変わります。
■多彩なプログラムが並びます。
FOOSBALLを楽しむこどもたちFRISBEE (フリスビー)やSPEEDSTACKING(スピードスタッキング)、FOOSBALL(フースボール)などめずらしいアクテイビティもあります。
大きく、身体を動かすスポーツ系、手先を動かす工作・調理系、頭を使う語学系に分けることができます。
■3つのジャンル
1)語学系 頭を動かす
ENGLISH、COMPUTER 2
2)スポーツ系 身体を動かす
SWIMMING、SPORTS 1、SPORTS 2、FRISBEE
DANCE、SIDEWALKGAMES、ACTIVE GAMES
3)工作、調理系 手先を動かす
MODELCRAFT、CRAFTS 2、SPEEDSTACKING
COOKING、FOOSBALL、MAGIC
バランス良く組まれていることがわかります。
また、ランチの前後に、グループが一丸となって、ひとつの目標に向かってがんばるKAPPA CORNERがあります。
KAPPA CORNERは、サマーデイキャンプの名物プログラムです。
10日間の時間割りのなかで
毎日のプログラム、期間中2,3回のプログラム、1回のプログラムに分かれます。
例えば、小学3年生のLIONSのグループは
1)毎日のプログラム
ENGLISH、SWIMMING、KAPPA CORNER
2)期間中2~3回のプログラム
MODELCRAFT、CRAFTS 2、COMPUTER 2
3)期間中1回のプログラム
SPEEDSTACKING、MAGIC、SIDEWALKGAMES、
FRISBEE、DANCE、COOKING、ACTIVE GAMES、FOOSBALL
MODELCRAFT、CRAFTS 2では、合計3回で模型などの作品を完成させます。
実に、さまざまなプログラムが、組み込まれています。
■毎日あるプログラムの説明
1日2回ある英語は、アメリカンスクール独自の実践的内容です。
私が見学させてもらった時、カウンセラーも一緒になって、授業に参加していました。
この時は、帽子、サングラスなど身近な物を題材に、「May I have a ○○○ please.」のフレーズをどのように使うか?借り物競争をしながら、授業がおこなわれていました。
カウンセラーもゲームを補助し、子どもたちの歓声が響く、楽しい授業でした。
他のグループの英語の授業も、先生とカウンセラーがひとつになって、ゲームの要素を取り入れた授業をしていました。
いわゆる「座学」ではなく、実践的な内容がサマーデイキャンプの特長です。
■プールの授業は
元国際水泳選手の監修の元、アメリカ赤十字のプログラムに基づき、室内プールでおこなわれます。
小学1、2年生は、プールとウォータープレイが一日おきに交互に組まれています。
今では、広く知られるようになった「着衣泳」。
身に着けている衣服のまま水のなかでどうすれば良いのか、非常時を想定したものです。
実は、サマーデイキャンプではだいぶ前から水泳のプログラムに取り込んでいました。
またプールに参加できない子、または、入れない子のために水泳の授業の間過ごせる
「Games&Puzzles」という場があります。
毎日あるプログラムのなかで、ENGLISH は英語、SWIMMING は水泳とわかりやすいのですが、「KAPPA CORNER(カッパコーナー)」というプログラムはふしぎな名前です。
実は、この「KAPPA CORNER」サマーデイキャンプの名物です。
10日間のキャンプ期間中、ランチの前後にKAPPA CORNERがあります。
キャンプ中、子どもたちは、多くのプログラムをグループごとに受けます。
そのなかでKAPPA CORNERは、他のグループと一緒のレクレーションです。
グループ対抗のレクレーションなので、初日から同じグループの子と打ち解ける役割も果たし、子どもたちの気持ちをまとめていきます。
グループの結束を高め、キャンプを盛り上げるコーナーです。
ちなみにKAPPA CORNERで勝ち上がったグループには、栄光のKAPPA バッジが送られます。
KAPPA CORNERは、グループ対抗のレクレーションですが、私が見学した日は、「TALENT SHOW」という回でした。
TALENT SHOW では、自分の特技などをシアターに集まった数グループの前で披露する回でした。
友だちと合唱をする子、身体の柔軟性をアピールする子、手品など「自分はこんなことができる!」とアピールします。
特技を披露するとカッパコーナーの審査員が点数を挙げていき、合計点に達するとカッパバッジがもらえます。
子どもによっては、カッパバッジを手にするために一年がかりで次のキャンプに向けて準備する子もいるそうです。
グループで、自分でカッパバッジを手にするプロセス。
そこに大きな意味があるのかもしれません。
4、カフェテリアから
■大人も食べたいランチメニュー
午前のプログラムが終わると、お待ちかねのお昼ごはんです。
カフェテリアに移動し、各グループごとにランチタイム。
調布キャンパスの第二週のメニューです。
月曜日 とんかつ、キャベツの千切り、ミニトマト、ご飯
火曜日 ミートソースとホワイトソースのマカロニ、グリンピース
水曜日 チキンカツ、ポテトサラダ、ミニトマト
木曜日 鶏肉とマッシュルームのグラタン、ブロッコリー
金曜日 チーズバーガーマッシュルームソース、ハッシュブラウン、ご飯
主菜には、パン、サラダ、フルーツ、飲み物がついていました。
なお、1・2年生のランチは、テーブルにセットされています。
■アメリカンスクールのアレルギー対策
ピーナッツ製品を含むナッツ類などの持ち込み禁止を徹底しています。
食物アレルギーがある場合、申込み時に「メディカルフォーム」に記入します。
また、カフェテリアでの食事では、対象食品の除去にも対応してくれます。
お弁当の持込もできます。
■試食させてもらいました。
第二週の水曜日 チキンカツ、ポテトサラダ、ミニトマトのメニューでした。
カウンターの向こうは、調理場。
できたて、熱々を出してくれます。
飲み物も水からジュース、牛乳、お茶と豊富。
ケチャップやソースも自分で選びます。
ちなみに、苦手な食べ物は残してもよいそうです。
私が眺めていると、子どもたちは元気に食べています。
むしろ、あまり残しているようには見えませんでした。
「残してもよい」状況だと、むしろ「食べてみよう」という気持ちになるのかもしれません。
しっかり腹ごしらえをして、午後も楽しいプログラムが待っています。
■ちょっといい話 カフェテリアから
カフェテリアでランチを食べた後、入り口付近で金色に光るプレートを発見。
このカフェテリア建築のために寄付をした法人、個人名が書かれていました。
個人名の一覧を眺めていると飛び込んできたのが、「SDC」の文字。
サマーデイキャンプの略です。
カフェテリアの寄付にサマーデイキャンプ出身者がいると知り、こころに火が灯りました。
のべ30,000人以上のキャンパーを輩出したサマーデイキャンプ。
感謝の気持ちが込められているエピソードです。
5、世界に羽ばたくキャンパーたち
■その原点
いろいろな先生にプログラムの説明を聞きいていると気付くこと。
それは、先生のスタンスです。
例えば、CRAFTSの教室で先生は、「この子は、色の塗り方に特徴があるでしょう」、「この子は、デザインがとてもおもしろいでしょう」次々に生徒の作品をニコニコしながら説明してくれました。
また他のプログラムでも、それぞれの子どもの特長をいろいろな先生が話してくれました。
その子の色、工夫をしたこと、そこから、その子の特長を把握し、伸ばしていこうという姿がありました。
実は、この先生のスタンスが子どもの自己肯定感に大きな影響を与えているようです。
教室で、子どもたちは先生やスタッフからいろいろ声を掛けられます。
例えば、先生から英語で「その色いいね」「この断面を工夫したね」など声をかけられます。
英語であっても、先生の表情や声のトーン、手振り、身振りで、子どもたちは自分がほめられていることがわかります。
多国籍な先生、スタッフから声を掛けられ、励まされ、ほめられる経験。
これは、日本語で、日本人から励まされ、ほめられるのとはまったく違う経験です。
いつもと違う環境で、いつもと違う人々に、違う言語で励まされ、ほめられること。
ここに子どもの自己肯定感を高めるポイントがあるようです。
連続してサマーデイキャンプに参加した元キャンパーの話では、高校、大学で留学するきっかけのひとつになったのが、小学生の頃のサマーデイキャンプでの経験だったといいます。
そこには、多国籍の先生、スタッフに励まされ、さまざまなアクティビティに挑戦し、達成感を得て、ほめられたことも含まれているでしょう。
サマーデイキャンプに連続して参加することで、自己肯定感が高まり、その後いろんなことに自信を持ってチャレンジする精神的な基礎ができるのです。
サマーデイキャンプに連続して参加することで、自己肯定感を高め、世界に羽ばたいて行くキャンパーの姿が目に浮かびます。
6、実際どうなの?子どもたち、親たち
■①コミュニケーションについて
キャンプ中、先生の指導は英語でおこなわれます。
そのため、子どもたちは、耳で聞きながら、目で、黒板や先生の表情、声のトーン、手振り、身振りを確認し、場の雰囲気などを感じ取っていきます。
そして、いま、何をするのか?
どうしたらよいのか?
など先生の英語の指導内容を読み取ります。
先生は、聞き取りやすいように発音し、身体全体を使って、子どもたちとコミュニケーションを取れるようにしています。
また、カウンセラーもなるべく英語で子どもたちに話しかけながら、助けます。
アメリカンスクールの卒業生 櫛田健児著「OBトーク インターナショナルスクール入門」
英語が話せるだけではなく、社会文化的な適応力(バイカルチャー)を高めることが、コミュニケーションを取るには、効果的
と書かれています。
すなわち
相手のノリや話運びを観察しながら、どう対応するのかがベストなのかを思考していけばいいのである
今回、ほんの数秒の出来事でしたが、櫛田さんの指摘にあるような事例を見ることができました。
それは、授業中のことです。
授業中に子供たちが私語を始め、近くにいたカウンセラーが「English please.」と声をかけました。
「English please.」といわれた子は、少し照れた後、すぐに私語をやめました。
たった数秒の出来事でしたが、カウンセラーがなぜ「English please.」と言ったのか。
子どもたちはすぐに本当の意味を理解していました。
その場の状況やカウンセラーの表情、話し方などから「English please.」の意味を「いまは私語を慎みましょうね」と理解していたのです。
すなわち「相手のノリや話運びを観察しながらどう対応するのかがベストなのかを思考していけばいい」という事例です。
子どもたちは、1日2回の英語の授業を含め、バイカルチャーの視点でもコミュニケーション能力を高めていました。
■②子どもたち
~まるで仕掛け絵本のような10日間~
初日は、多くの子がやや緊張して来るそうです。
よく考えれば、
子どもたちには、いつもの友だちがいない。
お父さん、お母さんもいない。
言葉さえ上手に通じない。
いわば慣れない場所に来ているのだから当然です。
しかし、2日目になるとカウンセラーのお兄さん、お姉さんと話がはずみ、チームプレーをうまく取り入れたプログラムによって、同じグループの子と仲良くなっていきます。
3日目、4日目とさまざまなアクティビティーに挑戦していきます。
このプログラムの進み方は、まるで「仕掛け絵本」のようです。
子どもたちは「仕掛け絵本」を読み進めるように、ドキドキしながら、さまざまなプログラムをちょっとびっくりしながら体験していきます。
日を追うごとに、子どもたちは、物語の主人公になっていきます。
見学していると、子どもたちがリラックスし、楽しんでいる様子が、身体全体から伝わってきます。
子どもたちは、元気に走り回り、友だちやカウンセラーのお兄さん、お姉さんと冗談をいってはクスクス笑っています。
そんな光景を見ていると本当に子どもにとって忘れられない10日間になるのがわかりました。
そして、最終日。
最後のプログラムが近くなる頃、子どもの笑顔に少し涙が混じっているようです。
■③親たち
~日めくりで、成長を感じる10日間~
子どもにとって「仕掛け絵本」のような10日間なら、親にとってサマーデイキャンプは「日めくりで子どもの成長を感じる10日間」といえるでしょう。
だいじょうぶかな?と一抹の不安とともに初日へ送り出し、2日目、3日目と子どもの様子の変化を感じていきます。
初日は、多くの子が、家でポツポツとキャンプのこと話しているでしょう。
しかし、数日後には、今日キャンプであったことを夢中で話す子どもの姿があります。
六本木キャンパスに通わせた幼稚園年中の保護者の方は、2011年のアンケートで
英語が初めての息子に、日本語が通じない環境で最後まで通いきれるか不安でした
と書かれています。
3日目くらいからすっかり慣れ「キャンプがとても楽しい」といい始めました
とお子さんの様子をアンケートで答えています。
子どもの変化を感じながら、あっという間の最終日。
キャンプに来て、子どもが話してくれたことが目の前に広がります。
そして、授業中の子どもの姿をみて、なるほどと思うのです。
気付くと日めくりのはずが、月めくりのように子どもがひと回り大きくなっているサマーデイキャンプです。
サマーデイキャンプに連続して参加することで、自己肯定感が高まり、その後いろんなことに自信を持ってチャレンジする精神的な基礎ができるのです。
サマーデイキャンプに連続して参加することで、自己肯定感を高め、世界に羽ばたいて行くキャンパーの姿が目に浮かびます。
7、ここがすごい! サマーデイキャンプ
■①施設をフル活用!
アメリカンスクールには3つの体育館、多目的室、ダンススタジオ、アメフトができるグラウンド、サッカー場、シアター、コンピュータールームなど充実した設備があります。
この施設をフル活用するのがサマーデイキャンプ。
例えば、私が体育館を見学した時のことです。
子どもたちが、ボールを使ったゲームをしていました。
あれっ?なんだか子どもの数が少ないと思い、人数を数えるとひとグループ18人がいました。
9対9でゲームをしていたのです。
よけい体育館が広く感じられるはずです。
他の体育館を見学していても同じような光景が広がりました。
子どもがのびのびと身体を動かすために、体育館を貸切る。
なんとも贅沢です。
また、アメリカンスクールのミュージカル発表にも使われる本格的なシアター。
そこでは、サマーデイキャンプ名物 KAPPA CORNERのTALENT SHOWが行われていました。
また、冷房が効いたコンピュータールームでは、子どもたちが英語のソフトで授業中。
さまざまなかたちで学校の施設を使い、プログラムが組まれていました。
キャンパーが存分に楽しめることを第一に考え、施設もフル活用。
それがアメリカンスクールのサマーデイキャンプです。
参観日にどのように活用しているのか見てください。
きっと驚きますよ。
なにせ、学校全体がキャンプ場なのですから。
■②人材をフル活用!
驚くのは、その人材の豊富さ。
まずはサマーデイキャンプといえばカウンセラー。
1)カウンセラー
キャンプ期間中、ずっと子どもと行動を共にするカウンセラー。
アメリカンスクールの在校生(高校生)と大学生、または、大学生と大学生がふたり一組でグループに付きます。
大学生のカウンセラーには、もちろんアメリカンスクールの卒業生も多くいます。
サマーデイキャンプのために国内外の大学から戻ってきて、カウンセラーになることも多いようです。
2)先生
アメリカンスクールの先生をはじめ、英語の授業は教職の資格を持つ先生が教え、水泳の先生は元水泳選手です。
また、CRAFTSの先生は、元サマーデイキャンプで英語を教えていました。
そのため「どうやって英語でわかりやすく教えるか?」工夫をされていました。
3)スタッフ
見学していて驚くのが、先生以外のスタッフの多さ。
CRAFTSの教室では、先生、アシスタント2人、そこにグループのカウンセラー2人と合計5人がいました。
CRAFTS以外にもSPEEDSTACKING、MODELCRAFT、FOOSBALLなど多くのプログラムにアシスタントが付いていました。
なぜこんなにスタッフが多いのか?
サマーデイキャンプの担当者の方に聞いてみました。
そこには、理由がありました。
A.1 スタッフが多いと自然と子どもと英語のコミュニケーション回数が増えます。
確かに教室で、各テーブルにスタッフが座り、スタッフを取り囲むように子どもたち3~4人が座っている姿をよく見かけました。
子どもからするとすぐ隣にいるので、話しかけやすい状況です。
A.2 クラフトなど道具を使う授業の場合、安全面を含め、スタッフが多いとプログラムがスムーズに進みます。
子どもからするとすぐ隣に先生・スタッフがいるので、道具の使い方などすぐにわからないことがあれば、聞くことができます。
まさに手が届くところに先生、スタッフがいました。
サマーデイキャンプは、アメリカンスクールの豊富な人材も魅力のひとつです。
最終日の見学で、スタッフのフレンドリーさを実感できます。
■③プログラムの厚みために
サマーデイキャンプには、アメリカンスクールが40年以上、主催してきたノウハウが詰まっています。
英語の授業も、小学1年生は、1日1回、小学2年生以上は、午前、午後と1日2回。
名物KAPPACORNERやSWIMMING。
そこにFRISBEE(フリスビー)やMINIGOLF(ミニゴルフ)、FOOSBALL(フースボール)といった日本ではあまり馴染みのないプログラムが取り入れられています。
また、細やかな気配りを感じたことがあります。
■1)例えば、水泳の授業
小学1・2年生は、プールとウォータープレイを一日おきに交互に受けていきます。
実は、40年以上の結果なのです。
アメリカンスクールのプールは、跳び込みの競技にも使えるほど深いところがあります。
小学1・2年生にとっては、こわいと感じる子もいたようです。
そこで、サマーデイキャンプは、ウォータープレイというアクティビティを取り入れました。
水に慣れない子にも楽しめるようにアクティビティを追加したのです。
また、プールに参加できない子、または、入れない子のために、水泳の授業の間過ごせる「Games&Puzzles」という場を用意しています。
私が見学した時も、専用の教室で子どもたちが「Games&Puzzles」をしていました。
■2)ずっと晴れてくれるといいのですが・・・
キャンプ中、ずっと晴れてくれるとスケジュール通りに進みます。
しかし、天気によっては外でのアクティビティが中止になることもあります。
そんな時のために「レインプログラム」が準備されています。
子どもたちにキャンプを満喫してもらうために、臨機応変に対応できるようなプログラムを準備しているのです。
このプログラムの厚みは、38年間、アメリカンスクールが主催し、ノウハウを蓄積してきたからこそ。
■3)アンケートで
さらにキャンプが終わるとアンケートでさまざまな意見をまとめ、次のキャンプへフィードバックする仕組みができています。
ウォータープレイの例を含め、キャンプを充実したものにする姿勢がそこにはあります。
もちろん、子どもたちの声や反応、先生やスタッフの意見もそこには含まれているのです。
常にキャンププログラムを最善なものにするアメリカンスクールの姿がそこから浮かび上がってきます。
8、サマーデイキャンプ 舞台ウラ
■①カウンセラーの姿 その先に
日本中から参加者が集まるサマーデイキャンプ。
カウンセラーのなかには、アメリカンスクールの卒業生も多くいます。
海外の大学で学びながら、夏休みは、サマーデイキャンプのカウンセラーとしてアメリカンスクールに戻ってくるケースもあります。
また、アメリカンスクールの生徒がカウンセラーを経験したことで、教育者としての道を進路に選ぶこともあるようです。
カウンセラーの話で、印象的なエピソードがあります。
それは、サマーデイキャンプの元キャンパーが後にカウンセラーとして戻ってきたお話です。
子どもたちにとって仕掛け絵本のようなサマーデイキャンプ。
元キャンパーが、大きくなってサマーデイキャンプを支えるカウンセラーとして戻ってくる。
このエピソードを聞くと、サマーデイキャンプが子どもたちの心にどれほど強く残っているかわかります。
カウンセラーも子どもたち一緒に、ひとまわり大きくなるサマーデイキャンプです。
■②365日サマーデイキャンプのことを考えている 人がいる。
サマーデイキャンプは、アメリカンスクールが主催し、38年間、累計3万人以上のキャンパーを生み出してきました。
アメリカンスクールのキャンププログラムの充実度は、リピーター率が70パーセントを超えることからもわかります。
実は、アメリカンスクールには、それこそ365日サマーデイキャンプのことを考えている人がいるのです。
それが、サマーデイキャンプの専任スタッフです。
アメリカンスクールの充実した施設をフルに活用できるのも、サマーデイキャンプの優れた先生にキャンプで教えてもらうことも、優秀な学生がカウンセラーとして日本に戻ってくるのも、サマーデイキャンプ専任スタッフが充実したプログラムを組んでいるから。
累計3万人以上のキャンパーを送り出し、リピーターが70%を超える理由のひとつが見えてきます。
■③保健室
元気いっぱいの子どもたち
時には、ウォータープレイやスポーツではしゃぎすぎて、ひざをすりむくこともあります。
また、熱っぽいなどキャンプ中にちょっと体調に異変が起きたら、保健室に行きます。
保健室には2人の看護師が待機していました。
万が一にも対応できるように、看護師を待機させているアメリカンスクール。
私が、見学した時、みなさんにこやかに挨拶をしてくれました。
子どもたちが、怪我なく元気にキャンプを終えることを願っている部屋でした。
サマーデイキャンプの記念といえば
参加者が着るTシャツ。
実は、毎年、デザインを変えています。
2012年は、太陽のデザインにサマーデイキャンプの文字。
元気で、かわいらしいデザインです。
キャンプ中はこのTシャツとともに過ごします。
Tシャツのサイズは、申込み用紙に記入欄があります。
連続して参加していくと、サイズ記入で、子どもの成長を実感します。
ちなみに大人用のサイズもあり、コース最終日に、買うことができます。
売り切れることもあるので、ご注意ください。
参加者が着るTシャツ。
実は、毎年、デザインを変えています。
2012年は、太陽のデザインにサマーデイキャンプの文字。
元気で、かわいらしいデザインです。
キャンプ中はこのTシャツとともに過ごします。
Tシャツのサイズは、申込み用紙に記入欄があります。
連続して参加していくと、サイズ記入で、子どもの成長を実感します。
ちなみに大人用のサイズもあり、コース最終日に、買うことができます。
売り切れることもあるので、ご注意ください。
9、サマーデイキャンプに 興味を持ったら
■①初めて参加を考えている方へ
興味はあるけど、どうしたらいいの?
例年1月にアメリカンスクールのホームページにサマーデイキャンプの募集要項が掲載されます。
しかし、押さえておきたいのが、3つの申込み重要ポイント。
1、先着順
2、3月1日 郵便局の消印から受付開始。
3、過去4年間に資料を請求していると自動的に
翌年のパンフレットと申込み用紙が届く。
この3点を踏まえると、早く手元にパンフレットと申込書が届くと便利です。
そのためには、アメリカンスクールのサマーデイキャンプの
ホームページから資料請求をしてください。
自動的に来年のパンフレットが2月中旬に送られてきます。
実は、3月1日の消印から先着順ということから逆算すると、2月中旬にパンフレットと申込書が届いてることが不可欠です。
パンフレットには、六本木キャンパス、調布キャンパスのサマーデイキャンプの詳細が記載されています。
サマーデイキャンプの雰囲気がとても良くわかります。
キャンセル待ちにならないように、早めの手を打ちましょう。
そのためには、まずはアメリカンスクールのホームページから資料請求が便利です。
■②元キャンパーの方へ
「そういえば、昔、参加したことがあった・・・」という元キャンパーのみなさん。
38年目のサマーデイキャンプでは、2世代目が多くなっていました。
「息子にサマーデイキャンプの楽しさを経験させたい」「娘にもっと広い視野を持たせたい」という元キャンパーのお子さんが多く通っています。
元キャンパーの方は、アメリカンスクールのホームページのパンフレット送付希望欄に参加した年、名前を記入する欄があります。
ぜひ、お子さんもサマーデイキャンプに参加させてみてください。
当時の親の気持ちがわかるかもしれませんよ。
実は、元キャンパーのお子さん、兄弟、姉妹で参加経験がある場合、3月1日より早く申し込みができます。
■③Fluent English speakers
母国語が英語の子ども、保護者の母国語が英語で家庭でのコミュニケーションも英語でおこなっている子どもや英語圏もしくは英語を使っていた学校から最近帰国した帰国生。
他のインターナショナルスクールの生徒など流暢に英語を話す生徒のためのグループもあります。
英語力の維持を目的とはしていませんが、流暢に英語を話す子ども同士でグループを組みます。
流暢な英語を話す子どもたちも楽しめるキャンププログラムです。
10、Q&A、通学、本紹介 30,000人のありがとう
■Q.1 はじめて参加するにはどうしたらいいの?
A.アメリカンスクールのサマーデイキャンプのホームページをご覧ください。
例年1月にその年のサマーデイキャンプの募集要項が掲載されます。
申込みについて重要な点を含め、「はじめて参加を考えている方へ」を参考にしてください。
■Q.2 授業料はどのくらい?
A. 参考までに2016年の授業料です。
幼稚園児・小学1年生が対象の六本木サマーディキャンプ 8日間 ¥110,000
小学生・中学1年生が対象の調布サマーデイキャンプ 10日間 ¥148,000
■Q.3 どうやって子どもを通わせるの?
A. 1)六本木キャンパス 保護者による送り迎え
2)調布キャンパス スクールバス、保護者による送迎、自分で通学から選びます。
ちなみに2016年は、JR中央線 武蔵境駅、国立駅、西武新宿線 小平駅、京王線 調布駅、飛田給駅、小田急線狛江駅からスクールバスが運行されました。
バスを利用する場合、別途バス料金がかかります。
■Q.4 うちの子も。私も英語が話せない…。
A.サマーデイキャンプの参加者のほとんどが英語初心者です。
期間中付き添ってくれるカウンセラーのお兄さん、お姉さんの2人に1人は日本語が話せます。
パンフレットも日本語で、申込書も日本語です。
サマーデイキャンプのオフィスでは、日本語で対応してくれます。
バスでGO! 電車でGO! もちろん、徒歩も車も
六本木キャンパスは、幼稚園児・小学1年生を対象としているため保護者による送り迎えが必要です。
小学生・中学1年生を対象とした調布キャンパスでは、スクールバス、保護者による送迎、自分で通学、が選べます。
スクールバスを利用する場合、スクールバス料金がかかりますが、とても便利です。
2016年は、JR中央線 武蔵境駅、国立駅、西武新宿線 小平駅、京王線 調布駅、飛田給駅、小田急線狛江駅からスクールバスが運行されます。
おもしろいのは、スクールバスにも、カウンセラーが同乗します。
グループのカウンセラーとは限りませんが、スクールバスを降りるまで、サマーデイキャンプが続きます。
「アメリカンスクール」卒業生の本
「アメリカンスクール」卒業生の本
インターナショナルスクールに興味を持ったら、アメリカンスクールの卒業生櫛田健児さんの「OBトーク インターナショナルスクール入門」がおススメです。
本記事でも櫛田さんの本から引用させていただきました。
櫛田さんのアメリカンスクールの貴重な経験談も含め、インターナショナルスクールについてわかりやすく書いてあります。
文章も読みやすく、本サイトを製作するにあたり、とても参考になった本です。
また、櫛田さんのアメリカンスクールへの想いを感じる一冊です。
* 櫛田健児さんの著書「バイカルチャーと日本人」 中公新書ラクレもおススメです。
30,000人のありがとう!
38年の歴史「サマーデイキャンプ」。
のべ30,000人以上のキャンパーが巣立っていきました。
サマーデイキャンプを経て、高校生、大学生になって海外留学した人も多いようです。
海外でも、日本でも多くの元キャンパーが活躍している様子が目に浮かびます。
日本と海外の架け橋になっているサマーディキャンプ。
「30,000人のありがとう」がサマーデイキャンプには詰まっています
アメリカンスクール・イン・ジャパン
サマーデイキャンプ連絡先
The American School In Japan
アメリカンスクール・イン・ジャパン
調布キャンパス
サマーデイキャンプオフィス
〒182-0031
東京都調布市野水1-1-1
http://community.asij.ac.jp/SDCLinkIcon
E-mail daycamp@asij.ac.jp
TEL:0422-34-5310 内線 323
FAX:0422-34-5303
編集後記
今回の取材に関し、多くの方にお力をお借りました。
この場で、御礼申し上げます。
特にアメリカンスクールのソントン副学長、サマーデイキャンプのディレクターアッシュ様、9月の新学期を迎える中、本当にお忙しいなかありがとうございました。
また、プログラムコーディネーターの吉田様には、見学を含め、本当にお世話になりました。
アメリカンスクールがどれほどサマーデイキャンプのために人材、施設を活用しているか、身をもって知ることができました。
最後に、今回の取材は、野田様のお力添えのもとスタートしました。
この場をお借りし、深く感謝申し上げます。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。