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インド人もびっくり?5年で生徒数が70%増のインドのインターナショナルスクールブーム

インド人もびっくり?5年で生徒数が70%増のインドのインターナショナルスクールブーム

インドでは、この5年間でインターナショナルスクールに通う生徒数が70%も増加しました。生徒数も15万人から26万人、校数も313校から469校と急増するインドは、まさにインターナショナルスクールブームです。イギリスのAレベルや国際バカロレアで学べるインターナショナルスクールが人気となっています。


生徒数が5年で70%増!

世界のインターナショナルスクール調査を行なっているISC Researchのレポートによるとインドのインターナショナスクールに通う生徒数はこの5年間で70%も増加しました。

今回の調査では、インドにある幼稚部から高等部( K-12)のインターナショナルスクール英語で学ぶインターナショナルスクールの生徒数は、5年で15万人から26万人に増えています。

校数も、5年で313校から469校と急増しています。

インドでインターナショナルスクールに通う生徒が増えた背景には、世界のトップ大学を目指す家庭が増えていることが挙げられます。

今後、さらなる経済成長が見込まれるため、インドのインターナショナルスクール生徒数はさらに増加すると予想されています。

新興国でインターナショナルスクールが急増

世界でインターナショナルスクールが急増しており、インドよりもインターナショナルスクールが増えている地域があります。

それが、中東です。

▼UAEのドバイにあるDubai American Academyの公式ホームページでは、国際バカロレアのDP試験の合格率と平均点を公表していました。

世界の平均合格率が70%のため、95%と高い合格率です。

中東と比較するとインドのインターナショナルスクールの生徒数、校数は、さらなる伸びが予想されます。

「インドの経済が、海外との貿易や投資をきっかけに自由市場にシフトしていったのはつい最近、1990年代前半のことです。」ISCは指摘します。

現在、インドの名目GDPは2.6兆ドル。年率約7%で成長しています。
(参考:日本の名目GDPは5.7兆ドル。年率1%前後で成長しています。)

インドは世界で最も経済成長が続いており、所得の上昇とともにインターナショナルスクールに通う生徒数と校数がさらに増えると予想されています。

理数系人材を多く輩出するインドには、世界的なIT企業が増えている。グローバルなIT企業のInfosysのホームページのスクリーンショット。

ISCリサーチのシニア・レポートライターであるScott Cherryはインドのインターナショナルスクール増加について次のようにコメントしています。

現在インドでは上昇志向の高い富裕層の家庭の間で、国際カリキュラムに対する需要が急増しています。

海外で大学志願するために必要なスキルとその後の人生のキャリアに有利と考えている家庭が多くなっているからです。

授業料にもインドの特徴が表れる。

インドのインターナショナルスクールの授業料は、大きく2つに分かれます。

ムンバイで最初のインターナショナルスクールのEcole Mondiale World School Mumbaiの公式ホームページのスクリーンショット

1.中間層向けの学費

1.中間層向けの学費(4,000ドル〜1,000ドル)
学年によっても授業料は違いますが、中流層が通わせているインドのインターナショナルスクールの授業料は、4,000ドル〜10,000ドルです。

この授業料を設定しているインターナショナルスクールでは、生徒の約75%が地元のインド人です。

2.富裕層向けの学費

2.富裕層向けの学費(10,000ドル以上)
学年によっても授業料は違いますが、富裕層が通わせているインターナショナルスクールの授業料は、10,000ドル以上。

富裕層のインターナショナルスクールほど、生徒が多様化し、現地のインド人が生徒構成に占める割合は、50%以下になっています。

富裕層が通うインターナショナルスクールの外国人生徒は、主にアメリカや韓国、イギリスなどからの海外駐在員の子弟です。

▼55カ国、700人の生徒が学ぶニューデリーにあるブリティッシュスクール・デリーの公式Instagram

この数年でインド人家庭の需要が増加

Winter’s International School Finderの国際教育部長のCarolyn Savage氏は、インドでの国際学校の需要が高まっていることに気が付いたと言います。

今年特に私達が気になったのは、インド国内からの大きな需要の増加です。より多くの地元の家族が、国内外のインターナショナルスクールの情報を求めて連絡してくるのです。

そしてこの国際教育に対するモチベーションの主な理由として”国際的に認識された資格”が挙げられます。その資格があれば、世界中の有名大学への道が開かれるからです。

さらに世界の有名大学に志願するためには、志願時に必要な試験にも注目が集まっています。

イギリスのAレベルや国際バカロレアのDPで学べるインターナショナルスクールは、特に選ばれています。

インドのインターナショナルスクールブームですが、生徒が5年で70%増加しましたが、受け入れには余裕があるようです。

富裕層向け、中間層向けのインターナショナルスクールともに20%前後は空きがあります。

現在、インドのインターナショナルスクールは、年率11%で生徒数が増えています。
そのため4年後には、多くのインターナショナルスクールが定員に達すると考えられています。

急増するスクール。一部にひずみも

急増するインドのインターナショナルスクールですが、教育の質を含め課題も指摘されています。

インドのインターナショナル協会の議長を務めるAnuradha Monga氏は次のようにコメントしています。

残念ながら、一部のスクールではインターナショナルスクールブームに乗じて、スクール名に『インターナショナルスクール』と付けるケースがあります。

人々の関心が、国際的で高額な教育へ移行した理由について、私たちはしっかり考えなければならないタイミングに来ています。

そして、スクール側も国際認定機関による審査を受け、学校の教育のあらゆる面において質と継続性を維持しなければいけないのです。

▼インドの高地にあるプネーにあるIndus International Schoolの公式Instagramより引用。

また、ベテラン教師の採用が課題となっています。

中間層向けのインターナショナルスクールは、学費が安いため、結果的に教師の給料も低く抑えられます。

給料が安いと結果的に優秀な人材の確保に悩まされることになります。

ISCの担当者は次のように述べます。

入学者数の増加とともに、教育の質を保証する必要がスクール側にあります。
質の高い教師を採用することはとても重要です。

インドはインターナショナルスクールの入学希望者が増加しており、それは授業料の増加につながります。

学校は授業料の増加とともに高い給料を教師に払うことで、高い教育水準を保つことができるのです。

しかし、中流層向けのインターナショナルスクールは、教師への待遇やインセンティブ、将来の人口統計の変動を掴みながら、柔軟に対応する必要があるでしょう。

いかがでしたか。
インターナショナルスクールは、世界で急成長している教育分野です。

なかでも人口12億のインドは、公用語のひとつに英語があり、英語で学べるインターナショナルスクールを受け入れる素地がありました。

日本でもインド系のインターナショナルスクールが人気ですが、理数系人材を輩出するインド式の学びに注目が集まっているからのようです。

今後も、インドのインターナショナルスクールがどのように成長していくのか、公教育が整備された日本は同じようにはいきませんが、何かヒントがありそうですね。

こちらも参考にしたいですね。

【やはり理数系に強い校舎】グローバル インディアン インターナショナルスクールの東葛西キャンパス

http://istimes.net/articles/1035

インド式算数などブームを巻き起こすインド式教育。世界7カ国、23キャンパスで約2万人の生徒が学ぶグローバル インディアン インターナショナルスクールは、生徒増に伴い第二キャンパスとして東京都江戸川区に東葛西キャンパスを開校しました。そこで、同校の新キャンパスを見学したところ、やはり理数系に強い校舎でした。

国際バカロレアのDPで学ぶ12のメリットとは? 

http://istimes.net/articles/1007

アメリカの教育者であるDr. Patricia Fiorielloは「国際バカロレアのDPで学ぶ12のメリット」として公開しています。そこで、国際バカロレアのDPを習得した著名人と照らし合わせてみました。政治家から王室、女優から宇宙飛行士と幅広く活躍しています。「国際バカロレアとは」と思った方は一読してくださいね。

見れば納得!バリ島にあるGreen schoolがグリーンすぎる件。

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【判明!5年以内に全国で12校の学校ができる】開校を楽しみにしておきたい12校

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2018年から2022年までに全国で次々に学校が開校します。編集部の調べでは12校。国際教育系の学校で12校あるため、全体を含めるとより多くの学校設立プロジェクトが進んでいると考えられます。少子化の時代に全国で新しい教育を模索し、学校を設立しようとする動きは、未来を切り拓くエネルギーといえるのではないでしょうか。

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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