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​ ウィリアム王子の母校イートン校がオンライン教育を開始。「イートンX」とは?

​ ウィリアム王子の母校イートン校がオンライン教育を開始。「イートンX」とは?

世界のトップボーディングスクールといえば、英国のイートン校が代表的だ。チャールズ皇太子、ウィリアム、ヘンリー王子ともにイートン校で学んだ英国の名門イートン校。実は、オンライン教育を開始した。それが「イートンX」。その知られざれるイートンXと英国のボーディングスクールについてまとめた。


名門イートン校

英国王室のチャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子の母校といえば、「イートン校(Eton College)」だ。

文武両道のイートン校。画像は、ホームページのスクリーンショット

英国には著名な名門ボーディングスクールとしてウェストミンスター校、ウィンチェスター校、イートン校、ハーロー校、ラグビー校、マーチャント・テイラーズ校、セントポールズ校、シュルーズベリー校、チャーターハウス校などがある。

1440年に創立されたイートン校は、英国王室との結びつきを含め、やはり特別だ。
ちなみにイートン校の年間授業料は、約38,000ポンド(約530万円)。

王室、貴族の求める教育が500年以上も続いてきたと言える。

ちなみに80年代、90年代と英国のボーディングスクールは、昔ながらの全寮制と寮費を含めた学費が高額ということもあり、人気が低下していた。

▼「ハリーポッターブーム」で英国のボーディングスクールが人気に!

ハリー・ポッターの呪い?それでも英国のボーディングスクールが笑う理由

http://istimes.net/articles/951

世界的ベストセラーの児童書といえば、J・K・ローリング著の「ハリー・ポッター」。ハリー・ポッターが通ったホグワーツ魔法魔術学校は、イギリスのボーディングスクールが舞台です。英国のボーディングスクールの展開も実は、ハリー・ポッター効果があったようです。

しかし、1997年以降の「ハリーポッターブーム」と2000年以降の「新興国」の発展とともに国際エリート教育の需要からボーディングスクールは再び人気になっている。

▼英国のボーディングスクール人気を再燃させた「ハリーポッター」。公式Instagramでは懐かしい光景が並ぶ。

海外に分校を作る英国のボーディングスクール

ハリーポッターブームと新興国の国際エリート教育の需要から、英国のボーディングスクールは積極的に世界に分校を開校していった。

イートン校で学んだウィリアム王子は、名門マルボロカレッジで学んだキャサリン妃と結ばれたが、キャサリン妃が学んだマルボロカレッジは、2012年にシンガポールに分校を創立している。

▼マルボロカレッジシンガポール校 公式Instagramより引用

500年以上の歴史と伝統。
英国のボーディングスクールのブランド力は、世界の新興国でさらに花開く。

ハーロー校は、バンコク校・香港校・北京校・上海校にインターナショナルスクールを開校している。
エプソムカレッジは、2014年にマレーシアにマレーシア校を開校。

その中でボーディングスクールの雄イートン校の動向に注目が集まった。

イートン校のグローバル戦略

注目が集まるイートン校のグローバル戦略は、予想しない形となった。
なぜならば、グローバル戦略とともにオンライン教育だったからだ。

イートン校は、海外に分校を作るのではなく、オンラインの「イートンX」としてグローバル戦略の一歩を踏み出した。 

▼オンライン教育として開始された「イートンX」

イートンXは、中国でサービスを開始したのも特徴だ。

▼中国で開始されたイートンX。公式ホームページも中国語と英語で説明されている。

イートンXのユニークな点は、オンラインを中国でというだけではない。

イートン校は、イートンX開始するのあたり「イートン オンライン ベンチャーズ」として子会社を設立しているのだ。

イートン校は、イートンXを一般向けではなく、中国の学校に課外授業として販売することから始めた。

▼イートン校の公式ホームページに掲載されているイートン オンライン ベンチャーズ。

イートン校が教育ベンチャーとして運営する。

イートンXでは、イートン校の生徒が学ぶ科目をオンライン化している。
一般家庭向けではないのが、残念だ。

イートンXのコースには、起業家プログラムなど「開発中」のコースなどが並ぶ。

イートンXは、オンラインでイートン公認の教師が指導にあたり、年に数回、直接、学校に訪れる仕組みだ。

英国のボーディングスクールが海外に分校を作る中で、グローバル戦略で「オンライン教育」という選択肢を選んだイートン校。

しかし、イートンXで取り組むオンライン教育などEdu Tech分野では、アメリカ系が早く動き出している。

英国、アメリカの動きの中で日本では、インターナショナルスクールをオンライン化した「オンライン・インターナショナルスクール」のGlobal Step Academyが英語で学ぶ英語、算数など提供を始めた。

▼世界初となるインターナショナルスクールのオンライン化は日本でサービスをスタート。日本発のオンライン教育として「英語で学べる」インターナショナルスクールだ。

EduTechで席巻するアメリカ

オンライン教育などEduTech分野では、英国よりもアメリカが先頭を走っている。
その代表が、2006年にサービスを開始したカーンアカデミーだ。
豊富な内容を無償で開始し、大きな話題となった。

▼カーンアカデミーの小学4年生向けの算数のレクチャー動画。無料で科目を学べる。

同時期の2006年には、スタンフォード大学もオンライン講座を提供し、その後、数年で一気にオンライン教育が広まった。

▼MITとハーバード大学、京都大学などが参加するエデックス(edX)。

大学の教養科目から専門科目を始め多くの科目が学べる。

海外に活路を見出す英国、Edu Techに活路を見出すアメリカ

英国のボーディングスクールは、新興国の発展に合わせ、海外に分校を作ることで活路を見出してた。

イートン校のように海外に分校を作らず、オンライン教育でグローバル戦略を進めるのは珍しいと言える。

その一方で、アメリカのボーディングスクールは、英国のボーディングスクールのように海外展開を積極的ではない。

その背景には、国土が広大なアメリカでは、オンラインを始めホームスクリングなどでEdu Techが発展したことが挙げられる。

その一方で、英国は、インド、中東、アフリカなど大英帝国時代の教育制度が残っている国が多い。

シンガポール、マレーシアなど英国のボーディングスクールが分校を開校している地域は、英国の教育制度が残っている。

旧植民地が新興国として経済発展するとともに現地で英国式教育のニーズが高まり、それが名門ボーディングスクールの分校誘致へと繋がった。

Edu Techで先行するアメリカ。
教育の歴史を世界展開で活用する英国のボーディングスクール。

名門イートン校のオンラインは、Edu Techで覇権を握るアメリカへ投じる一石となるのだろうか。

イートン500年の歴史に中国で開始された「イートンX」が刻まれるだろうか。

こちらも参考にしたいですね。

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この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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