プレミアムの名門リバプールFC
海外の名門チームが日本でサッカースクールを展開しています。
日本にあるサッカースクールからスペインのバルセロナFCに留学し、現在、Jリーグで活躍している久保 建英選手など海外の名門サッカースクールから実際に活躍するケースが出てきました。
そのなかで編集部が注目したのが、プレミアムリーグの名門リバプールFCのサッカースクールです。
▼The AcademyのU-18(18歳以下)のマネージャーにスティーブン・ジェラードが就任と報じるリバプールFCの公式インスタグラム。
スティーブン・ジェラード自身、リヴァプールFCのアカデミーからの生え抜き。
正式には、リバプールFCインターナショナルアカデミージャパンという名称で(以下、リバプールFCサッカースクール)リバプールFCが世界で戦略的に展開しているサッカースクールです。
今回、編集部では横浜インターナショナルスクールで開催されているリバプールFCサッカースクールの授業から人気の理由を記事にまとめました。
▼ユルゲン・クロップ監督からのメッセージでも「ライフスキルも育てる」ことが伝わってきます。
ピッチ内だけでなくピッチ外でも子供たちを成長させ、子供から大人へと人格形成を促す体験を通して教育し、今後の人生で必要とされるライフスキルを学べるという、他のスクールとは違うとてもユニークなプログラムを私たちは提供しています。
インターナショナルスクールのアフタースクールで人気に
リバプールFCサッカースクールは、イギリスの本部からニールコーチとエリスコーチが派遣されています。いずれもリバプールFCのメソッドを習得し、正式に認定されたコーチです。
生徒数が増えれば、さらにイギリス本部からコーチが派遣されてくるそうです。
ニールコーチもエリスコーチも、イギリスで生まれ育ったため、トレーニングは英語で行われます。
そのため英語でサッカーを指導してくれるためインターナショナルスクールでアフタースクールのひとつとして教えています。
今回、見学した横浜インターナショナルスクールは、日本で最初のインターナショナルスクールです。
横浜インターナショナルスクールは、国際バカロレア教育でも高い実績があります。
現在、東京都港区にある西町インターナショナルスクールでもアフタースクールとして開校しています。
また、平成29年9月には、さらにもう1校、都内にある他のインターナショナルスクールでも開校をする予定があります。
イギリスの本部から招聘されたニールコーチとエリスコーチ
インターナショナルスクールのアフタースクールでリバプールFCサッカースクールが人気なのか。
その理由のひとつとして、リバプールの本部から公認コーチが派遣されていることがあります。
インターナショナルスクールのアフタースクールとして、英語で指導でき、なおかつ指導法が確立してされ、公認コーチは本部で研修を受けています。
リバプールFCという人気のサッカースクールというだけではなく、アフタースクールとしてインターナショナルスクールの生徒が英語でリバプールFCのメソッドで楽しく学べます。
日本語で指導してくれるサッカースクールは、それぞれの地域にあります。
またセレクションを通るとJリーグの下部組織に入ることができ、プロへの道も開かれています。
しかし、インターナショナルスクールの生徒にとっては、日本語の壁があります。
そのため英語で教わりたい生徒にとって放課後のリバプールFCサッカースクールは、楽しみなプログラムとなっているようです。
ニール・マーフィーコーチは、リバプールFC、ブラックプールFC (イングランド)、元U-20 イングランド代表で活躍し、リバプールFCサッカースクールで指導しています。
写真は、イギリスのリバプールFCのアカデミーの前でニールコーチ
リバプールの指導法で学ぶ
名門チームのサッカースクールはありますが、リバプールFCサッカースクールの指導とはどのようなものでしょうか。
リバプールFCサッカースクールは、世界で展開しています。
▼リバプールFCインターナショナルアカデミーの公式Youtubeには、コウチーニョ選手などリバプールFCの選手がコーチする動画が公開されています。
リバプールFCサッカースクールのプレーヤー像があり、メンタル、フィジカル、戦術、テクニックから社会的な5分野から成長を促していきます。
リバプールFCサッカースクールの公式ホームページより「選手を成長させる5つ分野」
横浜インターナショナルスクールで開催されている授業から
実際にリバプールFCサッカースクールのレッスンとはどのような授業でしょうか。
今回、横浜インターナショナルスクールで開催されている授業を見せてもらいました。
リバプールFCサッカースクールは、身体の成長と安全面から対象となる年齢とクラス分けが細かく分かれています。
幼稚園年中・年長が対象のU-6から小学1・2年生を対象としたU-8、小学3・4年生を対象としたU-10、小学5・6年生を対象としたU-12までが開講されています
今回、見学したのは、小学3・4年生を対象としたU-10と小学5・6年生を対象としたU-12の授業です。
始まりの挨拶は、コーチと握手から。
英語・日本語のデュアル言語による指導
編集部が注目したのが、横浜インターナショナルスクールで開催されているクラスです。
今回の横浜インターナショナルスクールで開催されている教室では、英語を母語とする生徒と日本語を母語とする生徒がともに学ぶために英語・日本語のデュアル言語で指導が行われています。
デュアル言語の指導というと難しそうですが、生徒たちには実はおなじみの風景です。
サッカーの試合後のインタビューなどで監督が話す言葉を通訳が訳しながら話す光景とそっくりだからです。
練習も同じようにエリスコーチが英語で話し、同時にバイリンガルなコーチが日本語に訳しながら授業がおこなわれています。
そのため英語で説明され、すぐに日本語で聞き取ります。
実際に生徒たちの様子を見ているとデュアル言語ですが、慣れもあるようですが当たり前に聞き取っていました。
英語・日本語のデュアル言語で指導。
エリスコーチは、練習の意味、戦術や体の向きなど細かい部分まで説明します。
コーチの指示をその場で理解する英語力は、ネイティブの生徒が中心です。
日本語を母語とする生徒は、慣れている生徒は英語で全体の指示を理解し、細かい部分は日本語の訳で補っているようです。
理解度、即応力、そして、質問できる力
練習の時間になると生徒たちは練習着で集まり、コーチやクラスメイトと話をしながら、コーチの促す声でサークルを作ります。
挨拶から始まり、リバプールの動向やチャンピオンズリーグなど生徒たちの関心をサッカーに結び付けていきます。そして、今日の授業が何を目的としているのか、また、どのような時間配分で練習をするのかを確認します。
見学時は、インサイドフックでターンの仕方や横向きの動き、縦の動きなど体の使い方と空間、パスの勢いと感覚など基礎的な練習が前半に組まれていました。
後半は、ドリブル練習を中心に身体の重心の動きとフェイント、相手を抜いていく動きなどを学び、その後、ミニゲームをしました。
ミニゲームは実践的なもので、その日のトレーニングの内容をゲーム上で意識しながら、どのように実行するのかを理解していきます。
練習中、コーチからは、「ナイス」、「エクセレント!」という言葉とともに「ミスしていいからね」という声も。
練習は、なぜその動きが必要のかを含め説明される。
見学時に、何度も「ミスしていこう!」という言葉を聞きました。
そこの背景には「ミスしてうまくなる」とするリバプールFCサッカースクールの考え方があり、経験から合理的になぜミスしたのか?を考えさせる狙いがあるようです。
学びのポイント
実際に授業を観察しているとサッカースクールのなかに多くの学びのポイントが入っていることに気付きます。
それは、体の動き、個人のテクニック、戦術、ゲーム運び、そして、なぜこの動作が必要かを理解する力です。
また、デュアル言語で指導を受けながら、体を使い、すぐにレスポンスとして即応できる力。
さらに、練習内容などその場でわからないことを質問する質問力が育ちます。
わからないことをわからないと認識し、質問すること。
それは、日本語では、どうしても相手を敬いすぎて質問をためらうことがあります。
しかし、コーチがデュアル言語でコーチングすることで、そこに 「質問」する言語的な土壌が生まれます。
ピッチ上では自分のテクニックだけではなく、チームメイトと多様なコミュニケーションが瞬時に求められ、それを表現できること。
それが、今回、横浜インターナショナルスクールで開催されていたリバプールFCのデュアル言語の特徴といえます。
多様なチームメイトともに
小学生が中心のサッカースクールで、外国人コーチングがデュアル言語で指導し、さらにチームメイトが多様な生徒構成であることで、ピッチ上で必要とされるコミュニケーション能力がさらに必要とされます。
世界で最大のスポーツであるサッカーで、自分がプレーする時に多様なチームメイトとピッチ上でコミュニケーションし、プレーできること。
それは、ピッチの中だけではなく、普段の生活や他言語でコミュニケーションをする必要が出てくる時にも、ピッチで学んだコミュニケーション能力が活かされます。
日本人は、空気を読むサッカー?
練習の後半のミニゲームを見ていても気付くのが、外国人の生徒は、ドリブルでボールをキープする、シュートを打つ、など自分が選ぶサッカーを組み立てる傾向がありました。
それに対し、日本人はパスを優先し、状況を観察していると感じました。
観察している時間は、数秒にも満たない0.1秒前後ですが、日本語母語の生徒が「間」を読もうとする瞬間が見受けられました。
自分の位置、ポジショニングなど積極的にコミュニケーションしていく。
しかし、年齢が上がるにつれて、日本人の生徒も、外国人の生徒と同じく自分のサッカーを選ぶようになっています。
ピッチ上の空気を読む力と同じように自分が決断するサッカーがピッチ上で表現できる生徒は、自信があり、なおかつまわりのチームメイトを活かすサッカーをしていたのが印象的でした。
点を決めて喜ぶ生徒たち。
いろんな人とボールでひとつになる。ピッチではひとつに
英語と日本語のデュアル言語で授業を受けるリバプールFCサッカースクールの良さ。
さらに多様なクラスメイトとともにトレーニングすることで、プレースタイルや行動の仕方に違いがあります。
しかし、世界でもっとも競技人口が多いサッカーは、多くの人とともに共感できるスポーツです。
スポーツを通して、互いの文化の近い、コミュニケーションの違いをピッチ上で理解することで生徒のなかに多様なプレースタイルが原体験として積み重なります。
またデュアル言語により、英語でサッカーを指導されることが当たり前の風景として馴染んでいること。
授業を見学して気付くのは、コーチの指導の穏やかさです。
ともすれば怒号が飛び交うスポーツ指導のなかで、練習のスタート時から穏やかに始まり、「拍手」と「エクセレント」という言葉がピッチに響きます。
生徒を精神論で追い詰めて習得させるのではなく、自分らしくピッチ上でリバプールのサッカーメソッドを習得し、テクニックを磨く。
リバプールサッカースクールの良さは、サッカーが好きだからメソッドを習いたいという生徒の気持ちと寄り添います。
ハイタッチで練習が終了。
コーチの指導は、「ミスをしよう」という言葉に現れています。
ミスを恐れない、ミスをポジティブに評価する指導法は、生徒のメンタルに自己肯定力とチャレンジする力を育てます。
身体から覚える多様なコミュニケーション能力とポジティブな気持ち。
実はそのマインドセットが人気の理由のひとつかもしれません。
そして、それがリバプールFCサッカースクールの授業では、サッカーではなく世界共通の「フットボール」になる理由かもしれません。
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リバプールFCサッカースクール
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リバプールFCインターナショナル・アカデミーでは、リバプールFCのコーチングスタッフによる指導のもと、若い選手たちに新しいスキルやテクニックを向上させるための機会を世界中で提供しています。
クロップ監督もキッズ記者に照れ笑い。
横浜の元町の坂を登った先に横浜インターナショナルスクールがあります。
1924年に設立の横浜インターナショナルスクールは、港のみえる丘公園など山手にある。
オランダリーグのADOデン・ハーグ所属のハーフナー・マイクは、同校の卒業生。
■こちらも参考にしたいですね。
ハリー・ポッターの呪い?それでも英国のボーディングスクールが笑う理由
http://istimes.net/articles/951世界的ベストセラーの児童書といえば、J・K・ローリング著の「ハリー・ポッター」。ハリー・ポッターが通ったホグワーツ魔法魔術学校は、イギリスのボーディングスクールが舞台です。英国のボーディングスクールの展開も実は、ハリー・ポッター効果があったようです。
カナダの23代首相のジャスティン・トルドー。英語とフランス語が公用語のカナダで教師として教壇に立った後、政治の道に進みました。父ピエール・トルドーもカナダ首相を務め、「多文化主義」を進めました。カナダの教育の背景には、多文化理解を進める父ピエール理念が息子ジャスティンに教育として受け継がれています。
王子は、カナディアン・インターナショナルスクール卒?ロイヤル・ウェディングから考えるインター卒の進路
http://istimes.net/articles/943秋篠宮家の眞子さまの婚約相手がカナディアン・インターナショナルスクール卒業生として話題になっています。そこで、編集部ではインターナショナルスクール卒業生がどのような国内の大学に進学しているのか、をまとめました。皇室と国際教育。英語で学べる探究的な学びを提供する大学の姿が見えてきます。
【英国発】人気のインターナショナルスクール・オブ・ロンドンに潜入リポート!
http://istimes.net/articles/915ロンドンで国際バカロレアを採用しているインターナショナルスクール・オブ・ロンドン(ILS London)。世界から転勤してくる生徒に母語と大切に探究的に学ぶインターナショナルスクールとして同校を訪問し、魅力について伺いました。ロンドン在住のChika B記者が同校をご紹介します。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。